• 更新日 : 2023年11月24日

【初心者向け】つみたてNISAおすすめ銘柄と証券会社とは?

つみたてNISAは、個人による少額の積立・長期分散投資を支援する制度です。通常、投資信託の譲渡益や分配金による利益は課税対象となりますが、つみたてNISAの範囲内であれば非課税とできます。今回は、つみたてNISAの選び方やおすすめの銘柄、証券会社を紹介します。

つみたてNISA銘柄の選び方

つみたてNISAの銘柄の選び方の5つのポイントを紹介します。

投資対象はどこか

つみたてNISAで投資ができる投資信託の主な投資対象は、債券、株式、不動産(リート)です。リスクやリターンはそれぞれ異なります。

債券は他の投資対象と比べて値動きが安定しているとされる金融商品です。デフォルト(債務不履行)などのリスクもありますが、他の金融商品と比べ安定性が高いことからリターンは低めです。

リート(REIT)は、上場されている不動産投資信託において景気の影響を受けやすいという特徴があります。株式は、ほかの金融商品と比べてリターンが高いとされるものの、景気だけでなく企業の業績も大きく影響することからリスクも高いとされる金融商品です。

運用方針はどうか

運用方針とは、何を基準に資産の運用を行っているかということです。例えば、インデックスファンドでは、日経平均株価や米国株式のS&P500など、ベンチマークとして株価指数などが用いられます。目安となる株式指数にも特徴がありますので、どのような指数が運用の目安になっているかにも注目してみましょう。

ほかにも、テーマごとに投資を行う投資信託もあります。例えば、資源、IT、SDGsなど特定のテーマに絞った投資信託です。テーマが絞りこまれることで、興味のある分野に特化した資産運用ができるメリットがあります。

資産配分はどうか

資産配分によってリターンやリスクは異なります。例えば、株式の配分がほとんどを占めるような投資信託であれば、景気や企業の影響を受けやすくなります。それとは逆に株式の配分が半分であれば、影響は限定的となるでしょう。

つみたてNISAでは、積立金額内(年40万円)であれば複数の銘柄に積立が可能なので、1つの銘柄に絞るのではなく、複数の銘柄で資産配分ができます。

信託報酬はどうか

信託報酬は、投資信託の管理や運用のための経費で、ファンドや運用会社で異なります。間接的に差し引かれる経費で、信託財産の中から毎日差し引かれる仕組みです。

信託報酬は、運用に手間や時間があまりかからないインデックス(=指数に連動させる運用を目指す方法)の方が、アクティブファンドよりも低く設定されている傾向です。コスト重視で選択するのであれば、アクティブ(=ファンドマネージャーの調査などをもとにインデックスを超える運用を目指す方法)よりもインデックスの方がメリットは大きいでしょう。

なお、投資信託によっては、信託報酬のほかに手数料が発生することもあります。

純資産総額はどのくらいか

純資産総額とは、投資家がファンドに対して出資した資産の総額です。ファンドの資産のうち、投資家に帰属する部分になります。

純資産総額=投資家の出資額」ということは、純資産総額が大きければそれだけ運用されている額が大きいということです。十分な資金源があれば、ファンドの目指す運用方針を実現しやすく、繰上償還(=運用が途中で終わること)のリスクは少ないと言われています。

なお、投資信託の中には、さらに純資産総額の大きいマザーファンドに投資するタイプのものもよく見られます。繰上償還のリスクを回避するには、投資先のファンドだけでなく、投資先が投資しているマザーファンドの純資産総額も確認しておくと良いでしょう。

初心者におすすめのつみたてNISA銘柄

2024年1月1日より新NISAが始まるため、つみたてNISAで積立投資ができるのは2023年12月末までとなります。今後の成長やリスクも考慮し、全世界、米国株式、日本株式など、複数のジャンルからおすすめの銘柄を紹介しましょう。

1.つみたて8資産均等バランス

マザーファンドを通じて8つの資産に均等投資することで、各国の株式や公社債、不動産投資信託の値動きに連動することを目的とした投資信託です。1つの資産につき基本割合12.5%と設定されており、株式、債券、リートにバランス良く配分できる構成となります。

