• 作成日 : 2024年5月24日

年収700万円の手取り額は?生活レベルはどれくらい?

年収700万円の人の手取り額は、所得税、住民税社会保険料などを差し引いて、年間で約513万円、月額では42万円程度になると考えられています。また、所得層は全体の約4.6%と言われています。年収700万円の手取り額を計算するには、年収から差し引かれる主な項目を知る必要があります。

この記事では、年収700万円の人の手取り額の計算方法や税額、その人々の割合やかかる生活費、年収700万円から収入を上げる方法について解説します。

年収700万円の人の手取り額

年収700万円の実際の手取り額はどのくらいになるのでしょうか。手取り額とは、年収から税金や社会保険料などを差し引いた後の金額を指します。年収700万円の手取り額を理解するには、まず年収から差し引かれる税金や社会保険料などの主な項目を知る必要があります。これには以下のようなものが含まれます。

  • 所得税: 所得税は国税で、年収に応じた税率が適用されます。年収700万円の場合、課税所得にかかる最高税率は20%です。しかし、日本では超過累進税率が適用されているため、課税所得全体に20%を掛けるわけではありません。
  • 住民税: 住民税は都道府県税と市区町村税の合計です。前年の所得に基づき計算され、課税所得に対して税率10%をかけて計算します。
  • 社会保険料: 社会保険料には、健康保険、介護保険(40歳以上のみ)と厚生年金が含まれます。一般的には給与の15%が社会保険料として天引きされます。

額面年収から控除される主なものは、所得税、住民税、社会保険料などです。額面年収からこれらの税金や保険料が差し引かれた後の金額が、実際に手元に残る「手取り額」となります。これを考慮に入れると、年収700万円の人の手取り額は、約531万円となります。おおよそ月額44万円程度になると考えられます。

ただし、上記の手取り額はあくまで一例であり、個々の状況により変動します。例えば、扶養家族の有無、住宅ローンの利子控除、生命保険料控除などが手取り額に影響を及ぼします。

年収700万円の人の税額

年収700万円の人が支払う主な税金は、所得税、住民税、そして社会保険料の3つです。これらの税金は、年収によって異なります。ここでは、各税金の算出方法と実際の支払額について確認しておきましょう。

所得税

所得税は、個人の所得に対して課せられる税金で、税額は年間給与の額面収入から給与所得控除を除いた所得金額からさらに各種所得控除を差し引いた「課税所得」に、課税所得の金額に応じた税率をかけて計算します。

年収700万円の場合、課税所得にかかる最高税率は20%となりますが、超過累進課税の調整をするため、427,500円を控除します。したがって、所得税額は以下のように計算されます(復興特別所得税は無視します)。

所得税額={(総収入額−給与所得控除−所得控除)×税率}−控除額

 

・総収入額:700万円
・給与所得控除:180万円
・所得控除:99万円+48万円=147万円(社会保険料控除および基礎控除のみとします)
・税率:20%
・控除額:427,500円

これらの値を上記の公式に代入すると、所得税額は以下のように計算できます。

所得税額={(700万円−180万円−147万円)×20%}−427,500円=31.8万円

住民税

住民税は地方税の一種で、住んでいる地域の自治体に支払う税金です。都道府県民税と市町村民税の2つがあり、前年の所得を基に計算されます。

住民税の計算方法は、額面年収から給与所得控除、各種所得控除を差し引いた、課税所得に対して10%の税率をかけて計算されます。

一般的に、年収700万円の場合、住民税は38万円程度になると言われています。

社会保険料

社会保険料には健康保険、介護保険(40歳以上のみ)、厚生年金が含まれます。年収700万円の場合、社会保険料は約98.98万円程度になると言われています。

厚生年金保険料

厚生年金保険料は、給与から天引きされ、その額は給与額(標準報酬月額)によります。厚生年金保険料の保険料率は18.3%です。ただし、厚生年金保険料は従業員と勤務先がそれぞれ半分ずつ負担します。

年収700万円の場合、実際に労働者が支払う厚生年金保険料は以下のように計算されます。

厚生年金保険料=年収×厚生年金保険料の保険料率÷2

 

700万円×18.3%÷2=64.05万円

健康保険料、介護保険料(40歳以上のみ)

健康保険料は、給与から天引きされ、その額は給与額(標準報酬月額)によります。健康保険料の保険料率は9.98%(東京都。40歳未満を想定)です。ただし、健康保険料も従業員と勤務先がそれぞれ半分ずつ負担します。

年収700万円の場合、実際に従業員が支払う健康保険料は以下のように計算されます。

健康保険料=年収×健康保険料の保険料率÷2

 

