- 更新日 : 2023年10月13日
FXスプレッド比較!会社の選び方やおすすめを解説
スプレッドとは通貨ペアごとの売値と買値の差であり、銭やpips(ピップス)で表されます。この記事ではスプレッドの種類や計算方法、手数料との違いを解説します。各社のスプレッドの比較や選び方、おすすめのFX会社も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
FXのスプレッドとは
スプレッドとは、通貨ペアごとに設定される売値と買値の差です。モノを売りたい人と買いたい人の間には価格差が生じるのが普通であり、通貨の売り買いをするFXも例外ではありません。
スプレッドはFX会社や取引する通貨ペアによって異なります。FXにおける実質的なコストがスプレッドであるため、なるべくスプレッドの開きが小さい方が利用者にとってお得です。
以下に、スプレッドへの理解を深めるため、計算方法や手数料との違いについて解説します。
スプレッドの計算方法
スプレッドの計算は単純なかけ算で可能であり、以下の式が成り立ちます。
例として、DMM FXのスプレッドをもとに1万通貨を取引した場合を、以下の表にまとめました。
通貨ペア | スプレッド | 取引数量 | 計算式 | スプレッドコスト |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | 0.2銭 | 1万通貨 | 0.2×10,000 | 2,000銭(20円) |
ユーロ/円 | 0.5銭 | 1万通貨 | 0.5×10,000 | 5,000銭(50円) |
ポンド/円 | 0.9銭 | 1万通貨 | 0.9×10,000 | 9,000銭(90円) |
上記のように米ドル/円の場合、1万通貨の売買1回で20円のコストが発生します。「数十円くらい大したことはない」と思うかもしれませんが、売買の回数が増えれば、負担が大きくなります。
スプレッドが狭いほど、お得に取引できるため、FX会社を選ぶときの判断基準になるでしょう。
手数料との違い
スプレッドは売値と買値の価格差に対して発生するコストですが、手数料はFX会社の事務手続きや入金などに対して発生するものです。
FXで発生する、主な手数料は、以下の通りです。
- 入金手数料:口座への入金時に発生
- 出金手数料:口座からの出金時に発生
- 取引手数料:注文時に発生
- ロスカット手数料:ロスカット執行時に発生
- レバレッジ手数料:レバレッジを適用時に発生
- 外貨現金化手数料:外貨を現金受取時に発生
このようにさまざまな手数料がありますが、国内FX会社の多くが上記のような手数料を無料としています。
国内のFX会社はスプレッドによる収益で運営されているのが一般的であり、手数料を無料にしてユーザーが利用しやすくしているのです。
銭とpipsの違い
スプレッドの単位表記に特定のルールはありませんが、主に銭とpipsが使用されます。銭とpipsは通貨ペアによって、以下のように使い分けをしています。
- 銭:外貨×日本円の通貨ペア
- pips:外貨×外貨の通貨ペア
銭で表すのは通貨ペアの片方が日本円の場合です。しかし、通貨ペアには「米ドル/ユーロ」「ユーロ/ポンド」のように外貨×外貨の組み合わせもあります。
銭という単位は日本円に限定したものであり、外貨×外貨の場合はpipsを使用します。
スプレッドの種類
スプレッドには固定型と変動型2つの種類があります。FX会社によって導入するスプレッドの種類が異なるため、それぞれの違いを理解しておきましょう。
固定型
固定型は文字通りスプレッドの幅が一定のタイプです。FX会社の多くが固定型を導入しており、ユーザーの利便性を優先した設定ですが、固定型といっても常に同じ数値ではなく、原則固定と表現されます。
「原則」の言葉からもわかるように、基本的に固定型スプレッドを導入していますが、時間帯や時期によってスプレッド幅が広がる可能性があります。
例えば、主要国の祝日や取引時間の終了前後、経済状況の発表などなどはスプレッドが拡大しやすくなります。
変動型
固定型の場合はスプレッドが一定に保たれているのに対して、変動型はレートに応じてスプレッドが変化します。
インターバンク市場(金融機関同士が取引する市場)での為替取引では、常に最も良い条件が売値・買値別に示されるため、売値と買値の差であるスプレッドも変動するのが通常です。
以前は変動型が一般的でしたが、現在では固定型スプレッドを導入するFX会社が増えています。FX会社がユーザーの利便性を考慮した結果、変動型よりも固定型を導入する会社が増加したのです。
各社のスプレッドの比較
