- 更新日 : 2023年6月9日
VGTとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説
VGTとは、MSCI US IMI/Information Technology 25/50という株価指数に連動した運用成果を目指すETFです。VGTに投資をするだけで、多くの情報技術銘柄に分散投資をする効果があります。
この記事ではVGTの概要について具体的なチャートをもとに、メリット・デメリットや注意点、他のETFとの違いや、VGTを購入する場合におすすめの証券会社を紹介します。
目次
VGTとは?配当利回りは?
VGTとはアメリカで設立された世界最大級の資産運用会社バンガード社が運営しているインデックス型ETF「バンガード・米国情報技術セクターETF」のことです。
インデックス型とは、特定の指数に連動した運用成果を目指すETFのことで、VGTがベンチマークとしているのはMSCI US IMI/Information Technology 25/50という指数です。なお、ベンチマークとは、ETFが運用目標とする特定の指数のことをいいます。指標として、ソフトウェアやハードウェア、半導体といったテクノロジー関連銘柄に投資が絡みます。
またVGTは、年間4回の配当があり、配当金利回りは0.78%(2023年5月16日時点)です。配当金とは、ETFの決算時に投資家に還元する収益のことをいいます。ETFの配当金は決算期間中に生じた収益から費用を控除した金額が支払われます。
【VGTの概要】
正式名称 | Vanguard Information Technology ETF |
---|---|
運用会社 | Vanguard |
市場 | NYSE Arca |
ベンチマーク指数 | MSCI US IMI/Information Technology 25/50 |
経費率0.10%(2023年5月16日時点) | |
純資産額 | 46,061.29百万USドル(2023年4月28日時点) |
VGTの構成銘柄
VGTのセクター別組入比率は金融セクターを除いた約9割が情報技術セクターとなっています。組入銘柄では、Apple社やマイクロソフトといったIT企業の他、エヌビディアやブロードコムなどの半導体企業が目立ちます。
【VGTのセクター別組入比率】
【VGTの主な組入銘柄と組入比率(2023年3月末現在)】
企業名 | 組入比率 |
---|---|
アップル | 22.72% |
マイクロソフト | 18.01% |
エヌビディア | 6.09% |
ビザ Class A | 3.05% |
マスターカード Class A | 2.77% |
ブロードコム | 2.29% |
シスコシステムズ | 1.91% |
セールスフォース | 1.75% |
アクセンチュア Class A | 1.60% |
アドビ | 1.60% |
VGTの株価推移チャート
2023年5月16日時点でのVGTの価格は389.33USドル、2004年1月の設定日からおおむね上昇を続けています。新型コロナウイルス感染拡大があった2021年前半に価格が若干落ち込みますが、アメリカ経済の回復に伴い、VGTの価格も最高値の水準まで回復するかのような値動きを見せています。
ただし2023年現在、アメリカでは金融引き締めを行っている最中であり、景気減速への懸念が強まっている点には注意が必要です。
出典:https://jp.tradingview.com/symbols/AMEX-VGT/
VGTのメリット
VGTに投資をするメリットを2つ紹介します。
分散投資ができる
分散投資がベンチマークとするMSCI US IMI/Information Technology 25/50という指数は、情報技術セクター関連を中心に364銘柄に分散投資をしています。投資のリスクを抑えるには、一つの銘柄ではなく、複数の商品に分散して併せ持つ分散投資が有効です。VGTを一つ保有していれば364銘柄に投資をしているのと同等の分散投資効果が期待できます。
高いリターンが期待できる
VGTは半導体やIT企業など、今後も期待ができるセクターを中心に投資をしています。ずっと右肩上がりに推移するとは限りませんが、長期的な視点でみれば、高いリターンが期待できるでしょう。
VGTのデメリットや注意点
VGTに投資をする際のデメリットや注意点も紹介します。
分散投資の効果が限定的
VGTは364銘柄に投資をしていますが、投資先の大半が情報技術セクターのため分散投資としての効果が限定的です。より分散投資の効果を発揮させるには、情報技術セクターだけではなく、公共や不動産、製造業など、さまざまなセクターの銘柄に投資する必要があります。
少額投資はできない
2023年5月16日時点でのVGTの価格は389.33USドルのため、1円136ドルとした場合、購入するには約5万3,000円が必要です。20USドル程度でも購入できるETFもあるため、それに比べると少額投資は難しいといえるでしょう。
VGTにおすすめの証券会社
VGTを取り扱っている証券会社は複数ありますが、その中でも次の3社がおすすめです。
SBI証券
業界最高水準の取扱い銘柄数を誇ります。またVGTは対象外ですが、SBI証券では通常1注文あたり税込0.495%(最低0~最大22ドル)の買付手数料が一部ETFで無料になります。ETF定期買付サービスを利用すれば、設定した口数で定期的に買付が可能です。
IG証券
ロンドンに本拠地を構える1974年設立の証券会社です。IG証券はVGTをはじめ、17,000以上の銘柄のCFD取引(※)が可能です。IG証券のオンライン取引における最低手数料は16.5USドルとなっています。
(※)CFD取引とは「差金決済取引」を指し、現物の受け渡しを行なわず、反対売買で得られた損益のみの受け渡しをする取引のことをいいます。
DMM株
DMM株は業界最安水準の手数料で、米国ETFの取引手数料は約定代金にかかわらず一律0円です。ただし、売買時には1ドルあたり25銭、配当金受取時には基準為替レート-1円の為替スプレッド(※)がかかります。
(※)為替スプレッドとは、円と外貨を交換するときの基準為替レートと適用為替レートの差のこと。円から外貨に交換するときは、基準為替レートにスプレッドを上乗せし、外貨から円に交換するときはスプレッドを差し引きます。
他のETFとの比較
VGTを検討する際に気になるのが、他のETFの特徴と手数料の仕組みかもしれません。ここではVGT以外の他のETFとの比較について触れていきます。
VIGとの比較
VIGとVGTはバンガード社が運営しているという点で共通しています。しかしVIGはS&P U.S. Dividend Growers Indexという指数をベンチマークとしており、投資先も情報技術だけではなく、金融やヘルスケア、生活必需品など、さまざまな分野に投資しています。また経費率も0.06%とVGTより低くなっています。
QQQとの比較
QQQはNASDAQ100指数をベンチマークとしており、GAFAMを中心とした成長性の高いテクノロジー企業に投資をしており、金融株が含まれていない点が特徴です。経費率は0.20%とVGTより高くなっています。
VUGとの比較
バンガード社が運営しているVUGはCRSP US Large Cap Growth IndexをベンチマークとするETFです。大半を情報技術セクターの割合を占めますが、VGTほど偏ってはいません。経費率は0.04%とVGTより低めです。
VGTは成長性の高い分野に特化した投資をしたい人向け
VGTは、バンガード社が運営している「バンガード・米国情報技術セクターETF」のことです。MSCI US IMI/Information Technology 25/50をベンチマークとしています。VGTは情報技術分野に投資先が偏っていますが、多くの銘柄に投資をしているのでVGTを一つ保有するだけで一定の分散投資効果が働くでしょう。情報技術は今後も成長分野であることから、将来の成長に期待したい人はVGTがおすすめです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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