楽天VTIとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説

これから積立投資を始める方は、楽天VTIについて知りたいのではないでしょうか。多くの著名人やメディアが楽天VTIを高く評価しているため、本当に優れた銘柄なのか知りたいですよね。

本記事では楽天VTIの特徴やメリット・デメリット、他の投資信託との違いについて解説します。楽天VTIの購入におすすめの証券会社も紹介するため、証券口座を開設する際は参考にしてください。

楽天VTIとは?

楽天VTIは、バンガード社が運用する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を投資対象としているインデックスファンドです。このファンドは米国株全体を投資対象としており、約4,000銘柄に効率よく投資できます。また、iDeCoやつみたてNISAの対象銘柄に含まれているため、一定の投資額までに対する運用益が非課税になります。

楽天VTIの基本情報は、以下の通りです。

商品名楽天・全米株式インデックス・ファンド
投資対象米国株全体
投資銘柄数約4000銘柄
連動指数CRSP USトータル・マーケット・インデックス
設定日2017/09/29
決算日毎年7月15日(休業日の場合は翌営業日)
管理費用(含む信託報酬)0.132%
基準価額19,628円
純資産総額8,233.95億円
運用(委託)会社楽天投信投資顧問
NISA
つみたてNISA
iDeCo
公式サイトhttps://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C000FHD2

※2023年3月末時点

楽天VTIの上位保有銘柄

楽天VTIの上位保有銘柄は、以下の通りです。

組入上位10銘柄比率
1Apple Inc.5.6%
2Microsoft Corp.4.7%
3Amazon.com Inc.2.1%
4Tesla Inc.1.4%
5NVIDIA Corp.1.4%
6Alphabet Inc. Class A1.4%
7Berkshire Hathaway Inc. Class B1.3%
8Alphabet Inc. Class C1.2%
9Exxon Mobil Corp.1.1%
10UnitedHealth Group Inc.1.1%

※2023年2月28日時点

Apple社やアマゾン、テスラなど、米国を代表する企業の株式が上位銘柄として組み入れられています。ほかにも約4,000銘柄の株式を対象としており、広く分散投資が行われています。

楽天VTIを購入するメリット

楽天VTIを購入するメリットは、以下の通りです。

  • 好パフォーマンスを継続している米国株に分散投資ができる
  • 他の商品と比較して保有時にかかる信託報酬が低い
  • iDeCoやつみたてNISA制度が活用できる

好パフォーマンスを継続している米国株に分散投資ができる

米国株式市場は長期にわたって上昇しており、今後も高いパフォーマンスを継続し続けることが見込めます。楽天VTIでは米国市場全体の約4,000銘柄を対象に投資を行うため、1つの投資信託を購入するだけで分散投資が行えます。米国の大型株に集中投資を行う銘柄と比較して株価の変動による影響を受けにくいため、安定したリターンが見込めることでしょう。

他の商品と比較して保有時にかかる信託報酬が低い

楽天VTIは指数の連動を目指して運用が行われているインデックスファンドであるため、運用にかかる費用を抑えられることができるでしょう。通常の投資信託であれば、信託報酬が1%以内であれば低いとされている中、楽天VTIは0.162%に設定されています。好パフォーマンスを継続している米国株に投資できるにもかかわらず、低コストでインデックス投資が行えるため、長期的な保有に最適な銘柄といえるでしょう。

iDeCoやつみたてNISA制度が活用できる

iDeCoやつみたてNISAでは、投資を支援するための税制優遇措置が設けられています。楽天VTIはiDeCoとつみたてNISAの対象銘柄に選定されているため、「長期・積立・分散」を意識しながら資産運用を始めることができます。

iDeCoとつみたてNISAの概要は、以下の通りです。

iDeCoつみたてNISA
制度の概要積立金額が所得控除の対象になる。運用資金は原則として60歳まで引き出せない毎年の非課税投資枠により生じた利益に最長20年間税金がかからない
対象者20歳以上65歳未満の方18歳以上の方
最低投資額月5,000円月100円
運用商品一覧の中から自分で選ぶ長期の積立・分散投資に適した
一定の投資信託の中から選ぶ
年間の上限額14.4万円〜81.6万円40万円
※2024年からは新制度になり、120万円に増枠

楽天VTIを購入する際のデメリットや注意点

楽天VTIを購入する際は、以下の3つに注意しましょう。

米国の景気に運用成果が大きく左右されること

楽天VTIは米国株全体を投資対象としているので、米国の景気に運用成果が左右されやすい特徴があります。米国株式市場は長期にわたり上昇していますが、これからも上昇が続く保証はありません。

米国の景気による影響を最小限に抑えたい場合は、他の資産や国などに投資している銘柄を組み合わせて保有しておくといいでしょう。債券やREIT(不動産投資信託)、中国、インドなどへ投資している銘柄も保有しておくことにより、リスクを分散させることができます。

