VIGとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説

VIGとはS&P US Dividend Growers Indexという株価指数に連動した運用成果を目指すETFです。10年以上連続増配している米国株で構成されているため、今後も安定した成長が期待できるでしょう。この記事ではVIGの概要についてチャートを見ながら紹介。その他、メリット・デメリットや注意点、他のETFとの違いやVIGを購入する際におすすめの証券会社について解説しています。

VIGとは?配当利回りは?

VIGとはアメリカで設立された世界最大級の資産運用会社バンガード社が運営しているインデックス型ETF「バンガード®・米国増配株式ETF」のことです。インデックス型ETFとは、特定の指数に連動した運用成果を目指すETFのことを指し、VIGがベンチマークとしているのはS&P US Dividend Growers Indexという指数となっています。なお、ベンチマークとは、ETFが運用目標としている特定の指数のことをいいます。S&P US Dividend Growers Indexは、10年以上連続増配している米国株を中心に構成されている指数です。

【VIGの概要】

正式名称バンガード®・米国増配株式ETF
運用会社Vanguard
市場NYSE Arca
ベンチマーク指数S&P US Dividend Growers Index
経費率0.06%(2023年5月17日時点)
純資産額66,913.38百万USドル(2023年4月28日時点)

VIGは年間4回の配当があり、配当金利回りは1.95%(2023年5月17時点)です。配当金とは、ETFの決算時に投資家に還元する収益のことをいいます。ETFの配当金は決算期間中に生じた収益から費用を控除した金額が支払われます。

VIGの構成銘柄

VIGは長期間増配を継続している実績を持つ米国株で構成されており、情報技術、金融、ヘルスケア、産業用機器など多くのセクターに投資をしている点が特徴です。

【VIGのセクター別組入比率】

VIGのセクター別組入比率

【VIGの主な組入銘柄と組入比率(2023年4月末現在)】

企業名組入比率
マイクロソフト4.66%
アップル4.27%
エクソンモービル3.46%
ユナイテッドヘルスグループ3.26%
ジョンソン・エンド・ジョンソン3.04%
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー2.88%
プロクター・アンド・ギャンブル2.63%
ビザ Class A2.57%
マスターカード Class A2.29%
ホームデポ2.18%

VIGの株価推移チャート

VIGは2006年に設定されて以降、リーマンブラザーズ証券の破綻があった2008年後半や、新型コロナウイルスが急速に拡大し、経済活動に影響を及ぼし始めた2020年上旬を除けば価格が右肩上がりで推移しています。

出典:https://jp.tradingview.com/symbols/AMEX-VIG/

VIGのメリット

VIGに投資をするメリットを2つ紹介します。

分散投資の効果がある

VIGの投資先は314銘柄にわたり、さまざまな業種に投資しています。投資のリスクを抑えるためには一つの銘柄にまとまった資金を投資するのではなく、値動きの特徴が異なる複数の銘柄を併せ持つ分散投資が効果的です。VIGを1銘柄保有するだけで、多くの銘柄、多くの業種に分散投資したことと同等の効果が期待できます。

安定した配当が期待できる

2023年5月24日時点でのVIGの配当利回りは1.94%と決して他のETFに比べて高いわけではありません。しかしVIGに組み入れられている銘柄は増配を継続している企業です。これは時代が変化しても安定した利益を出し続けている企業であることを証明しており、今後価格も右肩上がりに続く可能性が高いでしょう。

VIGのデメリットや注意点

VIGのデメリットや注意点を2つ紹介します。

少額投資には向かない

VIGのデメリットは少額投資ができない点です。VIGの価格は5月17日時点で155.57USのため、1口購入するためには1ドル136円で換算すると、約2万1,000円かかることになります。証券会社によっては毎月100円から始められる投資信託もあるため、少額投資を希望する人にとってはVIGの価格はデメリットに感じるかもしれません。

高配当とは言えない

VIGは増配を続けている銘柄が多いため、安定した分配金を受け取れる可能性が高いでしょう。ただし配当利回りという点で考えると、2.78%のVYMや4.29%のSPYD(2023年5月24日現在)には劣ります。

また配当金が継続しているとはいえ、それが続くとは限りません。安定していても定期的に配当利回りが著しく低下していないか、組み入れられている銘柄が配当金を継続しているかなどの情報は定期的に確認をしておきましょう。

VIGにおすすめの証券会社

VIGを取り扱っているおすすめの証券会社は、次の4社です。

SBI証券

外国株や投資信託など、多くの金融商品において業界最高水準の取扱銘柄数を誇ります。またVIGは対象に含まれていませんが、1注文あたり、税込み0.495%(最低0~最大22ドル)の買付手数料が一部ETFで無料になります。

IG証券

1974年に設立されたロンドンに拠点を構える証券会社です。IG証券はCFD取引が可能な銘柄が1万7,000社と多く、VIGもCFD取引(※1)ができます。IG証券のオンライン取引における最低手数料は16.65USドルです。

※1 CFD取引とは「差金決済取引」のことで、現物の受け渡しを行わず、反対売買で得られた損益のみの受け渡しをする取引のことをいいます。

楽天証券

楽天証券も業界最高水準の取扱銘柄数を誇ります。海外ETFの買付手数料の削減に力を入れています。VIGは対象になっていませんが2023年5月現在、15銘柄の買付手数料が無料となっており、今後も銘柄の増加が期待できます。

野村証券

1925年に設立された日本を代表する証券会社の一つです。ETFの取り扱いも豊富で、アメリカのみならずアジア、中南米、アフリカといった多くの国に投資ができます。他にもコモディティー(※2)、バランス型(※3)、ブルベア型(※3)なども取り扱っています。

※2 原油、大豆、トウモロコシなど、一次産品の総称です。

※3 株式だけではなく、債券など他の資産クラスにも投資をするタイプです。

※4 ブル型は相場の上昇局面、ベア型は相場の下落局面で利益が出るように設計されている商品のこと。ブル(bull)とは雄牛が下から上に突き上げている仕草から相場の上昇を表し、ベア(bear)はクマが前足を振り下ろしている、あるいは背中を丸めている仕草から相場の下落を表します。

他のETFとの比較

VIGを検討する場合、他のETFを比較することも必要です。ここではVIG以外のETFの比較について解説します。

VYMとの比較

VIG同様バンガード社が運営する商品ですが、FTSE High Dividend Yield Indexという指数をベンチマークとしています。配当利回りを切り口に銘柄選定をしている点は似ていますが、VYMは米国為替市場の平均利回り以上の配当を出す銘柄で構成しているのが特徴です。経費率はVIGと同水準の0.06%です。

QQQとの比較

QQQは、NASDAQに上場している銘柄のうち金融銘柄を除く時価総額上位100社で構成されているNASDAQ100指数に連動した運用成果を目指すETFです。経費率は0.20%で、VIGと比較すると高めです。

VGTとの比較

VGTもバンガード社が運営するETFですが、MSCI US IMI Information Technology 25/50 Indexに連動した運用成果を目指します。情報技術セクターへの投資が大半を占めているため、高い成長性が期待できます。経費率は0.10%とVIGよりやや高めです。

安定した成長性に期待したい人はVIGがおすすめ

VIGとはバンガード社が運営しているインデックス型ETF「バンガード・米国増配株式ETF」のことです。同ETFは、長期間増配を続けている米国株で構成されているS&P US Dividend Growers Indexという指数をベンチマークとしています。VIGに組み入れられている銘柄は、変化の激しい時代に、連続して配当金を出せるほどの業績を出せる企業であることから、今後も安定した成長が期待できるでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。