• 作成日 : 2024年4月12日

可処分所得とは?計算式や手取りとの違い、年収別目安を解説

可処分所得とは、所得から税金や社会保険料を支払った後に手元に残る金額のことです。つまり、給与や事業から得た所得から税金や社会保険料を引いた後の金額が可処分所得となります。可処分所得は、私たちの生活レベルや経済活動を示すものであり、経済政策を考える際の重要な指標となります。この章では、可処分所得と手取りの違いや可処分所得の計算式、年収別の可処分所得の目安について解説していきます。

可処分所得とは

「可処分所得」とは、一般的には、個人が税金や社会保険料などを支払った後に自由に使える所得のことを指します。これは、生活費に回せるお金(食費、住居費、教育費、娯楽費)など、日々の生活を送るために自由に使えるお金の総額を示しています。簡単に言えば、「手に入れた収入から必要な支出を差し引いた後の金額」と理解するとよいでしょう。

可処分所得が大切な理由

可処分所得は、個人の経済的な自由や生活水準を測る重要な指標です。収入が高くても、税金や社会保険料などの必要な支出が多ければ、実際に自由に使えるお金は少なくなります。逆に、収入はそれほど高くなくても、必要な支出が少なければ、より多くの可処分所得を確保でき、生活水準を向上させることが可能です。

日本の可処分所得が伸び悩んでいる理由

日本経済新聞の記事によると、日本の家計の可処分所得は全体として伸び悩んでいます。

可処分所得とは、家計の収入のうち、政府への税金や社会保険料などの支払いを差し引いた、いわゆる「手取り」の部分を指します。これは食品やサービスへの消費などに自由に回せるお金にあたります。

総務省によると、2021年の2人以上の勤労者世帯の実収入(労働以外からの稼ぎを含む)は月60万円で、この2割に相当する所得税などの税金や社会保険料(計約11万円)を差し引いた約49万円が手取りとなります。

しかし、欧州委員会によると、日本の家計の可処分所得は2000年と比べて2021年は横ばいにとどまり、米国(約2.6倍)や欧州(約1.6倍)と比べて大きく見劣りしています。これは収入が伸び悩んでいることと、社会保障負担が膨らんでいることの両方の理由があります。

家計が苦しいと支出に影響が出ます。例えば、消費支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」をみると、日本では2020年に26%と2000年以降で最高となり、2021年も25%強と2番目に高くなりました。手取りが少ないほど食費が優先されて娯楽費などが削られることから、エンゲル係数の高さは生活に余裕がないことを示すとされています。さらに、足元で進む食品などのインフレがさらなる懸念材料となっています

参考:可処分所得とは 手取り収入、日本は伸び悩み|日本経済新聞

可処分所得と手取りの違い

「可処分所得」と「手取り」は、基本的に同じ意味で使われます。両者とも、給料や収入から税金や社会保険料などが差し引かれた後の金額を指します。

手取りがある程度多くても、生活費がそれ以上に多いと、実際に自由に使えるお金は少なくなります。逆に、手取りは少なくても、必要な支出をうまく管理すれば、より多くの可処分所得を確保することができるでしょう。

この違いを理解することで、自分の経済状況をより正確に把握し、効果的な家計管理を行うことができます。また、可処分所得は生活水準や生活の質を測る指標ともなります。

可処分所得の計算式

可処分所得は、次の計算式で求めることができます。

基本計算式

可処分所得 = 給料の額面 − 税金 − 社会保険料

 

ここで、各項目は以下のように定義されます。

  • 給料の額面:毎月受け取る給料の総額を指し、給料明細書でいうところの「支給総額」に該当します。
  • 税金:所得税や住民税などの税金の合計を指します。
  • 社会保険料:健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料(40歳以上の場合)などが含まれます。

可処分所得の計算例

例えば、年収600万円の給与所得者がいるとします。所得税が80万円、住民税が30万円、社会保険料が120万円だとすると、可処分所得は次のように計算されます。

可処分所得=600万円−(80万円+30万円+120万円)=370万円

この計算式を用いて、自分の可処分所得を把握することで、家計管理や将来の計画に役立てることができます。

年収別の可処分所得の目安

以下の表は年収別の可処分所得の目安を表形式でまとめたものです。この表は、一般的な税率、社会保険料率を基にしており、実際の金額は個人の状況や適用される控除によって異なります。

年収 所得税と住民税 社会保険料 可処分所得の目安
300万円 20万円 45万円 235万円
400万円 30万円 60万円 310万円
500万円 40万円 75万円 385万円
600万円 50万円 90万円 460万円
700万円 60万円 105万円 535万円
800万円 70万円 120万円 610万円
900万円 80万円 135万円 685万円
1000万円 90万円 150万円 760万円
  • 所得税と住民税:年収に比例して増加します。ただし、控除の適用により、実際の税額はこの表の数値より低くなる可能性があります。
  • 社会保険料: 年収が高くなるにつれて、社会保険料も増加します。これは、健康保険料や年金保険料などが収入に基づいて計算されるためです。
  • 可処分所得の目安: 表示されている可処分所得は、税金と社会保険料を差し引いた後の金額です。この金額は、生活費、貯蓄、投資など、自由に使うことができる金額の目安を示しています。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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