TECLとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説

TECLは、Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETFのことです。ソフトウェア、半導体・半導体装置、テクノロジーハードウェア・ストレージ・周辺機器のセクターの銘柄を多く含んでいます。

この記事では、TECLの基準価格(※1)や過去のチャート、メリット・デメリットや注意点について解説しています。最後に他のETFとの比較や、おすすめの証券会社も紹介しています。TECLの購入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

(※1)基準価格…投資信託の価格のこと、株式で言う株価にあたります。

TECLとは?配当利回りは?

TECLとはDirexion Investment社が運用している、Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETFのことを指します。ブル(※2)型3倍ETFとは、ベンチマークに対して3倍の運用成果を目指すレバレッジETFのことで、TECLのベンチマークはテクノロジー・セレクト・セクター指数です。ベンチマークとはETFが運用目標としている特定の指数のことで、例えばTECLのベンチマークであるテクノロジー・セレクト・セクター指数が5%上昇した場合TECLは15%上昇し、5%下落した場合は15%下落する傾向があります。

レバレッジとは日本語で「てこの原理」を意味し、借り入れをして自己資金を増やして投資をする方法です。大きな利益が期待できる反面、損失が生じたときに損失額も大きくなるため、注意が必要です。

TECLは値上がり益だけではなく、配当金による収益も期待できます。配当金とは、ETFが決算時に収益の一部を投資家に還元する収益のことで、配当金は決算期間中に生じた収益から費用を控除した金額が支払われます。TECLは年間4回の配当があり、配当金利回りは0.36%(2023年4月末時点)です。

(※2)ブル(bull)…ブルとは相場が上昇したときに利益が出るように、設計された商品のこと。雄牛の角が上に向かっている姿から「上昇」を表します。一方、ブルの反対語としてベア(bear)があります。ベアとは、相場が下落したときに利益が出るように設計された商品のこと。ベアの由来は熊が前足を振り下ろす姿であり、相場において「下落」を表します。

【TECLの概要】

正式名称Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF
運用会社Direxion Investment
市場NYSE Arca
ベンチマーク指数テクノロジー・セレクト・セクター指数
経費率0.90%(2023年4月末時点)
純資産額1,867.22百万USドル(2023年3月末時点)

TECLの構成銘柄

TECLはソフトウェア、半導体・半導体装置、テクノロジーハードウェア・ストレージ・周辺機器のセクター構成比が約87%を占めており、今後、成長が期待できる企業を構成銘柄に多く含んでいることがわかります。特にマイクロソフトとアップルの構成比が大きく、両社の業績などがTECLの基準価格に大きな影響を与えます。

【TECLのセクター別組入比率】

TECLのセクター別組入比率

【TECLの主な組入銘柄と組入比率(2023年4月末現在)】

企業名組入比率
マイクロソフト23.84%
アップル22.82%
エヌビディア4.86%
ブロードコム3.54%
シスコ2.83%
セールスフォース2.64%
アクセンチュア2.37%
アドビ2.33%
テキサス・インスツルメンツ2.22%
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ2.08%

TECLの株価推移チャート

TECLは右肩上がりで上昇を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大によるアメリカの景気の減速により一旦、成長が鈍化しました。新型コロナウイルス感染対策が浸透し、アメリカの景気が持ち直すと基準価格が再度急上昇し始めます。

しかしながら、急激な景気回復により、人手不足や原材料不足などが明るみになり、インフレが進行します。アメリカの中央銀行であるFRBはインフレ退治のために急速な政策金利の引き上げを実施しました。政策金利の引き上げにより、アメリカの景気後退になったこともあり、今日、これからの成長を期待して買われるグロース株の比率が多いTECLの基準価格は伸び悩んでいる傾向があります。

引用元:TradingView

TECLのメリット

高いリターンの可能性

TECLの投資策は、アメリカのグロース株の比率が多いため、景気の良い時期は大きな基準価格の値上がりが期待できます。2023年4月時点のTECLの基準価格は36.49ドルです。最も基準価格が高かった86ドル台(2021年12月)よりは大きく低下していますが、10年前(2013年4月時点)では、1.45ドルのため、25倍に増加していることになります。長期的に資産を増やしていきたい方にTECLは向いているといえるでしょう。

少額投資ができる

TECLは1口単位で購入ができます。基準価格が36.49ドルとした場合、5,000円程度(1ドル136円で換算)から投資が可能です。そのため、TECLは少額投資向きといえるでしょう。

分散投資

TECLのベンチマークとなっているテクノロジー・セレクト・セクター指数は、66の個別銘柄で構成されています。TECLを1つ保有するだけで、約66の銘柄に投資をしたのと同などの分散投資効果が得られます。値動きする金融商品は、複数の値動きの特徴が異なる財産を併せ持つことで価格変動リスクを抑えることが可能です。

