SUSTEN(サステン)とは?特徴やメリット、注意点の解説
2021年に、日本ではこれまで例がなかった「SUSTEN」という完全成果報酬型の資産運用サービスが始まりました。完全成果報酬型も目玉の一つではありますが、SUSTENには他にもさまざまな特徴があります。この記事では、SUSTENを利用するメリット・デメリット、注意点や口座開設の方法などを解説します。
目次
SUSTENとは?
SUSTENは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントに勤務していた元ポートフォリオ・マネージャーたちが設計や運用を行う資産運用サービスです。2021年2月より完全報酬型のおまかせ資産運用サービスが開始されました。
SUSTENの特徴
SUSTENは、ロボットアドバイザー(資産配分・リスク許容度のアドバイスや提案したポートフォリオで自動買い付けを行うサービス)とファンドラップ(複数ファンドの組み合わせを提案するサービス)を組み合わせた資産運用サービスです。
主な特徴として、直販型ファンドラップであること、完全成果報酬型であることが挙げられます。
直販型ファンドラップとは、投資信託の運用会社が投資家と直接関わるサービスのことです。通常は、証券会社などを通して投資信託の販売が行われますが、SUSTENは直販型であることから低コストでのサービス提供を可能にしています。
成果報酬型は、通常の投資信託は運用成績にかかわらず一定の手数料が発生する仕組みです。一方、プロフィットシェアという名で展開している「完全成果報酬型」のSUSTENは、原則として利益が発生した場合に手数料が発生する仕組みになっています。
SUSTENの基本情報
運営会社 | 株式会社sustenキャピタル・マネジメント |
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運用資産 | グローバル資産分散ポートフォリオ(R) 1,546百万円 グローバル複合戦略ポートフォリオ(G) 1,057百万円 グローバル債券ポートフォリオ(B) 367百万円 グローバル株式インデックスポートフォリオ(M) 69百万円 (2023年9月19日時点の純資産総額) |
最低投資金額 | 1万円 |
積立金額 | 1万円~ |
積立頻度 | 毎月(NISA以外は都度入金可) |
投資対象 | Redファンド:主な投資対象は先進国株と新興国株 Greenファンド:主な投資対象はARP(オルタナティブ・リスク・プレミアム、Alternative Risk Premium) Blueファンド:主な投資対象は国債と社債 つみたてNISA:主な投資対象は先進国株と新興国株 |
手数料(税込) (運用にかかる手数料) | 成果報酬費用:利益に対し 1.1/6~1.1/9 (別途、受託者報酬年率 0.022~0.099%が必要) |
公式サイトURL | https://susten.jp/ |
SUSTENのメリットや強み
SUSTENの他のサービスと相違点、メリットや強みを5つ紹介します。
個別のおまかせ投資を利用できる
SUSTENでは、世界のありとあらゆる金融商品に投資する、株式メインのRedファンド、ARPメインのGreenファンド、債権メインのBlueファンドの3つに資金を集約させています。
投資目的別の個別にカスタマイズされた3つのファンドの組み合わせにより資産運用をサポートする仕組みです。おまかせ投資機能を利用することで、個人投資家ではハードルの高い先物などへの分散投資が可能になります。銘柄選定や売買なども全ておまかせでき、スマートフォンで完結できるのも特徴です。
完全成果報酬型でコストを抑えられる
日本初の完全報酬型の手数料を採用しているのもSUSTENの魅力です。通常、投資信託を利用するとさまざまなコストがかかります。
代表的なのが、投資信託購入時の購入時手数料、保有中に発生する信託報酬や監査報酬、売買時の売買委託手数料です。これらの投資信託に関わる費用は、運用がうまくいっておらずマイナスの状況になっていても発生します。
その点、SUSTENは、完全成果報酬型で発生した利益に対してのみコストがかかる仕組みです。運用がうまくいっていない場合は基本的に手数料が発生しないことから、コストを抑えて資産を運用ができます(ただし、別途信託銀行に支払う受託者報酬が投資金額に対し、0.022~0.099%程度発生)。
為替リスクを軽減できる
為替リスクを調整して理想的なグローバル分散投資ができるようにしているのもSUSTENの特徴です。
為替リスクがあると、保有する海外資産で利益が出たとしても、日本円に換金したときに、為替レートにより損をしてしまうこともあります。このような為替リスクを軽減するために用いられるのが為替ヘッジです。
一般的な投資信託でも、為替ヘッジありの商品は、為替の先渡し契約を結ぶことなどによって為替ヘッジしています。しかし、為替リスクは100%ヘッジすることが必ずしも適切とはいえません。リスク分のみヘッジするのが理想とされています。
