金投資とは?初心者向けに方法やメリット・デメリットを解説

金は株式とは値動きが異なりインフレに強い側面もあるため、投資先として魅力的です。金を組み込むことでポートフォリオを充実させられますが、金投資に一歩踏み出せない方も多いでしょう。

今回は、金投資の基礎知識と方法、金の価格推移を解説します。金投資のメリット・デメリット、おすすめの証券会社も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

金投資とは

金は古代エジプトや日本の小判・歴史的な建築物など幅広い年代で重宝され、人々を魅了してきました。

金投資は普遍的な価値を持つ金に投資することで、金貨やインゴットなどの金地金(きんじがね)を購入したり、投資信託で積み立てたりする方法があります。

「有事の金」ともいわれるように、社会情勢が不安定なときやインフレ時に価値が高まる傾向です。株式とは逆の値動きをしやすいため、バランスの取れたポートフォリオ構築に役立ちます。

株式のみでは資産を守るのに心もとない投資家にも、おすすめの投資商品です。

金投資の基礎知識

金投資を始める前に、基礎知識を深めておきましょう。金投資の代表的な手法は、現物を購入する方法で、金貨と金地金に分かれます。

他の呼び方や購入場所は、以下の通りです。

他の呼び方購入場所
金貨地金型金貨宝飾店・貴金属店など
金地金インゴット・ゴールドバー金属メーカー・商社など

それぞれの特徴を解説しますので、どちらの現物を購入するのか参考にしてみてください。

金貨

投資対象となる金貨は地金型金貨とも呼ばれ、世界各国で発行されています。地金型金貨の多くが24金製や22金製で発行される国によって発行数やデザインに違いがあります。

代表的な金貨に、カナダの「メイプルリーフ金貨」やアメリカの「イーグル金貨」などがあり、投資商品として人気です。

発行される国や発行数・デザインの美しさによって小売価格が異なるため、金地金よりも割高になります。

コレクションとしても愛用できるため、楽しみながら投資できるのも魅力です。

金地金

金地金はインゴットや金の延べ棒とも呼ばれ、金を平らな板状にした形が特徴です。金貨のようなデザイン性はなく、金の純度が刻印されたシンプルな見た目をしています。

貴金属店や地金商・買取店などで購入でき、購入できるサイズは販売業者によって異なります。一般的には、1,000g(グラム)からの購入が一般的であり、500g未満の金地金を売買するときには手数料(バーチャージ)がかかります。手数料は販売業者によって差があるため、購入する前に確認してみると良いでしょう。

金投資の方法

金投資の方法は現物取引のみではありません。以下の4つの方法も確認しておきましょう。ご自身に合った方法で実践してみてください。

純金積立

純金積立は、つみたてNISAや定期積立預金と同じような感覚で、毎月決まった額や量で純金を購入していく方法です。

積立方法は、以下の2通りがあります。

  • 定額積立
  • 定量積立

定額積立は、毎月の1万円・2万円など積立額を設定して購入する方法です。1,000円単位から始められるのが一般的で、ドルコスト平均法を活用することもできます。

一方、定量積立は毎月の金購入を金の量(グラム数)で設定する方法です。同じ量の金を購入するため、購入するタイミングによって積立額が変動します。

積立をした金は、現金での引き出しや、金現物で受け取りが可能です。

投資信託

投資信託に株式や債券のイメージがあるかもしれませんが、金に投資できる投資信託もあります。

投資信託は、投資家から集めた資金を運用のプロであるファンドマネージャーが投資銘柄を選んで運用する投資商品です。

投資信託のメリットは少額から金投資ができる点で、最低金額は100円から始められます。金投資には多くの投資資金が必要であり、かつハードルが高いと思われるかもしれませんが、投資信託なら潤沢な投資資金がなくても開始できるため安心です。

金ETF

ETFとは証券取引所に上場する投資信託のことです。投資信託との違いは、価格が証券取引所の営業時間内に何度も変動する点です。

金ETFは、金相場に連動するように設計されており、株式と同じように売買できます。株式投資や投資信託の経験がある方なら、金ETFも行いやすい方法です。現物を保有しないため、盗難や紛失の心配がないというメリットもあります。