FX会社の多くは固定型スプレッドを導入しており、通貨ペアごとに設定しています。
10社のスプレッドを一覧表にしましたので、ご覧ください。
米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 | 豪ドル/円 | NZドル/円 | |
---|---|---|---|---|---|
SBI FXトレード | 0.18銭 | 0.48銭 | 0.88銭 | 0.58銭 | 1.18銭 |
DMM FX | 0.2銭 | 0.5銭 | 0.9銭 | 0.6銭 | 0.7銭 |
外為どっとコム | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.7銭 |
LINE FX | 0.2銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 0.5銭 | 1.2銭 |
GMO外貨 | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.8銭 | 0.5銭 | 0.7銭 |
GMOクリック証券 | 0.2銭 | 0.5銭 | 0.9銭 | 0.6銭 | 0.7銭 |
LIGHT FX | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.6銭 | 0.7銭 |
(2023年9月14日時点)
会社ごとにスプレッドに差があり、適用される時間帯も異なります。詳しくは、各社の公式ホームページをご確認ください。
FX会社の選び方
FX取引が可能な会社は国内だけで50社以上あるため、どこを選べば良いのか迷う方は多いことでしょう。そのようなときはスプレッドに着目してFX会社を選ぶのもポイントです。
ここでは、スプレッドに関連したFX会社の選び方として3つ紹介します。
スプレッドの狭さ
FX会社を選ぶうえでスプレッドの狭さはポイントの一つです。前出の表で示したように、スプレッドはFX会社ごとに異なります。スプレッドが狭いFX会社を選べば、毎回の取引で発生するコストを抑えられます。
例えば、固定型スプレッドで毎日10回1万通貨を取引する場合で考えてみましょう。以下の表をご覧ください。
スプレッド | 1日 | 100日 | 300日 | 365日(1年) |
---|---|---|---|---|
0.2銭 | 200円 | 20,000円 | 60,000円 | 73,000円 |
0.5銭 | 500円 | 50,000円 | 150,000円 | 182,500円 |
1日の差は数百円ですが、年間ではコストが大きくなります。そのため、可能な限りスプレッドの狭いFX会社を選ぶことが大事です。
原則固定の時間帯
固定スプレッドを導入するFX会社の多くは「原則固定」の時間を設けています。ただし、原則固定の時間帯は各社で異なります。
原則固定の時間の長さや、自分が取引する時間が原則固定の時間に含まれているのか確認しておくとよいでしょう。
取引したい通貨ペアのスプレッドを比較する
FX会社を選ぶときには、取引したい通貨ペアのスプレッドに注目してみましょう。
多くの会社で米ドル/円が最も狭いスプレッドに設定されていますが、それ以外の通貨ペアでは各社の差が大きくなるものがあります。
例えば、NZドル/円の場合、最小がマネーパートナーズの0.6銭、最大がLINE FXの1.2銭であり、両者の差が大きくなります。同じ取引をしてもLINE FXではコストが2倍になってしまうのです。
自分が取引したい通貨ペアのスプレッドを比較することもFX会社選びのポイントです。
おすすめのFX会社
スプレッドについて知識が深まったところで、おすすめのFX会社を3つ紹介します。スプレッドの幅や口座数などを考慮して、自分に合ったFX会社を選びましょう。
DMM FX
DMM FXは口座開設数が90万口座を超え、多くの人に支持されています。スプレッドの狭さとスワップポイントの高さが魅力のFX会社です。
デイトレードや長期狙いの手法まで、幅広い取引が可能となっています。デモ口座で本番さながらにトレード体験ができるため、初心者でも始めやすいでしょう。
概要は、以下の通りです。
口座開設数 | 900,000口座(2022年6月末時点)※ |
---|---|
スプレッド(米ドル/円) | 0.2銭 |
スワップポイント(米ドル/円) |
|
通貨ペア数 | 21 |
取引手数料 | 無料 |
最低取引単位 | 1万通貨 |
公式サイトURL | https://fx.dmm.com/ |
※口座開設数はDMM FXと外為ジャパンFXを合算した口座数
SBI FXトレード
