• 作成日 : 2024年6月14日

年収300万の女性って普通?割合や手取り額、生活レベルを解説

年収300万円台の女性の割合は、全体の約18%を占めています。月間の手取り額にすると、約20万円になると推定されます。年収300万円以下の女性は全体の44.5%を占めており、一般的な収入であるということがわかります。この記事では、年収300万円の女性の生活レベル、貯蓄額、主な職業など、詳しく解説します。また、年収300万円を目指す女性に向けて、収入を増やす方法についてもご紹介します。

年収300万の女性は普通?平均との比較

年収300万円という金額は、女性にとって一般的なのか、それとも高いのか低いのか、データと比較してみましょう。

まず、日本の女性の平均年収について見てみましょう。20代の平均年収は329万円、30代は383万円、40代は410万円、そして50代以上は434万円となっています。これらのデータから、年齢が上がるにつれて平均年収も上昇していることがわかります。特に30代以降では、年収300万円は各年代の平均年収よりも低いと言えます。

次に、年収300万円台の女性の割合について見てみましょう。調査によれば、日本の女性労働者の約18%が年収300万円台にあります。また、年収300万円以下の女性は全体の44.5%を占めています。これらのデータから、年収300万円は女性の中では一般的な収入であり、多くの女性がこの収入レベルに位置していることがわかります。

年収300万の女性の割合

年収300万円の女性は、日本の全体の中でどのくらいの割合を占めているのでしょうか。ここでは、全体と年代別の割合を見ていきましょう。

全体で見る年収300万の女性の割合

国税庁の民間給与実態統計調査(令和3年分)によると、1年を通じて勤務した給与所得者数は男性が約3,061万人、女性が約2,209万人で、平均給与は男性が約545万円、女性が約302万円です。

年収300万円超400万円以下の女性の割合は全体の18%であり、これは男性の16.9%と比較してわずかに高いです。これは、この収入帯が女性の中で最も一般的であることを示しています。

年収が上昇するにつれて、その割合は男女ともに減少します。特に、年収が700万円を超えると女性の割合は急速に減少します。これは、高収入の職種に女性が少ない可能性を現わしています。

一方、年収が300万円以下の女性の割合は男性よりも高く、特に100万円以下では女性の割合が男性の約4倍になっています。これは、パートタイムや非正規雇用の仕事に従事している女性が多いことを示している可能性があります。

年収300万円の女性は、一般的にはフルタイムで働いているが、高収入の職種にはあまり進出していない可能性があると言えそうです。

年間給与額男性女性男女計
100万円以下3.5%14.3%8.1%
100万円超 300万円以下6.7%22.5%13.3%
300万円超 300万円以下10.5%20.9%14.8%
300万円超 400万円以下16.9%18%17.4%
400万円超 500万円以下17.5%11.4%15%
500万円超 600万円以下13.8%5.9%10.5%
600万円超 700万円以下9.4%3%6.7%
700万円超 800万円以下6.8%1.7%4.6%
800万円超 900万円以下4.4%0.8%2.9%
900万円超 1,000万円以下3%0.4%1.9%
1,000万円超 1,500万円以下5.4%0.8%3.5%
1,500万円超 2,000万円以下1.3%0.2%0.8%
2,000万円超 2,500万円以下0.4%0.1%0.3%
2,500万円超0.5%0.1%0.3%

参照:国税庁 民間給与実態統計調査(令和3年分)P21

年代別で見る年収300万の女性の割合

年収300万円台の女性の割合を年齢別に見ていきましょう。

年代女性 (%)男性 (%)
20代前半20.219.6
20代後半12.18.1
30代前半10.64.9
30代後半10.23.6
40代前半9.33.0
40代後半10.32.6
50代前半10.73.0
50代後半10.63.3
60代前半12.910.2
60代後半13.812.8
70歳以上10.412.9