700万円×9.98%÷2=34.93万円

したがって、年収700万円の人が支払う社会保険料の合計は、厚生年金保険料と健康保険料を合計した額、つまり約98.98万円となります。

上記に基づき、年収700万円の人が支払う税金の総額は、所得税31.8万円、住民税38万円、社会保険料98.989万円の合計で、約168.78万円となります。

ただし、これらの計算は一般的な計算方法に基づいており、具体的な税額は個々の状況(扶養家族の有無など)や地方自治体による条例により異なる場合があります。

年収700万円の人の割合

年収700万円の人々が日本全体のどの程度を占めているのか、具体的な割合を見てみましょう。

国税庁の「令和4年分の民間給与実態統計調査」によると、年収700万円超800万円以下の人は、全体の4.8%を占めています。

この範囲に該当する人々は、全体の約20人に1人に相当します。

男性と女性別の割合は、男性で年収700万円超800万円以下の人は7.1%、女性では1.7%です。

年収700万円の人の生活費

一人暮らしの場合

項目金額(月額)
住居費(家賃)75,000円
光熱費10,000円
通信費10,000円
食費35,000円
その他の生活費50,000円
合計180,000円

住居費(家賃)

一人暮らしの場合、家賃は大きな出費となります。都市部では家賃が高くなる傾向にあります。例えば、東京23区内の一人暮らし向けのアパートの平均家賃は約80,000円と言われています。しかし、郊外や地方都市では、この金額は下がることが多いです。

光熱費

電気、ガス、水道などの光熱費は、季節や生活スタイルにより変動します。エアコンや暖房を多用すると電気代が上がりますし、シャワーの使用時間や料理の頻度によってもガス代や水道代は変わります。一人暮らしの場合、月額10,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。インターネットプロバイダーや携帯電話会社のプランにより、料金は大きく異なります。無制限のデータプランや高速インターネット接続を選ぶと、通信費は上がります。一人暮らしの場合、月額10,000円程度が見込まれます。

食費

食事にかかる費用は、自炊と外食のバランスにより大きく変動します。自炊を主にすると食費は抑えられますが、外食が多いと食費は増えます。また、食材の選び方やスーパーマーケットの選び方によっても食費は変わります。一人暮らしの場合、月額35,000円程度が一般的です。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。これらの費用は、個々のライフスタイルや趣味、仕事の状況により大きく変動します。一般的には月額50,000円程度が見込まれます。

これらを合計すると、一人暮らしの場合の生活費は、月18万円程度になると考えられます。

夫婦世帯の場合

年収700万円の夫婦世帯の場合、生活費はどのくらいになるのでしょうか。主な生活費の項目とその目安について見ていきましょう。

項目金額(月額)
住居費(家賃)110,000円
光熱費20,000円
通信費16,000円
食費75,000円
その他の生活費60,000円
合計281,000円

住居費(家賃)

一人暮らしよりも広い住居を必要とするため、家賃は一般的に高くなります。また、ペットを飼っている場合などは、さらに広い住居を必要とすることが多いです。これらの要素を考慮すると、夫婦世帯の場合の家賃は、一般的には月110,000円程度となります。都市部では家賃が高くなる傾向があります。

光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道などを含みます。特に、電気代やガス代は、使用量に応じて増減します。また、洗濯の回数が増えると、水道代も増えることがあります。これらの費用は季節や生活スタイルにより変動しますが、夫婦世帯の場合、月額20,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。夫婦二人分の携帯電話料金や、家庭内でのインターネットの利用状況により、通信費は変動します。特に、ビデオ通話や動画視聴などのデータ通信量が多い場合、通信費は増えることがあります。これらの費用はプランによりますが、一般的には月額16,000円程度が見込まれます。

食費

夫婦世帯の場合、食費は増えますが、一緒に食事をすることで、食材のまとめ買いが可能になり、一人当たりの食費を抑えることができます。外食が多いと食費は増えますが、自炊を心掛けると抑えることができます。夫婦世帯の場合、月額75,000円程度が平均的な食費とされています。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。ペットがいる場合や趣味が高額な場合などは、その他の生活費が大きくなることがあります。これらの費用はライフスタイルによりますが、一般的には月額60,000円程度となります。

これらを合計すると、年収700万円の夫婦世帯の場合、月額の生活費は約281,000円となります。

年収700万円の夫婦世帯では、手取り42万円として、月々50,000円の貯金ができれば理想的といえます。そのためには、月々の生活費を37万円に抑えることが必要となってきます。

子連れ(3人家族)の場合

年収700万円の子連れ(3人家族)の場合、生活費はどのくらいになるのでしょうか。主な生活費の項目とその目安について見ていきましょう。

項目金額(月額)
住居費(家賃)120,000円
光熱費20,000円
通信費16,000円
食費95,000円
教育費50,000円
その他の生活費70,000円
合計371,000円

住居費(家賃)

子連れの家庭では、より広い住居を必要とするため、家賃は一般的に高くなります。都市部では家賃が高くなる傾向にあります。例えば、東京23区内のファミリー向けのアパートの平均家賃は約12万円と言われています。しかし、郊外や地方都市では、この金額は下がることが多いです。また、子供の成長に伴い、さらに広い住居を必要とすることもあります。年収700万円の場合、家賃は月額120,000円程度が適切とされています。

光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道などを含みます。これらの費用は季節や生活スタイルにより変動しますが、3人家族の場合、月額20,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。家庭内でのインターネットの利用状況や、家族全員の携帯電話料金により、通信費は変動します。特に、ビデオ通話や動画視聴などのデータ通信量が多い場合、通信費は増えることがあります。これらの費用はプランによりますが、一般的には月額16,000円程度が見込まれます。

