- 作成日 : 2024年4月12日
社会保険料はいくら引かれる?給料10万円~40万円までの税金と手取り額
社会保険料とは、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料のことです。この記事では、社会保険料の基本概念や計算方法、さまざまな給料額に基づいた具体的な社会保険料の額について解説します。給与から差し引かれる社会保険料を理解することで、私たちの財務計画をより効果的に立てることができるようになります。
目次
社会保険料とは?
社会保険料とは、日本の社会保障制度を支えるための費用です。社会保険制度には、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つの種類から成り立っており、私たちの健康と将来の安定を守るために不可欠なものです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
社会保険料の種類
1.厚生年金保険
公的年金制度として「国民年金」があり、20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務があります。厚生年金は国民年金の「2階部分」に当たる年金で、会社に勤務する人の多くが原則として加入しています。厚生年金で支払われるのは老後に支給される「老齢年金」だけではありません。障害の状態になった際や死亡時の給付もあります。
2.健康保険
健康保険は業務外の病気やけが、休業、出産、死亡などに備える公的な医療保険制度です。会社に勤務している場合は、勤務先が所属する健康保険団体などの保険者となります。個人事業主やフリーランスの場合は、国民健康保険に加入します。健康保険に加入していると、病院での医療費を全額支払う必要はありませんが、一部の自己負担があります。
3.介護保険
介護保険は健康保険の被保険者が40歳になると加入する制度で、原則として65歳以上で介護が必要と診断された場合に介護保険サービスが利用できます。
4.雇用保険
雇用保険は雇用に関する支援を行う制度で、失業や休業時に給付されます。
5.労災保険
労災保険は業務上のケガや病気、障害、死亡などに対する保険給付を行います。労働者を1人でも雇用する会社には加入が義務付けられています。
社会保険料は、一定の安全と保障を受けるために必要な費用であり、会社および会社に勤務するすべての人に支払いの義務があります。これらの社会保険料は、雇用主と従業員が折半するものと、雇用主だけが支払うものとがあります。
社会保険料の計算方法
社会保険料は、労働者の給与に基づいて計算され以下の式で計算されます。労災保険料以外は労使折半となります。
健康保険料の計算方法
健康保険料は、被保険者の給与に基づいて計算されます。以下が健康保険料の計算式です。
- 標準月額報酬:被保険者の給与を等級に区分したものです。健康保険組合と全国健康保険協会(協会けんぽ)によって異なります。
- 健康保険料率:加盟している団体が規定する料率をもとに計算します。健康保険組合と全国健康保険協会では異なる料率が適用されます。
健康保険料は労使折半ですので、上記で算出された保険料の半分の金額が自己負担額となります。なお、国民健康保険加入者の保険料は前年の所得に応じて計算されます。
厚生年金保険料の計算方法
厚生年金保険料も標準月額報酬をもとに計算されます。
厚生年金保険料率は2017年以降、18.3%で固定されています。
厚生年金保険料も労使折半ですので、上記で算出された保険料の半分の金額が自己負担額となります。
介護保険料の計算方法
介護保険料は次の式で計算されます:
介護保険料は40歳から64歳までの被保険者に徴収され、一律で1.82%です。
介護保険料も労使折半なので、上記で算出された保険料の半分の金額が自己負担額となります。
雇用保険料の計算方法
雇用保険料は事業種ごとに異なる保険料率で計算されます。
保険料は雇用主と従業員で折半負担されます。
労災保険料の計算方法
労災保険料も賃金総額と保険料率を掛け算して計算されます。
労災保険料率は事業内容ごとに異なり、すべて雇用主負担になります。
給料が10万円の場合の社会保険料
給料が10万円の場合、東京都の企業に勤めており、介護保険制度の対象ではない従業員の2024年4月現在の社会保険料は、下記の通りです。
- 健康保険料:9,980円(労使折半で従業員負担額は4,990円)
- 厚生年金保険料:18,300円(労使折半で従業員負担額は9,150円)
- 子ども・子育て拠出金:360円(雇用主負担)
給料が10万円の場合、社会保険料の総額は、28,640円(従業員負担額は14,140円)です。
給料が20万円の場合の社会保険料
給料が20万円の場合の社会保険料は、以下のように概算できます。
- 健康保険料:19,960円(労使折半で従業員負担額は9,980円)
- 厚生年金保険料:36,600円(労使折半で従業員負担額は18,300円)
- 子ども・子育て拠出金:720円(雇用主負担)
合計すると、給料が20万円の場合、社会保険料の総額は、57,280円(従業員負担額は28,280円)です。
給料が30万円の場合の社会保険料
給料が30万円の場合の社会保険料は、以下のように概算できます。
- 健康保険料:29,90円(労使折半で従業員負担額は14,970円)
- 厚生年金保険料:54,900円(労使折半で従業員負担額は27,450円)
- 子ども・子育て拠出金:1,080円(雇用主負担)
合計すると、給料が30万円の場合、社会保険料の総額は、85,920円(従業員負担額は42,420円)です。
給料が40万円の場合の社会保険料
給料が40万円の場合の社会保険料は、以下のように概算できます。
- 健康保険料:39,920円(労使折半で従業員負担額は19,960円)
- 厚生年金保険料:73,200円(労使折半で従業員負担額は36,600円)
- 子ども・子育て拠出金:1,440円(雇用主負担)
合計すると、給料が40万円の場合、社会保険料の総額は、114,560円(従業員負担額は56,560円)です。
社会保険料が上がるタイミング
特定の条件やタイミングによって変動することがあります。
給与の増加
給与が増えると、社会保険料の基礎となる金額が増加するため、保険料も増えます。また、特に昇給や昇格により給与が大幅に増加した場合、社会保険料の額も顕著に増加する可能性があります。
年齢による変動
特定の年齢に達すると、保険料率が変更されることがあります。例えば、一定の年齢に達すると厚生年金保険料の率が上がることがあります。
経済状況による影響
経済状況の変化に伴う率の調整: 国や地域の経済状況に応じて、保険料率が見直されることがあります。これには、国の社会保障制度の持続可能性を保つための調整が含まれます。
政策変更による影響
法律や政策の変更による保険料率の変更: 政府の政策や法律の変更によって、健康保険料や厚生年金保険料の率が変わることがあります。
健康保険組合の変更
勤務先の変更や健康保険組合の見直しにより、加入する健康保険の種類が変わると、保険料率が変動することがあります。
社会保険料が上がるこれらのタイミングを理解することは、将来の財務計画を立てる上で非常に重要です。特に、退職後に任意継続被保険者になる場合、保険料については全額自己負担です。このような予期せぬ財務的な負担に備え、適切な対策を講じることが可能となります。
日々の家計管理をしっかりと行い保険料の変更に備えよう
社会保険は、健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の5つがあり、病気や老後の生活をサポートするために不可欠な制度です。
これからの日本は急速な高齢化社会に直面しており、これが社会保険制度に大きな影響を及ぼすと予想されます。
もし、社会保険料が上がれば、手取りは減ることになりますから、日々家計管理を行って、手取りの変動にも備えていくことが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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