※年収300万円は賃金階級18万円 ~ 19.9万円の層で試算

参照:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査 賃金の分布

年収300万円台の女性の割合は、年代によって大きな違いがあります。20代前半で20.2%と最も高く、40代前半では9.3%と最も低くなっています。

20代は就職直後で収入が低いため男女ともに2割前後ですが、30代になると女性の割合が低下し、男性はさらに低くなります。これはキャリア形成による収入増加の違いが影響していると考えられます。

40代・50代では女性の割合が1割前後と高く、男性は1割以下と低くなっており、女性の非正規雇用の割合が高いことがうかがえます。

70歳以上では1割程度となり、退職による収入減少を示しています。

つまり、収入に関する男女格差は、30代以降のキャリア形成や雇用形態の違いによるものが大きいと言えるでしょう。年代による推移から、女性の長期的なキャリア形成の重要性も見て取れます。

年収300万の女性の月間手取り額

年収300万円の女性の月間手取り額について詳しく見てみましょう。ここでは、社会保険料(健康保険、厚生年金保険)と税金(所得税、住民税)を差し引いた額を手取り額とします。

年収300万円の場合、月間手取り額は、約20万円程度になると推定されます。

計算の内訳は以下のようになります。

  • 所得税(概算): 約5.7万円
  • 住民税(概算): 約11.6万円
  • 社会保険料(健康保険・厚生年金、概算): 額面給与の約14%=42.4万円

これらの税金や社会保険料を考慮すると、年収300万円の実際の手取り額は約240万円程度になることが予想されます。

年間の手取り額を12ヶ月で割ると、月々の手取り額が算出できます。

240万円 ÷ 12ヶ月 = 約20万円となります。

ただし、これらの数値は一般的な計算結果であり、具体的な手取り額は個々の状況(例えば、扶養家族の有無や社会保険の加入状況など)により異なる可能性があります。

女性が年収300万を目指せる主な職業

ここでは、女性が年収300万円を目指せる主な職業をいくつか紹介します。

看護師

看護師は、医療現場で患者のケアを行う専門職です。資格取得には専門学校や大学での学習が必要ですが、安定した需要があり、年収300万円以上を目指せる職業です。夜勤や交代制勤務などもあるため、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。

教師

小学校、中学校、高等学校の教師は、教育現場で子どもたちの成長を支える重要な役割を担っています。大学で教職課程を修了し、教員採用試験に合格する必要がありますが、年収300万円以上を目指せる職業です。教育を通じて社会に貢献できるやりがいのある仕事です。

公務員

国家公務員や地方公務員は、安定した雇用と年収が期待できる職業です。事務職をはじめ、専門職(技術職、医療職など)もあり、幅広い分野で活躍できます。キャリアを積むことで、年収300万円以上を目指すことも可能です。

金融関連職

銀行や証券会社、保険会社などの金融機関で働く仕事です。営業職や事務職、専門職(ファイナンシャルプランナーなど)があり、年収300万円以上を目指せる可能性があります。経済や金融に関する知識を身につけることができるため、スキルアップにもつながります。

IT関連職

システムエンジニアやプログラマー、Webデザイナーなど、IT関連職は女性の活躍が期待される分野です。専門的な知識やスキルが必要ですが、年収300万円以上を目指せる可能性があります。技術革新が速いため、常にスキルアップが求められる職業でもあります。

広告・マスコミ関連職

広告代理店やテレビ局、出版社などで働く仕事です。クリエイティブな仕事が多く、女性の感性を活かせる職業です。企画力やコミュニケーション能力が求められますが、年収300万円以上を目指せる可能性があります。

これらの職業は一例ですが、いずれも専門的なスキルや資格が求められる傾向にあります。自分の適性や興味に合った分野で、スキルアップを図ることが年収アップにつながります。

年収300万の独身女性の生活レベル

年収300万円の独身女性の生活レベルについて、実家暮らしと一人暮らしの場合で考えてみましょう。

実家暮らしの場合

実家暮らしの場合、家賃や光熱費、食費などの生活コストを家族と分担できるため、手取り額の多くを自由に使うことができます。手取りの約20万円の中から、生活費を4万円としても、残りの金額を貯金や自己投資に回すことが可能です。

