• 更新日 : 2023年6月30日

投資とは?初心者におすすめの種類や始め方をわかりやすく解説

これから投資を始めようとしても、投資にはどのような種類があるのか、どのような点に注意するべきなのかがわからず、なかなか始められない人も多いのではないでしょうか。また、投資を行うにあたり有効な制度について知っておくことも大切です。

今回はこれから投資を行う人や、投資を始めたばかりの人に対し、投資の種類や方法、始め方について解説するとともに、投資に失敗しないためのコツについても紹介します。

投資初心者の人はぜひ参考にしてください。

投資とは?定義から解説

まず、投資とはどのようなものなのか、その定義について解説します。

投資とは、株式や債券、投資信託などの金融商品や金、プラチナの他、不動産などの現物資産を余剰資金で購入し、中期から長期的な視点で利益を得ることをいいます。

例えば、株式を購入し、購入価格よりも株価が高くなったときに売却することで、差額である売却益(キャピタルゲイン)を受け取れます。また、株式を保有することで、配当金(インカムゲイン)を受け取れる銘柄もあります。

投資商品にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴がありますので、よく理解した上で購入するようにしましょう。

ちなみに投資に似た言葉で「投機」がありますが、投機とは、短期間に大きな利益を得る目的で投資商品を購入することです。主に値動きに着目して利益を得る手法が用いられ、FXや暗号資産などはその代表的なものといえるでしょう。ただ、短期間で大きな利益を得るにはそれに応じたリスクが伴う点に注意が必要です。

投資の主な種類

投資を行う際には、投資商品のさまざまな種類とその特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶ必要があります。

投資商品の主な種類を9つ取り上げ、それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説します。

株式投資

株式とは、企業が資金調達のために発行するもので、投資家が株式を購入することにより、企業の株主になります。株式投資で得られる利益には、値上がり益や配当金のほか、株主優待などがあります。

株式の購入は原則として単元株(100株)単位で購入しなければならず、まとまった金額が必要になる点がデメリットです。また、価格変動リスクが大きく、人気のない銘柄の株式だと取引数が少なく、取引が成立しないこともあります。さらに、その企業が倒産した場合、株式の価値はなくなってしまう点にも注意が必要です。

最近では、投資初心者が始めやすいように、1株単位で購入できる制度を用意している証券会社も増えていますので、株式に興味のある人は1株単位から購入し、取引に慣れるようにしてみましょう。

投資信託

投資信託とは、投資家から小口で集めた資金を運用会社がまとめ、運用の専門家が国内外の株式や債券などに投資するものです。投資先は株式や債券以外にも不動産や金などがあります。また、先進国に限定して投資を行うものもあれば、新興国などに投資するものもありさまざまです。

投資家は運用によって得られた利益を分配金という形で受け取れますが、分配金がない投資信託もあります。投資信託は株式と同じように日々価格が変わり、株式の価格を「株価」というのに対し、投資信託の価格は「基準価額」といいます。投資信託は少額から投資ができる他、自動的に分散投資ができ、運用を専門家に任せられるため、投資初心者に向いているでしょう。

不動産

不動産への投資は、主に不動産そのものを購入し、賃貸に出すことで賃料収入を得る方法と、不動産に投資を行う不動産投資信託(REIT)の2種類があります。

不動産そのものに行う投資では家賃収入を得られる以外にも、購入時よりも高い価格で不動産を売却することで得られる売却益も期待できます。ただ、不動産購入にあたってまとまった資金が必要なことや、不動産投資ローンを利用する必要があるなど、始めるまでに時間がかかる点がデメリットです。

不動産投資信託は、運用で得た利益の90%超を投資家に還元することで法人税が免除される仕組みとなっています。ほかの投資信託に比べ比較的高い利回りが期待できるという特長がありますが、収益のほとんどが賃料収入のため、不動産市場の影響を受けやすい点がデメリットです。ただし、投資先はオフィスビルや商業施設、ホテルなどさまざまですので、これからのインバウンド需要の増加による収益が期待できるかもしれません。

金も不動産と同様に金そのものに投資を行う方法と、投資信託などの仕組みを通じて行う方法があります。純金積み立ては金そのものに行う投資にあたり、純金ファンドは投資信託です。

金そのものに投資する場合、受け取る対価は原則として実物の金になります。将来利益として金を受け取りたい人は金そのものに行う投資をおすすめします。現金で受け取りたいと思うなら投資信託や先物取引での投資が向いているでしょう。

