- 更新日 : 2023年7月14日
SBIラップとは?メリットや注意点、他ロボアドとの比較
SBI証券が提供するロボアドバイザーの「SBIラップ」に興味を持つ方が増えています。
この記事ではSBIラップの特徴や、メリットおよびデメリットを解説するとともに、利用の際の始め方についても紹介します。
また、ほかのロボアドバイザーとの比較も紹介していますので、SBI証券に口座があり、SBIラップの利用を考えている方や、ロボアドバイザーの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
SBIラップとは?
SBIラップの特徴と基本情報は、次の通りです。
SBIラップの特徴
SBIラップとは、投資運用業者の株式会社FOLIO(フォリオ)と投資判断や売買など資産運用に関する権限を一任する「投資一任契約」を締結し、SBIラップ口座を開設することで、証券口座内の資金を活用し、全て「おまかせ」で資産運用を行えるサービスです。
運用をしてみたいけれど、初心者でどのようにしていけばいいのかわからないという人に向いています。
また、SBIラップはAIを活用することで、「正確な将来予測」、「冷静な投資判断」、「予測モデルの継続的な改善」を目指しています。AIが相場に合わせて自動でリスクを調整することや、AIが学習して進化し続ける点などが特徴です。
SBIラップの基本情報
SBIラップの基本情報は以下の通りです。
運営会社 | 株式会社FOLIO(フォリオ) |
---|---|
投資対象 | 8種類(米国株、先進国株、新興国株、米国債、ハイイールド債、新興国債、不動産、金) |
手数料(年率/税込) | 運用資産額(現金部分を除く)に対して0.660% |
信託報酬(年率/税込) | 0.218%~0.393% |
最低投資金額 | 1万円 |
最低積立金額 | 1万円以上(1,000円単位) |
リバランス | 原則月1回、相場急変時にも臨時でリバランスを行う |
NISA対応 | 非対応 |
公式URL | https://go.sbisec.co.jp/prd/swrap/swrap_top.html |
SBIラップのメリットや強み
SBIラップの主なメリットや強みは、以下の4つです。
毎月リバランスを行ってくれる
SBIラップのメリットは、AIが毎月1回リバランスを行ってくれることです。
一般的に運用を行う際には、選択した銘柄の価格変動や市場の変化によって自分が目標としているリターンに即した資産配分とのズレが発生します。そのため、目標としているリターンに近付けるよう、資産配分の見直しが必要です。具体的には保有している銘柄を売却して新しい銘柄を購入したり、全体に占める特定の銘柄の保有割合を増減させたりする方法をとります。
しかし、運用初心者では、実際にどのタイミングで売却すればいいのか、また購入するどれを選んだらいいのかがわかりません。SBIラップでは自動的に毎月リバランスを行い、さらに相場急変時には臨時にリバランスを行うことで、常に自分の目標や目的に合った資産配分を維持できます。
最低積立金額が1万円と少額に設定されている
また、最低投資金額が1万円となっている点も魅力の一つです。ロボアドバイザーの中には最低投資金額を5万円以上に設定しているところもある中で、1万円という少額から始められる点は大きなメリットでしょう。
ポイントプログラムが用意されている
SBIラップでは、月間の平均運用資産額に応じてポイントが貯まる「SBIラップマイレージ」が用意されています。ポイント付与率は、平均運用資産額が1,000万円未満の場合は年率0.1%、1,000万円以上の場合は年率0.2%です。
平均運用資産額が1,000万円あれば、実質的な運用コストが年間0.2%軽減されることになります。
分散投資先が8種類用意されている
選べる銘柄の種類が多いほど、リスクコントロールがしやすくなります。さらに、先進国や新興国のほか、実物資産である金にも投資できる点が特徴です。あわせて適切なリバランスを行うことで、目標とするリターンに近付ける可能性が高くなります。
SBIラップのデメリットや注意点
SBIラップにはメリットや強みだけでなく、知っておくべきデメリットや注意点もあります。
運用商品が投資信託のため、信託報酬が発生する。
SBIラップで選択できる運用商品は全て投資信託です。そのため、SBIラップの利用手数料以外に、信託報酬が発生する点に注意が必要です。とはいえ、実質的な信託報酬の合計額(平均値)は年率0.295%となっており、低めの設定であることから、そこまで気にする必要はないでしょう。
NISA口座に対応していない
せっかく運用するなら非課税口座を利用して運用したいと思うのは自然のことです。しかし、SBIラップはNISA口座に対応していません。ロボアドバイザーの中にはNISAに対応しているものもあるため、NISA口座に対応していない点は大きなデメリットと言わざるをえません。
元本割れの可能性がある
いくらAIを活用したロボアドバイザーを利用して専門的な運用を行ったとしても、市場の動きによっては相場が大きく下がり、元本割れを引き起こす可能性は否定できません。これは運用を行う上で必ず理解しておかなければならないリスクです。
自分で運用を行った場合の損失と、SBIラップを利用した場合の損失を比較すると、場合によっては自分で行った方が少ない損失だったという結果になる可能性もあります。運用には必ずリスク(不確実性)がありますので、SBIラップを利用したからといって絶対に利益が得られるわけではないことをしっかりと理解しておく必要があります。
SBIラップの始め方
SBIラップを始めるには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
STEP1:SBI証券口座の開設
STEP2:SBIラップの申込み、契約手続き
STEP3:契約締結後、注文および購入
STEP1:SBI証券口座の開設(すでにSBI証券口座を開設している人はSTEP2に進んでください)
証券口座開設の申込み(手続きは全てインターネットで行えます)
- メールアドレスを入力し、送られてきた認証コードを入力します。
- 住所などの情報を入力します。