金融商品のためリスクは存在しますが、比較的安全性が高い債券が組み込まれているため、リターンは大きく期待できないものの、安定した運用が期待できます。資産の一部をリートに配分することで、不動産に資産を分散できるのも特徴です。

特徴・基本は投資対象の8つの資産に均等投資する投資信託
・原則として為替ヘッジは行われない
・株式への投資は50%以下
運営会社三菱UFJアセットマネジメント株式会社
運用方法インデックス
投資対象国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リート
純資産約1,060億円(※2023年9月30日時点)
利回り(※)8.0%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.242%
URLhttps://fs.bk.mufg.jp/webasp/mufg/fund/detail/m00351220.html

(※2023年10月31日時点)

2. iFree8資産バランス

8つの資産を主に大和系のマザーファンドにそれぞれ投資することによって、各々の市場との連動を目指す投資信託です。なお、先進国株式や先進国債券に日本は含まれていません。

先述の8資産均等型のバランスファンドとは8つの資産分散で投資傾向は同じですが、投資先のマザーファンドが異なるため運用成績も異なります。リスクなどが異なる債券やリートを組み入れることで、株式のみよりも安定した資産形成を期待できるのが特徴です。

特徴・8つの資産に均等投資する投資信託
・原則として為替ヘッジは行われない
・株式への直接投資は行われない
運営会社大和アセットマネジメント株式会社
運用方法インデックス
投資対象国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、海外リート
純資産約508億円
利回り(※)5.43%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.242%
URLhttps://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/3319/detail_top.html

(※2023年10月31日時点)

3.eMAIXS Slime 全世界株式(オール・カントリー)

日本を含む全世界の株式や預金証書(現地法に基づく代替証券)を投資対象としたインデックスファンドです。外国株式インデックスマザーファンド、新興国株式インデックスマザーファンド、日本株式インデックスマザーファンド、の3つのマザーファンドに投資することによって全世界株式への投資を実現しています。

オールカントリータイプは日本を含まないタイプの投資信託もありますが、こちらは日本株を含むタイプで信託報酬も0.1%以下であり、他のオール・カントリータイプの投資信託と比べても低く設定されています。株式を対象としているため債券などと比べてリスクは高くなるものの、全世界に分散投資することでリスクを分散させられるインデックスファンドです。

特徴・先進国と新興国の両方を含むオールカントリータイプ
・日本も投資対象に含まれる
・為替ヘッジは原則行われない
運営会社三菱UFJアセットマネジメント株式会社
運用方法インデックス
投資対象株式等(預託証書を含む)
純資産約1兆158億円(※2023年4月28日時点)
利回り(※)約12.03%
(※2021~2023年年間収益率実績より)
信託報酬0.05775%
URLhttps://emaxis.jp/fund/253425.html

(※2023年10月31日時点)

4.たわらノーロード先進国株式

外国株式を主な投資対象とした投資信託です。多くは外国株式に投資されますが(※2022年時点の投資比率は9割超)、わずかではあるものの、外国リートや外国株式先物も投資対象となっています。

今後、投資先の割合は変わる可能性がありますが、2022年時点では米国株式への投資割合が高く7割を占めます。日本を除く、成長性が高いとされる先進国の株式に投資できるのが魅力です。

特徴・外国株式パッシブ・ファンド・マザーファンドの組入比率が高い
・外国株式以外も投資対象
・原則として為替ヘッジは行われない
運営会社アセットマネジメントone株式会社
運用方法インデックス
投資対象海外の株式がメイン
純資産約2,166億円(※2022年10月12日時点)
利回り(※)約17.0%
(※2020~2022年の分配金再投資基準価格の騰落率から算出)
信託報酬0.110%
URLhttps://www.am-one.co.jp/fund/summary/313125/

(※2023年10月31日時点)

5. eMAXIS Slime米国株式(S&P500)

S&P500は、米国の証券取引所に上場される代表的な500の銘柄の時価総額から算出した米国株式の株価指数の一つです。時価総額の加重平均で指数化されるため、時価総額の大きい銘柄の影響が大きくなります。

eMAXIS Slime米国株式は、マザーファンドに投資することによって米国株式S&P500に連動させるような運用成績を目指した投資信託です。米国全体ではなく、米国株式の代表的な銘柄に投資するような運用成果を期待できます。