金貨や金の延べ棒を購入する投資方法だと、まとまった資金が必要ですが、純金積み立てや純金ファンドなどは自分で購入額を設定できます。ただし、純金積み立ての場合、積み立て先の会社が破綻してしまうと、それまでに積み立てたお金が戻ってこない可能性があります。

金の投資方法にはいろいろな種類がありますので、目的に合った方法を選ぶようにしましょう。

預貯金

預貯金も運用の一つです。預貯金は「ためる運用」ともいわれ、元本が確保される点が最大のメリットです。ただし、現在の低金利下ではほとんど利息がつかないため、投資した資金を増やすことは期待できません。

預貯金にも普通預金と定期預金があり、定期預金には一定期間引き出せないものの普通預金よりは利息が高いという特徴があります。とはいえ、現在金利が1%を超える定期預金はありませんので、資金を増やすためには預貯金以外に「増やす運用」である投資を取り入れる必要があります。

預貯金には緊急資金として、最低3カ月分(余裕を考えるなら6カ月分)の生活費を確保しておくようにし、余剰資金はできるだけ投資に回すことを心がけましょう。

債券

債券とは、国や会社、地方公共団体などが資金調達を目的として発行するもので、発行時に満期と利息が決まっています。そして、保有している間は利息を受け取れ、満期まで保有すれば元本が返ってくる仕組みです。

満期まで保有すれば元本が確保できる点や、同じ元本保証の預貯金と比べて利息が高く設定されている点がメリットです。ただし、債券には信用リスクがある点に注意しておかなければなりません。信用リスクとは、債券の発行元が破綻もしくはそれに近い状態になることで、利息の支払いが遅れたり、元本が返ってこなかったりする可能性があることです。

外貨預金

米国のドルやヨーロッパのユーロなど外貨で預金を行うことを外貨預金といいます。日本円での預金と比べ、利回りが高い点が特長です。

ただし、外貨預金を行う際には為替手数料が発生する点と、為替レートが日々変わることに注意しておきましょう。為替手数料は金融機関によって異なりますので、できるだけ手数料の低い金融機関を選ぶことが大切です。

また、外貨預金を引き出す際には為替レートを意識するようにしましょう。引き出すときに預けたときよりも円安になっていれば、預け先の通貨が高くなっていることになり、その分の利益を得られます。

通常、利息は先進国の方が低く、新興国の方が高くなっていますが、新興国にはカントリーリスクがあることも覚えておきましょう。カントリーリスクとは、その国の政治情勢などにより通貨の価値が下がってしまうリスクを指します。

FX

FXとは、正式名称を「外国為替証拠金取引」といい、外国の通貨を売買して為替の変動によって得られる利益や、金利差による利益を得る投資方法です。FXはその価格変動の大きさから短期投資に向いているといわれており、投資よりも投機に位置付けられています。

株式などと異なり平日ならほぼ24時間取引が可能な点がメリットで、レバレッジをかけることで少額の資金で大きな利益を得られる可能性がある反面、予想以上の損失を被る可能性もあります。

短期取引のため、投資に慣れて知識がある人に向いているでしょう。

仮想通貨・暗号資産

仮想通貨とは以前の呼び名であり、現在は暗号資産といわれています。インターネット上のみ存在する資産であることが特徴です。

暗号資産の代表的な通貨はビットコインで、それ以外の通貨はアルトコインといわれています。暗号資産は少額から投資ができ、将来性が見込める市場の大きさから多くの投資家が注目していますが、セキュリティーがしっかりしていないと流出してしまうなどの恐れがあります。

暗号資産の取引所は国内のものと海外のものがありますが、国内の取引所だと金融庁の定めたセキュリティーの基準をクリアしており、日本円にも対応しているため、最初は国内の取引所で口座を開設することをおすすめします。

投資初心者におすすめの投資スタイル

投資を行う上での原則が、「長期」にわたって、「積立」しなながら「分散」して行うことです。中でも積み立てながら行うことは、購入単価を下げることになるため重要なポイントです。

ここでは、投資初心者におすすめの投資スタイルを紹介します。

少額投資

投資初心者に大切なことは、運用に慣れることです。運用商品のほとんどが日々価格が変動するもののため、まず価格の変動に一喜一憂せず、長期目線で捉えるようになることを考えましょう。

そのためには、まず少額から投資を行うことがポイントです。少額であれば、価格が大きく下がったとしても損失が少なくてすみます。

特に価格の変動が大きい株式などは、1株単位から始めるようにしてみましょう。

積立投資

積立投資とは、一定の金額で定期的に投資商品を購入する方法です。価格が日々変動する投資商品は一括で購入するよりも購入のタイミングを分ける方がドルコスト平均法の効果によって最終的な購入単価を下げることにつながります。

ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品を一定の金額で定期的に購入する方法で、価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く買えるという特徴があります。

積立投資を行うことは、長期投資を行うことにもつながり、投資の原則に従うことにもなります。また、分散には商品の分散の意味もありますが、時間の分散という意味もあり、積立投資を行うことで時間の分散が可能になります。

投資信託なら、最低100円から積立投資ができる証券会社もありますので、そのような仕組みを導入している証券会社を選ぶことも大切です。

投資初心者におすすめの制度

投資を行う際に利用できるお得な制度があることも知っておきましょう。ここで紹介する制度は、どちらも非課税で運用できるという共通点があります。

NISA・つみたてNISA

NISAやつみたてNISAは非課税で運用できる仕組みです。一般NISAなら年間120万円までの資金で購入した投資商品から得られる利益を最大5年間非課税で運用できます。つみたてNISAの場合は、年間40万円までの非課税枠が用意されており、最大20年間非課税で運用可能です。

つみたてNISAの場合、購入できるのは金融庁が認めた一定の投資信託のみですが、NISAなら株式などの購入も可能です。

NISAの制度は2024年1月から新制度に移行することが決まっており、新制度ではNISAとつみたてNISAの区別がなくなるほか、年間の非課税枠が最大360万円、非課税期間が無期限化されるなど大きな変更が予定されています。

NISA口座は一人1口座しか開設できませんので、NISAを行う場合はどの金融機関で口座を開設するかも重要なポイントです。

iDeCo

iDeCoとは、個人型確定拠出年金の略称で私的年金の一つです。iDeCoでは、その人の属性によって決められた上限額までの範囲で掛金を決め、毎月拠出して自分が選んだ運用商品で運用し、老後の生活資金を形成する仕組みです。

iDeCoは原則として60歳までは引き出せない点がデメリットですが、掛金が全額所得控除小規模企業共済等掛金控除)の対象になる他、運用中のキャピタルゲイン・インカムゲインについても非課税です。また、受け取りの際には、受け取り方法に応じて退職所得控除もしくは公的年金等控除の対象になるなど、税制の優遇が受けられます。iDeCoとは別に企業で確定拠出年金制度を導入しているところもありますが、条件によっては併用も可能ですので、余裕があるならiDeCoを活用して資産形成の方法として取り入れましょう。

投資初心者におすすめの投資方法

ここでは、投資初心者におすすめの投資方法についてご紹介します。

それぞれの投資方法の特徴を理解したうえで、自分に合った投資方法で投資を始めてみましょう。

投資信託

投資信託とは、前段で説明したとおり投資家から小口で集めた資金をまとめ、運用会社の運用のプロ(ファンドマネージャー)がさまざまな運用先に投資を行う仕組みの投資方法です。投資信託を購入することで自動的に分散投資が行える点は投資初心者にとっても大きなメリットでしょう。

投資信託が初心者におすすめの理由は、なんといっても運用をプロに任せられることです。

少額からの投資も可能なため、気軽に始められる点もおすすめのポイントです。

投資信託を選ぶなら、先進国株式のインデックスファンドを選ぶとよいでしょう。比較的低いリスクで、安定した成長が見込めます。

また、株式だけに投資するのではなく、国内外の債券なども組み込んだバランス型のファンドを選ぶことでもリスクを低下させられます。

ミニ株

ミニ株とは、単元株(100株)未満で購入できる株式のことをいい、証券会社によっては「いち株」(LINE証券)などの商品名をつけています。

株式は通常100株単位で取引されるため、株価が3,000円の銘柄を買おうと思うと30万円の資金が必要です。しかし、ミニ株だと1株や10株など単元株未満で購入できるため、3,000円もしくは3万円での購入が可能です。

100株単位で購入した場合、株価が2,000円に下がると10万円の損失が発生しますが、1株で購入した場合の損失は1,000円となります。

少額で購入できることで、損失を少なくできるため、取引のタイミングなどを学ぶ方法として取り入れてもいいでしょう。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、AIが自分の代わりに資産配分を考えてくれるサービスで、最初に簡単な質問に答えるだけで自分のリスク許容度を診断し、最適な資産配分を教えてくれます。

アドバイスまでを行う「アドバイス型」と、買い付けまで行ってくれる「投資一任型」のいずれかを選ぶことができ、投資一任型の方が手数料は高く設定されています。ちなみに手数料は利用するロボアドバイザーサービスによって異なりますが、0.3%~1%程度だと考えておきましょう。