- 各種規約を確認し、口座方法を選択します。
- 口座開設申込みが完了し、ユーザーネームとログインパスワードが発行されますので、保存します。
本人確認書類の提出
- 口座開設完了時のユーザーネームとログインパスワードでログインし、「本人確認書類の提出」から手続きが可能です。
- 提出書類および提出方法を選択し、提出します。本人確認書類は、マイナンバーカードもしくは、通知カードと運転免許証です。
スマートフォンで撮影し、その場で提出可能な場合は取引開始までが最短翌営業日となります。
- 口座開設完了通知の受け取り(「メールで受け取る」を選択すると、登録したメールアドレスに送られてくるので、アクセス後、任意の取引パスワードを設定する。
初期設定(取引開始までに行います)
- 口座開設の申込み完了時に発行されたユーザーネームとログインパスワードでログインします。
- 「初期設定する」から手続きを行う(画面にしたがって入力する)
- デバイス認証を行う
STEP2:SBIラップの申込みおよび契約手続きを行う
- SBIラップ申込み画面を開く
- 各種規約を確認する
- 契約締結前交付書面を確認する
- 「同意して申込む」ボタンをクリックすると申込みが完了する
STEP3:契約締結後購入手続きに進む
- 「ラップサマリー」の画面右上のメニューボタンからメニューを開き、購入ボタンから購入画面に移動する
- 購入したい金額を入力し、確認ボタンから次の画面に移動する
- 注文内容を確認し、取引パスワードを入力する(購入完了)
他ロボアドバイザーとの比較
SBIラップと他のロボアドバイザーのサービス内容について、比較してみました。
ROBO PROとの比較
ROBO PROとは、株式会社FORIOが運営する投資一任型のロボアドバイザーです。AI運用に特化しており、固定された資産配分で運用するのではなく、AIが予測した将来の相場に基づいて毎月1回資産配分の見直しが行われます。常時40種類以上の先行指標をモニタリングすることで、将来の相場を予測するAIだからこそできる方法で運用を行うスタイルが特徴です。
ROBO PROとSBIラップの大きな違いは手数料です。SBIラップが0.66%であるのに対し、ROBO PROは1.1%(預かり資産3,000万円超の部分は0.55%)と高めの設定になっています。
また、投資対象にも違いが見られます。SBIラップは投資信託とETFに投資するのに対し、ROBO PROはETFのみに投資を行います。
また、最低投資額が10万円であることや、ポイントプログラムが用意されていないという点がSBIラップと異なっています。
WealthNaviとは、ウェルスナビ株式会社が運営会社となって行っている投資一任型のロボアドバイザーです。2023年3月31日時点の利用者は36万人、預かり資産は2023年6月時点で8,500億円を超えるなど、多くの人に選ばれています。
WealthNaviの投資対象はETFで、世界50カ国(12,000銘柄)に投資が可能です。最低投資金額はWealthNaviの利用サービスによって異なっており、1万円、10万円、30万円の3つに分けられています。また、NISA口座が利用できる点も人気の理由の一つと言えそうです。
手数料はROBO PROと同程度で、SBIラップよりも高く設定されています。
THEOとの比較
THEO(テオ)は株式会社お金のデザインが運営する投資一任型のロボアドバイザーです。利用者のリスク許容度に応じた運用方針に沿った運用を行っており、投資対象も30種類以上のETFで構成されており、世界約70カ国(20,000銘柄)への分散投資が可能です。
資産配分のリバランスは毎月行うほか、投資対象のETFの見直しを3カ月ごとに行うリアロケーションや、年に1回市場の変化に合わせて配分の見直しを行うリクリエーションや、年齢に合わせて投資配分を更新するリプロファイリングを行っています。
手数料はROBO PROやWealthNaviと同程度で、ポイントプログラムも用意されていませんが、定期的にキャンペーンを行っています。
最後にSBIラップ、ROBO PRO、WealthNavi、THEO(テオ)の基本情報について、以下に表にしておきますので、参考にしてください。
SBIラップ | ROBO PRO | WealthNavi | THEO(テオ) | |
---|---|---|---|---|
運営会社 | 株式会社FOLIO(フォリオ) | 株式会社FOLIO(フォリオ) | ウェルスナビ株式会社 | 株式会社お金のデザイン |
投資対象 | 投資信託およびETF | ETF | ETF | ETF |
手数料 | 0.660% | 0.55%~1.1% | 0.55%~1.1% | 0.55%~1.1% |
信託報酬 | 0.218%~0.393% | 非公開 | 0.08%~0.13% | 非公開 |
最低投資金額 | 1万円 | 10万円 | 10万円 | 1万円 |
最低積立金額 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
リバランス | 毎月、臨時 | 毎月 | 半年、追加入金時、臨時 | 毎月、3カ月ごと、1年ごと |
NISA対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
自分に合ったロボアドバイザーを選び長期運用を行おう
投資一任型のロボアドバイザーは運用初心者や運用のための時間が取れない人に向いている運用方法ですが、手数料がかかる点や、おまかせ運用になってしまうため自分自身への投資知識が身に付かないといった注意点もあります。
また、ロボアドバイザーでの運用は長期目線で行う必要があり、短期間で大きな利益は見込めない点も覚えておきましょう。もちろん元本割れのリスクがあることも忘れてはいけません。
ロボアドバイザーを利用する際には、ロボアドバイザー商品の特徴を理解し、メリットおよびデメリットを比較した上で自分に合ったロボアドバイザーサービスを選ぶことが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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