特徴・米国株式S&P500に連動させる投資信託
・原則として為替ヘッジは行われない
運営会社三菱UFJアセットマネジメント株式会社
運用方法インデックス
投資対象米国株式(S&P500)
純資産約1兆9,593億円(※2023年4月28日時点)
利回り(※)約15.83%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.09372%
URLhttps://emaxis.jp/fund/253266.html

(※2023年10月31日時点)

6.楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)

米国株式市場との連動を目指した投資信託です。楽天・全米株式インデックス・マザーファンドに投資することで、さらにマザーファンドはバンガード・トータル・ストック・マーケットETFに投資することで米国株式への投資・運用を行っています。

投資対象であるバンガード・トータル・ストック・マーケットETFは、CRSP USトータル・マーケット・インデックスといわれるもので、米国の大型株だけでなく小型株まで、ほぼ100%をカバーしているのが特徴です。米国全体に投資できる投資信託といえます。

特徴・米国株式市場との連動を目指した投資信託
有価証券の貸付取引が行われることがある
・原則として為替ヘッジは行われない
運営会社楽天投信投資顧問株式会社
運用方法インデックス
投資対象米国株式がメイン
純資産約1兆551億円(※2023年7月31日時点)
利回り(※)20.0%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.132%
URLhttps://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivue/

(※2023年10月31日時点)

7. iFree JPX日経400インデックス

大和のマザーファンドを通して、JPX日経インデックス400との連動を目指す投資信託です。

JPX日経インデックス400は日本株の株価指数の一つで、東京証券取引所に上場される銘柄から厳選された400の銘柄の値動きが反映されます。選定される銘柄は、東京証券取引所に上場される上位1000銘柄のうち、時価総額やROEなどの条件を満たした銘柄です。

グローバルな視点から選定された銘柄全体への投資になるため、日本株の中でも魅力がある株式全体への投資ができます。

特徴・JPX日経インデックス400との連動を目指す
・外貨建資産の投資は行われない
運営会社大和アセットマネジメント株式会社
運用方法インデックス
投資対象日本株式(JPX日経インデックス400)
純資産約34億円(※2023年3月31日時点)
利回り(※)5.6%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.2145%
URLhttps://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/3310/detail_top.html

(※2023年10月31日時点)

8. ひふみプラス

主に国内外の株式を対象にしたアクティブ運用の投資信託です。インデックスのように指数に連動させるのではなく、調査および分析の結果から長期的な産業のトレンドに適した割安な銘柄を選定して投資しています。

株式がメインの投資信託ではありますが、組み入れ比率を柔軟に変動させる仕組みになっています。株式100%の場合もあれば、下落リスク緩和のために一時的に現金などの比率を高める運用が行われるのが特徴です。

特徴・ファンドマネージャーによるアクティブ運用
・割安な銘柄への長期投資
・株式の組入比率が変動する
運営会社レオス・キャピタルワークス株式会社
運用方法アクティブ
投資対象国内外の株式がメイン
純資産5,264億円(※2023年9月29日時点)
利回り(※)約▲1.72%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.8580~1.0780%
URLhttps://hifumi.rheos.jp/fund/plus/

(※2023年10月31日時点)

9. 年金積立 Jグロース

国内株式に限定した運用では珍しい、アクティブ運用の投資信託です。成長性の高さと株主への利益還元に注目した銘柄選定により、TOPIXを上回る運用を目指します。ファンドマネージャーが選定するアクティブファンドのためインデックスと比べて手数料が割高な面がありますが、日本株の成長性に特化した運用ができるのが特徴です。

特徴・日本株に限定したアクティブ運用
・成長性の高い銘柄を組み入れ
運営会社日興アセットマネジメント株式会社
運用方法アクティブ
投資対象日本株式
純資産約697億円(※2023年6月30日時点)
利回り(※)約7.87%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬0.902%
URLhttps://www.nikkoam.com/fund/detail/358347

(※2023年10月31日時点)