投資に関する知識がなくても代わりに投資を行ってもらえることや、感情に流される心配がない点がロボアドバイザーを利用するメリットです。代わりに運用を行ってくれるため、時間がない人にも向いています。

ポイント投資

ポイント投資とは、ショッピング利用などでたまったTポイントやdポイントなどのポイントを1ポイント=1円などで投資商品を購入し、運用することです。

現金を使わず、実際に株式や投資信託を購入できるため、気軽に始められる点がメリットです。もし損失が発生してしまっても、現金で購入した場合と比べると受けるショックも少ないでしょう。

ポイント投資では投資信託や株式などを購入できますが、使えるポイントや購入できる投資商品は証券会社によって異なりますので、どのポイントでポイント投資を行うかを決め、そのうえでそのポイントを使って投資ができる証券会社を選ぶようにしましょう。

投資初心者が失敗しないためのコツ

投資を始めるなら、できるだけ失敗は防ぎたいものです。初心者が失敗してしまうと、「自分には投資に向いていない」と考え、投資から遠ざかってしまいがちです。

投資は失敗を繰り返しながら知識を得ていくものですが、ここでは、投資初心者が失敗しないためのコツについて紹介します。

目的をはっきりさせる

投資を始めるにあたり、目的や目標をはっきりさせましょう。いつまでにいくらまで資金を増やすのか、具体的な投資期間や目標金額を設定することで、どのくらいの利回りで運用すればいいのかが明確になります。そして、その利回りに近づけるにはどのような投資商品で運用するべきか、また資産配分などを考えるきっかけになります。

長期投資を視野に入れる

短期で資金を増やす投機的な考えではなく、時間を味方につけた長期投資を視野に入れることも失敗を防ぐコツです。

一般的に長期とは10年以上を指すことが多く、投資を始めたら10年間は続ける意志を強く持って取り組みましょう。

積立投資を意識する

積立投資を行うことにより、購入単価を下げられます。また、少額からの積立投資を行うことも大切です。ネット証券では最低100円からの積立投資も可能ですので、積み立てながら長期で行うことを意識し、投資を続けるようにしてください。

投資の始め方

投資を始めるにあたって、証券会社での口座開設などの事前準備が必要です。

ここでは投資を始めるまでの流れについて解説します。

投資の目標額・種類を決める

投資の目標額や種類は人それぞれで異なります。リタイアまでに3,000万円の老後資金を準備したい、20年後に1,000万円の資金を確保したいなど、投資の目標額をまず設定しましょう。

また、どの種類で投資を行うかも合わせて決める必要があります。種類は一つだけでなく、複数選択し、分散投資を心がけましょう。

投資先を選ぶ

投資を行う種類を決めたら、具体的な投資先を選びます。投資信託ならどの銘柄(ファンド)で運用するのか、株式ならどの銘柄を購入するのかを選びます。そのうえで、その銘柄を取り扱っている証券会社を探しましょう。

証券会社によって、投資信託の取り扱い銘柄数は異なり、国内株式だけでなく外国の株式にも強い証券会社もあります。自分が選んだ投資先をカバーしている証券会社を複数選択し、最終的に口座を開設する証券会社を選びましょう。

証券口座を開設

口座を開設する証券会社が決まったら、その証券会社に口座開設の申し込みを行います。ネット証券はインターネット上で手続きが完了し、口座開設が速いため、おすすめです。

口座開設の手続きの際には、本人確認書類やマイナンバー確認書類などが必要です。必要な書類は証券会社によって異なりますので、事前に確認して漏れのないよう準備しておきましょう。

証券口座へ入金

口座の開設が完了したら、証券口座に資金を入金します。入金方法は証券会社が定めている方法に従ってください。

ここで入金する資金はあくまでも余剰資金から捻出することも忘れないようにしてください。また、入金額は少し余裕を持っておく方が、購入のタイミングを逃さずに済みます。

少額から始めて慣れていくことが大切

投資を始めるにあたっては少額から行い、値動きによる利益や損失の幅に慣れることが大切です。基本的に運用商品は元本が確保されておらず、さまざまな要因によって値段が動きます。場合によっては損失が発生することもありますが、「下がれば上がる」と考え、長期的な視野で運用することを心がけましょう。もちろん、積立投資を取り入れることも忘れないようにしてください。

また、iDeCoやNISAなど非課税で運用できる制度も取り入れ、効率的な投資を心がけましょう。


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