暗号資産の暴落はなぜ起こる?どう対応する?

ビットコインなどの実態のない通貨のことを暗号資産といいます。暗号資産はたびたび暴落をしており、話題になることもありますが、なぜ暴落するのでしょうか。この記事では、暴落の事例や暴落時の対応、銘柄選定の基準やおすすめの取引所をご紹介します。

暗号資産が暴落する理由

暗号資産はたびたび暴落が起きることがあります。なぜ暴落するのか、主な要因を見ていきましょう。なお、暴落する理由は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合って起こることもあります。

加熱し過ぎた急騰の反動

暗号資産の価格が短期間のうちに一気に上昇すると、反動で暴落することがあります。その理由として価格が急騰すると利益確定の動きが高まり、暗号資産の保有者による売却が加速していくためです。加熱しすぎた市場はやがて適正価格にまで収まる傾向があるため、急騰後の反動で暴落することがあります。

主要国の規制強化

各国政府、特に主要国による暗号資産の規制強化や取引禁止などの動きは暗号資産の暴落の要因になることがあります。暗号資産取引に規制が設けられることで投資家の不安が高まり、リスク資産である暗号資産から資金を引き揚げようとする投資家が増えるのです。暗号資産取引所に許可を出している金融庁の動きだけでなく、暗号資産は世界で広く流通していることから各国政府の動きも注視する必要があります。

取引所の破綻

取引所の破綻も暗号資産の価値に影響を与えることがあります。代表的な例が、大手暗号資産交換業のFTXトレーディングの破綻です。

FTXトレーディングは、取引の仲介だけでなく、暗号資産を新たに開発して上場させる手法で収益を得ていた会社です。価値の裏づけがないFTXトークンを担保に資金調達を行っていたことが明るみになったことでカバナンスの欠如が露呈(ろてい)し、投資家からの信頼を失うことになりました。

FTXトレーディングの問題や破綻の影響は、暗号資産自体の信頼性にも波及し、暗号資産全体の価値が下落する要因にもなっています。

取引所のハッキング

取引所がハッキングされ、取引所で管理している資産が流出する被害もたびたび発生しています。流出した資産について補償が行われているケースもありますが、補償の有無にかかわらず、ハッキングにより被害を受けたという事実は投資家の信頼を失わせます。そのため、ハッキング被害による暗号資産への信頼の低下が暴落につながることもあります。

暗号資産の仕様変更

暗号資産の仕様変更、正確には根幹となるブロックチェーン(=暗号技術により鎖のようにつながった取引の記録)の仕様変更が特定の暗号資産の価格に影響することがあります。なぜなら仕様変更は、旧通貨と新通貨の2つの通貨への分裂をもたらすことがあるためです。

暗号資産が分裂する場合、旧通貨の保有者には新通貨が配布されることもあるため、新通貨の価格上昇を期待してその暗号資産の価値が上昇する一方、分裂後は仕様変更前の通貨と見なされた旧通貨の価格が下落することがあります。

株式や国債などの市場の動向

株式や国債の動向も暗号資産に影響を与えることがあります。まず、前提として押さえておきたいのが金利と株価の関係です。

例外もありますが、一般的に、金利が上昇すると企業の借入金に対するコストも上昇して業績に悪影響となり株価が下がるとされています。株価が下がると、投資家はリスク資産を売って、先進国の国債や金などの安全資産を買おうとする動きが高まります。

暗号資産もリスク資産の一種です。金利の影響を受けにくい暗号資産などを除き、金利や株価の動向が暗号資産の下落を招くことがあります。

著名人の発言

著名人の暗号資産に関わる発言、あるいは機関投資家(法人である大口投資家)の言動が暗号資産市場に影響を与えることもあります。過去には、企業のトップが暗号資産による購入を認めないことを表明したことで、暗号資産の下落を招いたケースがありました。

ビットコインの過去の暴落の例


参考:ビットコイン/米ドル チャート-Trading View-

暗号資産は過去に何を要因として暴落しているのか、ビットコイン/USDの直近の暴落の例を3つ取り上げます。

2021年5月の暴落

2021年5月7日には約58,958USDであったビットコインは、下落に転じ、2021年5月28日には約34,618USDにまで価値を下げました。2021年5月のビットコイン急落を招いたのは、米テスラ社のCEO、イーロン・マスク氏による旧Twitter(現:X)での2021年5月13日の投稿です。マイニングによる環境への影響を背景に、テスラ社でビットコインを使った車の購入を停止したことが明らかにされたことでビットコインが暴落しました。

