- 更新日 : 2023年9月8日
レバレッジ取引は危険?やり方をわかりやすく解説
暗号資産を始めるにあたって「レバレッジ取引」と呼ばれる取引手法を目にした方も多いのではないでしょうか。レバレッジ取引とは、口座に預け入れた証拠金を担保とし、預けた金額以上の取引を可能にする取引方法のことを指します。預け入れた金額をもとに大きな金額での取引ができると聞いて、魅力を感じる方もいるかもしれません。その一方で、レバレッジ取引は一般的にハイリスク・ハイリターンな取引方法として知られています。
そこで今回の記事ではレバレッジ取引のメリットやデメリット、またレバレッジ取引を扱っている証券会社についてまとめてみました。
目次
レバレッジ取引の概要と現物取引との違いについて
「レバレッジ取引」とは、暗号資産(仮想通貨)や株式投資において、口座に預け入れた証拠金を担保とし、預けた金額以上の取引を可能にする取引方法のことを指します。
例えば、最大レバレッジが3倍であれば、20万円で60万円分の取引が可能です。
また、レバレッジ取引と現物取引との違いを簡単に表にまとめてみました。
仮想通貨の所有者となれるか | 仮想通貨の送金および決済はできるか | |
---|---|---|
レバレッジ取引 | × | × |
現物取引 | ○ | ○ |
このような特徴から、一般的にレバレッジ取引はハイリスク・ハイリターンな取引方法として知られています。
レバレッジ取引のメリット
ここではレバレッジ取引のメリットを2つ、紹介します。
- 元手よりも大きな金額を運用できる
- 下落相場であっても利益を狙える
では早速、見ていきましょう。
大きな金額を運用できる
レバレッジ取引では証拠金を担保に、大きな金額を運用できます。レバレッジの倍率は暗号資産の取引所によって異なるものの、一般的に暗号資産では2倍、株式投資における信用取引では3.3倍が標準倍率です。レバレッジをかけて運用することで、現物取引よりも大きなリターンを得られる可能性が高くなります。
下落相場であっても利益を狙える
レバレッジ取引の仕組みを利用すると新規の売り注文から取引ができるため、下落相場であっても利益を狙えます。ちなみに売り注文からの取引とは、保証金を暗号資産の取引所に預け、その担保をもとに売りから取引をスタートすることです。
レバレッジ取引は買いでも売りでも、好みの方から取引を始められるため、どんな相場であっても利益を狙える可能性がある点がメリットといえるでしょう。
レバレッジ取引のデメリット
レバレッジ取引にはメリットがある一方、以下のようなデメリットがある点に注意が必要です。
- 損失が大きくなる恐れがある
- 長期保有には適していない
ここでは、それぞれのデメリットについて、解説します。
損失が大きくなる恐れがある
レバレッジ取引では損失が大きくなるリスクがあります。100万円分購入している状態で、ある暗号資産の価格が20%下がってしまった場合、損失は20万円となります。しかし、仮にレバレッジ2倍で100万円を担保に200万円分購入していたら、損失は40万円です。このようにレバレッジ取引はわずかな値動きであっても、レバレッジの倍率だけ損失が膨らむ点に注意しましょう。
長期保有には適していない
レバレッジ取引は長期保有に適していません。その理由として、暗号資産におけるレバレッジ取引では「スワップポイント」と呼ばれる手数料が生じることが挙げられます。ここでいう「スワップポイント」とは、日にちをまたいでポジションを保有していると生じる手数料のことを指し、長期間保有するとスワップポイントが毎回生じます。そのため、できるだけ短期での取引を心がけることが大切です。
また、レバレッジをかけると強制ロスカットをされる恐れがあります。強制ロスカットとは、相場が変動して含み損が大きくなった際に強制的にポジションが解消され、損失が確定してしまうことを指します。これらの理由から、レバレッジ取引は長期保有には適していないといえるでしょう。
レバレッジ取引のやり方
暗号資産のレバレッジ取引のおける主な手順は以下の通りです。
- 口座を開設する
- 投資資金を入金する
- 取引対象を決める
- 売りまたは買いの注文を入れる
- ポジションを決済する
ただし、暗号資産取引所によって多少の違いがあるため、取引前に確認するようにしましょう。
株のレバレッジ取引ができる証券会社
ここでは、株のレバレッジ取引ができる主な証券会社を紹介します(2023年8月時点)。
SBI証券
