• 作成日 : 2024年5月24日

おすすめの資産運用は?初心者向けに目的、年代、金額別の選び方を解説

資産運用を始めるうえで基礎知識を身につけ、さまざまな投資商品の種類を知ることは重要です。本記事では、初心者が知っておきたい資産運用の知識やおすすめの投資商品、年代別・目的別の運用方法を解説します。これから資産運用を始めたいと思う方は、参考にしてください。

初心者が知っておきたい資産運用の基礎知識

初心者が資産運用を始めるうえで、知っておきたい内容は以下の通りです。

  • なぜ資産運用が注目されているのか
  • 資産運用を始める際に考えるべきこと
  • 初心者が知っておきたいNISAとiDeCo

それぞれ解説します。

なぜ資産運用が注目されているのか

先行きが不安になりがちな現代社会では、資産運用が以前にも増して注目を集めています。その理由の一つとして、長期間にわたる低金利が挙げられます。

日銀のマイナス金利解除により大手の銀行預金は金利が引き上げられたものの、0.02%程度の低い水準です。1,000万円預金して得られる利息は年間2,000円で、少し良いランチを食べたらなくなるほどの利息しかつきません。

そこで預金よりも効率的に資産を増やせる方法として資産運用が注目されているのです。資産運用は多くの方に関係する話題であり、老後資金や子どもの教育資金の確保など、将来に向けて資産を作る必要があります。

こうした背景から自分の資産を守り、増やすために資産運用への関心が高まっています。

資産運用を始める際に考えるべきこと

資産運用を始める前のポイントは投資目的を明確にすることです。例えば、老後の生活資金を準備するためなのか、子どもの教育資金を作るためなのか、目的によって資産運用方法は異なります。

次に、リスク許容度の自己評価です。今ある預金や月の消費支出などを考えて、月にどれだけの資金を投資に回せるかを考えます。また、高いリターンを期待できる投資はリスクも高くなるため、自分がどれだけのリスクを受け入れられるかも考慮する必要があります。

資産運用は長期戦であるという認識も重要です。短期間で大きな利益を求めると失敗のリスクが高まります。

初心者が知っておきたいNISAとiDeCo

日本には、個人が資産運用を行う際に利用できる優遇制度としてNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。

NISAは、最大1,800万円まで投資収益が非課税になる制度です。通常、投資で得られた配当や分配金などの利益には約20%の税金が課せられますが、NISAを活用すれば税金はかかりません。

iDeCoは将来受け取る年金を自分で作るための制度であり、NISAと同様に投資収益は非課税です。さらに、掛け金の全額が所得控除の対象となる節税メリットがあります。

NISA・iDeCoともに長期的な視点で資産運用を考えている方にとって魅力的な制度です。

資産運用におすすめの投資商品の種類

資産運用におすすめの投資商品を以下の表にまとめました。

種類安定性利益性特徴
預金
  • 元本保証
  • 預金口座があれば始められるため手軽
  • 低金利のため資産を効率的に増やすには不向き
外貨預金
  • 円預金よりも金利が高め
  • 為替相場の変動により利益や損失が発生する
投資信託
  • 運用会社が投資家から集めた資金を1つにまとめて運用する。
  • 複数の株式などに分散投資が可能
株式投資
  • 企業の株を購入して運用利益や株主優待などが受けられる
  • 株価が上がったときに売れば、売却利益を得られる
保険
  • 投資信託や株式に比べて運用成果は低い傾向だが、万一の保障がある
  • 終身保険や学資保険などの種類がある
不動産投資
  • マンションなどの不動産を購入および運営して、家賃収入や売却益を得る
  • 潤沢な投資資金と豊富な知識が必要
金・プラチナ
  • 実物資産
  • 相場の変動によって日々価値が変わる
  • 世界情勢が不安定なときに価格が上がりやすい側面がある
暗号資産
  • ビットコインを筆頭にさまざまな種類がある
  • 大きく利益を増やせる可能性がある反面、損失も大きくなる場合がある

以下にそれぞれの概要を解説します。

預金

最も基本的な資産運用方法の一つが銀行預金です。リスクは非常に低いため投資に慣れていない方でも始めやすいですが、期待できるリターンも低めです。安全性を最優先に考える方には適していますが、インフレ率を上回る収益を期待するのは難しいでしょう。

一方で、病気やけがで働けなくなったなど、万一のときに備える防衛の資金として預金を作っておく必要があります。

外貨預金

外貨預金は、アメリカドルやカナダドルなど外国通貨で預金を行い、為替の変動による利益を狙う方法です。金利は銀行や通貨によって異なりますが、アメリカドルは0.5%の金利となっています。(2024年4月10日時点)

円預金に比べ、外貨預金は高い利息を期待できる場合もありますが、為替リスクを伴います。国際情勢や通貨政策に敏感な方に適した投資商品と言えるでしょう。

投資信託

投資信託はファンドマネージャーが多種多様な資産に分散投資を行うことで、個人では難しい資産運用を可能にします。リスクを分散しつつ、長期的に運用したい方におすすめです。投資信託はNISAやiDeCoを利用できるため、税制優遇も受けられます。