長期間の保有が前提となること

楽天VTIは短期間でリターンが狙える銘柄とはいえません。なぜなら、長期間一定額の積立投資を行うことにより、安定したリターンが見込めるインデックスファンドだからです。短期間での利益を狙う場合は、特定の分野へ集中投資を行うアクティブファンドなどへ投資を行うと良いでしょう。ただし、短期間の投資を前提にしていると、一時的に生じた損失がカバーしにくいため、投資額を下回ってしまう可能性も比較的高くなります。

投資対象であるVTIへ直接投資するよりも信託報酬が高い

VTIとは、バンガード社が運用しているETF(上場投資信託)のことです。楽天VTIはバンガード社のVTIを投資対象としていますが、信託報酬には大きな差があります。楽天VTIの信託報酬は0.162%ですが、VTIの信託報酬は0.03%に設定されています。そのため、VTIへ直接投資するよりも信託報酬が高いと感じている人が多いようです。

しかし、これから積立投資を始める場合は、楽天VTIの購入をおすすめします。VTIより信託報酬が高く設定されていますが、ドルへ両替することなく日本円で購入できるほか、つみたてNISA制度の非課税投資枠が利用できるからです。つみたてNISA制度の非課税投資枠はできる限り満額利用しておきたいため、特別な理由がなければ楽天VTIに投資するようにしましょう。

楽天VTIの購入におすすめの証券会社

楽天VTIの購入におすすめの証券会社は、以下の5社です。

楽天証券SBI証券マネックス証券松井証券auカブコム証券
投資信託本数2,634本2,680本1,000本超1,600本以上1,600本以上
最低購入金額100円100円100円100円100円
購入時手数料無料無料無料無料無料
NISA
つみたてNISA
iDeCo○(楽天VTI対象外)○(楽天VTI対象外)○(楽天VTI対象外)

※2023年3月末時点

楽天証券

投資信託本数2,634本
購入時手数料無料
NISA
つみたてNISA
iDeCo
ポイントの種類楽天ポイント
ポイント還元率0.2〜1%
公式サイトhttps://www.rakuten-sec.co.jp/

楽天証券は、普段から楽天カードや楽天銀行を使っている人におすすめの証券会社です。楽天銀行と楽天証券がスムーズに連携できる他、楽天カード決済で対象の投資信託の積立を行うことにより、最大1.0%の楽天ポイントが還元されます。たまった楽天ポイントはそのまま投資信託の積立に利用できるため、ポイントを無駄なく利用することができます。

SBI証券

投資信託本数2,680本
購入時手数料無料
NISA
つみたてNISA
iDeCo○(ただし楽天VTIは対象外)
ポイントの種類
  • 三井住友カード:Vポイント
  • タカシマヤカード:タカシマヤポイント
  • 東急カード:TOKYU POINT
  • アプラスカード:アプラスポイント
  • UCSマークのついたカード:Uポイント/majicaポイント
  • 大丸松坂屋カード:QIRAポイント
ポイント還元率0.5〜5%
公式サイトhttps://www.sbisec.co.jp/ETGate

SBI証券は、積立投資専用の「かんたん積立アプリ」が人気の証券会社です。かんたん積立アプリとは、投資信託の積立投資に特化したアプリです。「積立スタイル診断」を利用すれば簡単な質問に答えるだけで、自分の目的に合った銘柄が見つけられます。購入した投資信託は運用管理画面から簡単に確認できるため、運用状況をいつでも確認可能です。

マネックス証券

投資信託本数1,000本超
購入時手数料無料
NISA
つみたてNISA
iDeCo○(ただし楽天VTIは対象外)
ポイントの種類マネックスポイント
ポイント還元率最大1.1%
公式サイトhttps://www.monex.co.jp/

マネックス証券では、1日100円ずつ積立投資を行う「毎日つみたて」が利用できます。「毎月」積み立てる場合よりも分散効果が高いため、投資信託の基準価格を安定させることができます。

また、つみたてNISAとiDeCoのどちらを利用しようか悩んでいる場合は「つみたてNISA・iDeCoシミュレーション」を利用すると良いでしょう。自分に合ったものを提案してくれるため、税制優遇措置を最大限に活かすことができます。

松井証券

投資信託本数1,600本以上
購入時手数料無料
NISA
つみたてNISA
iDeCo
ポイントの種類松井証券ポイント
ポイント還元率最大0.85%
公式サイトhttps://www.matsui.co.jp/

松井証券は、手厚いサポートを受けたい人におすすめの証券会社です。松井証券では「投信サポート」専用ダイヤルを設けており、投資信託の銘柄選びやマネープランについて相談することができます。