証券会社 | SBI証券 |
---|---|
取引手数料 | プランによって異なる 詳細はこちら |
金利 | 2.80% |
レバレッジ | 3.3倍 |
大手ネット証券の一つであるSBI証券は、株式投資における売買手数料の安さが業界トップクラスとして知られています。現物・制度信用・一般信用取引ではそれぞれ1日100万円まで、合計で1日最大300万円まで売買手数料がかかりません。また、サービスの使い勝手も良く、投資初心者にもおすすめです。
楽天証券
証券会社 | 楽天証券 |
---|---|
取引手数料 | コースによって異なる 詳細はこちら |
金利 | 2.80% (優遇金利 2.10% または 2.28%) 優遇金利の判定条件はこちら |
レバレッジ | 3.3倍 |
楽天証券はSBI証券と同じく、売買手数料が安いことが特徴です。また、楽天証券では1%のポイントバックがあることから、日頃から楽天のサービスを利用している方にとってはメリットが大きいでしょう。楽天証券では「マーケットスピード」という情報ツールに定評があり、取引から情報収集、入出金までさまざまなことに対応しています。
松井証券
証券会社 | 松井証券 |
---|---|
取引手数料 | 取引方法によって異なる 詳細はこちら |
金利 | 制度信用取引: 3.1% 無期限信用取引: 4.1% |
レバレッジ | 3.3倍 |
松井証券では1日の約定金額が合計で50万円以下であれば売買手数料がかかりません。また、25歳以下(26歳の誕生日を迎える月の最終営業日取引分まで)であれば現物・信用ともに国内株の売買手数料が無料であるのも大きな特徴です。複数の銘柄に投資したいと考えている方、またそもそもの投資可能金額が少ない方におすすめです。
暗号資産のレバレッジ取引ができる取引所
次に、暗号資産のレバレッジ取引ができる取引所を3つ、取り上げてみました。
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyerは国内暗号資産(仮想通貨)取引所において、ビットコインの取引量が第1位(※国内暗号資産交換業者の2016~2021年の年間出来高)となっています。取引ツールの使い勝手が良く、初心者からも定評がある仮想通貨取引所です。
レバレッジは1倍もしくは2倍から選択できるほか、注文方法も多岐にわたるのが特徴です。また、銀行振り込みの手数料が無料であるほか、24時間365日いつでも入金できる「クイック入金」も住信SBIネット銀行であれば手数料が無料になります。
GMOコイン
GMOコインは、GMOインターネットグループが展開する暗号資産(仮想通貨)取引所です。東証プライム市場のインターネットグループで培われた技術が活かされており、セキュリティー面で安心できるでしょう。
レバレッジは最大で2倍までかけられるほか、レバレッジ取引に対応している暗号資産の銘柄も豊富です。GMOコインは口座開設までに時間がかからないため、すぐに取引を始めたい人にもおすすめの取引所となっています。
DMM Bitcoin
DMM BitcoinはDMM.comグループが展開する暗号資産(仮想通貨)取引所です。DMM.comグループでは株やFXといった金融サービスも取り扱っているため、機能面・セキュリティー面で安心して取引ができるでしょう。
レバレッジは最大で2倍となっており、対象銘柄も豊富です。「BitMatch注文」と呼ばれる独自の注文方法を採用しているのも特徴の一つであり、注文において売値と買値の差額であるスプレッドを気にせず取引することができるため、有利な状態で暗号資産を売買できます。
リスクを理解した上でレバレッジ取引を進めよう
今回の記事ではレバレッジ取引のメリットやデメリット、レバレッジ取引を扱っている証券会社などについてお伝えしました。レバレッジ取引は現物取引と違い、大きな金額での取引が可能となることに加え、下落相場であっても利益を狙えます。
その一方で、レバレッジ取引では現物取引よりも損失が大きくなる恐れがあるほか、レバレッジに関して手数料が生じるため、長期投資には適さないといった注意点があるのも事実です。
こうしたリスクを理解した上で、レバレッジ取引をするかどうかを判断するようにしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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