• 更新日 : 2023年10月13日

ETF積立投資のメリットデメリットやおすすめの証券会社を解説

ETFは、投資信託のうち証券取引所に上場されている金融商品です。今回は、ETFで積立投資する場合の「メリット」や「デメリット」、上場されていない投資信託との比較、ETFに投資をする際のおすすめとなる証券会社を紹介します。

ETFの積立投資は可能?

「ETF(Exchange Traded Funds)」は、証券取引所に上場されている投資信託のことで、「上場投資信託」ともいいます。

上場されていない一般的な投資信託(非上場投資信託)は、基準価格(売買の値段)が「1日1回」算出されますが、ETFは、上場株式のように値動きがあり、証券会社を通じて取引所でいつでも売買できることが特徴です。

積立投資とは、一定の間隔で設定した金額を買い付ける投資方法でETFで積立投資をすることは可能です。

ETFの積立投資のメリット

ETFを積立投資で運用するメリットを4つ取り上げます。

リスクを分散できる

ETFの積立投資は、決まったタイミングで一定額を購入することにより、購入数量が平準化されます。そのため、長期にわたり積立投資をすることによって、時間分散の効果が得られリスクを軽減することが期待できます。

価格が上昇している局面では、購入できる数量が減少しますが、価格が下落している局面では、より多くのETFを購入できるため、積立期間が長期にわたるほど時間によるリスク軽減効果が高くなります。

またETFには、株式に連動するものやコモディティ価格に連動するものなど、さまざまな商品の種類があります。複数の商品を組み合わせて積立投資することで、地域や資産のリスク分散にも役立つでしょう。

低コストで積立できる

投資信託は、さまざまな費用(コスト)が発生します。その中でも大きいのが、投資信託を保有している期間に、一定割合を投資家が間接的に支払う信託報酬(運営管理費用)です。信託報酬(運営管理費用)は、商品の種類により異なります。

基本的には、一般的な投資信託よりもETFの信託報酬は低く設定されていることが多いため、低コストで積立できるのが「ETFの強み」といえるでしょう。とくに、「株価指数」などに連動するように構成されているETFは、信託報酬が低い傾向にあります。

少額からの積立ができる

ETFによっては、1口あたり数千円程度で購入できる商品もあるため、少額の積立にも対応できます。初心者など、少額の積立から始めたい方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

NISA(つみたてNISA)にも対応している

ETFは、2023年時点で現行の「NISA」や「つみたてNISA」制度に対応しているのもポイントです。

通常、投資信託などで得た利益は、利益に対して「20.315%」の税金が課税されます。

「NISA」や「つみたてNISA」は、年間投資金額を上限に、本来課税される分配金や譲渡益にかかる税金を「非課税」とする制度ですので、効率よく資金を運用できます。

一般の投資信託と比較すると、「つみたてNISA」を利用できるETFの商品数は限定されているものの、「2024年1月」から始まる「新NISA」で対象になるETFが拡大する可能性があります。

ETFの積立投資のデメリットや注意点

ETFの積立投資には、どのようなデメリットや注意点があるのか、4つのポイントを紹介します。

自動買付に対応していない証券会社もある

ETFで積立投資をするときに注意したいのが、「自動買付サービス」が標準化されていないことです。

自動買付とは、毎月、同じ期日に一定金額を自動で注文してくれるサービスです。

自動買付がない場合は、その都度、投資家が自らETFを注文する必要があります。

一般的な投資信託は、「つみたてNISA」との関係などで、基本的に自動買付サービスに対応していますが、ETFは証券会社によって対応がさまざまです。毎月忘れずに積立投資をするために、自動買付サービスがあるかどうかの確認をしましょう。

分配金を再投資できるETFが少ない

ETFでは、決算ごとに分配金が投資家に支払われます。一般的な投資信託では、分配金を受け取らずに再投資(そのまま同じ投資信託を追加購入)する方法を選択できるものも多いです。分配金を再投資することで複利の効果が得られます。

一方、ETFは基本的に分配金を再投資できないため、分配金を再投資する場合は、別途手動で買い付ける必要があります。

上場廃止の可能性もある

ETFは、上場株式などと同様に証券取引所に上場されているため、上場廃止のリスクがあります。上場廃止になるのは、受益権口数(投資信託の取引単位)が規定基準を下回った場合や、上場廃止基準に該当した場合、対象となる指数が廃止された場合などです。

株式会社日本取引所グループ(JPX)で上場廃止銘柄が公表されている「ETFの上場廃止銘柄一覧」によると、「2023年7月21日」に「10種類のETF」が「上場廃止」となりました。

上場廃止により起こり得るのが、整理銘柄指定期間中の価格の急落です。また、上場廃止になると償還金支払いの流れに移行するため、運用が終了してしまうことになります。

上場廃止にともないETFが償還となった場合は、整理銘柄指定期間中に売却するか、償還金を受け取るか、書面決議に反対して買い取り請求をするかのいずれかを選択肢しなければなりません。

