• 作成日 : 2024年6月14日

女性で年収200万は低い?割合や手取り額、生活レベルを解説

年収200万円台の女性の割合は、全体の約21%を占めています。月間の手取り額にすると、約13.6万円になると推定されます。年収200万円は女性の中では一定の割合を占めており、必ずしも「低い」とは言えません。この記事では、年収200万円の女性の生活レベル、貯蓄額、主な職業など、詳しく解説します。また、年収200万円を目指す女性に向けて、収入を増やす方法についてもご紹介します。

女性で年収200万は低い?平均との比較

日本の女性の平均年収について見てみましょう。2023年のデータによると、日本の女性の平均年収は、年代によりますが、20代が329万円、30代が383万円、40代が410万円、50代以上が434万円となっています。

次に、年収200万円台の女性の割合について見てみましょう。調査によれば、年収200万円台の女性は、全体の約21%を占めています。

しかし、これは「平均」の話であり、全体の女性労働者の中で年収200万円以下の割合は約38.8%と、約3人に1人は年収200万円以下という結果になります。したがって、年収200万円は女性の中では一定の割合を占めており、必ずしも「低い」とは言えません。

年収200万の女性の割合

年収200万円の女性は、日本の全体の中でどのくらいの割合を占めているのでしょうか。ここでは、全体と年代別の割合を見ていきましょう。

全体で見る年収200万の女性の割合

国税庁の民間給与実態統計調査(令和3年分)によると、1年を通じて勤務した給与所得者数は男性が約3,061万人、女性が約2,209万人で、平均給与は男性が約545万円、女性が約302万円です。

年収別の構成比を見ると、年収200万円台の人は全体の14.8%を占めています。男女別では、男性が10.5%なのに対し、女性は20.9%と高い割合を示しています。

さらに、女性の年収分布に注目すると、年収100万円超200万円以下の人が最も多く、約22.5%を占めています。このデータから、年収200万円の女性は、女性の年収分布の中で最も多い割合を占めていることがわかります。

この背景には、パートタイムや非正規雇用の女性労働者が多いことや、育児や介護などの事情でフルタイムの仕事を持つことが難しいという社会的な要因が影響していると考えられます。

年間給与額男性女性男女計
100万円以下3.5%14.3%8.1%
100万円超 200万円以下6.7%22.5%13.3%
200万円超 300万円以下10.5%20.9%14.8%
300万円超 400万円以下16.9%18%17.4%
400万円超 500万円以下17.5%11.4%15%
500万円超 600万円以下13.8%5.9%10.5%
600万円超 700万円以下9.4%3%6.7%
700万円超 800万円以下6.8%1.7%4.6%
800万円超 900万円以下4.4%0.8%2.9%
900万円超 1,000万円以下3%0.4%1.9%
1,000万円超 1,500万円以下5.4%0.8%3.5%
1,500万円超 2,000万円以下1.3%0.2%0.8%
2,000万円超 2,500万円以下0.4%0.1%0.3%
2,500万円超0.5%0.1%0.3%

参照:国税庁 民間給与実態統計調査(令和3年分)P21

年代別で見る年収200万の女性の割合

年収200万円台の女性の割合を年齢別に見ていきましょう。

年代女性 (%)男性 (%)
20代前半14.411.5
20代後半7.94.2
30代前半8.42.7
30代後半8.72.2
40代後半9.41.7
50代前半10.11.9
50代後半10.42.4
60代前半17.48.5
60代後半18.212.9
70歳以上15.514.0

※年収200万円は賃金階級16万円~17万9,900円の層で試算

参照:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査 賃金の分布

年収200万円台の割合を男女で比較すると、全ての年代で女性の割合が男性を上回っていることがわかります。

女性の年収200万円台の割合が最も高いのは60代後半で18.2%、次いで50代前半が17.4%、70代が15.5%と続きます。

一方、男性の年収200万円台の割合が最も高いのは60代後半で12.9%、次いで20代前半が11.5%、70歳以上が14.0%となっています。

30代から50代にかけては、女性の年収200万円台の割合が17.1%~20.5%の範囲で推移しているのに対し、男性は3.6%~4.9%と低い水準で推移しています。

