- 更新日 : 2023年9月8日
配当金とは?利回り計算方法や受け取り方の解説
株式投資で得られる利益の一つに「配当金」が挙げられます。配当金は保有株式数に応じて分配される現金のことを指しますが、配当金のもらい方や受け取れる時期について今ひとつよくわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では配当金のもらい方や、株式投資に欠かせない指標の計算方法、またおすすめの銘柄について紹介します。
目次
配当金とは
株式投資における「配当金」とは、保有株式数に応じて分配される現金のことです。例えば、1株あたり20円の配当が出た場合、100株持っている人は2,000円、300株持っている人は6,000円の配当金が受け取れることになります。
配当金を受け取るためには「権利確定日」の2営業日前にあたる「権利付き最終日」の時点で、株式を保有している必要があります。新規で株を取得しようとしている場合には購入日に注意しましょう。
また、配当金は株を保有しているからといって必ずしも受け取れるわけではありません。企業の業績によって配当金の金額が変動することはもちろん、業績不振の場合には配当金額が減少するほか無配当になるケースも見受けられます。
配当金の種類
ここでは配当金の種類について、簡単に紹介します。
配当金
「配当金」は決算期ごとに実施される通常の「普通配当」のことを指し、冒頭で説明した配当金の概要がこれに当たります。
特別配当金
「特別配当金」は決算期ごとに実施される通常の「普通配当」とは別に、会社に特別な利益が生じた際などに「特別」という名目で一時的にプラスされる配当のことを指します。
優先配当金
「優先配当金」とは、普通配当よりも優先して得られる配当金のことを指します。なお、優先配当金を受け取るためには「優先株」を保有していなければなりません。優先株とは、名前の通り特別な優遇を受ける株式を指し、通常の株式よりも優先的に扱われます。一方で、投票権が限定されているなど通常の株式にはない制約が設けられていることが多く、会社の経営に直接的な影響を与える可能性が少ないといえるでしょう。
配当金のもらい方
次に、配当金のもらい方について見ていきましょう。
受け取り方式
配当金の受け取り方式として、主に以下の4つがあります。
- 配当金領収書方式
- 個別銘柄指定方式
- 株式数比例配分方式
- 登録配当金受領口座方式
このうち「1.配当金領収書方式」と「2.個別銘柄指定方式」は従来の配当金の受け取り方法である一方、「3.株式数比例配分方式」と「4.登録配当金受領口座方式」については2009年1月に株券が電子化されたことに伴って、新たに追加された受け取り方法です。
4つの方式について一つずつ、解説します。
配当金領収書方式
配当金受領方式とは、自宅に郵送された配当金領収書を郵便局などの金融機関に持参し、配当金を受け取る方式を指します。
個別銘柄指定方式
個別銘柄指定方式とは、保有している銘柄ごとに銀行口座を指定し、配当金を振り込んでもらう方式のことです。
株式数比例配分方式
株式数比例配分方式とは、保有する銘柄の配当金を各証券会社の口座を通じて受け取る方式のことを指します。
登録配当金受領口座方式
「登録配当金受領口座方式」とは、保有する全ての銘柄の配当金を指定した銀行口座に振り込んでもらう方式のことです。「個別銘柄指定方式」と異なり、銘柄ごとに振り込みを申請する必要はありません。
なお、「株式数比例配分方式」と「登録配当金受領口座方式」を選択する場合、証券会社で申し込み手続きが必要です。複数の証券会社の口座に株式を保管している場合、いずれかの証券会社で手続きを済ませれば他の証券会社で保有している株式についても、まとめて手続きの内容が適用されます。
受け取れる時期
配当金は通常、権利確定日から2~3カ月後に支払われます。例えば、3月決算企業の場合における配当金を受け取る時期は5月から6月にかけて行われる定時株主総会の後になります。
また、3月決算企業のうち中間配当が実施される場合には、11月から12月にかけて中間配当を受け取れます。配当金を支払う開始日は各発行会社が作成する決算短信などで確認できるので、気になる方はチェックしてみてください。
配当金で押さえておきたい2つの指標
株式投資では「配当利回り」と「配当性向」について理解を深めておくことが大切です。ここでは各用語の概要と計算式について解説します。
配当利回りとは
配当利回りとは購入した株価に対し、1年間でどれほどの配当を受け取れたかを数値で表したものです。配当利回りを求めることで、株価に対して1株あたりの配当金(DPS、Dividend Per Share)が多いか、少ないかを知ることができます。
配当利回りを求める計算方法は以下の通りです。
例えば、1株あたりの配当金が10円で株価が1,000円であれば、配当利回りは以下のように求められるでしょう。
10円÷1,000円×100=1%
一般的に、配当利回りが高い株式は投資金額に対して多くの配当金をもらえることになり、「得」だとされます。とはいえ、配当利回りはあくまでもその時点での株価に対する配当金の予想割合であるほか、決算内容や市場情勢によっては変動する可能性がある点に注意が必要です。
配当性向とは
配当性向とは、企業が利益からどれだけの額を配当に回したのかを数値で表したものです。配当性向が高いほど、株主へ利益が多く還元されていることを示しています。
配当性向を求める計算式は以下の通りです。
一般的に、ベンチャー企業やスタートアップ企業をはじめとした成長企業は利益をできるだけ投資に回す傾向にあります。そのため配当性向は低くなりますが、一方で投資した分だけ企業価値が高まるほか、株価の上昇が見込める(=キャピタルゲインが期待できる)でしょう。
それに対し、積極的な投資を必要としない成熟企業は高い配当性向が期待される傾向にあります。とはいえ、配当性向が高いからといって必ずしもいい銘柄というわけではなく、あくまでも企業の利益還元率を知るための指標の一つである点を理解しておきましょう。
配当金が高いおすすめの銘柄
ここでは長期的な配当が期待でき、かつ配当利回りが3%以上の銘柄を3つ、紹介します。
JT
たばこ製造で知られるJT。海外たばこや加熱式たばこにも注力。その他、医薬や食品なども取り扱う。2023年8月11日時点での株価は3,110円、配当利回りは6.05%。
商船三井
海運業大手として知られる商船三井。鉄鉱石やタンカー、LNG船、不定期便に強みを持つ。2023年8月11日時点での株価は4,027円、配当利回りは4.47%。
日本郵船
総合海運大手として知られる日本郵船。海運の売上高では国内トップを誇るほか、陸・海・空の物流サービスを幅広く取り扱う。2023年8月11日時点での株価は3,839円、配当利回りは3.39%。
配当金の仕組みや受け取り方について正しく理解しよう
今回の記事では配当金のもらい方や、株式投資に欠かせない指標の計算方法、またおすすめの銘柄について紹介しました。株式投資を始める際は配当金について十分に理解を深めるように心がけるほか、受け取り方法などについてもきちんと確認しておく必要があります。それらの基礎知識を身につけたうえで、株式投資に臨みましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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