- 更新日 : 2023年6月16日
FXの基本や実践方法を初心者向けにわかりやすく解説
株式投資よりも利益の出る投資をしたい、という方に人気なのが「FX」です。しかし、利益を得られる機会が多い反面、リスクが高いと聞いたこともあるのではないでしょうか。そこで、なるべくスムーズにFX投資を始めたい初心者のために、FXの基本用語から詳しくご紹介します。この機会に基本的な知識だけでなく、メリット・デメリット、実践方法まで学んでおきましょう。
目次
FXとは
FXとは「Foreign Exchange(外国為替)」の略ですが、日本では主に「外国為替証拠金取引」という意味で使われている言葉です。
仕組みや株式投資との違いについて確認しておきましょう。
FXの基本的な仕組み
FXでは「米ドルと日本円」など、2つの通貨の売買で差益を狙います。例えば、米ドル・日本円の通貨ペアを選択した場合、米ドルを1ドル=100円で購入し、120円になったときに売却すれば20円の利益が得られます。この利益を「キャピタルゲイン」と呼びます。
なお、先でご紹介したのは米ドル・日本円が円安に動いた際に利益を得られる手法です。円高になったときに利益を得たいのであれば、先に米ドルの売りから入り、後ほど買い戻すという手法を取ります。FXは「買い」「売り」どちらからでもスタートできるのも魅力の一つです。
その他の利益を得る方法には、ポジション(※)を持っている期間に対する金利差を狙うというものもあります。例えば、金利の低い国の通貨を売却し、金利の高い国の通貨を買えば金利差分の利益を得られます。
※ポジション:通貨を買っている、もしくは売っている状態を表すFX用語
FXと株式投資の違い
投資と聞くと「株式投資」がいちばんに思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。FXと株式投資の違いは次の通りです。基本的な部分を押さえておきましょう。
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
投資対象 | 各国の法定通貨 | 上場企業の株式 |
取引時間 | 平日24時間 | 平日 9:00~11:30 12:30~15:00 |
レバレッジ | あり(最大25倍) | 現物株投資の場合はなし |
大きく異なるのが投資対象です。FXは各国の法定通貨に投資しますが、株式は上場企業の株式に投資します。また、取引時間も異なります。株式投資の取引時間はFXと比較すると非常に短いのが特徴です。
レバレッジの有無も異なります。レバレッジについては後ほどご紹介します。
レバレッジとは?
FXには株式投資(現物の場合)にはない「レバレッジ」があります。レバレッジとは、「梃子(てこ)の原理」という意味です。小さな力で大きな物体を動かすことができるのが梃子の原理ですが、FXでは少額の証拠金をFX業者に差し入れると数倍分の金額の投資ができるため「レバレッジを効かせた投資ができる」と表現されています。
現在、日本のFX業者では最大でレバレッジ25倍までの取引が可能です。例えば10万円の証拠金を差し入れた場合、250万円分までの取引ができるということになります。
ロングとショートの取引
FX用語の中に「ロング」「ショート」というものがあります。それぞれの意味を把握しておきましょう。
ロング:通貨を買うこと、買いポジションを持つこと。通貨が高くなれば利益が出る
ショート:通貨を売ること、売りポジションを持つこと。通貨が低くなれば利益が出る
「ロング」「ショート」の名はポジションの時間の長さに由来するといわれています。一般的に通貨が上がるときは時間がかかるので「ロング」、通貨が下がるときは短期間で下がるので「ショート」になったということです。
注目される主要通貨ペア
FXは2通貨における価格の上下や金利差で利益を得る投資です。よって、取引を開始する際は2つの通貨ペアを決めなければなりません。注目の通貨ペアを確認しておきましょう。
米ドル/円(USD/JPY)