株式投資

株式投資は企業の株を購入し、企業の成長や利益分配(配当)による収益を目指す方法です。高いリターンを期待できる一方で、市場の変動によるリスクも大きいため、市場分析に自信がある方に向いています。

新NISAの成長投資枠では株式投資も可能です。株式市場の動向や企業の将来性に投資したい方は、株式投資の商品を選んでみると良いでしょう。

債券投資

債券投資は政府や企業が資金調達のために発行する債券を購入して、一定期間後に元本と利息を受け取る方法です。比較的安定した収益が見込める点と、株式投資に比べて価格変動のリスクが低い点の2つが主な魅力として挙げられます。

債券には、国債・地方債・企業債などさまざまな種類があり、それぞれリスクとリターンが異なります。

保険

終身保険や学資保険などの一部の保険商品は、保障だけでなく運用商品としての側面もあります。投資信託や株式投資ほどのリターンは難しい場合もありますが、リスクを抑えつつ、ある程度の収益を期待できるため、安定志向の方に適しています。

生命保険料控除による税制優遇や死亡・高度障害などの保障があるのは保険商品ならではの魅力です。

不動産投資

不動産投資は、家賃収入や物件を売却する際の利益を得る方法です。安定した家賃収入を得られる可能性がある一方で、空き家リスクや管理費用・固定資産税の支払いなどの出費がある点も理解しておきましょう。物件の調査や取引の交渉など、不動産投資を学びながら努力できる方に向いています。

金・プラチナ

金やプラチナなどの貴金属を購入して価値の上昇を待つ投資方法です。戦争や感染症の拡大など、経済が不安定になっている際には、安全資産としての価値が高まる傾向にあります。株式のように保有しているだけで運用利益が得られる商品ではありませんが、ポートフォリオの一部として加えてみるのも良いでしょう。

暗号資産

暗号資産はビットコインに代表される投資商品で、以前は仮想通貨と呼ばれていました。高いリターンを期待できる一方で、価格の変動が激しく、リスクも非常に高い投資です。

新しい技術や暗号資産の市場に興味がある方に向いていますが、不安定な要素が多いと言われているので、リスクを許容できる範囲を見極めて行いましょう。

目的別におすすめの資産運用方法は?

資産運用を始める際は目的を明確にすることが大事です。以下に目的別の資産運用方法を紹介します。

わかりやすい商品に投資したい

投資初心者やシンプルな運用を好む方には、投資信託がおすすめです。特に日経平均株価やアメリカのS&P500のような株価指数に連動した運用を目指すインデックスファンドに投資するのが良いでしょう。

インデックスファンドは一般的に手数料が他の運用よりも安い傾向であり、市場全体の動きに連動するため、複雑な選択や分析が不要です。株式のチャート画面を何度もチェックする必要がなく、世界の株式全般、アメリカ株全般など地域やテーマに合わせて投資先を選べます。NISAのつみたて投資枠を利用して投資信託を購入すれば、税制優遇も受けながら運用可能です。

老後の資金にしたい

老後の資金準備を目的とする場合、安定性と長期的な成長を重視した運用が必要です。定期預金や債券、インデックスファンドの投資信託などが適しています。

老後資金の形成を重視するなら、iDeCoの利用を検討しましょう。iDeCoの商品には定期預金や株式、債券などをラインナップした投資信託を選択でき、掛け金は全額所得控除の対象です。

また、iDeCoで貯めた資金は60歳まで引き出せないため、長期投資に適しています。

大きな利益を狙いたい

大きな利益を狙う場合、相応のリスクを受け入れる必要があります。株式投資や不動産投資、一部のハイリスク・ハイリターンな投資信託が該当します。

また、近年注目されている暗号資産に投資することも一つの選択肢ですが、市場の変動が激しいため、十分な知識とリスク管理が重要です。

リスクの許容範囲は人によって異なり、投資で損失が出ても生活に支障がないほどの預金を確保できている必要があります。

利益が少なくても良いのでリスクが低い商品が良い

利益が少なくてもリスクを最小限に抑え、確実に資産を守りたい場合は、債券や定期預金などが適しています。これらの商品は、市場の大きな変動から資産を守りやすいですが利益率は低いです。

元本割れを絶対にしたくない方は、預金で資産を作るのが無難です。一方、資産が増える楽しみを感じたい方はリスクの低い投資信託なども視野に入れると良いでしょう。

趣味として勉強したいので複雑な商品でも良い

投資を趣味として楽しみたい、または高度な知識を身につけたい方には、オプション取引先物取引、FXなど市場動向を読む必要のある投資先を選ぶのが良いでしょう。

学習と分析を要する商品は勉強のために投資をするほどの余裕がある方に向いています。高リスクを伴う場合がありますが、市場分析や戦略立案の面白さを味わえるでしょう。ただし、実際に投資する前に、十分な知識の習得とリスク管理が必要です。

ライフステージ別におすすめの資産運用方法は?

