ナスダックとは?投資メリットやおすすめETFの解説

株式投資に関心のある方であれば、ナスダックという言葉を目や耳にされたことのある方もあるでしょう。この記事では、ナスダックの概要とナスダック指数の概要と推移、そしてナスダック指数に連動したETF(上場投資信託のこと。以下、ETFと表記)に投資するメリット・デメリットについてご説明します。また、ナスダック指数に連動したETF投資の比較検討のヒントとして、おすすめの証券会社やETFについてもご紹介します。

ナスダックとは

アメリカには、2つの大きな証券取引所があります。一つはニューヨーク証券取引所であり、もう一つがナスダックです。ニューヨーク証券取引所は歴史と伝統のある証券取引所で、グローバルな大企業が多数上場しています。一方のナスダックは、新興企業向けの市場として誕生し、現在ではアップルやマイクロソフトなどの有名なIT企業が多数上場しています。

ナスダックに上場する企業数は3,000社を超え、時価総額は2,300兆円に上っており、新興企業向け株式市場においては世界最大の規模を誇っています。ナスダックの運営は、全米証券業協会(National Association of Securities Dealers Automatic Quotation System)が行っていることから、その頭文字をとってナスダックと(NASDAQ)称されています。

ナスダック指数の推移

日本の証券取引所には「プライム市場・スタンダード市場・グロース市場」があります。その各市場の動向を表す指標の例として、東京証券取引所プライム市場に上場している225銘柄を対象とした「日経平均株価」や、東京証券取引所プライム市場の原則全銘柄を対象とした「TOPIX」という指数があります。

ナスダックにも「日経平均株価」や「TOPIX」のように、ナスダックの上場企業の株価動向を示す指標があります。その指数である「ナスダック総合指数」と「ナスダック100指数」について、その概要と長期的なトレンドについてご説明します。

ナスダック(NASDAQ)総合指数

ナスダック総合指数とは、原則としてナスダックに上場している全銘柄を対象とした株価の動きを表す株価指数(時価総額加重平均型)のことをいいます。先ほどもご説明した通り、ナスダックは新興企業向けの市場であり、有名なIT企業が多数上場しています。そのため、IT企業の株価動向を把握する際の重要な指数と位置付けられています。

基準日(1971年)の水準を100としてナスダック市場全体の動向を表すものであるため、単位は米ドルではありません。

ナスダック総合指数は、チャートをご覧いただくと分かりやすいように、基準日以降、おおむね右肩上がりで推移をしています。

出典:https://www.tradingview.com/symbols/NASDAQ-IXIC/

ナスダック(NASDAQ)100指数

ナスダック100指数は、ナスダックに上場している主要企業のうち、金融銘柄を除いた企業の中で流動性が高く時価総額の大きい上位100社の時価総額を加重平均して算出した指数です。100社は毎年入れ替えが行われます。ナスダック100指数には、外国籍の企業も選定されていますが、主にアメリカを代表する企業の株価動向を把握する重要な指数といえます。

出典:https://www.tradingview.com/symbols/NASDAQ-NDX/

ナスダック100指数も、基準日以降、ナスダック総合指数と同様におおむね右肩上がりで推移をしています。ただし、ナスダック100指数は、後述の通り、IT企業の占める割合が多いため、ナスダック総合指数と比べるとやや変動が大きいのが特徴です。

ナスダック100指数の構成銘柄

ナスダック100指数を構成する100の企業を業種別に見たとき、どのような構成割合になっているかをご説明します。また、その構成割合から分かるナスダック100の特徴についても簡単にご説明します。

ナスダック100指数の構成銘柄

出典:『Nasdaq-100® Index:The Benchmark of the 21st Century』を参照し、図は筆者作成

ナスダック100指数を構成する企業を業種別に分けると、アップルやアドビ、アルファベット(Googleの親会社)といった有名IT企業を含むテクノロジー関連企業が50%を超えていることが分かります。テクノロジー関連企業は今後のさらなる発展に期待が集まる一方で、業績によって株価の騰落が大きい傾向もある点には注意が必要です。