この2つの通貨の動きはニュースでもよく見るため、なじみがあるという方も多いのではないでしょうか。米ドルは世界でも多く流通している基軸通貨であり、流動性が高いというメリットがあります。値動きがわかりやすい、情報が入ってきやすいという点からも取引しやすいといえるでしょう。FXは全く初めてという方におすすめの通貨ペアです。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
米ドルの次に流通量が多い通貨がユーロです。ユーロ/米ドルの通貨ペアは世界で最も多く取引されています。流動性の高さがおすすめポイントです。こちらもFX取引に慣れていない方でも始めやすい通貨ペアといえるでしょう。
ユーロ/円(EUR/JPY)
米ドル/円と同じく、値動きがわかりやすく、情報が入りやすいというメリットがあります。こちらもFX初心者におすすめの通貨ペアです。
豪ドル/円(AUD/JPY)
米ドルやユーロ以外の通貨での取引をしたい方におすすめなのが、豪ドル/円の通貨ペアです。オーストラリアは鉄鉱石や石炭などの生産量が多い資源大国としても知られています。政治経済も安定しているため、取引しやすい通貨といえるでしょう。
しかし、オーストラリアの主要貿易相手国が中国となっているため、中国の動き次第で為替市場が大きく変動する場合もあります。その点は気をつけたいところです。
FXのメリット
FXのメリットは以下の3つです。
- 少額から始めることができ、取引コストも低い
- 取引時間が長い
- 相場がどう動いても利益を狙える
詳しく見ていきましょう。
少額から始めることができ、取引コストも低い
FXは「レバレッジ」をかけて取引することができます。現在、日本では最大25倍のレバレッジが認められているため、10万円の証拠金を差し入れれば、250万円分の取引ができるということです。100万円分の株を買いたかったら、100万円を準備しないといけない現物株取引よりも少ない資金で投資が始められます。
また、他の外貨関連の投資と比較すると、取引手数料が低めに設定されています。スプレッド(売値と買値の差。実質的な手数料)が小さい点もメリットといえます。
取引時間が長い
株式投資の場合、日本での取引時間は平日9時~15時までと限られています。しかし、FXは国ごとに取引時間が異なるため、ほぼ平日24時間取引が可能です。「夜しか時間がない」という方でも取引しやすくなっています。
相場がどう動いても利益を狙える
FXは「買い」からだけでなく、「売り」からでも取引が始められます。通貨が上昇するときだけでなく、下落するときも利益を狙えるところも利点です。
FXのデメリットや注意点
FXには以下のようなデメリットもあります。
- 為替変動リスク、カントリーリスクなどさまざまなリスクがある
- 予想を外すと損失が大きくなる場合がある
- 長時間取引できるのでのめりこみやすい
為替変動リスク、カントリーリスクなどさまざまなリスクがある
FXは元本保証の投資ではありません。そのため、さまざまなリスクがあります。一般的な為替変動リスクはもちろん、投資した国の情勢が変わることで通貨の価値や金利が変動するカントリーリスクについても把握しておく必要があります。投資を始めたら情報をこまめに見るようにしておきましょう。
予想を外すと損失が大きくなる場合がある
レバレッジをかけて取引できるのはFXの魅力ですが、予想を外してしまうと、その分損失も大きくなります。まずは無理のない金額や倍率から始めるようにしましょう。
長時間取引できるのでのめりこみやすい
FXはほぼ24時間取引ができます。「この時間で終わり」というキリのいいところがないため、のめりこみやすくなる点には気をつけなければなりません。自分で終了時間を決めるなど、制限を設けて取引するようにしましょう。
FXの基本用語
FXを始めるならば、基本的な用語についても覚えておく必要があります。ここではよく使われる5つの用語についてご紹介します。
ロット
FXの取引量の単位のことです。FX業者ごとに異なっており、大体は1ロット=1万通貨、もしくは1,000通貨で設定されています。ロット数が多くなるほどリスクが高くなります。
スプレッド
「売値」と「買値」の差のことです。スプレッドが狭い方が利益を出しやすくなります。スプレッドはFX業者ごとに異なっています。
スワップポイント
