- 更新日 : 2023年10月13日
元本保証とは?投資のリスクを抑えよう
さまざまな金融商品に投資をすると、利益が出る可能性があります。その反面、思ったより資産が増えなかったり、元本が減ってしまったりといったリスクもあることでしょう。
そこで、なるべくリスクを取りたくないという方におすすめなのが元本保証の資産運用です。今回は、元本保証で投資できる金融商品にはどのようなものがあるか、および元本保証のメリットとデメリットについてご紹介します。なるべく安全に資産運用したい方はぜひ参考にしてください。
目次
元本保証とは
元本とは、運用の元手となる資金のことです。また「元本保証の金融商品」とは、元手の資金が運用期間中、保証されている金融商品を意味します。
元本保証の金融商品を選択すれば、いつ解約しても元本+金利が受け取れるので、資金を減らさずに運用したいという方にはおすすめです。ただし、元本保証の金融商品はリスクが低い反面、金利も低めに設定されている特徴があります。この点には注意しましょう。
また、元本保証と類似した言葉で、元本確保というものがあります。こちらの意味合いは、満期を過ぎたら、最低限の元本が保証される運用です。ただし、満期になる前に解約すると元本割れになる可能性がある点を理解しておきましょう。
元本保証の資産運用
元本保証と元本保証に近い資産運用方法を6つご紹介します。
定期預金
元本保証で資産運用できる方法といえば、定期預金や普通預金といった銀行の預金を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
定期預金は、1年や5年など期間が定められた預金です。基本的には満期までの引き出しはできませんが、預け入れや引き出しが自由にできる普通預金と比較すると高い金利が設定されています。このような点から、定期預金は数年間使う予定のない資金の運用に向いているといえるでしょう。
ちなみに、満期前の中途解約が絶対にできないというわけではありません。中途解約の場合、預け入れた元本は保証されますが、金利は当初予定されていたものよりも低くなります。
個人向け社債
社債とは、企業が事業資金を集めるために発行する債券のことです。機関投資家向けに発行される社債は1口=1億円ほどですが、個人向け社債は1口=100万円程度で発行されています。証券会社で購入可能です。
社債は満期が定められており、満期まで持てば額面金額が戻ってくる元本確保型商品です。また、金利が定期的に支払われます。預貯金の金利よりも高めに金利が設定されている点は大きなメリットといえるでしょう。
中途換金時は債券市場での売却となります。債券価格が上がっていれば利益が出ますが、反対に下がっていると元本割れすることもありますので気をつけてください。
個人向け国債
国が発行する債券が国債です。満期まで持つと額面金額が戻ってきます。個人向け国債は証券会社、銀行などの金融機関で1口=1万円から購入可能です。
期間および金利タイプは以下の通りです。
固定金利 | 3年、5年 |
---|---|
変動金利 | 10年 |
社債同様、金利が預貯金よりも高めに設定されており、0.05%の最低金利保証もあります。
中途換金は発行1年後から可能ですが、その際は中途換金調整額として「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれます。この点から、満期まで待てるという方におすすめの金融商品といえるでしょう。
地方債
地方公共団体が資金調達のために発行するのが地方債です。総務省ホームページには「地方公共団体が1会計年度を超えて行う借入れ」と記載されています。1口=10万円で販売されます。社債や国債と同様、金利は預貯金よりも高めに設定されています。
公募地方債の種類は以下の通りです。
全国型市場公募地方債 | ・地方公共団体が単独で発行 ・誰でも購入可能 |
---|---|
住民参加型市場公募地方債 | ・都道府県・市区町村が発行 ・購入できるのは発行する自治体に居住・勤務する者 |
共同発行市場公募地方債 | ・地方公共団体が共同で発行 ・誰でも購入可能 |
満期前に売却することもできますが、時価となります。その際は元本割れの可能性もありますので気をつけましょう。
貯蓄型保険
保険と貯蓄、両方の役割を兼ね備えているのが貯蓄型保険です。具体的には「養老保険」「学資保険」「終身保険」などの保険商品として販売されています。60歳、70歳など満期が定められており、満期になれば満期保険金を受け取れるのが特徴です(終身保険には満期がありません)。また、契約中に死亡した場合は死亡保険金を受け取れます。
中途解約で解約返戻金も受け取れますが、一定期間を過ぎるまでは払込保険料を下回ることもあります。保険商品としての特徴として、同じような保障内容の掛け捨て型の保険に比べ、保険料が高くなる点なので、検討の際に注意しておくとよいでしょう。
公社債投資信託
公社債投資信託は社債、国債、地方債で運用する投資信託です。株式が組み込まれていないため、元本割れリスクは低く、安定的に運用できるというメリットがあります。
ただし、株式投資信託と比較すると、分配金が少なめというデメリットもあります。解約時は時価のため、絶対に元本割れしないという保証もありませんので気をつけましょう。
元本保証の資産運用のメリット
元本保証や元本確保の資産運用のメリットを2つご紹介します。
元本が減らない
元本保証の資産運用の最も大きなメリットは元本割れがないという点です。絶対に減らしたくない資金の運用をしたい場合にも安心です。
金利・利回りが明記されている
定期預金、債券(社債・国債・地方債)、貯蓄型保険などは、金利・利回りを確認して投資できます。購入時点から何年でどれだけ増える、ということがわかるため、将来使う予定がある資金の運用に向いています。
元本保証の資産運用のデメリットや注意点
メリットだけでなく、デメリットについてもチェックしておきましょう。
インフレに弱い
インフレ状態になった場合、時勢に比例して株価が上昇する株式などとは異なり、投資時に確認した利回り・利率以上の利益は出ません。これからインフレになり、株価が上昇すると予想する方は、元本保証での運用を控えめにした方がよいでしょう。
中途解約で元本割れする商品もある
定期預金のように、元本保証商品の場合は問題ありませんが、債券、貯蓄型保険などの元本確保型商品は中途解約で元本割れする可能性もあります。
元本割れをしたくない方は、数年後、数十年後の満期まで使う予定のない資金なのかをよく考えてから投資するようにしましょう。
金融機関や発行元の破綻時に全額戻ってこない場合もある
金融機関や発行元の破綻にも注意が必要です。定期預金の場合、預けた銀行が破綻すると合算して「元本1,000万円まで(ここでは、金融機関ごとで合算した額)+破綻日までの利息など」が保護の対象となります。元本1,000万円超に関しては、基本的に破綻した金融機関の財産の状況に応じて戻ると定めておりますが、一部戻らない場合もあるので、詳細について確認が必要です。債券の場合は発行元が破綻すると全額戻ってこない可能性があります。
定期預金の場合はいくつかの銀行に分散して預けること、債券の場合は発行元の格付けや経営状態をチェックして投資することを心がけましょう。
安定的に運用できる元本保証商品!ただし注意点も
元本保証・元本確保型の金融商品は、元本を絶対に減らしたくない、安定的に運用したいという方に向いています。投資時に金利や利回りが明記されているため、将来の見通しも立てやすいといえるでしょう。
ただし、中途解約した場合は元本割れや想定していた利息が入らない可能性もあります。また、金融機関や発行元の破綻時に全額保護されない場合がある点にも注意が必要です。投資を検討する際は、満期まで運用を続けられるか、金融機関や発行元の経営状態は安全なのかまで確認することをおすすめします。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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