- 更新日 : 2023年7月28日
テンバガーとは?銘柄の特徴や見つけ方を解説
株式投資をする人ならば、株価が10倍になるとされる「テンバガー銘柄」を見つけることに一度は憧れるのではないでしょうか。とはいっても、どうやって見つけたらいいのか、投資する上でどのようなメリットやデメリットがあるのかまではご存じない方も多いかもしれません。
そこで、今回は「テンバガー」についてご紹介します。まずは、テンバガー銘柄の特徴を把握し、見つけ方、メリットやデメリットも押さえておきましょう。
目次
テンバガーとは
テンバガーとは、株価が10倍になる可能性がある、もしくはなった銘柄を指す投資用語です。テンバガーの「テン」は数字の「10」、「バガ-」は野球用語の「塁打」のことです。つまり、テンバガーは「10塁打」という意味になり、「普通では考えられない状態」を表すために使われるようになりました。
テンバガー銘柄の特徴
株価市場がいくら好調であったとしても、全ての株式がテンバガー銘柄になれるわけではありません。テンバガー銘柄になれる株式の特徴を解説します。
規模が小さく新興企業の株式である
テンバガー銘柄になるには株価の急上昇が欠かせません。株価が動きやすい銘柄の特徴の一つに規模が小さい中小企業の株式であることが挙げられます。東証プライム市場上場のような大企業の株式は発行株式数が多く、時価総額が非常に大きいため、現時点から10倍上昇するという動きはあり得ないといって良いでしょう。中小企業であれば、発行株式数や時価総額が小さいため、今後の動きに期待できます。
また、中小企業であればどの企業でも良いというわけでもありません。できれば、東証グロース上場などの新興企業で、新たなサービス・商品を生み出しているような企業の株式を選ぶようにしてください。
業績の上方修正を繰り返す
テンバガー銘柄を探す際は企業の情報にも注目してください。上場企業であれば、今期の業績予想や売上・利益等の情報を公表しています。それらの中でも、特に業績や業績予想がどうなっているかを見てみましょう。
業績の上方修正を繰り返している企業であれば、その点が評価され、これからテンバガー銘柄になる可能性が高いといえます。
チャートが上昇基調である
株価チャートの動きもチェックしてください。まず、5年、10年という長い期間のチャートを見て、右肩上がりで株価が上昇している銘柄を探しましょう。その中でも、株価がチャート上の高値を突き抜ける「ブレイクアウト」を何度も起こす銘柄はテンバガー銘柄になる確率が高いといえます。
テンバガー銘柄の見つけ方
テンバガー銘柄の特徴を理解したところで、見つけ方についてもご紹介します。
話題になっている企業の銘柄
ニュースや街中で話題になっている企業の銘柄は株価が急上昇する可能性が高いでしょう。株価に影響を及ぼす話題には次のようなものがあります。
- 業績の向上
- 新商品や新サービス
- 企業買収や合併
- 政府の政策
- 景気の上昇
- 為替の動き(円高・円安)
- 気候・自然災害 など
上記の話題がポジティブ、ネガティブのどちらに見られるかは業種や企業によって異なりますが、株価が大きく動く要因にはなるでしょう。日頃から、経済のニュースだけでなく、さまざまなニュースをチェックする習慣をつけておくことをおすすめします。
時価総額が小さい銘柄
時価総額は企業価値を知るためにチェックしておきたい項目です。「株価×発行株式数」で算出します。なお、同じ株価であった場合、発行株式数が多い企業の方が少ない企業よりも時価総額は大きくなります。
一見すると、「時価総額が大きい銘柄の方がいいのでは」と思われがちですが、テンバガー銘柄を探すという観点からは、「株価が動きやすい」「今後も成長の見込みがある」といった時価総額が小さい銘柄の方が投資に値すると考えられます。
具体的には時価総額300億円程度の銘柄を探しましょう。それ以上、時価総額が小さい銘柄になると、安定性の面から注意が必要になります。
株価が低すぎる銘柄
業績に問題がないのに、株価が低すぎる銘柄にも注目してください。そのような銘柄は、まだ、投資家に見つけられていない可能性があるためです。
なお、株価が低くても1日の取引量が少なく取引が成立する可能性が低い銘柄、業績に問題がある銘柄は避けるようにしましょう。
テンバガー投資のメリット
テンバガー投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は以下の2点をご紹介します。
- 大きな利益が期待できる
- 少ない資金で投資できる
大きな利益が期待できる
ご紹介した通り、テンバガーは元の株価から10倍ほど値上がりする銘柄のことです。例えば、10万円投資した銘柄が10倍の株価になれば100万円となり、90万円分の利益が出ます。多くの利益を得たいと考えるならば、テンバガー銘柄に投資するメリットは大きいといえるでしょう。
少ない資金で投資できる
テンバガー銘柄になる可能性が高いのは、現時点で株価が低い銘柄です。そのため、少ない資金で投資できるというメリットがあります。
また、株価が低いということもあり、多くの株数の売買がしやすい点も利点といえるでしょう。
テンバガー投資のデメリットや注意点
テンバガー銘柄への投資には注意点もあります。以下の3つのデメリットを押さえておきましょう。
- 予想が外れ、株価が動かない場合がある
- 売買が少なく取引が成立しない場合がある
- 大きな損失を出すことがある
予想が外れ、株価が動かない場合がある
テンバガー銘柄になりそうな株式の特徴には「時価総額が小さい」「話題になっている企業の株」「株価が低い」などがありますが、これら全てに当てはまっていても必ず株価が上昇するとは限りません。
株価が全く動かず、売っても利益が出ないため、手元に持っておくしかない「塩漬け株」になる可能性もある点は留意しておきましょう。
売買が少なく取引が成立しない場合がある
テンバガー銘柄は東証スタンダード市場や東証グロース市場上場企業であることがほとんどです。これらの市場の銘柄は、発行株数の多い大企業が東証プライム市場銘柄よりも売買高が少なくなりがちです。そのため、買い注文・売り注文を出しても取引が成立しない場合もあります。良いタイミングで取引ができない恐れがあるため注意してください。
大きな損失を出すことがある
テンバガーになりそうな銘柄は株価が低いものが多いこともあり、大量の株数を売買する投資家もいます。特に発行株式数が少ない銘柄で、大量に株式を保有する投資家が売買注文を出した場合、株価が大きく変動し、売買タイミングによっては損失を出す可能性もあるため注意が必要です。
テンバガー銘柄に投資する際は、目先の株価の上下に捉われないようにし、長期的な視点で利益を出すことを目指しましょう。
魅力が多いテンバガー銘柄!ただしデメリットには要注意
テンバガー銘柄とは株価が10倍になった、もしくは10倍になることが予想される銘柄です。多くは「時価総額が小さい銘柄」や「株価が低い銘柄」から誕生しますが、これらの条件に当てはまっていても、全てがテンバガー銘柄になるとは限りません。
テンバガー銘柄を探す際は、「業績は右肩上がりで推移しているか」「話題になっている銘柄なのか」「市況や業界を取り巻く環境はどうなっているか」「企業買収や合併などの情報は出ていないか」なども調べてください。
また、発行株式数が少ないテンバガー銘柄の場合、希望したタイミングで売買ができない、株を大量に持つ大口投資家の取引動向で株価が激しく動く恐れがある、というデメリットもあります。これらの点も頭に入れて投資を検討してください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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