SBI FXトレードは業界最狭水準のスプレッドにくわえ、1通貨単位から取引可能な点が魅力です。他社は1,000〜1万通貨から取引可能な場合が多いですが、SBI FXトレードは1通貨からの少額取引ができるため、これからFXを始めたい方に向いています。
概要は、以下の通りです。
口座開設数 | 300,000口座(2020年9月末時点) |
---|---|
スプレッド(米ドル/円) | 0.18銭 |
スワップポイント(米ドル/円) |
|
通貨ペア数 | 34 |
取引手数料 | 無料 |
最低取引単位 | 1通貨 |
公式サイトURL | https://www.SBI FXt.co.jp/ |
みんなのFX
みんなのFXは、米ドル/円、ユーロ/円などのトレーダーに人気の通貨ペアにおけるスプレッドが業界最狭水準となっており、多くの方に選ばれています。
スプレッドだけでなく、約定率99.9%も魅力です。約定率とは利用者が出した注文が意図通りに成立する確率のことです。約定率が低い場合、取引が成立するまでに価格レートが変わってしまうことがあります。
思い通りのタイミングで取引できるみんなのFXは、チェックしておきたい会社の一つといえるでしょう。
概要は、以下をご覧ください。
口座数 | 516,989口座(2023年7月末時点) |
---|---|
スプレッド(米ドル/円) | 0.2銭 |
スワップポイント(米ドル/円) |
|
通貨ペア数 | 34 |
取引手数料 | 無料 |
最低取引単位 | 1,000通貨 |
公式サイトURL | https://min-fx.jp/ |
スプレッドを比較してFXトレードを始めてみよう
本記事では、スプレッドの概要や種類、FX会社ごとの比較、おすすめのFX会社を紹介しました。スプレッドはFXの実質的なコストであるため、できるだけスプレッド幅の狭いFX会社や通貨ペアを選ぶことが大事です。
わずかなスプレッドの差が取引の回数を重ねると大きな負担になることもあるため、会社ごとの違いを確認しておきましょう。今回紹介した内容を参考にFX会社を選び、FXを始めてみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
お金の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
住信SBIネット銀行の特徴やメリット・デメリットとは?
ネット銀行で口座を開設しようと考えている方は、住信SBIネット銀行について知りたいのではないでしょうか。住信SBIネット銀行は先進的なIT技術を活用しており、利用者が使いやすいサービスやアプリを多く提供しています。 本記事では、住信SBIネ…
詳しくみる投資信託の仕組みとは?種類やおすすめの証券会社を解説
お金を運用する方法には、株式投資や債券投資など、さまざまなものがあります。その中でも、初心者でも始めやすいといわれる運用方法が投資信託です。「投資信託」といっても、国内で取り扱っている投資信託は6,000本近くあり、その種類も多岐にわたりま…
詳しくみるVDEとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説
米国の株式やETF(上場投資信託)で大きな利益が狙えそうな銘柄といえば「IT関連」「情報通信関連」という印象があります。では、他の業種の株式・ETFはどうなのでしょうか。今回はIT・情報通信株が組み入れられていない「VDE」という米国ETF…
詳しくみる株やFXのスキャルピング手法とは?勝つコツやおすすめの口座
株やFXのトレードの手法の一つとして、スキャルピングがあります。しかし、スキャルピングがどのような特徴を持つトレードの手法なのかよく知らないというケースもあるでしょう。本記事では、スキャルピングのメリットやデメリット、スキャルピングで勝ちを…
詳しくみる株価が決まる仕組みや動く要因は?時価総額とは?
株を購入する際、どの基準で銘柄を選べばよいのかわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。株価はもちろん、企業価値を判断する指標の一つである時価総額についても理解する必要があります。そこで、今回の記事では株の概要や株価が決まる仕組みや、時…
詳しくみる株の寄り付きとは?寄り前注文の注意点は?
株式投資における「寄り付き(よりつき)」とは、証券取引所の開場後、最初の取引が成立して値段がつくこと、およびその値段を指します。とはいえ、寄り付きについて何となく理解しているものの、寄り付き後の値動きや寄り付かない原因について、いまひとつわ…
詳しくみる