- 更新日 : 2023年6月30日
おすすめの高配当ETFとは?投資の注意点や選び方
高配当ETFに投資を始めてみたいけれど、どのETFがいいのかわからないという方にこの記事では、高配当ETFの選び方やメリット・デメリットや注意点、おすすめの高配当ETFを紹介します。
目次
高配当ETFに投資するメリット
高配当ETFに投資をする主なメリットを2つ紹介します。
定期的に分配金が受け取れる
ETFを保有していると、定期的に分配金を受け取れる場合があります。分配金とは、ETFの決算期間中に発生した利子や配当から、信託報酬などの費用を差し引いた金額のことです。例えば、代表的なETFであるVYMの直近の年間分配金利回りは3.20%(2023年5月時点)です。仮にVYMの価格が年間を通じて100ドルだったとすると、年間3.23ドルの分配金が受け取れます。
また、ETFの中には年間分配金利回りが10.0%前後と高いものもあり、保有していれば定期的に大きな利益を受け取れる可能性があります。
分散投資効果がある
ETFは投資信託の一種のため分散投資の効果が働き、リスクを抑えた投資ができます。投資のリスクを抑えるためには、株式と債券の関係のように、値動きの特徴が異なる複数の資産を併せ持つ「分散投資」が有効です。
例えば、高配当ETFの一つであるQYLDはNASDAQ市場に上場している金融セクターを除いた銘柄のうち、流動性が高く、時価総額の大きい約100銘柄に投資しています。
そのため、QYLDに投資をするだけで、約100銘柄に投資をしたのと同等の分散投資効果が期待できます。
高配当ETFに投資するデメリットや注意点
高配当ETFはメリットばかりではありません。高配当ETFのデメリットを3つ紹介します。
高配当が保証されているわけではない
購入した当初は高配当であっても、組み入れている銘柄の業績などによって分配金が減少する可能性があります。分配金があるETFは常に一定の利回りを保証しているわけではない点に注意が必要です。
価格変動で損失が発生することがある
保有しているETFの価格が購入時より大きく下回った状態で売却すると、売却損が出てしまい、定期的に受け取っていた分配金の利益を帳消しにしてしまったり、最終的に損失になったりする可能性があります。
分配金を再投資できない
一般的な投資信託は元本だけではなく、投資で得た利益も自動的に再投資するように設定できるため、複利効果が働きます。複利効果とは運用で得た収益を元本に上乗せして再投資することで、利益が利益を生み、お金が膨らんでいく効果のことをいいます。
しかし、ETFの分配金は再投資ができません。再投資をするためには、いったん分配金を受け取り、その分配金で売買手数料を支払って、再度買付を行う必要があります。そのため、複利効果は再投資ができる投資信託より劣る可能性があります。
高配当ETFを選ぶポイント
高配当ETFを選ぶポイントを5つ紹介します。
流動性
流動性とは換金のしやすさのことです。ETFは証券取引所を通じて売買されますが、ETFの種類によっては売買相手が見つからず、注文を出しても成立しない場合があります。このように注文が成立しにくい状態のことを「流動性が低い」といいます。
ETFの流動性は、売買高や売買代金が目安になります。同じ種類のETFがあったら、売買高や売買代金が極力大きいものを選びましょう。
取引費用
ETFは購入時と売却時に証券会社に支払う売買手数料や、ETFの運用・管理を行う運用会社や信託銀行に支払う信託報酬などの取引費用がかかります。一定のETFに限り売買手数料を無料にしている証券会社もあるため、ETFの目論見書や、各証券会社が実施しているキャンペーンなども確認してみましょう。
成長性
高配当ETFを選んで安定した分配金を受け取っていても、購入時よりも大きく価格が低下していると、これまで受け取った分配金を含めても売却時に最終的な損益がマイナスになる可能性があります。
購入前にチャートや騰落率を確認しておきましょう。ただし、騰落率はあくまでも目安に過ぎません。チャートや騰落率が上昇傾向を続けたとしても、将来の上昇を約束するものではない点には注意が必要です。
指数との乖離率