食費

食事にかかる費用は、自炊と外食のバランスにより大きく変動します。自炊を主にすると食費は抑えられますが、外食が多いと食費は増えます。また、食材の選び方やスーパーマーケットの選び方によっても食費は変わります。子連れの家庭では、子供の食事も考慮に入れる必要があります。子供の成長に伴い、食事の量も増え、それに伴い食費も増えます。3人家族の場合、月額95,000円程度が平均的な食費とされています。

教育費

子供の教育費は、子供の年齢や学校、習い事などにより大きく変動します。幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校と進むにつれて、教育費は増えていきます。また、習い事や塾などの教育関連の費用も含まれます。子供の年齢や教育環境によりますが、一般的には月額50,000円程度が見込まれます。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。これらの費用は、個々のライフスタイルや趣味、仕事の状況により大きく変動します。特に、子供の成長に伴い、衣服費や趣味に関連する費用が増えることがあります。これらの要素を考慮すると、月額70,000円程度が見込まれます。

以上のように、年収700万円の子連れ(3人家族)の場合、月額の生活費は約371,000円となります。これらの費用を考慮に入れ、予算管理を行うことで、安定した生活を送ることが可能です。

年収700万円を狙える業種とは

年収700万円という金額は、多くの人にとって魅力的な目標になります。以下にいくつかの例を挙げてみましょう。

医療・医薬業界

医師や薬剤師などの専門職は、高度な専門知識と技術が求められるため、高収入が期待できる業界です。特に、医師の場合は、専門性や経験年数により年収が700万円を超えることは珍しくありません。薬剤師も、病院や製薬会社など勤務先によっては高収入が望めます。

IT・テクノロジー業界

ITエンジニアやデータサイエンティストなどの職種は、デジタル化の進展に伴い需要が高まっています。特に、スキルや経験が豊富なプロフェッショナルは、年収700万円を超えるケースが多く見られます。また、フリーランスとして活躍する人も増えており、スキル次第で高収入を得ることが可能です。

金融・コンサルティング業界

金融業界では、投資銀行や証券会社などで活躍する専門職が高年収を得ることが可能です。また、ビジネスコンサルタントや公認会計士など、専門的な知識とスキルを要する職業も年収700万円を目指せる分野です。

法律関連の職業

弁護士や弁理士などの法律関連職は、専門的な資格を必要とし、それに見合う報酬が期待できます。経験や実績を積むことで、年収700万円以上を目指すことが可能な職種です。

管理職・エグゼクティブポジション

企業の管理職やエグゼクティブポジションに就くことも、高収入を得る一つの方法です。部門の責任者や経営層としての役割は大きなプレッシャーを伴いますが、それに見合った報酬が設定されています。

これらの業種はいずれも、高度な専門知識やスキル、経験が要求されるため、それに見合った収入が得られる可能性があります。ただし、単に業種を選ぶだけでなく、個人のスキルや適性、市場の需要などを総合的に考慮してキャリアを構築することが重要です。

年収700万円を目指す方法

自分のスキルや経験を最大限に活かすことで、年収700万円を目指すことが可能です。以下の方法を活用していきましょう。ただし、どの方法も一定の努力や時間が必要であり、すぐに結果が出るものではないことを理解しておくことが重要です。

スキルの向上と専門知識の習得

  • 継続的な学習:業界の最新トレンドや技術を学習し続けることで、市場価値を高めます。オンラインコースやセミナーを活用して知識を更新しましょう。
  • 資格の取得:特定の業界で求められる資格や認定を取得することで、専門性を証明し収入アップを目指します。例えば、IT業界であれば、プロジェクトマネージャーやデータサイエンティストの資格が有効です。

キャリアパスの検討

  • 業界分析:高収入が期待できる業界や職種について調査し、自分に合ったキャリアパスを検討します。
  • 職務経験の積み重ね:専門性を高め、管理職や高度な技術職へのステップアップを目指すことで、収入アップが見込めます。

ネットワーキング

  • 業界のイベント参加:セミナーやカンファレンスへの参加は、最新の情報を得るとともに、貴重な人脈を築く機会となります。
  • メンターの獲得:経験豊富なメンターを見つけ、キャリアアドバイスを受けることも有効です。

転職を活用した収入アップ

  • 市場価値の評価:定期的に自分の市場価値を確認し、高収入を実現可能な転職市場のチャンスをうかがいます。
  • 転職エージェントの活用:転職を考える場合は、専門のエージェントに相談し、自身のスキルや経験に見合った求人情報を提供してもらいましょう。

副業・投資での収入増

  • 副業の検討:自分のスキルを活かした副業で追加収入を得ることも一つの手です。ただし、本業に支障が出ないよう注意が必要です。
  • 投資活動:余剰資金を有効活用して投資に挑戦することで、収入源を増やすことが可能です。リスク管理に留意しながら、資産形成を図りましょう。

年収700万円を目指すには、これらの方法を組み合わせて、自分に最適なキャリアと収入アップの戦略を練ることが重要です。自己啓発とキャリア開発に対する意欲が、高収入を実現する鍵となります。


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