- 更新日 : 2023年8月25日
ウェルスナビとは?実績やメリット、注意点の解説
WealthNavi(ウェルスナビ)の利用を検討している人は、サービスの内容や運用実績が気になるのではないでしょうか。ウェルスナビでは、毎月積み立てた資金が自動で運用されるため、投資経験がなくても簡単に資産運用を始めることができます。
本記事では、ウェルスナビの特徴やメリット・デメリット、利用する際の注意点について解説していきます。また、ウェルスナビの口座開設方法についても解説しているため、サービスの利用を判断する際の参考にしてください。
目次
ウェルスナビとは?
ウェルスナビとは、「長期・積立・分散」を前提としたロボアドバイザーサービスです。6つの質問に答えるだけで最適な運用プランの提案が受けられるため、投資初心者でも簡単に資産運用を始めることができます。
ウェルスナビは、2023年オリコン顧客満足度®調査の「ロボアドバイザー」部門で1位を獲得していることから、サービスの内容が多くの人に支持されていることがわかります。利用者からは、「子育てや家事で忙しくても資産運用を始められた」「アプリを使って、NISAもスムーズに始められた」など声があり、働く世代を中心に利用されているようです。
ウェルスナビの特徴
ウェルスナビの特徴は、全自動で資産運用が行われることです。金融商品の選定や商品の発注、運用商品のリバランスなどは全てウェルスナビが自動で行っているため、資産運用の知識に自信がない人でも簡単に投資が始められます。
またウェルスナビでは、月々1万円から積立投資が始められます。積立投資を継続することで中長期の安定したリターンが狙えるため、20年以上を目安に継続するとよいでしょう。なおウェルスナビ利用者のうち64%が10年以上の積立投資を予定しているようです。
ウェルスナビの基本情報
ウェルスナビは8つのETF(上場投資信託)を投資対象としており、世界全体の約12,000銘柄へ分散投資を行っています。
ウェルスナビの基本情報は以下の通りです。
運営会社 | ウェルスナビ株式会社 |
---|---|
利用者数 | 36万人以上 ※2023年3月31日時点 |
最低投資金額 | 1万円 |
積立金額 | 1万円以上 |
積立頻度 | 月1回以上 |
投資対象 | 8つのETF(上場投資信託)銘柄 |
手数料 | 年率1.1%(税込) ※3,000万円を超える部分は年率0.55%(税込) |
NISA | ○ |
つみたてNISA | ― |
iDeCo | ― |
公式サイト | https://www.wealthnavi.com/ |
また、ウェルスナビが投資対象としているETF銘柄は以下の通りです。
分類 | 資産クラス | ティッカー | 銘柄 | 運用会社 |
---|---|---|---|---|
株 | 米国株 | VTI | バンガード・トータル・ ストック・マーケットETF | バンガード |
日欧株 | VEA | バンガード・FTSE 先進国市場(除く米国)ETF | バンガード | |
新興国株 | VWO | バンガード・FTSE・ エマージング・マーケッツETF | バンガード | |
債券 | 米国債券 | AGG | iシェアーズコア 米国総合債券市場ETF | ブラックロック |
物価連動債 | TIP | iシェアーズ 米国物価連動国債ETF | ブラックロック | |
その他 | 金 | IAU | iシェアーズ ゴールド・トラスト | ブラックロック |
GLD | SPDRゴールド・シェア | ステート・ストリート | ||
不動産 | IYR | iシェアーズ 米国不動産ETF | ブラックロック |
※2023年7月27日時点
ウェルスナビの運用実績
ウェルスナビのサービスが開始された2016年1月から2023年6月30日までの運用実績は、以下の通りです。
プラン/期間 | サービス開始~2017年1月 | サービス開始~2019年1月 | サービス開始~2021年1月 | サービス開始~2023年6月30日 |
---|---|---|---|---|
リスク許容度1 | 4.24% | 5.99% | 22.39% | 56.79% |
リスク許容度2 | 7.45% | 12.07% | 33.79% | 77.57% |
リスク許容度3 | 9.57% | 16.31% | 42.15% | 93.15% |
リスク許容度4 | 12.08% | 20.64% | 50.84% | 109.08% |
リスク許容度5 | 14.00% | 23.76% | 55.96% | 115.68% |
※運用データをもとに筆者作成
※サービス開始日(2016年1月19日)を基準とした運用実績
※分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していない
※ウェルスナビHP「データで見るウェルスナビの資産運用」より引用
ウェルスナビの運用実績は、サービス開始から1年間は4.24%~14.00%、2023年6月30日までの約7年半では56.79〜115.68%と高い水準で推移しています。ただしこれから運用を開始したとしても、同様の運用成果が得られるとは限りません。ウェルスナビでは「長期・積立・分散」投資を推奨していることから、20年を目安とした長期運用をおすすめします。
ウェルスナビのメリットや強み
ウェルスナビのメリットや強みは以下の通りです。
- 投資初心者でも簡単に始められる
- NISA制度の非課税投資枠が活用できる
- 長期間の資産形成に向いている
初心者でも簡単に投資を始められる
ウェルスナビでは、6つの質問に答えるだけで最適な運用プランの提案が受けられます。自身の年齢や年収、資産運用の目的やリスクに対する考え方を回答することで診断結果が表示され、将来の予測値や運用開始時のポートフォリオが確認できるようになっています。
口座開設と入金手続きを終えたら、ウェルスナビに全て任せることができます。金融商品の選定や発注、税金の最適化まで自動で行われるため、初心者でも簡単に投資を始められます。
NISAの非課税投資枠が活用できる