通貨ペア間の金利差のことです。通貨ごとに金利に違いがあるため、金利差が生じます。売った通貨の利子は支払う必要があり、買った通貨の利子は受け取る権利が生じます。売った通貨の金利よりも、買った通貨の金利が高い場合、差額を受け取ることが可能です。
NDD
No Dealing Deskの略です。FX業者を相手に取引を行うのではなく、FX業者を経由し、市場に直接注文を出す方式のことです。主に海外のFX業者で使われる取引方法となります。
ストップロス
損切りのことです。FXでは「何%下がったら(上がったら)決済する」と自分で決めておくことが重要です。なお、ストップロスは一定以上の変動があったときにFX業者が強制的に決済する「ロスカット」とは異なり、投資家の意思で行います。
初心者向けFX取引の実践方法
初心者がFXを始める方法について、順を追ってご紹介します。
取引プラットフォームの選び方
「取引プラットフォーム」はFX取引を行うために必要なものです。FXは一般的にオンライン上の取引となるため、パソコンやスマートフォンのソフトやアプリという形式で提供されます。
取引プラットフォームは各FX業者によって異なります。また、複数の取引プラットフォームの中から選択できるFX業者もあります。FX業者を選ぶ際はどのような取引プラットフォームを使っているかも確認してください。ここでは、取引プラットフォームを選択する際にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
- 自分が見やすいように画面や表示内容をカスタマイズできるか
- 適宜バージョンアップを行っているか
- 分析機能が充実しているか
おすすめのFX業者
FX取引をする際は口座を開設する必要があります。初心者向けのおすすめは以下の4社です。
- GMOクリック証券
- SBI FXトレード
- 松井証券
- 外為どっとコム
GMOクリック証券
スマホの取引ツールが充実しているため、外出先からも注文を入れたいという方におすすめです。1,000通貨単位という少額から取引できる点も注目すべきところでしょう。
SBI FXトレード
少額からFXを始めてみたいという初心者におすすめなのが「SBI FXトレード」です。全ての通貨ペアが1通貨単位から取引できます。また、スプレッドの狭さも人気の秘密です。
松井証券
松井証券も1通貨単位から取引可能です。動画でFX取引について学べるところもおすすめポイントです。
外為どっとコム
FXについて詳しく勉強したい、という方におすすめの業者です。取引ルールなどを初心者向けにわかりやすく解説しています。本番と同じツールでデモトレードも可能です。
テクニカル分析とファンダメンタル分析
FXではテクニカル分析とファンダメンタル分析が重要です。それぞれ、どのようなものかご紹介します。
テクニカル分析
過去の値動きから動き方のパターンを読み取り、今後を予想すること。取引プラットフォームで提供されるチャートなどを利用して分析する。
ファンダメンタル分析
通貨を発行する国の金融政策や景気の動向といった情報から今後を予想すること。新聞やテレビ、SNSなどから情報を取得し分析する。
リスク管理の重要性
FXを始める際はどのようなリスクがあるのかも必ず把握しておいてください。特に予想外の値動きをして損失が出た場合、どこで損切りをするかは決めておいた方がいいでしょう。
また、通貨の発行国によってはカントリーリスクがあることも考えられます。リスクを最小限にしたいのであれば、安定している国の通貨を選ぶことも重要です。
FX初心者は少額から始めてみよう
FXはレバレッジを効かせて投資ができるため、利益が大きくなる可能性もありますが、損をした場合は損失額が多大になる可能性もあります。初心者は少額から始め、慣れてきたら金額を増やすなど、最初から多額の資金を投資しないようにしましょう。
また、FX業者によっては、資金を入れずに実際の取引と同じことができる練習用の「デモ取引ツール」を提供しているところもあります。まずは、このようなツールで練習しておくのもいいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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