参考:上場廃止銘柄一覧(ETF)|JPX

市場価格と基準価額のかい離リスクがある

ETFは、取引所で売買されることから、市場価格と基準価額の「かい離リスク」があるとされています。市場価格とは、「需要と供給」で決まる取引価格で、基準価額とは「ETFの理論価格」をいいます。かい離が大きいと、「割高」で買ってしまうリスクなどがあります。

ほかにも、基準価額については「ETFの対象指数」とのかい離が生じる可能性も指摘されます。対象指数とのかい離が発生するのは、「ETFの組入比率」や「組入銘柄の配当」、「組入銘柄の流動性低下」などが影響するためです。

ETFの積立におすすめの証券会社

「ETFの積立投資」には、どの証券会社を選ぶとよいのでしょうか。おすすめの証券会社を3つ取り上げます。

SBI証券

「SBI証券」では、「SBI ETFセレクション」というサービスを提供しています。

長期の分散投資を目的に、人気の「米国ETF」からおすすめを厳選してくれるサービスで、「ETF選び」に迷っている方にもおすすめです。買付手数料無料で利用できるほか、「米国株式・ETF定期買付サービス」で自動積立にも対応できます。

口座数約1,000万口座(※2023年3月時点)
国内ETF銘柄数144(※2023年9月21日時点)
外国ETF銘柄数103(※2023年9月21日時点)
投資信託銘柄数2,643(※2023年9月21日時点)
手数料プランや約定代金で異なる
NISA可否対応
iDeco可否取扱いなし
ポイント投資ETFは非対応
公式サイトURLhttps://www.sbisec.co.jp/ETGate

マネックス証券

「マネックス証券」では、「売買ランキング」や「保有ランキング」で人気のETFがわかるほか、「分配金利回り」や「信託報酬」などを一覧で確認できます。

また、米国ETF現物取引の買付手数料が実質0円になる「米国ETF買い放題プログラム」(※プログラム対象の銘柄は限定されます)もあるため、米国ETFを低コストで運用したい場合に活用できます。

口座数約223万口座(※2023年8月末時点)
国内ETF銘柄数319(※2023年9月21日時点)
外国ETF銘柄数381(※2023年9月21日時点)
投資信託銘柄数1,416(※2023年9月21日時点)
手数料50円~ ※取引金額とコースによる
NISA可否対応
iDeco可否取扱いなし(※ETFを投資対象にした商品は有)
ポイント投資ETFは非対応
公式サイトURLhttps://www.monex.co.jp/

楽天証券

「楽天証券」のETFの特徴は、取扱い銘柄が豊富で、米国ETFだけでなく、中国やシンガポールなどの新興国のETFにも対応していることです。手数料0円ETF」のサービスも実施しており、国内から海外まで、対象銘柄は売買手数料0円で取引ができます。

口座数約900万口座(※2023年4月時点)
国内ETF銘柄数291(※2023年9月21日時点)
外国ETF銘柄数429(※2023年9月21日時点)
投資信託銘柄数2,602(※2023年9月21日時点)
手数料対象銘柄は売買手数料0円
NISA可否対応
iDeco可否取扱いなし
ポイント投資ETFは非対応
公式サイトURLhttps://www.rakuten-sec.co.jp/

ETFと投資信託、積立投資ならどちらがお得?

積立投資で、ETFと投資信託のどちらがよいかは「投資スタイル」で異なります。

「投資信託の積立投資」の特徴は、取扱い銘柄が多く、「1日1回」基準価額が算定されることです。さらに、投資信託は自動で買い付けを設定できるものが多く、取引所での売買に慣れていなくても自動売買されるため、値動きを気にせず毎月同じタイミングで積立投資をしたい方に向いているでしょう。

「ETFの積立投資」の特徴は、上場されているため「リアルタイム」で売買ができることや、海外に強い銘柄が多いことです。リアルタイムでの売買は、上場されているからこその強みであり、積立投資でも好きなタイミングで積み立てたい方に向いています。また、海外銘柄に興味がある方にもETFはおすすめです。

なお、コスト面はETFの方が「投資信託」よりも低く設定されていることが多いですが、投資信託でもETF並みに信託報酬の低い商品もあります。投資対象を絞り、ETFと投資信託でコストを比較してから決めるのも方法のひとつです。

積立投資はETFも選択肢のひとつ

積立投資は、投資信託が代表的ですが、ETFでも可能です。ETFは、投資信託よりも信託報酬が低く設定されているものも多く、低コストで積立投資できることが特徴です。

ただし、分配金の再投資や、自動買付など、投資信託のような積立投資ができないことがあります。ETFも積立投資の選択肢のひとつですが、自分の投資スタイルに合っているかも確認したうえで選択しましょう。


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