ナスダック投資のメリット

ナスダックそのものには、投資することはできません。しかし、後述でご紹介するETFやナスダックに上場している個別銘柄に投資することはできます。ここでは、主にナスダック総合指数やナスダック100指数に連動したETFに投資するメリットについてご説明します。

市場規模の大きさ

ナスダックについての概要をご説明した際にも触れた点ですが、ナスダックは新興企業向け株式市場において世界最大の規模を誇っています。新興企業向け株式市場とはいえ、世界最大といわれるニューヨーク証券取引所の上場企業数を大きく超えており、同取引所の時価総額にも迫る勢いがあります。ナスダックの指数に連動したETFに投資することにより、大きな市場にまとめて投資ができるため、個別銘柄に投資するよりも分散投資効果が生まれやすくなります。また、ETFなら少額から投資が可能であるため、比較的低リスクの運用となりやすいでしょう。

パフォーマンスが良好

ナスダックの指数推移をご覧になると分かる通り、多少の調整はあるものの右肩上がりとなっておりパフォーマンスは良好です。ただし、ナスダックは新興企業向け株式市場であるため、有名IT企業のみならず、ベンチャー企業も多数上場しています。ベンチャー企業を個別に見ると業績には波があり、期待値も含んだ値動きになっているため、事業展開が行き詰まれば暴落の可能性もあります。そのためナスダック上場企業とはいえ、個別銘柄を短期的に見ると騰落が激しいこともあるでしょう。ナスダックの指数に連動したETFであれば市場全体の動きに連動しているので、長期的に見れば個別銘柄への投資よりリスクを低く抑えながら、良好なパフォーマンスの恩恵を受けやすいといえます。

世界的な大企業に投資できる

ナスダックには、アップルやアドビ、アルファベット(Googleの親会社)など、かつては新興企業であったものの、現在は世界的な大企業となった企業も多数上場しています。もちろん、個別銘柄に投資することもできますが、ナスダックの指数に連動したETFであれば、それらの企業にもまとめて投資ができるため、分散投資効果が生じやすくなるでしょう。

ナスダック投資のデメリットや注意点

先段と同様に、主にナスダック総合指数やナスダック100指数に連動したETFに投資するデメリットや注意点についてご説明します。

情報収集が難しい

ナスダックの上場企業の中には日本企業もありますが、上場企業の多くがアメリカの企業です。そのため、特にナスダックに上場している個別銘柄に投資を行う場合には、情報収集を英語で行う必要があります。もちろん、インターネットの翻訳サービスなどを活用しながら情報収集を行うこともできないわけではありませんが、英語のスキルによっては限界もあるでしょう。

日本と異なり、アメリカの株式取引には値幅制限がありません。そのため、情報収集力が乏しければ、大きな利益を得ることもできる可能性がある反面、大きな損失が生じてしまう可能性もあります。これからアメリカ企業への投資を始めてみたいと考える初心者の方は、個別銘柄への投資ではなく、アメリカの株式市場の指数に連動したETFから始めると、リスクを抑えながら投資への理解を深めていくことができるでしょう。

他の指数との比較

アメリカの株式市場の動向を示す指数には、今回ご紹介したナスダック総合指数やナスダック100指数のほかにもNYダウ、S&P500があります。それらの指数とナスダック関連指数と連動したETFの値動きの違いについてご説明します。

