- 更新日 : 2023年6月16日
ユニコーン企業の定義とは?日本国内には何社ある?
ユニコーン企業とは、設立してからわずかな期間で急成長したスタートアップ企業のことを指します。この記事ではユニコーン企業の定義や投資方法、そして日本や世界の代表的なユニコーン企業について解説しています。
ユニコーン企業とは
ユニコーン企業とは、企業評価額が10億ドル以上、かつ設立から10年以内の未上場のベンチャー企業を指します。ユニコーンとは「一角獣」ともいわれる架空の生物で、2013年にカウボーイ・ベンチャーズの創業者、アイリーン・リー氏が滅多にないことの比喩表現として使い始めました。
なお設立10年以内で、企業評価額100億ドル以上の企業を「デカコーン企業」、1,000億ドル以上の企業を「ヘクトコーン企業」といいます。
ユニコーン企業が生まれる要因
欧米にユニコーン起業が多いのは、起業で失敗するリスクに寛容な社会であること、そしてスタートアップでも優秀な人材を集めるための資金調達手段の選択肢が多いためと考えられます。
一方、日本は現状、若い世代は安定志向が強いことから、公務員や大企業を目指す傾向があり起業家の育成が進んでいません。その他ベンチャーキャピタルからの投資機会が少ないなど、ユニコーン企業を生み出す土壌が整っていない可能性があります。
ユニコーン企業の企業評価額上位100社のうちアメリカの企業は59社、中国13社、イギリス7社と続きますが、日本は1社も入っていません。
2023年4月7日時点でユニコーン企業は世界で1,206社ある中、日本企業は6社のみです。最上位で株式会社Preferred Networksの447位です。
【ユニコーン企業上位100社の国別内訳】
国名 | 企業数 |
---|---|
米国 | 59社 |
中国 | 13社 |
イギリス | 7社 |
インド | 5社 |
ドイツ | 3社 |
カナダ | 2社 |
スウェーデン | 2社 |
オーストラリア | 1社 |
香港 | 1社 |
インドネシア | 1社 |
エストニア | 1社 |
イスラエル | 1社 |
メキシコ | 1社 |
セーシェル共和国 | 1社 |
韓国 | 1社 |
トルコ | 1社 |
出典:The Complete List Of Unicorn Companies(CB-Insights)を参考に筆者作成
世界のユニコーン企業
世界のユニコーン企業上位10社とその概要を紹介します。
- 1位 ByteDance(中国)企業評価額2,250億ドル
動画共有サービスTikTokなどを運営するIT企業。 - 2位 SpaceX(アメリカ)企業評価額1,370億ドル
電気自動車大手テスラの創業者イーロン・マスク氏によって設立された航空宇宙メーカー。 - 3位 SHEIN(中国)企業評価額1,000億ドル
オンライン専門のファッションブランドサイトを展開している企業。2022年には日本初の店舗を原宿にオープンしています。 - 4位 Stripe(アメリカ)企業評価額500億ドル
クレジットカード決済や決済代行などオンラインで完結できる決済サービスを展開。 - 5位 Canva(オーストラリア)企業評価額400億ドル
オンラインで使える無料のグラフィックツール「Canva」を提供しているIT企業。 - 6位 Databricks(アメリカ)企業評価額380億ドル
クラウド上の統合分析プラットフォーム「Databricks」を提供しているソフトウェア開発会社。 - 7位 Revolut(イギリス)企業評価額330億ドル
送金や外貨両替、カード決済、支出管理がすべてできるアプリ「Revolut」を展開。 - 8位 Epic Games(アメリカ)企業評価額315億ドル
コンピューターゲーム、ソフトウェアの開発、および販売。代表作に「Fortnite(フォートナイト)」がある。 - 9位 Fanatics(アメリカ)企業評価額310億ドル
カジュアル、スポーツウェアを中心としたアパレル商品、グッズの製造や流通、オンラインECサイトを運営。 - 10位 Chime(アメリカ)企業評価額250億ドル
決済口座の開設や当座貸越サービスSpot Meを提供しているネオバンク。ネオバンクとは自らが銀行機能を持っておらず、既存の銀行と提携して金融サービスを提供する企業です。
日本国内のユニコーン企業
日本国内のユニコーン企業は6社あります。各企業の概要を紹介します。
- 株式会社Preferred Networks 企業評価額20億ドル
IoT分野への活用を中心に、ディープラーニングの研究と開発を行う企業。 - スマートニュース株式会社 企業評価額20億ドル
政治、経済、エンタメなどのニュースを提供する「SmartNews」を提供している。 - 株式会社SmartHR 企業評価額16億ドル
クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を開発、提供している企業。 - Spiber株式会社 企業評価額12億ドル
新世代バイオ開発企業、人工合成による構造タンパク質素材「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン™)」の量産化に世界で初めて成功した。 - Playco Japan株式会社 企業評価額10億ドル
アプリのダウンロードなしで世界中の誰とでもプレイできるインスタントプレイゲームのプロデュースおよび開発。 - OPN Holdings株式会社 企業評価額10億ドル
オンライン決済のワンストップソリューションをグローバルで提供。
ユニコーン企業に投資するには
ユニコーン企業は高い成長性を誇っているため、大きな値上がり益が期待できます。ただしユニコーン企業は個人投資家向けに株式を発行していることはあまりなく、一般的にベンチャーキャピタル(※)や海外投資家などから資金調達しています。近年ではクラウドファンディングを通じて、スタートアップに投資ができるサービスが増えています。
(※)ベンチャーキャピタルとは、未上場の段階から新興企業(ベンチャー企業)出資して株式を取得するとともにコンサルティングなども行い、将来的にベンチャー企業が上場したときに大きな売却益を狙う投資ファンドのことです。創業して間もないベンチャー企業は金融機関から融資を受けることが難しい傾向があります。その点、事業の将来性を評価して出資をしてくれるベンチャーキャピタルは、ユニコーン企業にとっても貴重な存在といえます。
投資先としてユニコーン企業も要注目
ユニコーン企業とは、企業評価額が10億ドル以上、かつ設立から10年以内の未上場のベンチャー企業を指します。日本はまだユニコーン企業が少なく、起業家が革新的な事業に挑戦しやすい環境整備が求められます。
一般的に個人投資家がユニコーン企業に投資できる機会はあまりありませんが、近年ではクラウドファンディングを通じてスタートアップに投資ができる機会が増えています。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
お金の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
PBRとPERはどちらが重要?違い、目安、計算式の解説
株式投資において、投資判断をする際に用いられる代表的な指標が「PBR」と「PER」です。PBRとPERにはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、PBRとPERの意味や目安、計算式や重要性について解説します。 PBRとは PBRは、…
詳しくみる子育て世帯に年収はいくら必要?人数別に解説
厚生労働省が発表した日本の子育て世帯の平均世帯所得(2022年調査)は、平均785万円で中央値は710万円となっています。子どもが成長するにつれ、どのぐらいの年収が必要なのでしょうか。この記事では、子どもの人数による生活費の変化や必要な教育…
詳しくみるCFD取引とは?おすすめの証券会社はどこ?
投資に慣れてくると「CFD取引」に興味を持つ人も出てくるでしょう。少ない資金で大きな利益を得られるCFD取引ですが、大きな損失を被る可能性もあるため、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、正しいやり方で行う必要があります。 今回は「…
詳しくみる今すぐできる節約方法16選!おすすめの家計簿アプリも紹介
日常生活で無駄な出費を減らし、貯蓄を増やしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。この記事では、家計簿から始まる基本的な節約方法から、スマートフォンのプラン見直しなどの具体的な行動まで、今すぐ実践できる節約術を紹介します。毎日の生活費…
詳しくみる【初心者向け】iDeCoおすすめ銘柄と証券会社とは?
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金制度とは別に設けられた私的年金の一つです。加入者は、拠出限度額の範囲内で拠出する金額を決め、自身で運用する商品を選択します。今回は、iDeCoでおすすめの銘柄やおすすめの証券会社を紹介していきま…
詳しくみるレバレッジ取引は危険?やり方をわかりやすく解説
暗号資産を始めるにあたって「レバレッジ取引」と呼ばれる取引手法を目にした方も多いのではないでしょうか。レバレッジ取引とは、口座に預け入れた証拠金を担保とし、預けた金額以上の取引を可能にする取引方法のことを指します。預け入れた金額をもとに大き…
詳しくみる