SUSTENは、ファンドごとにヘッジ方針を策定し、必要に応じて為替ヘッジを組み込んでいるのが特徴です。これにより、為替リスクを抑えながら資産運用ができるように設計されています。
ポイント還元がある
SUSTENでは、SUSTENポイントという投資家還元プログラムもあります。ポイントは、つみたてNISA機能を利用した場合に受託者報酬100%分がポイントで還元されるほか、不定期のキャンペーンなどで付与されます。
付与されたポイントは、おまかせ投資機能の成果報酬より自動減額される仕組みです。ポイント還元により、さらにコストを抑えた資産運用が可能になります。
つみたてNISAを利用できる
SUSTENはつみたてNISAにも対応しています。つみたてNISAは、一定の投資信託への少額分散投資を支援する非課税制度です。新規積立金額年間40万円を限度に、分配金や譲渡益への課税(所得税20.315%)が非課税とされます。
SUSTENは、つみたてNISAに対応しているほか、2024年1月に移行される新NISAにも対応予定です。
つみたてNISAで投資できる投資信託は、内閣府の告示で信託報酬に上限があります。低コストで運用できますが、信託報酬や信託財産留保額などのコストが発生します。一方で、SUSTENは、信託財産留保額が無料なほか、ポイントプログラムにより信託報酬分が100%還元されることから、実質的なコストなしで運用できるのも大きなメリットです。
SUSTENのデメリットや注意点
SUSTENの利用でデメリットになり得る部分や注意点を3つ取り上げます。
出金手数料がかかる
投資信託を提供する証券会社では、利用する銀行との組み合わせ次第では入出金手数料無料で利用できます。その点、SUSTENではどの銀行を利用した場合であっても手数料がかかる点に注意しておきましょう。
出金する場合は1回あたり440円(税込)の手数料がかかるほか、銀行から入金するときの手数料も利用者負担になります。
ただし、積み立てで運用する場合の引き落とし手数料は無料です。入出金にかかるコストが気になる場合は、まとめて入出金するか、積み立て投資をうまく利用するのがよいでしょう。
最低投資金額に注意する
SUSTENの初回投資に必要な最低投資金額は1万円です。追加で投資する場合も1万円から、積み立てで設定する場合も毎月1万円からの投資となります。
投資信託を提供する証券会社では、百円や千円単位から設定できるところもあるので、毎月1万円以下の設定で積み立て投資をしたい方の中には、SUSTENは使いにくいと感じるかもしれません。
投資のためリスクもある
SUSTENは投資信託の仕組みを採用しています。SUSTENに限ったことではありませんが、投資信託の共通事項として、リターンを期待できると同時に、投資信託に関わるさまざまなリスクを負うことを認識しましょう。
SUSTENは為替ヘッジによって為替リスクを軽減できる設計ですが、多少なりとも為替変動によるリスクは存在するほか、債券の組み入れが多い投資信託は金利変動リスク、株式の組み入れが多い投資信託は株価変動リスクなどにさらされます。
投資信託は預貯金のように元本が保証される金融商品ではないため、利用する際はリスクがあることを理解して余剰資金で運用しましょう。
SUSTENの口座開設方法
SUSTENの口座開設や投資は次の手順で行います。
1.運用タイプを決める
SUSTENでは運用シミュレーションで個々に合った運用タイプの提案をしています。シミュレーションをもとにまずは運用タイプを決めましょう。後で変更することも可能です。
2.口座を開設する
Web上で会員登録と口座開設を申し込みます。SUSTENで開設できる口座の種類は、一般口座、特定口座(源泉徴収なし)、特定口座(源泉徴収あり)、つみたてNISA口座(2024年1月から新NISAに変更予定)の4つです。
つみたてNISAを利用する場合はつみたてNISA口座、おまかせ投資を利用する場合は一般口座か特定口座のいずれかを選択します。納税まで口座内で完結させたい場合は特定口座(源泉徴収あり)が便利です。
口座開設では、本人確認書類と出金先口座の情報が必要になります。
3.はがきを受け取る
口座開設が完了したら、簡易書留ではがきが届きます。
4.入金する
受け取ったはがきに従ってログインして口座に入金します。最低投資金額以上を入金すると自動で運用が開始される仕組みです。積み立てを利用する場合は積み立ての設定をします。
資産運用ならSUSTENも選択肢の一つ
投資信託は銀行や証券会社を通して利用するのが一般的です。SUSTENは直販型のファンドで、かつ日本では珍しい完全成果報酬型を採用しているのが大きな特徴といえるでしょう。通常の投資信託のほか、つみたてNISAの取り扱いもありますので、自分に合ったポートフォリオで資産を運用したい方、低コストでつみたてNISAを利用したい方は選択肢の一つとして、SUSTENを検討してみてはいかがでしょうか。
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