また、同月の22日には中国政府がビットコインを規制強化の必要がある資産として取り上げ、マイニングの規制を明確にしたことを要因にビットコインの下落はしばらく続きました。

2022年5月の暴落

2022年4月には40,000USD前後だったビットコインは、2022年5月13日には約30,068USDにまで下落しました。ビットコイン暴落のきっかけとなったのは、ステーブルコインであるUST(現:USTC)、LUNA(現:LUNC)の大暴落です。

USTとは米ドルと価格連動する暗号資産で、LUNAも関連する暗号資産です。予想よりもアメリカの消費者物価指数が高止まりしたことが暴落の要因とされ、USTやLUNAの暴落による信用不安がビットコインの価値にも影響を与えました。

2023年8月の暴落

2023年8月11日は約29,416USDと、8月前半あたりは29,000前後で動いていたビットコインは、2023年8月18日に約26,096USDまで価格を下げます。下落の要因として考えられるのが、イーロン・マスク氏のスペースX社によるビットコインの売却です。約3億7,300万USDものビットコインが売却されたとの報道が不安材料となりました。

暗号資産が暴落したときの対応

暗号資産が暴落したときはどのように対処すべきか、4つの方法をご紹介します。

損切りする

損失を抱えた暗号資産などを売却して損失を確定することを、損切りといいます。損切りにより損失は生じてしまうものの、価格がさらに下落して損失が膨らむ可能性のある局面では有効な手段です。

暗号資産の暴落によるダメージを少なくするためにも、あらかじめ○○%下落した場合は損切りをするなどの独自のルールを決めておき、ルールに従って損切りを実行できるようにしておくと素早く対処できます。

買い増しする

下落をチャンスに変えて、下落の局面で買い増しする方法もあります。暴落時に買い増しするメリットは、同じ金額を投資する場合、下落している局面ではより多くの枚数を購入できることです。

買い増しにより購入単価が平準化されることから、長期的な投資で暗号資産の購入時期を分散して購入している場合には、買い増しを選択するケースも想定されるでしょう。

空売りする

空売りとは、証拠金(=投資資金)を担保に、レバレッジ取引(=証拠金よりも多い金額で取引できる仕組み)で、保有していない暗号資産を売ることです。ショートともいわれます。

空売りのメリットは、下落局面を強みに変えられることです。現物取引とは異なり、下落相場で空売りした暗号資産が上昇に転じたときに買うことによって利益を得ることもできます。

暴落していない他の暗号資産を買う

取引所に上場されていない未上場のものを含め、暗号資産は数多く存在します。代表的なのがビットコインです。他にも、アプリの決済通貨などとして使われるイーサリアム、国際送金で活用されるリップル、テザーやUSDコインのように法定通貨やコモディティと連動するステーブルコインといわれる暗号資産もあります。

暴落の要因によっては暗号資産市場全体に広く影響することもありますが、特定の暗号資産にのみ暴落が起きることもあります。保有している暗号資産で暴落が起きたときは、様子を見ながら暴落が起きていない他の暗号資産、特に暴落している通貨と連動しにくい暗号資産を買ってリスク軽減を図る方法も考えられるでしょう。

暗号資産の暴落時に買う銘柄とは

暗号資産が暴落したあとに買い増し、あるいはほかの銘柄をリスク分散のために購入する場合、どのような基準で銘柄を選定するとよいのでしょう。銘柄選びの4つの基準を取り上げます。

信用できる銘柄

明確な定義はありませんが、暗号資産は一般的に、ビットコイン、アルトコイン、草コインに分けられます。ビットコインは知名度があり、暗号資産の代表格ともいえる暗号資産です。

アルトコインや草コインは、ビットコイン以外の暗号資産を表します。草コインはアルトコインの中でも、取引量が少なく、時価総額が低い暗号資産のことです。

暗号資産の中でも、草コインはハイリスク・ハイリターンとされています。暴落する可能性もあるため信用できる銘柄とはいいにくいでしょう。暴落時に暗号資産を購入するときは、流通している通貨で、他の暗号資産と比べて時価総額が高い信用できる銘柄を選定するのがコツです。マイナーな暗号資産に投資すると詐欺に巻き込まれてしまう恐れもあります。

価格変動が激しくない銘柄

暗号資産は、一般的にボラティリティ(=価格変動率)が激しい資産といわれています。裏づけとなる資産がないことなどが理由です。

そこで、暗号資産の価格を安定させようと、法定通貨を担保にしたもの、金などのコモディティに連動させたものなど、ステーブルコインといわれる暗号資産が誕生しました。

しかし、ステーブルコインは、現実にある資産に連動するように設計されていることから価格が安定しやすいとされていたものの、テラUSDのように急落した事例もあります。

暴落時に銘柄を購入する場合は、暗号資産の特徴に捉われず、過去のチャートなども確認しながら価格変動が他の暗号資産と比べてあまり激しくない通貨を選択するようにしましょう。価格変動の激しい銘柄を選ぶとリスクにさらされやすくなります。

