- 更新日 : 2023年10月20日
金利とは?種類や与える影響をわかりやすく解説
金利とは借入金額に上乗せして支払う対価の割合のことです。金利は私たちの生活に影響を与えることはもちろん、企業や経済など多くの方面にも影響を及ぼします。
とはいえ、金利についてなんとなくわかるものの、細かいところまではわからないといった方も多いのではないでしょうか。今回の記事では金利の種類や他の用語との違い、金利が与える影響についてまとめてみました。
金利とは
金利とは借入金額に上乗せして支払う対価の割合のことで、原則としてパーセント(%)で表記されます。もう少しわかりやすくいうと、借り手にとっては得られる資金に対して生じるコスト(手数料)の割合、貸し手にとっては提供した資金に対して得られる利益(報酬)の割合となるでしょう。
また、金利と似たような言葉として「利息」や「利子」、「利率」といった単語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ここではそれらの言葉と、金利がどう違うのかについて解説します。
利息・利子と違い
「利子」や「利息」はお金の貸し借りをするにあたり、借りた人が貸した人に対して支払う対価のことを指し、一般的には借りた金額に応じて割合が異なります。また、借り手が貸し手に払うのが利子、貸し手が借り手から受け取るのが利息と、使い分けて用いるケースもありますが、本質的な意味は変わりません。
利率との違い
金利は借り手が貸し手に対して支払う利息そのものを指すのに対し、「○%」などと利息を計算する際に用いられる「割合」を示す場合には利率が用いられる場面が多く見受けられます。
利回りとの違い
金利が借入金額に上乗せして支払う対価の割合を指すのに対し、利回りは投資元本に対する収益率を表します。
たとえば、100万円を銀行に5年間預け、毎年1万円の利息がついたと仮定するとどうでしょうか。この場合、5年間の利息の合計は5万円となり、それを5年で割ると1年あたりで元金に対して1%の利息が生じることになります。よって、このケースでの利回りは1%と求められるでしょう。
金利の種類
金利と、その他の言葉との使い分けについて理解したところで、ここでは金利の種類についていくつか見ていきましょう。
金利の種類は大きく以下の8つに大別されます。
金利の種類 | 概要 |
---|---|
名目金利 | 予想物価上昇率などを勘案して調整を行っていない表面上の金利 |
実質金利 | 名目金利から予想物価上昇率を引いた金利 |
長期金利 | 金融機関が1年以上のお金を貸し出す際に適用する金利 |
短期金利 | 金融機関が1年未満のお金を貸し出す際に適用する金利のこと |
固定金利 | 住宅ローンをはじめ、金融機関から融資を受ける際に、一定期間において金利が固定される金利 |
変動金利 | 返済をしている期間中に適用金利が上昇したり、下落したりする可能性のある金利 |
基準金利 | 各金融機関に顧客向けの金利を定める際に基準とする金利 |
適用金利 | 店頭(基準)金利から割引や優遇をしてもらったあとの金利 |
金利が与える影響
つづいて、金利が市場と個人に与える影響について、それぞれ解説します。
市場への影響
金利が市場に与える影響ですが、まず、金利が上がると資金の借入に二の足を踏む企業が増えます。たとえ、お金を借りることができたとしても、金利以上の利益が出せるかどうかがわからないからです。こうした借り渋りが至るところで行われる結果、事業拡大の機会が失われることはもちろん、全体的に市場が低迷する恐れがあるでしょう。また、結果として株価の下落にもつながります。
一方で、金利が下がった場合はどうでしょうか。金利が下がると企業が資金を借りやすくなるほか、設備投資をはじめとした事業の拡大に着手しやすくなります。事業の拡大に成功すれば企業自体が成長することはもちろん、社会全体の景気向上にもつながるでしょう。株価もそれに伴い上昇します。
個人への影響
続いて、金利が私たち個人に与える影響について見ていきましょう。
一般的には、金利が上がると受取利息が増えることから、「お金を使うよりも資産運用などに回した方がお得なのでは?」と考える方が増える傾向にあります。資産運用の観点からは嬉しい金利上昇ですが、その一方でお金が積極的に使われなくなり、お金の流れ自体が停滞してしまう恐れがあります。
一方で、金利が下がるとお金を借りやすくなるため、住宅ローンや自動車ローンをはじめとしたローンを利用する人が増える傾向にあります。ローンを組んで、消費に回すことで市場に出回るお金が増えるのはもちろん、経済が活発化するきっかけともなるでしょう。
金利は私たちの生活に大きな影響を与える
今回の記事では金利の概要や種類、また金利が与える影響について解説しました。金利は私たちの生活に大きく関わってくるため、その仕組みや種類について理解しておきましょう。一般的に、金利が上昇傾向にある際は預貯金などの受取利息が増える一方で、金利が下落している際は低金利となるため、住宅ローンをはじめとする各種ローンが組みやすくなります。
この機会に金利について正しく理解し、実生活に役立ててみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
お金の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
通貨強弱とは?チャート分析方法や確認ツールの解説
通貨強弱に関する知識は、FX取引などの外国為替取引をする上で役立ちます。通貨強弱を知っておくと、エントリーしやすい通貨ペアを判断できるようになる、為替の動きが推測できるようになる、根拠を持って取引ができるようになるなど、取引を有利に進めるこ…
詳しくみるGMO外貨とは?メリットや注意点、アプリの解説
FX取引やCFD取引を検討する際、「会社が多すぎてどこを選べばいいのかわからない」という状態になったことはないでしょうか。会社によって、取引ツールやアプリの使いやすさ、扱う通貨ペアや取引単位、スプレッドの狭さなどが大きく異なる場合があるため…
詳しくみるVGTとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説
VGTとは、MSCI US IMI/Information Technology 25/50という株価指数に連動した運用成果を目指すETFです。VGTに投資をするだけで、多くの情報技術銘柄に分散投資をする効果があります。 この記事ではVGT…
詳しくみる初心者におすすめの証券会社とは?選び方まで解説
これから投資を始めようと考えている方は、おすすめの証券会社がどこなのか、知りたいのではないでしょうか。証券口座は複数の会社で開くこともできますが、最初に口座を開設する証券会社は慎重に選びたいですよね。 本記事では、証券会社ごとの特徴や取扱銘…
詳しくみるSUSTEN(サステン)とは?特徴やメリット、注意点の解説
2021年に、日本ではこれまで例がなかった「SUSTEN」という完全成果報酬型の資産運用サービスが始まりました。完全成果報酬型も目玉の一つではありますが、SUSTENには他にもさまざまな特徴があります。この記事では、SUSTENを利用するメ…
詳しくみる保険証券とは?記載内容の見方や保管方法などを解説
こちらの記事では保険証券の概要から具体的な見方、保存方法、必要になった際の対応方法まで解説します。保険証券の重要性や正しい扱い方が理解し、いざというときに慌てることなく対応しましょう。 保険証券とは 保険証券とは、保険契約が成立した際に保険…
詳しくみる