先物取引

先物取引は、商品をあらかじめ設定した期日に決められた価格で売買する取引方法です。先物取引は買い手と売り手、どちらからでも始められます。現物購入とは異なり、レバレッジをかけられるため、短期で多くの利益を手にできるチャンスがありますが、大きく損をする可能性も高くなります。許容できるリスクを把握した上で無理なく金投資を始めましょう。

金の価格推移

金に投資する上で重要な金の価格推移を確認しておきましょう。

過去5年の金の価格推移は以下の通りです。

金小売価格(円/グラム・税抜)1年ごとの変化率
2019年6月4,751円
2020年6月6,043円プラス27.2%
2021年6月6,554円プラス8.5%
2022年6月7,954円プラス21.4%
2023年6月8,871円プラス11.1%

(参考:田中貴金属工業「金価格推移 過去5年間 月次金価格推移」
(参考:田中貴金属工業「金価格推移 過去1ヶ月 間日次金価格推移」

上記の表からもわかりますが、2019年から2020年の変化率が最も大きいという結果となっています。これは、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって経済への不安が高まる中、「安全資産」といわれる金の需要が増したためと考えられます。

2019年から2023年までの5年間で、1グラム4,000円以上の高騰となっており、5年間の変動率はプラス86%です。

天然資源である金は埋蔵量に限りがありますが、需要は安定しているため今後も価格が高騰していくと予想されます。

金投資のメリット

金投資には金の特徴を活かしたメリットがあるので、以下の3つご紹介します。金投資を始めるべきかの判断材料になるため、確認しておくと良いでしょう。

全世界で共通の高い価値がある

金は歴史的に、あらゆる文明や国々で高い価値をもたらしました。美しい外観を持ち、通貨や貴金属に加工され幅広く世界に流通しています。国が発行する貨幣や企業が発行する株式とは異なり、世界中で金の価値が認められています。

世界的に共通の価値を持つ金だからこそ、市場価値が高く、自然鉱物としての希少性もあるため、無価値になる可能性は低いでしょう。

信頼性が高い

国が発行する貨幣は、国が財政破綻すれば価値は暴落し、株式も会社の業績が悪化すれば下落します。場合によっては価値がゼロになる可能性もあるのです。

一方で、実物資産である金は、そのものに価値があります。経年劣化や腐食による価値の低下が少なく、何十年も前に採掘された金でも、価値が落ちることなく世界で流通しています。

インフレや経済の不況時にも価値を保ちやすく、取引の安全性・信頼性も優れている点も魅力です。

リスクを分散できる

金投資はリスクの分散に優れるのもメリットの一つです。金は株式や債券とは異なる動きをする傾向があるため、ポートフォリオを充実させられます。

また、貨幣価値が下がり、モノの価値が上がるインフレにおいても金は影響を受けにくいという特徴があります。

インフレでは、投資家が安全資産として金を求める傾向が強まり、金への需要が増すため、価格が高騰しやすくなるのです。

金を投資ポートフォリオに組み入れることでリスクを軽減し、ポートフォリオ全体の安定性向上につながるでしょう。

金投資のデメリットや注意点

金投資には、メリットがあるのと同時にデメリットもあります。両者を理解した上で金投資をすべきか検討すると良いでしょう。

以下に3つご紹介します。

配当金や利息がつかない

金は株式のように配当金や利息はつかず、株主優待のような特典もありません。金投資で得られる収益は、金価格の変動によるキャピタルゲイン(保有した資産売却で得られる利益)が主です。

金は資産そのものであり生産性を持たないため、保有しているだけでは利息や配当金などのインカムゲイン(資産の保有で得られる利益)を生み出しません。配当金や利息など定期的なキャッシュフローを求める投資家には向かない場合があります。