また、使いやすいツールやアプリも用意されており、情報収集や銘柄分析に活用できます。投資初心者から上級者まで使いやすいように設計されているため、株式投資なども視野に入れている場合は松井証券で口座を開設するといいでしょう。

auカブコム証券

投資信託本数1,600本以上
購入時手数料無料
NISA
つみたてNISA
iDeCo○(ただし楽天VTIは対象外)
ポイントの種類Pontaポイント
ポイント還元率最大1.0%
公式サイトhttps://kabu.com/default.html

auPAY カードを利用しているなら、auカブコム証券がおすすめです。auカブコム証券では、対象の投資信託積立をauPAY カードで決済すると最大1.0%のPontaポイントが貯まります。

また、株式投資を始めようと考えている場合は、auカブコム証券の割引サービスを利用するといいでしょう。NISA口座を開設している人が対象の「NISA割」や、auユーザーが対象の「auで株式割」などの割引サービスが用意されており、条件に当てはまる場合は株式の手数料を抑えることができます。

楽天VTIと他投資信託・ETFとの比較

楽天VTIとの比較表は、以下の通りです。

楽天VTIeMAXIS Slim 米国株式VTI
運用会社楽天投信投資顧問三菱UFJ国際投信バンガード社
設定日2017年9月29日2018年7月3日2001年5月24日
連動指数CRSP USトータル・マーケット・インデックスS&P500CRSP USトータル・マーケット・インデックス
投資対象銘柄数約4,000銘柄約500銘柄約4,000銘柄
投資対象米国株全体米国大型株米国株全体
信託報酬0.162%0.0968%0.03%
純資産総額8,233.95億円1兆8757.09億円2818.64億USD
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×

※2023年3月末時点

ここからは投資対象や信託報酬などを比較していきます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)との比較

eMAXIS Slim 米国株式との比較表は、以下の通りです。

楽天VTIeMAXIS Slim 米国株式
運用会社楽天投信投資顧問三菱UFJ国際投信
設定日2017年9月29日2018年7月3日
連動指数CRSP USトータル・マーケット・インデックスS&P500
投資対象銘柄数約4,000銘柄約500銘柄
投資対象米国株全体米国大型株
信託報酬0.162%0.0968%
純資産総額8,233.95億円1兆8757.09億円
トータルリターン過去1年間:−3.8%
過去3年間:+95.2%
過去1年間:−2.6%
過去3年間:96.8%
NISA
つみたてNISA
iDeCo

eMAXIS Slim 米国株式は、三菱UFJ国際投信が運用しているインデックスファンドです。S&P500指数に連動した運用成果を目指しており、米国の大型株が上位組入銘柄として並んでいます。

楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式の違いは、投資対象銘柄数です。楽天VTIでは米国株全体の約4,000銘柄に投資しているため、コストを抑えて安定したリターンを狙う場合は楽天VTIに投資すると良いでしょう。

VTIとの比較

VTIとの比較表は、以下の通りです。

楽天VTIVTI
運用会社楽天投信投資顧問バンガード社
設定日2017年9月29日2001年5月24日
連動指数CRSP USトータル・マーケット・インデックスCRSP USトータル・マーケット・インデックス
投資対象銘柄数約4,000銘柄約4,000銘柄
投資対象米国株全体米国株全体
信託報酬0.162%0.03%
純資産総額8,233.95億円2818.64億USD
トータルリターン過去1年間:−3.8%
過去3年間:+95.2%
過去1年間:1.22%
過去3年間:13.31%
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×

VTIとは、バンガード社が運用しているETF(上場投資信託)のことです。投資対象は楽天VTIと同じですが、信託報酬が楽天VTIよりも低く設定されている特徴があります。

楽天VTIがVTIより優れている点は、つみたてNISA制度の対象になっていることです。つみたてNISA制度では20年間の非課税期間が設けられているため、インデックス投資を前提とする場合は楽天VTIを選ぶと良いでしょう。

楽天VTIでつみたてNISAを始めよう

本記事では、楽天VTIの特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。楽天VTIはバンガード社のVTIを投資対象としており、米国株全体の約4,000銘柄に効率よく投資できます。

他の投資信託と比較してコストが低く抑えられている他、今後も成長が見込めるため、積立投資に最適な銘柄といえます。iDeCoやつみたてNISA制度の対象となっているため、非課税投資枠を活かして資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

楽天VTIとは?

バンガード社が運用する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を投資対象としているインデックスファンドです。米国株全体の約4,000銘柄に効率よく投資できます。詳しくはこちらをご覧ください。

楽天VTIと他の投資信託・ETFとの違いは?

連動を目指している指数や、管理費用などが異なります。ETF(上場投資信託)を購入する場合は1口からの購入が必要となりますが、楽天VTIは投資信託であるため、少額で積立投資を行うことができます。詳しくはこちらをご覧ください。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。