NYダウとの比較

NYダウにはいくつかありますが、一般的にNYダウというと「ダウ工業株30種平均指数」を指します。NYダウは、アメリカの株式市場の動向を示す指数としては最も古いもので、ナスダックやニューヨーク証券取引所に上場しているアメリカの代表的な30銘柄を選出し、その平均を算出した株価指数のことをいいます。日本で例えるなら日経平均株価に近い存在といえます。NYダウの対象となっている代表的な銘柄には、アップル、ウォルト・ディズニー、コカ・コーラなどがあります。ナスダックはIT企業や新興企業が多いため短期的に見ると指数の騰落が激しい一方で、NYダウは大企業が中心となるため短期的に見ても比較的安定的な推移をしている指数といえます。

S&P500との比較

S&P500は、ニューヨーク証券取引所およびナスダックに上場している企業から500銘柄を選出し、指数化したものです。いわば、NYダウとナスダック指数の中間的存在の指数といえるでしょう。とはいえ、S&P500の対象となっている企業を時価総額順に見るとIT企業が上位を占めているため、NYダウよりも成長性が高い一方で、大企業を含めた幅広い500銘柄が対象となっているためナスダックよりも安定性がある指数といえます。

ナスダック投資におすすめの証券会社

ナスダックに上場している個別銘柄およびナスダック関連指数に連動したETFに投資を行う際に、おすすめの証券会社をご紹介します。

SBI証券

SBI証券は、SBIホールディングス傘下の国内最大のネット系証券会社です。手数料はネット系証券会社で最安値をうたっており、国内の現物株以外にも、海外の現物株、ETFなど幅広い取引が可能です。海外ETFも350銘柄以上あります。ナスダックの関連指数に連動したETFも多数ありますし、買付手数料無料のラインナップもあります。

IG証券

IG証券は、英国のロンドンに本拠地がある歴史のある金融サービス会社です。世界中の株式市場やETFに幅広くアクセスすることができる点がIG証券の特長のひとつです。また、IG証券はCFD(差金決済取引)を強みの一つとしていることもあり、やや上級者向けの証券会社といえます。そのためCFD取引ではなく、少額の現物取引から始めたい初心者にとっては、手数料の割合が高めとなる可能性もあります。

楽天証券

楽天証券は、楽天グループのネット証券会社です。手数料は、SBI証券と同様、業界最低水準をうたっており、国内の現物株以外にも、海外の現物株、ETFなど幅広い取引が可能です。アメリカの株式市場を示す指数に連動したETFも150銘柄以上あります。ナスダックの関連指数に連動したETFも多数ありますし、買付手数料無料のラインナップもあります。

ナスダック投資におすすめのETF

ナスダック関連指数に連動したETFには、さまざまなものがあります。今回ご紹介するETF以外にも、より企業を絞り込んで投資をしているETFも存在します。特徴を理解し、取引のしやすさやご自身のリスク許容度に応じて、自分に合ったETFを選んでみましょう。

NASDAQ-100ETF(国内上場)

ナスダック100指数に連動したETFは、日本国内で上場しているものもあります。後にご紹介するQQQと比べると、純資産残高等が見劣りする部分もあります。ただし、取引通貨が日本円であったり、日本時間での取引が可能であったりするなどのメリットもあります。

QQQ(米国上場)

QQQとはインベスコという運用会社が運用しているETF「Invesco QQQ Trust Series 1」の略称です。ナスダック100指数の値動きに連動する歴史あるETFとして有名です。

レバナス

レバナスは、レバレッジをかけて、基準価格がナスダック100指数の2倍となることを目指して運用を行っているETFです。レバレッジをかけるため、元手を抑えることができますが、価格下落時の損失が大きい点には注意が必要です。

ナスダック連動ETFでアメリカ投資の第一歩を

アメリカ株への投資に関心はあるものの「どの銘柄に投資していいか分からない」「どのように情報収集していいか分からない」という方も少なくないでしょう。情報収集が不十分なうちから、個別銘柄への投資を始めると思わぬ損失を被ってしまう可能性もあります。アメリカの株式市場への理解を深めるためにも、今回の記事を参考にしながら成長性の高いナスダック関連指数に連動した低リスクのETFからアメリカ株への投資の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。