初心者にとって個別金融商品の値動きの特徴を理解することが難しいかもしれません。TECLは個別で商品を選ばなくても、すでに複数の銘柄に分散投資が行われているため、改めて商品選びをする必要がありません。

TECLのデメリットや注意点

TECLを購入するなら、メリットと一緒にデメリットや注意点も知っておきましょう。

経費率が高い

経費率とはETFの運用費用が純資産総額に対してどれくらいかかるかを割合で表したものです。TECLの経費率は0.9%で、QQQ(0.2%)やVTI(0.03%)と比べると割高です。ただし、レバレッジ型ETFはもともと経費率が高い傾向があり、その中ではTECLの経費率がとりわけ高いわけではありません。

ボラティリティが高い

TECLを構成する銘柄は、グロース株が多いためボラティリティ(価格変動率の大きさ)が大きい傾向があります。TECLは余剰資金で投資をするように心がけましょう。余剰資金とは手取り収入から食費や住宅費、医療費といった日々の生活に必要なお金と、車の購入や旅行費用など、近いうちに使い道が決まっているお金を引いて残った金額のことを指します。

TECLにおすすめの証券会社

TECLをする場合、どの証券会社が良いかを知りたい方もいることでしょう。ここではおすすめの証券会社4社につて紹介します。

SBI証券

SBI証券は国内株式の個人取引シェア1位の証券会社です。IPO(新規公開株)や外国株式取扱い国数、取扱い銘柄数は業界トップクラスの水準です。取引に応じてさまざまなポイントがたまり、ポイントを使って1ポイント1円で投資信託の買付ができます。

マネックス証券

ワン株(単元未満株)の買付手数料や投資信託の購入時申込手数料が無料です。IPOや米国株、金・プラチナなど、数多くの商品に投資が可能ですが、特に米国株に力を入れており、取扱い銘柄数は業界トップクラスです。また、企業の長期的な業績や財部状況が確認できる分析ツール「銘柄スカウター」の機能性は定評があります。

楽天証券

国内株式・海外株式やFX、ETFや先物・オプションなど、充実した商品ラインナップをそろえています。手数料水準も業界トップクラスとなります。国内株式は取引手数料0円からスタートし、投資信託は全銘柄の購入手数料が無料です。売買手数料無料のETFも数多く取り揃えています。

IG証券

IG証券はロンドン証券取引所に上場している、45年以上の歴史を持つ証券会社です。個別株式、株価指数、債券、商品など、圧倒的な取扱い銘柄数を誇っています。また、投資に関する学習プログラムが充実しており、初心者から上級者までレベルに合った学習が可能です。

他のETFとの比較

TECLと他のETFの比較する点について、次の通りまとめています。商品を選ぶ際の参考にしてみてください。

TECS

TECLがDirexion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETFであるのに対し、TECSはDirexion デイリー テクノロジー株 ベア3倍 ETFのことを指します。ベンチマークは同じのため、組入銘柄やセクター別の組入割合はTECLと同じです。

TQQQ

TQQQはNASDAQ100 指数に対して3倍の運用成果を目指すブル型ETFです。TECLに比べて組入銘柄がGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック(メタ・プラットフォームズ)、アップル、マイクロソフト)を中心としたテクノロジーセクターの組入比率が多いという特徴があります。

XLK

Xlkはテクノロジー・セレクト・セクター・SPDRファンドのことで、テクノロジー・セレクト・セクター指数に連動した運用成果を目指すETFです。同指数をベンチマークとしている点がTECLと共通していますが、TECLはブル 3倍 ETFという違いがあります。

TECLは高いリターンを狙いたい方向け

TECLとはDirexion Investment社が運用している、Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETFのことです。TECLはソフトウェア、半導体・半導体装置、テクノロジーハードウェア・ストレージ・周辺機器のセクター構成比が約87%を占めており、成長性が高い企業を構成銘柄に多く含んでいます。

しかし、同ETFはレバレッジ型のため、大きな利益が期待できる反面、大きな損失を被る可能性があるため、ハイリスク・ハイリターンのETFと言えるでしょう。

よくある質問

TECLとは?

Direxion Investment社が運用している、Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETFのことを指します。組入銘柄はソフトウェア、半導体・半導体装置、テクノロジーハードウェア・ストレージ・周辺機器セクターの企業が多く、レバレッジETFのため、ハイリスク・ハイリターンのETFです。詳しくはこちらをご覧ください。

TECLにおすすめの証券会社は?

TECLはCFD取引もできます。CFD取引をするときはIG証券、現物取引をするときはSBI証券、マネックス証券、楽天証券がおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。