ETFは一定の指標の値動きに連動した運用成果を目指す投資信託という特徴があります。例えば、VYMはFTSE High Dividend Yield Indexという指数に連動した運用成果を目指すため、構成銘柄やセクター別組み入れ比率が、ほぼ一致するはずです。
指数の構成銘柄やセクター別組み入れ比率が乖離(かいり)しているETFは、連動している運用成果を出せない可能性があり、あまり良い商品とはいえないでしょう。
リスク分散
基本的にETFは複数の銘柄に分散投資をしています。しかし、多くの銘柄に分散投資をしていてもその投資先が情報技術セクターで占められているなど、業種が偏っている場合があります。分散投資の効果を十分に発揮したいときは、情報技術、金融、一般消費財、公共など、さまざまなセクターに投資をしているETFを選びましょう。
おすすめの高配当ETF
高配当ETFは複数あるため、どれを選んでいいかわからない方もいるかもしれません。おすすめの高配当ETFを7種類紹介します。
日経高配当株50ETF
日経平均高配当株50指数に連動する投資成果を目指すETFです。日経平均高配当株50指数は、日経平均株価を構成する銘柄のうち、予想配当利回りが高い原則50銘柄で構成されている株価指数です。信託報酬は年間0.308%、分配金回数は年4回(1月、4月、7月、10月)、予想配当利回りは4.9%です(2023年4月28日時点)。
日経高配当株70ETF
野村日本株高配当70に連動する投資成果を目指すETFです。野村日本株高配当70は、国内金融商品取引所に上場しているすべての普通株式のうち、今期予想配当利回りが高い原則70銘柄で構成されている指数です。信託報酬は年間0.352%、分配金回数は年4回(1月、4月、7月、10月)、予想配当利回りは4.3%です(2023年4月28日時点)。
SPYD
S&P500高配当指数に連動する投資成果を目指すETFです。S&P500高配当指数は、S&P500に採用されている銘柄のうち、配当利回りの上位80銘柄で構成されています。信託報酬(総経費率)は0.07%、分配金回数は年4回(3月、6月、9月、12月)、配当利回りは4.74%です(2023年5月18日時点)。
VYM
FTSE High Dividend Yield Indexに連動する投資成果を目指すETFです。米国株式のうち、配当利回りが平均を上回る高配当銘柄466社(2023年5月20日時点)で構成されています。信託報酬(経費率)は0.06%、分配金回数は年4回(3月、6月、9月、12月)、配当利回りは3.20%(2023年5月20日時点)です。
HDV
Morningstar Dividend Yield Focus Indexに連動する投資成果を目指すETFです。同指数は高い財務健全性を誇り、持続的に平均以上の配当を支払える、質の高い米国企業75銘柄で構成されています。信託報酬(経費率)は0.08%、分配金回数は年4回(3月、6月、9月、12月)、配当金利回りは4.19%(2023年5月24日時点)です。
DVY
Dow Jones U.S. Select Dividend Indexに連動する投資成果を目指すETFです。同指数は米国企業のうち、配当利回りの高い100銘柄(REITを除く)で構成されています。信託報酬(経費率)0.38%、分配金回数は年4回(3月、6月、9月、12月)、配当金利回りは3.61%(2023年5月24日時点)です。
VIG
S&P U.S. Dividend Growers Indexに連動する投資成果を目指すETFです。10年以上連続で増配している実績を持つ米国株で構成されています。信託報酬(経費率)は0.06%、分配金回数は年4回(3月、6月、9月、12月)、配当金利回りは1.94%(2023年5月24日時点)です。
高配当ETFのリスクとリターンを理解する
多くのETFは、保有していると分散投資によってリスクを抑えながら定期的に分配金が受け取れますが、中でも高配当ETFは高い利回りが期待できます。ただし運用成果によるため、高い利回りが保証されているわけではありません。ETF価格自体も変動するため、分配金を受け取っても最終的な損益がマイナスになる可能性もあること、分配金が再投資できないというデメリットがある点にも注意が必要です。
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