NISAとは、個人投資家の資産形成を応援するために創設された制度です。通常であれば、投資で利益を得た場合は、分配金や売却益に対して約20%の税金がかかります。ただしNISAを活用する場合、毎年120万円までの投資額により生じた利益が最長5年間非課税となります。
ウェルスナビの「おまかせNISA」では、一般NISAの非課税が最大限活用できるように設計されています。非課税枠が利用できる場合はNISA口座で資産が購入され、非課税投資枠が利用できなくなると、通常の口座で購入されるようになります。なお2024年1月からは新しいNISAの導入がスタートします。年間360万円までの投資額が生涯非課税となるため、ウェルスナビで非課税投資枠を活用してはいかがでしょうか。
長期間の資産形成に向いている
ウェルスナビは、「長期・積立・分散」投資を軸としているため、中長期的に安定したリターンが狙えます。公式サイトでは資産運用のシミュレーションが公開されており、30年間積立投資を継続した場合の評価額を確認することができます。
例えば、初期投資額を100万円として月々3万円の積立を30年間継続した場合、1,180万円の元本が、50%の確率で2,302万円となり、30%の確率で2,947万円以上になるというシミュレーションとなります。シミュレーション結果はあくまで統計的に計算されたものなので、あくまで目安として投資を継続するとよいでしょう。
ウェルスナビのデメリットや注意点
ウェルスナビを利用する際は、以下のようなデメリットに注意しましょう。
- 手数料が高めに設定されている
- 短期間でのリターンが見込めない
手数料が高めに設定されている
ウェルスナビの手数料は年率1.1%(税込)に設定されています。しかし投資信託のインデックスファンドなどは、手数料(運用管理費用)が0.1%程度に設定されているものもあります。そのため、ウェルスナビの利用を検討している方の中には、手数料が高いと感じてしまう人もいるようです。
とはいえ、ウェルスナビの手数料が高いわけではありません。ウェルスナビは投資初心者が利用しやすいように設計されており、金融商品の選定やリバランスを全て任せられています。手数料をできるだけ抑えたい場合は証券会社で口座を開設して、ETFや投資信託を購入するとよいでしょう。
短期間でのリターンが見込めない
投資はリスクとリターンが原則のため、短期的には損失が生じてしまうこともあります。そのため、ウェルスナビを利用する場合は、長期間での運用を前提にするとよいでしょう。ウェルスナビでは「長期・積立・分散」投資を前提としているので、中長期にわたって世界全体の資産に分散投資を行えば、投資のリスクが抑えられることを示しています。
ただしサービス公開6周年を記念して公開された「お客様と振り返るウェルスナビ」では、運用を3年間継続した利用者のうち96%の口座がプラスになっていたと発表しています。投資の収益は世界経済の動向に左右されるため、必ずプラスになるわけではありません。しかし実際に成果が出ているため、まずは3年間の運用を目指して積立投資を始めてみてはいかがでしょうか。
ウェルスナビの口座開設方法
ウェルスナビの口座開設方法は以下の通りです。
- 6つの質問に答えて運用プランを診断する
- 基本情報を入力して口座開設の申込みを行う
- 入金手続きが完了すると資産運用スタート
1.6つの質問に答えて運用プランを診断する
まずは6つの質問に答えて、リスク許容度を確認しましょう。リスク許容度とは、資産運用における不確実性をどれだけ受け入れられるかを示したものです。ウェルスナビではリスク許容度を5段階で用意しており、数字が大きいほどリスクが高くなります。
年齢や年収、資産運用の目的などをもとにした質問へ回答すると診断結果の画面へ移行します。この画面では個人のリスク許容度や目標金額が表示されるほか、運用商品の組み合わせ(ポートフォリオ)も表示されます。内容に問題がなければ、「次へ」を押して口座開設の申込み画面へ進みましょう。
2.基本情報を入力して口座開設の申込みを行う
ウェルスナビでは、基本事項の入力や本人確認書類の提出がスマートフォン1台で完結します。メールアドレスの登録を終えると基本事項の入力画面へ進み、電話番号や銀行口座などの情報を登録します。
情報の入力を終えると、本人確認書類のアップロード画面へ移行します。「運転免許証と通知カード」または、「マイナンバーカード」の写真を撮影して、アップロードを行いましょう。運転免許証の代わりにパスポートで申込むことも可能です。
3.入金手続きが完了すると資産運用スタート
電子交付サービス約款、取引約款などの規約に同意すると、「口座開設のお知らせ」という簡易書留が届きます。簡易書留を受け取ると数時間後にメールが届き、設定したメールアドレスとパスワードでログインできるようになります。指定口座へ投資額を入金すると資産運用がスタートできるようになるため、無理のない範囲で投資額を入金して、長期間の運用を目指しましょう。
ウェルスナビで使える主なツールやアプリ
ウェルスナビでは、出先でも入金や取引が可能な「WealthNavi スマホアプリ」を提供しています。アプリを利用することで、いつでも資産運用の状況が確認できるようになるほか、「市況分析・コラム」で配信されている記事が読めるようになります。
また、ウェルスナビでは不正ログイン対策に力を入れており、アプリを起動するためにはIDとパスワードの入力が必要です。出先でスマートフォンを紛失してしまった場合でも不正ログインが防げるため、安心してサービスを利用できます。なおiOS版のアプリでは、TouchID認証による解除が行えます。
ウェルスナビで資産運用を始めよう
本記事では、ウェルスナビの特徴や利用するメリット・デメリットについて解説しました。ウェルスナビでは金融商品の運用を全て任せられるため、初心者でも簡単に投資を始めることができます。とはいえ短期間でのリターンは狙えないため、長期保有を前提とした積立投資を意識するようにしましょう。まずはサービスの利用を開始して、3年間の継続を目指してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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