流動性が高い銘柄

流動性が高い銘柄とは、取引が盛んに行われている銘柄のことです。暗号資産の取引は需要にも左右され、あまり取引が行われていないマイナーな暗号資産だと、売りたいタイミングで売れなかったり、あるいは購入したいタイミングで買えなかったりすることがあります。

購入や売却のしやすさを考慮すると、流動性の高い銘柄を購入しておくのがポイントです。例えば、知名度のあるビットコインやイーサリアムなどは流動性の高い銘柄といわれています。

将来性の期待できる銘柄

将来性の期待できる銘柄とは、将来的に価値が上昇していくであろうと思われる銘柄のことです。将来的に価値が上昇するかどうかは投資の時点ではわからないため、さまざまな材料をもとに投資判断をします。

将来性を判断するのにチェックしておきたいのは、以下のポイントです。

    • 国内の暗号資産取引所の暗号資産一覧(ホワイトリスト)に掲載されているか
    • 開発のための資金が他の暗号資産と比べて十分にあるか
    • ロードマップが公開されており順調に開発が進んでいるか

など

おすすめの取引所

暗号資産のおすすめの取引所を3つご紹介します。

Coincheck

2023年11月時点で、27種類の暗号資産に対応している取引所です。最低取引数量は0.005通貨単位以上で、ビットコインは500円から購入できます。つみたて暗号資産投資にも対応している取引所で、少額積み立てや期間分散に便利です。Coincheck NFTでは、NFT(デジタルアートなどNFTが交付されたデジタル資産)の売買もできます。

運営会社コインチェック株式会社
取扱通貨数27(2023年11月時点)
レバレッジ非対応(2020年3月13日に終了)
販売所手数料取引手数料は無料、手数料相当額0.1~5.0% (カバー先または取引所の価格に対し)
入金手数料銀行振込は無料
コンビニ・クイック入金は有料(770円~)
出金手数料日本円出金は407円
最低取引数量0.005通貨単位
公式サイトURLhttps://coincheck.com/ja/

bitFlyer

最低取引数量は、ビットコインの場合ビットコインは0.00000001 BTCです。1円から売買できる設定で少額から投資したい人にも向いています。最大2倍のレバレッジが可能なため、暴落時に空売りで乗り切りたい場合にもおすすめの取引所です。

運営会社株式会社bitFlyer
取扱通貨数22(2023年11月21日時点)
レバレッジ対応(最大2倍)
販売所手数料ビットコイン:約定数量 × 0.01 ~ 0.15
Lighting 現物:約定数量 × 0.01 ~ 0.15%
入金手数料住信SBIネット銀行からの入金は無料(そのほか330円/件)
住信SBIネット銀行以外からの入金は無料
出金手数料三井住友銀行への出金:3万円未満220円、3万円以上440円
三井住友銀行以外の出金:3万円未満550円、3万円以上は770円
最低取引数量通貨による
ビットコインは0.00000001 BTC
公式サイトURLhttps://bitflyer.com/ja-jp/

bitbank

2023年11月21日時点の取引通貨は31種類と、多様な通貨を扱っている取引所です。60以上のテクニカル分析で相場の分析もできます。土日を含め24時間いつでも日本円で入金ができるため、投資したいタイミングで資金量を増やせるのも特徴です。

運営会社ビットバンク株式会社
取扱通貨数31(2023年11月21日時点)
レバレッジ非対応(信用取引サービス提供の予定あり)
販売所手数料メイカー -0.02%
テイカー 0.12%
※キャンペーン除く、2023年11月30日時点
入金手数料無料
出金手数料通貨による
※ビットコイン:3万円未満550円、3万円以上は770円
最低取引数量通貨ペアによる
※ビットコインはBTC
公式サイトURLhttps://bitbank.cc/

暗号資産はさまざまな要因で暴落する

暗号資産の暴落の要因や過去の事例でも取り上げたように、暗号資産はさまざまな原因で暴落する可能性があります。暗号資産に直接関係のあるニュースのほか、金利や株式市場も影響することから、価格に影響を与える要因について把握し、必要な情報を集められるようにしておくのがベストです。暴落時の対応についても検討やシミュレーションをしておきましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。