将来的な資金づくりや、結婚資金、住宅購入資金などを着実に貯めることができます。

また、生活コストを抑えられる分、趣味や交際費に使えるお金が大幅に増えます。高価な習い事や、頻繁な旅行、友人との外食などを楽しむことができます。

一人暮らしの場合

一人暮らしをしていると、家賃、光熱費、食費など、生活に必要な費用のすべてを自分一人で賄わなければなりません。

具体的な生活費の内訳は以下の通りです。

項目金額(月額)
家賃約6万円
水道光熱費約1万円
通信費約1万円
食費約5万円
交際費約3万円
雑費約2万円
合計約18万円

それぞれの支出を詳しく見ていきましょう。まず家賃ですが、月6万円程度の物件を借りるとします。水道光熱費と通信費は、それぞれ月1万円ほど。食費は自炊と外食を合わせて月5万円、交際費は月3万円、その他雑費として月2万円を見積もります。

これらを合計すると、月々の生活費は約18万円になります。年収300万円の手取り額が月20万円程度だとすると、その約90%が生活費で消えてしまう計算です。

つまり、一人暮らしをしていると、貯金や趣味、レジャーに使えるお金はごくわずかしか残らないというのが現実なのです。余裕を持った生活を送るのは難しく、常に節約を意識せざるを得ない状況だと言えるでしょう。

とはいえ、しっかりと計画を立ててお金を管理することで、ある程度の質の高い生活を維持することは可能です。家賃を抑えるために都心を避け、地方の物件を選ぶ、食費を削るために自炊の頻度を上げる、光熱費を減らすために節電を心がけるなど、工夫の余地はたくさんあります。

年収300万の貯蓄額

年収300万円の人の平均的な貯蓄額を知るために、金融広報中央委員会が行った調査の結果を見てみましょう。この調査では、年収300万円未満の人の金融資産保有額について、平均値と中央値が示されています。

【年収300万円未満の人の金融資産保有額の平均値・中央値】

世帯平均貯蓄額中央値
単身1,095万円387万円
2人以上世帯1,015万円370万円

参考:家計の金融行動に関する世論調査(金融広報中央委員会)

まず、単身世帯の場合、平均値は1,095万円、中央値は387万円となっています。一方、2人以上の世帯では、平均値が1,015万円、中央値が370万円です。

平均値は、データの合計を個数で割ったものですが、中央値は、データを小さい順(または大きい順)に並べたときの真ん中の値を表します。

平均値と中央値に大きな開きがあるのは、金融資産保有額が極端に高い人が平均値を引き上げているためです。したがって、年収300万円の人の実際の貯蓄額を考えるなら、平均値よりも中央値の方が参考になるでしょう。

単身世帯の中央値は387万円、2人以上の世帯では370万円となっています。これらの数字が、年収200万円の人のより現実的な貯蓄額を表していると言えるでしょう。

もちろん、個人差はありますが、この調査結果から、年収300万円の人の貯蓄額は、370万円から380万円程度が一般的だと推測できます。

年収300万の女性が収入を増やす方法

年収300万円の女性が収入を増やす方法について解説します。年収アップを実現するためには、以下のような選択肢が考えられます。

スキルアップ・自己投資

自己啓発や教育に投資することで、自分自身の価値を高めることができます。オンラインコースやセミナーに参加したり、新しいスキルを学んだりすることで、より多くの仕事の機会を得ることができます。

特定の業界への転職

年収が高いとされる業界、例えばITや金融、医療系などへの転職を考えることも一つの方法です。特に医療系の職種(婦人科、美容皮膚科、歯科医師、看護師、薬剤師など)は高給の傾向があります。

成果主義の企業に勤める

成果主義を採用している企業では、個々の能力や貢献度により給与が決定されます。自分のスキルや努力が直接給与に反映されるため、収入を増やす可能性があります。

地域の年収を考慮する

地域によっても平均年収は異なります。特に、都市部では給与水準が高い傾向にあります。地方で働いていて収入アップが見込めない場合は、都市部への移住を考えることも一つの選択肢です。


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