長い人生の中で年代によって資産運用の目標やリスク許容度は大きく変わるため、最適な資産運用方法も異なります。ここでは、ライフステージ別におすすめの資産運用方法を紹介します。

10代

10代の多くは学生であり、親からの援助で生活することの多いライフステージです。投資に回せる資金は社会人よりも少ないケースが多いため、少額から始められる投資信託が良いでしょう。

18歳から口座開設できるNISAの活用もおすすめです。長期的に資産を増やすには、若いうちから投資を始め、学習と経験を積みながら続けていくと良いでしょう。

20~30代

20~30代はキャリアを構築し、収入が増加し始めるライフステージです。リスクを取りながらも、長期的な成長を目指す投資が適しています。株式投資や投資信託のほか、自己啓発や資格取得に投資して、将来の収入増加につなげることも重要です。

また、老後資金の準備を考え始める良い時期であり、iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入を検討しましょう。

一方で、結婚・出産など家族構成が変化しやすい時期のため、柔軟な対応も必要です。例えば、子どもにかかる出費が増えたら、家計とのバランスを見ながら、投資額を少なくするなどの対応策が考えられます。

40~50代

40~50代はキャリアが充実し、収入が増えるライフステージです。徐々に老後が見えてくる時期のため、資産を増やすとともに守る意識も持ち始めると良いでしょう。

具体的には定期預金や国債、低リスクの投資信託など、安定した収益を見込める商品への分散投資が適しています。

人によっては子育てがひと段落する時期でもあり、自分自身の老後に重点をおいた投資スタイルに切り替える視点も重要です。

60代以降

60代は退職して収入が減る時期に入るので、それまで作った資産を守る意識が重要です。株式や投資信託で作った資産の一部を元本保証の定期預金やリスクの低い債券に切り替えるなどの対応をすると良いでしょう。

さらに、株式と債券を組み合わせたバランス型の投資信託を選択すれば、リスクとリターンを調整しながらポートフォリオを充実させられます。

まとまった資金を手にすると守りの意識が緩む場合がありますが、退職金の多くをリスクの高いアクティブファンドに投資するといった行動は避けましょう。

投資したい金額別におすすめの資産運用方法は?

資産運用は投資資金の金額によって選択できる投資商品や戦略が変わります。ここでは、投資したい金額別に適した資産運用方法を紹介します。

元手が10万円未満

投資資金が10万円未満の場合、少額から始められる投資方法として、ロボアドバイザーを利用した自動運用サービスや株式の少額投資がおすすめです。

ロボアドバイザーとは証券会社などが行っており、AIを利用して投資商品の提案や運用の助言をするサービスです。

NISAを活用すれば、毎月きまった額を積立投資でき、少額から投資を始められます。

仮に10万円を1年間分割して積立投資する場合、月々の投資額は約8,300円です。年率5%で運用できた場合、1年後には2,300円ほどの運用利益が得られます。少額からでもコツコツと長く続ければ、資産を増やすことが可能です。

元手が10万円~99万円

投資資金が多くなれば投資先の幅も広がります。複数の投資先に割合を変えて投資することも可能です。例えば、元手が50万円の場合、25万円ずつ投資先を分けるのも方法の一つです。25万円は資産を守るための債券に、残りの25万円は増やすための投資信託や株式投資に回すのも良いでしょう。

具体的には、NISAを活用して投資信託を購入したり、高配当株を購入したりするのが適しています。リスクを取る余裕がある方なら、外貨預金を利用して、為替の変動を利益につなげる試みも一考の価値があると言えるでしょう。

元手が100万円~999万円

投資資金が100万円を超えると投資信託の積立額を増やす、個別株式やREITへ投資するなど視野を広げられます。

仮に500万円を投資に回すとして、投資信託やREITで運用するとしましょう。毎月4万円を10年間積み立てて年率5%で運用できた場合、元本480万円で運用利益は約140万円となり元本と利益を合わせた総額は約620万円です。

複数の商品に分散投資すれば充実したポートフォリオを構築できます。iDeCoやNISAを最大限に活用し、税制メリットを享受しながら資産を増やしていくことも重要です。

元手が1000万円以上

1,000万円以上の投資資金を持っている場合、より幅広い資産運用戦略を立てられます。一方で1,000万円をどのように振り分けて投資するかは、それぞれの理想とする投資スタイルによって異なります。

大事に資産を守っていきたい場合は、債券やインデックス型の投資信託が適しており、リスクをとっても大きなリターンを期待したい場合は、不動産投資や個別株式への投資を考えても良いでしょう。

将来に向けておすすめの資産運用方法を活用しよう

本記事では資産運用の基礎知識やおすすめの投資商品、目的やライフステージ別の資産運用の方法を解説しました。

資産運用は将来の安定と夢を実現するための重要なステップです。始める前には投資目的とリスク許容度を明確にして、小額投資からのスタートが推奨されます。NISAやiDeCoなどの税制優遇措置を活用し、着実に資産を増やしていくことが大切です。

資産運用は長期的な視点で、時間をかけてリスク管理と学習を続けながら実践すると良いでしょう。本記事を参考に自分に合った運用方法を選択し、豊かな未来への一歩を踏み出してください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事