- 更新日 : 2023年10月13日
イークラウドの基本情報とメリット・デメリットを解説
企業が個人から事業資金を集める方法といえば「株式発行」「債券発行」という方法が有名です。しかし、最近では「株式投資型クラウドファンディング」という方式も広がりつつあります。今回は株式投資型クラウドファンディングサービスを運営するイークラウドに焦点を当て、事業の内容や利用のメリット・デメリットをご紹介します。新しい投資の仕方を探している方はぜひご覧ください。
目次
イークラウドとは
イークラウドについてご紹介する前に、まずは株式投資型クラウドファンディングについて確認しましょう。
企業の資金調達方法として、よく挙げられるのは「金融機関からの借り入れ」「株式や債券の発行」です。ただし、特にこれから事業を広げたいスタートアップ企業においては、企業の信用を得ること、準備の時間や費用がかかるといったことも考えなくてはなりません。
そこで、2015年の5月の金融商品取引法などの改正で、一般投資家から資金を募り、業績が上がったところで投資家に還元する、「株式投資型クラウドファンディング」という制度が認められました。
ちなみに、株式投資型クラウドファンディングで同一の企業が資金調達するのに可能な金額は、1年間に1億円未満と定められています。
イークラウドの基本情報
株式投資型クラウドファンディングサービスを展開するイークラウドについて基本情報を押さえておきましょう。
運営会社 | イークラウド株式会社 |
---|---|
設立 | 2018年7月 |
サービス開始時期 | 2020年7月 |
資本金 | 1億円 |
最低投資金額 | 10万円前後 |
累計調達金額 | 約3.4億円 ※2022年1月時点 |
1案件あたりの平均調達額 | 約3,400万円 ※2022年1月時点 |
累計達成件数 | 未公開 |
URL | https://corp.ecrowd.co.jp/ |
イークラウドの特徴
イークラウド株式会社は、株式会社大和証券グループ本社の関連会社であり、ベンチャー企業やスタートアップ企業向けの資金調達をサポートする企業です。1億円未満の資金調達を専門に行っています。また、ホームページ上で投資家の募集を行い、一般投資家と企業の橋渡しを行う役割も果たしています。
イークラウドの平均募集額
イークラウドでの1案件当たりの平均調達額は約3,400万円です(2022年1月時点)。
イークラウドの平均達成率
イークラウドが資金調達を手伝った株式投資型クラウドファンディングの目標金額達成件数は未公開ですが、達成率は100%です(2022年1月現在)。
イークラウドで投資するメリット
イークラウドで投資するメリットは以下の4つです。
- 大和証券と提携
- プロの目で選んだ投資先
- 大きな利益を得られる可能性がある
- エンジェル税制適用の場合も
大和証券と提携
前述のとおり、イークラウドは、株式会社大和証券グループ本社の関連会社です。信用ある企業と連携している事業なので、資金調達をしたい企業も投資家も安心して利用できます。
プロの目で選んだ投資先
イークラウドで募集される案件は、全て金融やベンチャーキャピタルのプロが選んだものです。将来性が見込まれない企業の案件については、基本入れないよう意識しています。
大きな利益を得られる可能性がある
株式投資型クラウドファンディングで資金調達を希望する企業は、スタートアップ企業やベンチャー企業などです。今は規模が小さいですが、事業展開次第では大きく成長することも期待できます。投資家側は大きな利益を得られる可能性があるのも魅力的です。
エンジェル税制適用の場合も
エンジェル税制とは、一定の要件を満たしたベンチャー企業に投資した個人投資家が受けられる税の優遇です。以下が具体的な内容となっています。
【株式取得時点】
優遇措置A | 優遇措置B | |
---|---|---|
対象企業 | 設立5年未満の企業 | 設立10年未満の企業 |
控除対象 | 投資した年の総所得金額 | 投資した年の株式譲渡益 |
控除金額 | 投資金額-2,000円 | 投資金額全額 |
【株式売却時点】
株の売却などで損失が生じた場合、その年の他の譲渡損益と通算することが可能です。さらに、通算しても残った損失は3年間繰り越すことができます。
