FOMCとは?市場や経済に与える影響を解説

テレビの経済ニュースや新聞などをチェックしていると、定期的にFOMCに関する情報が流れますが、そもそもFOMCとはどのような人たちが何をしているのでしょうか。ビジネスマンであれば一度は耳にしたことがあるかと思いますが、特に投資家にとっては投資活動をする上で非常に重要な情報です。

今回の記事では、FOMCの基礎知識から、金利や経済に与える影響についてポイントを解説します。

FOMCとは

FOMCとは、「Federal Open Market Committee」の略称で、日本語では「連邦公開市場委員会」と訳され、米国の金融政策の方針を決定する会合のことを意味します。

このFOMCは、米国の中央銀行であるFRB「連邦準備制度理事会」の理事7名(議長および副議長を含む)と、米国12地区の連邦準備銀行総裁の中から5名の計12名で行われ、約6週間ごとに年8回のペースで開催されます。雇用の最大化と物価の安定を目標に各地区の経済情勢などをFOMCで話し合い政策金利を決めます。日本でも米国と同様、日本銀行が金融政策決定会合にて政策金利などを決めています。

FOMCが金利に与える影響

FOMCの結果が金融市場にさまざまな影響を与えます。それでは、FOMCが金利にどのような影響を与えるのでしょうか。

金利の決定方法

FOMCにて米国の政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)レートの誘導目標を決めるため、お金の量をコントロールする公開市場操作(オペレーション)の方針を示します。FOMCでは参加メンバーによる多数決で、FFレートの誘導目標を決定することが特徴です。

FFレートとは、米国の金融機関が資金過不足の調整のために短期的な資金の貸借を行う際に適用される金利のことです。このFFレートが成立する市場を「フェデラル・ファンド市場」といい、これは日本のコール市場に相当します。

金利変動の市場への影響

FOMCで金利の上昇である利上げが決定されると、借入コストが上昇します。そして、住宅ローンなどの負債の金利が上昇し個人の負担が増加します。企業でも借入コスト上昇によって、設備投資などの事業の拡大を控える動きが高まります。そうすると、企業の成長が鈍くなると予想されるので株価が下落する可能性が高まります。

また、為替にも影響され、利上げが決定されると、他の通貨を売って米ドルを買う流れが起きます。日本は長い期間、低金利状態が続いているので、日米の金利差が拡大すると一般的に円安ドル高の動きとなります。

FOMCと経済の関係

次に、FOMCの決定が経済にどのような影響を与えるのでしょうか。

FOMCが経済に与える影響

FOMCでは、米国雇用統計や消費者物価指数など、さまざまな経済指標の結果や米国の経済環境を考慮して話し合いが行われ、金融政策が決定されます。それに加えて、声明文の発表、FRB議長の記者会見、FOMCメンバーによる経済見通しなどさまざまな重要な情報発信がなされます。このFOMCによる発信内容を受けて、経済は大きく変化します。

例えば、2022年から2023年にかけてFOMCで急ピッチな利上げを進めた結果、新興テックの資金繰りが悪化して、大量の預金引き出しが発生し、その対応に追われた大手金融機関(Silicon Valley Bank)が破綻するという事件がありました。このように、FOMCの決断は時に、金融機関を破綻に追い込む程の影響力があります。

FOMCの政策が雇用とインフレにどのように作用するか

FOMCの目標は、最大雇用と物価上昇(インフレ)率の安定化です。

個人にとっては、物価が安くなればなるほど、商品の購入コストが減少するのでうれしいかもしれませんが、景気や経済全体にとっては金回りが悪くなるので良くない状態といえます。とはいえ、一気に物価が上がってしまっては、経済のバランスが崩れてしまいます。

物価と金利を考える上で最も重要なことは「需要と供給」です。需要と供給のバランスを保つためにFOMCでさまざまな金融政策を議論します。特に物価と金利は密接な関係にあります。物価が上昇するとバランスを取るために金利を上昇させるというのがセオリーです。

FOMCの意思決定への影響要因

次に、FOMCの影響要因について確認しましょう。

国内の経済指標

FRBは、最大雇用と物価安定を使命とし、その手段として政策金利の利上げを行っています。そして、その意思決定には経済指標が重要視されます。例えば、米国内では2020年のコロナ禍以降、消費者物価指数「CPI」と呼ばれる経済指標を参考にしたインフレ率が一時「9%」を超えて高止まりしたことを受けて、インフレを落ち着かせるべくFOMCは利上げを実行しました。

世界経済や金融市場の動向

経済指標だけでなく、世界経済や金融市場の動向もFOMCの意思決定に大きな影響を与えます。例えば、前述した大手金融機関(Silicon Valley Bank)の破綻を受けて、市場参加者は「これ以上の金融引き締めは深刻な景気後退を招きかねない」と金利見通しについて、利上げを打ち止めるのではないか、予想しました。そして、それが実現するかのようにFRB高官が追加利上げに慎重な姿勢を示しました。もちろん、金融機関の破綻だけが原因ではありません。国内の不動産事情や海外の景気の行方によるものも要因に挙げられますが、このような世界経済や金融市場の動向やFOMCの意思決定に大きく影響するのは間違いありません。

FOMCの投資家への影響

そして、FOMCの結果による投資家への影響について確認しましょう。

投資家に与える影響

投資家にとってFOMCは投資の判断材料となるイベントです。FOMCの結果で金利が変動することにより、株式市場もその影響を受けます。また、FOMCで政策金利に注目が集まりますが、注目する点はそれだけではなく、その後の声明文や記者会見なども相場を動かす投資の重要な判断材料となります。

金融市場での戦略的な対応方法

株式投資をされている場合であれば、利上げが決定されると、理論に則って株価が一時的に下落する可能性があるので、保有している株式を売却する場合は相場が落ち着くのを待ってもいいかもしれません。また、これから購入を検討しているという場合であれば、株価が下落したタイミングで購入すると効果的でしょう。株式投資のポイントは、長期保有を前提とした購入と売却のタイミングです。ご自身でFOMC後の相場の動きをチェックして戦略的な対応を心掛けましょう。もちろん、FOMCに限らずさまざまな要因で相場は変動しますので、判断材料の一つとしてFOMCを確認するようにしましょう。

声明文や記者会見もチェックしよう!

FOMCでは、「政策金利がどのように変動するのか?」ということに注目が集まりますが、FOMC後の声明文や議事要旨、FRB「連邦準備制度理事会」議長の記者会見も要チェックです。この声明文やFRB議長の記者会見の内容では、米国経済がどのような環境で判断されているかを知れるだけでなく、次回の会合での金融政策の変更が示唆される場合もあり、相場に影響を与える可能性の高い重要な情報になります。日頃から投資活動をされている方や、これから投資活動を始めようと検討している方は、投資の判断材料として定期的に開催されるFOMCをチェックするようにしましょう。

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