盗難のリスクや紛失の可能性がある

金を現物で保有する場合、盗難や紛失のリスクがあります。そのため、金を保管するためのセキュリティ対策が必要です。

例えば、以下のような対策があります。

  • 強固な鍵や暗証番号つきの金庫に保管する
  • 銀行の貸金庫や専門の金庫業者などの保管サービスを利用する

いずれも物品の購入費用や管理料・手数料などが発生します。金投資をしていることを他人に漏らさないように注意しましょう。知人・友人や親族にも可能な限り、内密しておいた方が盗難のリスクを減らせます。現物投資ではない投資信託や金ETFを利用すれば、盗難・紛失の心配はありません。

管理コストや手数料がかかる

金投資は、管理コストや取引手数料がかかるのもデメリットの一つです。金を現物で購入する場合は、セキュリティ対策のため金庫の用意や保管サービスのコストがかかります。投資信託などの利用なら保管コストはかかりませんが、購入手数料や信託報酬は発生します。

これらのコストは投資収益に影響を及ぼすため、注意が必要です。投資先や取引形態によって手数料やコストが異なるため、事前に確認しておきましょう。

金投資におすすめの証券会社

金投資についての知識が深まったところで、おすすめの証券会社をご紹介します。以下の3社は、いずれも金投資に実績のある証券会社です。ご自身に合った証券会社を選びましょう。

マネックス証券

米国株で人気のマネックス証券ですが、金投資も充実しています。金やプラチナの現物取引が可能な「マネックス・ゴールド」は月々1,000円から気軽に金投資が可能です。売却時には現物のゴールドバーを引き出すこともできます。

届けられる金地金はロンドン貴金属市場協会(LBMA;London Bullion Market Association)が定めた純度99.99%以上の高い品質の金です。また、金を含む投資信託も複数のラインナップがあり、ファンド検索すると12件ヒットします(※2023年7月4日時点)。

投資信託の積立は購入時手数料や引き落とし手数料が無料で、投資信託の残高に応じて毎月マネックスポイントが貯まるためお得です。

SBI証券

SBI証券は証券口座開設数1,000万件を突破し「ネット証券国内株式個人取引シェアNo.1」を獲得した実績のある証券会社です。

SBI証券の純金積立は1,000円から始められ、引き落とし日が好みに合わせて設定できる自動積立もあります。手数料は買付時にかかる1.65%で、売却手数料は無料。年会費や保管手数料の負担もありません。

SBI証券で金投資をするなら投資信託もおすすめです。最低100円から投資できるため気軽に始められる上に、投資信託の保有でポイントがたまる投信マイレージもあります。これから金投資を始める方は、ぜひ押さえておきたい証券会社です。

楽天証券

楽天証券は2018~2022年の過去5年における累計の新規口座開設数が、口座数上位5社(※ここでは、auカブコム証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券の5社を指す)の中でNo.1を獲得しています。楽天証券の魅力は、低コストと楽天ポイントが貯まるところです。

投信積立は月々100円から設定でき、楽天カードクレジット決済も可能で、決済額に応じて楽天ポイントが付与されます。積立しながら貯まったポイントは、次の投資資金やショッピングなどに利用できます。

また、金の現物投資も取り扱いがあり、先にご紹介した証券会社と同様に月1,000円から利用可能です。金の取引も楽天カードでの決済が利用でき、積立金額の0.5%分の楽天ポイントが獲得できます。

金投資をするなら証券会社の利用がおすすめ

本記事では、金投資の方法やメリット・デメリット、おすすめの証券会社をご紹介しました。

金は感染症や不安定な世界情勢にも価格下落につながりにくく、安全資産としての地位は不動のものになりつつあります。金価格は過去最高レベルに高騰しており、投資先として魅力ある商品です。

一方で、2023年6月現在の金価格は1gあたり9,700円台だったため、潤沢な投資資金が必要になります。

証券会社が提供する金関連の投資信託や純金積立なら、月々100~1,000円で始められます。ポイントを貯めて投資資金にしたり、買い物に活用できたりするので、おすすめです。初心者でも気軽に始められる金投資を試してみてはいかがでしょうか。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。