この年代では、男女間の年収格差が大きいことが読み取れます。

年収200万の女性の月間手取り額

年収200万円の女性の月間手取り額について詳しく見てみましょう。ここでは、社会保険料(健康保険、厚生年金保険)と税金(所得税、住民税)を差し引いた額を手取り額とします。

年収200万円の場合、月間手取り額は、約13.6万円程度になると推定されます。

計算の内訳は以下のようになります。

  • 所得税(概算): 約287万円
  • 住民税(概算): 約6万円
  • 社会保険料(健康保険・厚生年金、概算): 額面給与の約14%=28万円

これらの税金や社会保険料を差し引くと、年収200万円の場合、実際の手取り額はおよそ16.3万円程度になると予測されます。

年間の手取り額を12で割ると、月々の手取り額を計算することが可能です。

163万円 ÷ 12ヶ月 = 約13.6万円となります。

ただし、これらの数値は一般的な計算結果であり、具体的な手取り額は個々の状況(例えば、扶養家族の有無や社会保険の加入状況など)により異なる可能性があります。

女性が年収200万を目指せる主な職業

年収200万円は、フルタイムの仕事に就けば十分に達成できる金額です。

例えば、販売店員の平均年収は約279万円、食品・飲料業界で働く人の平均年収は約260万円、飲食店の調理スタッフの平均年収は約273万円といったデータがあります。

ここでは、女性が年収200万円を目指せるおもな職業をいくつかご紹介しましょう。

事務職

一般企業や公的機関の事務職は、女性が多く活躍している職種です。入力作業やデータ管理、電話対応などを行います。経験や能力に応じて、年収200万円以上を目指すこともできます。

販売・サービス職

小売店や飲食店、コールセンターなどの販売・サービス職は、女性の活躍の場として知られています。接客スキルを磨くことで、キャリアアップを目指すことができます。

介護・福祉職

高齢化社会の進展に伴い、介護・福祉職の需要が高まっています。資格を取得すれば、年収200万円以上を目指せる可能性があります。やりがいのある仕事ですが、肉体的・精神的な負担も大きいため、適性を見極めることが大切です。

医療事務

病院や診療所で、受付や会計、カルテ管理などを行う仕事です。医療事務の資格を取得すれば、年収200万円以上を目指せるでしょう。医療知識を身につけることができるため、スキルアップにもつながります。

美容関連職

美容師やネイリスト、エステティシャンなどの美容関連職は、女性に人気の職業です。技術を磨けば、年収200万円以上を目指すことも可能です。独立して自分のサロンを持つことを目標に、キャリアを積んでいくのも一つの選択肢です。

教育・保育職

幼稚園教諭や保育士、学習塾の講師など、教育・保育職は女性の活躍が目覚ましい分野です。資格が必要な職種もありますが、年収200万円以上を目指せる可能性があります。子どもの成長に関われるやりがいのある仕事です。

これらの職業は一例ですが、どの職種でも、スキルを磨き、経験を積むことが年収アップにつながります。自分の適性や興味に合った職業を選び、キャリアプランを立てることが大切です。

また、正社員として働くことで、安定した収入を得られる可能性が高くなります。

年収200万の独身女性の生活レベル

年収200万円の独身女性の生活レベルは、居住形態によって大きく異なります。ここでは、実家暮らしの場合と一人暮らしの場合に分けて解説します。

実家暮らしの場合

実家暮らしの場合、家賃や光熱費などの一部の生活費が親に支えられることが多いです。そのため、手取りの約13.6万円の中から、生活費を4万円としても、残りの金額を貯金や自己投資に回すことが可能です。

また、生活コストを抑えられる分、趣味や交際費に使えるお金が増えます。旅行や習い事、友人との外食などを楽しむことができます。家事の負担が少ない分、自分の時間を確保しやすくなります。仕事と私生活のバランスを取りやすく、精神的にもゆとりを持てます。

しかし、親との距離感やプライバシーの問題など、精神的なストレスが生じることもあります。

一人暮らしの場合

一人暮らしの場合、家賃、光熱費、食費など、生活に必要なあらゆる費用を自分一人で賄わなければなりません。それぞれの費用を細かく見ていくと、以下のようになるでしょう。

