• 更新日 : 2024年7月26日

実家暮らしの人はどれくらい貯金できる?できない人の特徴とは?

若者の中でも実家暮らしを選ぶ人が一定数います。その理由の一つとして経済的な余裕を得て、貯蓄に回したいということが挙げられるでしょう。

この記事では、実家暮らしでどれくらいの貯蓄が可能か、また貯蓄を増やすための効果的な方法や、逆に貯金ができない人の共通点について詳しく解説します。

実家暮らしの人はどれくらい貯蓄できる?

実家暮らしとは、独立した世帯を持たずに親と同居してすることであり、住宅費や光熱費などの固定費用を大幅に削減できます。また、それらの金額を貯蓄に回すことで貯金額を増やす大きなチャンスにつながることもあるでしょう。

実家暮らしによる経済的メリット

実家暮らしの最も大きなメリットは、住宅費の節約です。賃貸住宅や自己所有の住宅に比べて家賃や住宅ローンの支払いが必要ないため、支出を大幅に減らせるので、預貯金に回す額が増えます。

実家暮らしの平均的な貯蓄額

実家暮らしをする方たちの平均的な貯蓄額は、具体的な数値を示す公的なデータは存在しません。一部の民間調査によると、実家暮らし場合、給料のおよそ30%を貯蓄に回していると言われています。

例えば、毎月の手取りが20万円なら6万円、30万円の人なら9万円を貯蓄するというのが目安です。

多くのファイナンシャルプランナーは、手取額の20%は貯蓄に回すことを推奨しており、その方法として自動預貯金の利用を進めています。

ちなみに、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、20代から70代の単身の貯蓄額の平均値と中央値は以下のようになっています。

金融資産保有額平均値とは、全ての数を足して均等した数値のことです。中央値とは、全ての数を少ない順に並べたときに真ん中に入る数値を指します。平均値は、一部の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられる傾向があるため、中央値の方が全体の実態により近い値となることが一般的です。

【20代から70代の単身・金融資産保有額の平均値と中央値、貯蓄額の平均値】

世帯金融資産保有額の平均値金融資産保有額の中央値貯蓄額
20代121万円9万円65万円
30代594万円100万円289万円
40代559万円47万円275万円
50代1,391万円80万円510万円
60代1,468万円210万円637万円
70代1,529万円500万円676万円

出典:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)をもとに作成

※金融資産を保有していない世帯を含む場合の数値
※金融資産保有額とは、預貯金以外の貯蓄型の保険や株式、投資信託、財形貯蓄などを含んだ金額

実家暮らしの人の生活費内訳

実家暮らしの人が生活費としてどのように使っているかは、個々のライフスタイルや家庭環境によりますが、一般的な内訳は以下の通りです。

内訳金額
食費12,000円
住居費0円
光熱・水道費3,000円
家具・家事用品費0円
被服および履物費5,000円
保健医療費7,000円
交通・通信費5,000円
教養娯楽費18,000円
その他の支出26,000円
支出合計76,000円

実家暮らしの生活費の特徴は、一人暮らしに比べて住居費や家具・家事用品費がかからない点です。また、食材も実家でまとめて購入するため、食費が一人暮らしの半分程度となります。

ただし、これらの数値はあくまで目安です。個々の生活状況や収入により変動するので、自分が置かれている生活環境を考えつつ、適切な生活費で対応できるよう計画を立てることが重要です。

実家暮らしの人が貯蓄するためのポイント

実家暮らしをする人がお金を貯めるにはどのような心構えが必要なのでしょうか。ここでは貯蓄のポイントを解説していきましょう。

生活費の明確な管理

実家暮らしだと、自分の収入や支出をあまり気にしないという人もいることでしょう。実家暮らしの人が貯蓄するには、収支を一目で確認できる状況に整えておくことが、節約しながら貯蓄するという最初のステップとなります。

具体的には、レシートを全て保管したり、家計簿アプリやエクセルを活用したりするなど、毎月の収入と支出をこまやかに記録するのがおすすめです。この習慣を意識することで、無駄な出費を抑えられます。

不要な出費の見直し

携帯電話料金や各種サブスクリプションサービスの見直しは、意外と貯蓄につながりやすいと言えるでしょう。定期的に契約プランを見直し、使用頻度に合わないプランは適切なものに変更する、もしくは解約することで無駄な支出を抑えられます。

家族との金銭的なルール作り

家族との明確な費用分担を話し合いながら、家計にどれだけ貢献できるか考え、決めておくこととも肝心です。家族と共有することで、家族内での金銭的および精神的なストレスを減らすと同時に、自分の財布管理もしやすくなります。

自動預貯金の設定

給料が入った際、自動で特定の額を預貯金の口座に振り分けるように設定すると、計画的な貯蓄が可能です。お金を使い切るリスクが減るだけでなく、定期的な貯蓄ができるようになります。

目標貯蓄額の設定

具体的な貯蓄額の目標を設定することで、モチベーションを高く保つことができます。短期と長期の目標を設定し、それに向かってコツコツと貯蓄を続けることが重要です。

実家暮らしなのに貯金できない人の特徴とは

実家暮らしでも貯金がなかなかできないという人もいます。その特徴について解説をしてきましょう。

収入に見合わない出費

実家暮らしの若者は、一般的に住居費がかからないため、一人暮らしと比べても手元に残るお金が多めと言われています。一方で、自動車のローンや高価な趣味に多額のお金を使う実家暮らしの若者もいます。

貯蓄の自動化をしていない

自動預貯金の設定を利用せず、給与を全額受け取ってしまうと、貯蓄がしにくい状況になりがちです。実家暮らしでお金が貯まらないという人は、ファイナンシャルプランナーの推奨する「給与の20%を自動的に貯蓄口座へ」というアドバイスを実践していないというのがうかがえます。

娯楽費や交際費の管理が甘い

友人との外食や飲み会が多くなる生活パターンも、実家暮らしの人が貯金しにくい原因の一つです。友人との食事を通じたコミュニケーションも大切ではありますが、貯蓄をしたいなら外食をはじめとする交際費の管理ができるようにしておきましょう。

目標が明確でない

「いつかは実家から独立したい」と漠然と考えてはいても、そのための貯蓄額を具体的に設定していないと無駄遣いをしてしまう可能性があります。それを避けるには、明確な目標貯蓄額を設けておきましょう。

家庭内の金銭感覚の価値観

実家暮らしの人が同居している親の金銭感覚を引き継いでしまう事例として、金銭管理が甘い親のもとで暮らしていた場合、同様の金銭感覚を持ってしまうことです。そのため、自分の貯蓄計画が立ちにくくなる可能性があるでしょう。

貯蓄以外の優先順位が高い

旅行や趣味といったイベント系の出費が、生活費の中で娯楽費につぐ2番目に大きな割合を占めています。イベントにお金をかけている実家暮らしの人は、収入の中の余裕資金をその費用に利用するため、結果的に貯蓄が難しくなっている傾向です。

まとめ

実家暮らしは基本的に住居費や光熱費の負担がないため、一人暮らしに比べると貯蓄がしやすい環境といえるでしょう。

一方で、実家暮らしで貯蓄ができない人たちも存在します。その理由として、必要以上の消費やプライバシーの犠牲、家族への依存心が挙げられました。貯蓄を成功させるためには、収入の管理と支出の抑制が必要であり、自己責任を持ってしっかりとした収支計画を立てることが重要です。実家暮らしを賢く利用して、将来に向けて大きな貯蓄額を実現しましょう。


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