イークラウドが取り扱う案件の中には、エンジェル税制の対象に該当しているものもあります。お得に投資したい方は要注目です。
イークラウドで投資するデメリットや注意点
イークラウドの投資には以下のようなデメリットもあります。
- 投資案件が少ない
- リスクが高い
- 初期費用が比較的高額
投資案件が少ない
投資案件が少なく、思いついたタイミングで投資できない点はイークラウドのデメリットといえるでしょう。ちなみに、2023年9月22日現在、募集中案件は0件です。投資を検討する場合は、こまめにホームページをチェックし、募集を見逃さないようにする必要があります。
リスクが高い
上場株式への投資の場合、企業情報や株価の動向など多くの情報を取得できます。しかし、イークラウドで扱うスタートアップ企業の場合、情報公開がまだ十分でないというケースも多々あります。企業や事業について詳しく調べられずに投資をするため、リスクが高くなる点には要注意です。
初期費用が比較的高額
イークラウドの募集する投資案件は1口10万円前後です。初期費用が比較的高額になるため、多少減っても問題ない資金で投資することを心がけましょう。
イークラウドでできる新しい投資
イークラウドは株式投資型クラウドファンディングという新しいサービスを展開する会社です。金融機関からの借り入れなど、従来の資金調達方法に頼りにくいスタートアップ企業の利用が今後ますます増えてくることも予想されます。投資家側から見ても、将来性のある企業を知るきっかけにもなるでしょう。
ただし、投資の初期費用が10万円前後かかります。また、スタートアップ企業の場合、上場企業と比較すると情報が非常に少なく、経営状態が見えにくいといった注意点もあります。これらの点にも留意して投資を始めてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
お金の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
米国債とは?利回りや買い方、おすすめの証券会社を解説
株式はリスクがありそうで怖いため、もっと安全な投資がしたいという方に注目されているのが「債券投資」です。その中でも、米国債は利回りや信用度の高さから人気を集めています。今回は、債券投資に興味がある方のために米国債の推移チャート、そして、メリ…
詳しくみるおすすめのインドETFとは?投資の注意点や使える証券会社も解説
インドの急成長が話題となっています。「今後の投資先にどうだろうか」と考えている方もいるのではないでしょうか。そこで、今回はインドのETF(上場投資信託)についてご紹介します。投資のメリットおよびデメリットや注意点、証券会社選びについても解説…
詳しくみるFXでおすすめの取引時間とは?避けた方が良い時期はある?
FXにも取引ができる時間とできない時間、1日のうちで取引が活発になりやすい時間帯、価格が変動しやすいため避けた方が良い時間や時期があります。どのような時間をねらって取引をするのがおすすめなのか、FXの取引時間について詳しく説明します。 FX…
詳しくみるVYMとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説
VYMとは米国のETFの一つです。日本の証券会社を通じて売買ができます。ETFは一つの銘柄だけでなく、複数の銘柄を組み合わせて作る上場投資信託のため、「どの銘柄を選んだらいいのか分からない」「株価をチェックするのが大変」という方にもおすすめ…
詳しくみる投資とは?初心者におすすめの種類や始め方をわかりやすく解説
これから投資を始めようとしても、投資にはどのような種類があるのか、どのような点に注意するべきなのかがわからず、なかなか始められない人も多いのではないでしょうか。また、投資を行うにあたり有効な制度について知っておくことも大切です。 今回はこれ…
詳しくみるリセッションとは?影響から対策まで知っておくべきこと
景気が悪化してくると、経済ニュースや報道などで「リセッション」という言葉を耳にします。そもそも「リセッション」とはどのような意味を持つのでしょうか。今回の記事では、リセッションの意味、原因、影響を解説し、リセッションが起こる際のシグナルと対…
詳しくみる