項目金額(月額)
家賃約4万円
水道光熱費約1万円
通信費約1万円
食費・外食費約2.5万円
交際費約1万円
服飾費約1万円
日用品費約1万円
合計約11.5万円

まず家賃ですが、平均的な金額として月4万円程度が見込まれます。次に食費は、自炊を中心にしつつ、外食も適度に楽しむとして月2.5万円ほどになります。水道光熱費は月1万円、携帯電話などの通信費にも同じく月1万円が必要です。

日用品や衣服、交際費なども、それぞれ月1万円程度は最低限見ておくべきでしょう。

これらを合計すると、月々の生活費は約11.5万円になります。年収200万円の手取り額が月13万円程度であることを考えると、その約90%が生活費で消えてしまう計算です。

つまり、一人暮らしをしていると、貯金や趣味、レジャーに使えるお金はごくわずかしか残らないのが現実です。ぜいたくな暮らしは難しく、常に節約を意識せざるを得ない状況だと言えるでしょう。

年収200万の貯蓄額

年収200万円の人の平均的な貯蓄額を知るために、金融広報中央委員会が行った調査の結果を見てみましょう。この調査では、年収300万円未満の人の金融資産保有額について、平均値と中央値が示されています。

【年収300万円未満の人の金融資産保有額の平均値・中央値】

世帯平均貯蓄額中央値
単身1,095万円387万円
2人以上世帯1,015万円370万円

参考:家計の金融行動に関する世論調査(金融広報中央委員会)

まず、単身世帯の場合、平均値は1,0957万円、中央値は387万円となっています。一方、2人以上の世帯では、平均値が1,015万円、中央値が370万円です。

平均値は、データの合計を個数で割ったものですが、中央値は、データを小さい順(または大きい順)に並べたときの真ん中の値を表します。

平均値と中央値に大きな開きがあるのは、金融資産保有額が極端に高い人が平均値を引き上げているためです。したがって、年収200万円の人の実際の貯蓄額を考えるなら、平均値よりも中央値の方が参考になるでしょう。

単身世帯の中央値は387万円、2人以上の世帯では370万円となっています。これらの数字が、年収200万円の人のより現実的な貯蓄額を表していると言えるでしょう。

もちろん、個人差はありますが、この調査結果から、年収300万円の人の貯蓄額は、370万円から380万円程度が一般的だと推測できます。

年収200万の女性が収入を増やす方法

年収200万円の女性が収入を増やす方法について解説します。年収アップを実現するためには、以下のような選択肢が考えられます。

スキルアップや資格取得でキャリアアップを目指す

より高度なスキルを身につけることで、昇進・昇格を目指すことができます。例えば、語学力を磨く、専門的な資格を取得する、ITスキルを向上させるなどです。会社が提供する研修や、自費での学習投資が有効でしょう。

転職で、より高い収入を得られる職場を探す

現在の職場より高い年収を提示してくれる企業に転職することで、収入アップを実現できます。自分の強みを活かせる職種や、成長産業での仕事を探してみましょう。転職サイトやエージェントを活用するのも良いでしょう。

副業で、本業以外の収入源を確保する

本業だけでは収入アップが難しい場合、副業で追加の収入を得るのも一つの方法です。自分のスキルを活かせる副業を探してみましょう。ライティング、デザイン、プログラミングなど、在宅でできる仕事も増えています。ただし、本業に支障が出ないよう、時間管理には注意が必要です。

節約をする

収入を増やすだけでなく、支出を見直して節約することも重要です。生活費の見直しや無駄遣いの削減など、日々の生活の中で改善できる点を見つけることで、実質的な収入を増やすことができます。

家計簿をつける

家計簿をつけることで、自分の収入と支出を明確に把握することができます。これにより、無駄遣いを減らし、必要な支出を計画的に行うことが可能になります。また、家計簿を見ることで、自分がどのようにお金を使っているのかを理解し、改善点を見つけることができます。

マネーフォワードは、銀行やクレジットカードの情報を自動的に取得し、収入と支出を自動で分類してくれます。これにより、手間をかけずに家計簿をつけることができ、自分のお金の流れを一目で把握することができます。また、マネーフォワードはデータを暗号化して保管するため、安心して利用することができます。


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