10. フィデリティ・米国優良株・ファンド

米国優良株をメインにしたマザーファンドに投資することで、アクティブ運用を行う投資信託です。対象のマザーファンドでは、個別の企業分析によりグローバルな企業や将来性のある企業を選定しています。米国株式の中でも、国際性や成長性などを重視した運用が期待できるのが特徴です。

特徴・個別企業分析により米国優良企業を対象に投資
・原則として高い株式組入率を維持
・原則として為替ヘッジは行われない
運営会社フィデリティ投信株式会社
運用方法アクティブ
投資対象米国株式がメイン
純資産約887億円(※2023年6月30日時点)
利回り(※)20.5%
(※2021~2023年の年間収益率より)
信託報酬1.639%
URLhttps://www.fidelity.co.jp/funds/detail/217004/F/tab-overview

(※2023年10月31日時点)

つみたてNISAにおすすめの証券会社

つみたてNISAの取扱い銘柄が多い人気の証券会社から、おすすめの証券会社を3つピックアップして紹介します。

1.SBI証券

SBI証券は、つみたてNISAの取扱い銘柄数170本以上で、多様な運用ニーズに対応しています。クレジットカードによる積立が可能で、毎月コースの他、毎週積立や毎日積立など多様な積立方法を選択できるのも特徴です。SBIの投資信託積立専用のアプリ「かんたん積立」では、つみたてNISAの管理も容易にできます。スマートフォンが1台あれば、積立日の変更や積立金額の変更、複数積立日の選択などの設定変更が可能です。

口座数約1,000万口座(※2023年3月時点)
国内株・ETF銘柄数国内株:不明
ETF:146(※2023年10月23日時点)
外国株・ETF銘柄数外国株:米国株だけで5,400銘柄超(※2023年8月4日時点)
ETF:105(※2023年10月23日時点)
投資信託銘柄数2,599(※2023年10月23日時点)
手数料プランや約定代金で異なる
(※2023年9月30日以降、国内株式の取引手数料0円のプランも創設)
つみたてNISA可否
単元未満株可否
公式サイトURLhttps://www.sbisec.co.jp/ETGate

2. auカブコム証券

auカブコム証券のつみたてNISAは、ほかのサービスとの連携でお得に利用できるのが特徴です。まず、つみたてNISA含む投資信託の月間平均保有残高に応じてPontaポイントを獲得できます。Pontaカード所持者やPontaポイントの利用が多い人におすすめです。さらに、NISA口座(つみたてNISA含む)を所持することで、通常の現物株式のワンショット手数料などを最大5%割引で利用することもできます。

口座数約161万口座(※2023年9月時点)
国内株・ETF銘柄数国内株:不明
ETF:不明
外国株・ETF銘柄数外国株:米国株だけで1,800超銘柄(※2023年3月時点)
ETF:不明
投資信託銘柄数1,600以上(※2022年12月末時点)
手数料約定代金とコースによる
つみたてNISA可否
単元未満株可否
公式サイトURLhttps://kabu.com/

3.松井証券

松井証券のつみたてNISAの対象銘柄は、ETFを除いた170銘柄以上のラインナップで構成されています。取引はスマホアプリに対応しており、注文の確認や取引履歴のほか、ポートフォリオ提案などのアドバイザー機能も利用できます。円グラフや折れ線グラフで資産状況をすぐに確認できるのもおすすめポイントです。さらにサポートも利用できるため、つみたてNISAがはじめてで不安に感じている人にもおすすめです。

口座数約145万口座(※2023年3月時点)
国内株・ETF銘柄数国内株:不明
ETF:不明
外国株・ETF銘柄数外国株:不明
ETF:不明
投資信託銘柄数1,600以上
手数料利用するサービスによる
※日本株(現物・信用)の場合25歳以下は手数料0円。
つみたてNISA可否
単元未満株可否
公式サイトURLhttps://www.matsui.co.jp/

気になる銘柄でつみたてNISAを始めよう

2024年1月1日から、これまでのNISA制度が新NISAに切り替わります。新NISAスタートまでは、つみたてNISAを利用できるので、この機会につみたてNISAを始めるのも良いでしょう。今回紹介した証券会社の銘柄などで気になる銘柄があれば、証券会社で取り扱いがないか確認してみましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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