国民年金は満額でいくらもらえる?計算方法は?

国民年金の満額は、加入期間40年間に未納期間がなければ支給されます。その金額は毎年4月に見直されます。厚生年金は、加入期間中の給与の平均額に基づいて計算されます。この記事では、国民年金を満額受け取るための条件や計算方法、満額受け取れないケース、国民年金の受給額を満額に近づけるための方法について解説していきます。

国民年金の満額

国民年金の満額とは、国民年金の老齢基礎年金の最大受給額を指します。これは、原則として20歳から60歳までの40年間(480カ月)保険料を全額納めた場合の金額です。

2024(令和6)年時点での国民年金の満額は年額816,000円(月額68,000円)です。この金額は毎年改定されるため、最新の情報を確認することが重要です。

なお、厚生年金に加入している会社員や公務員などは、国民年金にも加入しています。そのため、20歳から60歳まで勤めていると、国民年金を満額受け取る条件を自動的に満たすことになります。

国民年金の満額の計算方法

国民年金の満額を受け取るためには、原則として20歳から60歳までの40年間(480カ月)保険料を全額納める必要があります。しかし、学生や無職などで保険料を納めていない期間があると、満額を受け取ることは難しくなるのです。

具体的な計算方法は以下の通りです。

  • 基準月額:国民年金の基準月額は、2024(令和6)年時点で68,000円です。この金額は毎年改定されます。
  • 加入年数:20歳から60歳までの40年間(480カ月)を基準とします。
  • 加入率:実際に保険料を納めた月数を基準月数(480カ月)で割ります。例えば、学生だった期間などで10年間(120カ月)保険料を納めていなかった場合、加入率は360/480 = 75%となります。
  • 年金額:基準月額に加入率を掛けて、年金額を求めます。上記の例であれば、68,000円 × 75% = 51,000円となります。

厚生年金の満額

厚生年金(老齢厚生年金)の受給額は、その人の平均標準報酬額(平均的な給与・賞与)と勤続年数(厚生年金加入期間)によって異なります。

厚生年金の満額の計算方法

厚生年金の受給額について、具体的な計算方法は以下の通りです。

  • 平均標準報酬額:ある一定期間の給与・賞与の平均額を指します。
    例えば、月々の給与が30万円だった場合、平均標準報酬額は30万円となります。
  • 勤続年数:厚生年金に加入していた期間を指します。
    例えば、20年間厚生年金に加入していた場合、勤続年数は20年(240カ月)となります。
  • 老齢厚生年金受給額:平均標準報酬額と勤続年数を用いて、次の公式で計算します。

平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 勤続月数(2003(平成15)年4月以降)

上記の例であれば、30万円 × 5.481/1000 × 240カ月 = 約39万4632円となります。

国民年金を満額受け取るための条件

国民年金を満額受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 保険料の納付:原則として、20歳から60歳までの40年間(480カ月)保険料を全額納める必要がある
  • 年齢:65歳以上
  • 居住地:日本国内に住んでいること。ただし、海外に住んでいる日本国民でも、一定の条件を満たせば国民年金を受け取ることが可能。

具体的な例として、ある人が20歳から60歳までの40年間(480カ月)全てを働いて保険料を納め、65歳になったとします。この場合、その人は国民年金を満額受け取る条件を満たしています。

国民年金を満額受け取れないケースとは

国民年金を満額受け取るためには、20歳から60歳までの40年間(480カ月)保険料を全額納める必要があります。しかし、以下のようなケースでは、国民年金を満額受け取ることは難しくなります。

  • 学生期間:大学や大学院などの学生期間中は、申し出ることで国民年金の保険料の納付を猶予してもらえます。この期間は加入期間としてカウントされますが、後で追納しなければ満額受給が難しくなります。
  • 無職期間:無職期間中も国民年金の保険料を納める必要がありますが、経済的な理由などで保険料を納められない場合があります。この期間は未納となり加入期間としてカウントされないため、無職期間が長く、また追納を行わなければ満額受給が難しくなります。ただし、免除や納付猶予を申し出ることで、保険料を支払わなかった期間は加入期間としてカウントされます。
  • 海外在住期間:海外に住んでいる期間は、一定の条件を満たせば国民年金の加入期間としてカウントされます。しかし、その条件を満たさない場合や保険料を納められない場合、満額受給が難しくなります。

具体的な例として、ある人が20歳から25歳までの5年間を大学で過ごし、その後5年間無職だったとします。学生納付特例や免除・納付猶予制度を利用せず保険料を支払っていない場合、満額受給は難しくなります。

国民年金を満額に近づけるためには

国民年金を満額に近づける策として、以下の事項が挙げられます。ここでは、学生期間や無職期間などで保険料を納められない場合について触れていきましょう。

  • 学生納付特例制度:学生期間などで保険料を納めていなかった場合、後から保険料を納めることができます。これにより、受給額を満額に近づけることができます
  • 任意加入制度:無職期間などで保険料を納められない場合、任意加入制度を利用することで、保険料を納め続けることができます。任意加入制度とは、60歳以降65歳未満で国民年金の受給資格を満たしていない場合や、保険料を納めていない期間がある場合に利用できる制度です。
  • 海外在住期間:海外に住んでいる期間でも、一定の条件を満たせば国民年金の加入期間としてカウントされます。そのため、海外在住期間を有効に活用することも一つの方法です。

具体的な例として、ある人が20歳から25歳までの5年間を大学で過ごし、その後5年間無職だったとします。この場合、その人は学生特例納付制度を利用して、学生期間の保険料を後から納めることができます。また、無職期間がある場合は60歳以降に任意加入することで、保険料を納め続けることができます。

国民年金の平均受給額

2022年度末の国民年金の平均受給額は、約5万5,000円です。これは、20歳から60歳までの40年間きちんと保険料を納めた人が、満額である約6万5,075円を受け取ることができるという事実と比較すると、満額に満たない水準であることがわかります。

一方、厚生年金(国民年金分を含む)の平均受給月額は、約14万4,000円です。厚生年金は、国民年金の基礎年金に加えて支給されているので、国民年金より支給額が多くなっています。

具体的な例として、男性の国民年金の平均受給月額は58,798円、女性は54,426円です。また、厚生年金の男性の平均受給月額は16万3,875円、女性は10万4,848円と、男女間での6万円の差となっています。

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