SPXLとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説

SPXLとはDirexion Investments社が運用している、「Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF」のことです。SPXLはS&P500指数をベンチマークとしていることから幅広い銘柄に投資ができます。

この記事ではSPXLの基準価格※1や過去のチャート、メリット・デメリットや注意点について解説。最後に他のETFとの比較や、SPXLが購入できるおすすめの証券会社を紹介しています。SPXLの購入を検討している方はぜひ最後までお読みください。

(※1)基準価格…投資信託の価格のこと、株式でいう株価にあたります。

SPXLとは?配当利回りは?

SPXLはDirexion Investments社が運用している、Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETFのことを指します。ブル(※2型)3倍ETFとは、ベンチマークの3倍の運用成果を目指すレバレッジETFのことで、SPXLのベンチマークはテクノロジー・セレクト・セクター指数です。

ベンチマークとはETFが運用目標としている特定の指数のことを指します。例えばSPXLのベンチマークであるS&P500が5%上昇した場合、SPXLは15%上昇し、5%下落した場合は15%下落する傾向があります。

レバレッジとは日本語で「てこの原理」のことです。ここでは借り入れを利用して、少ない自己資金で大きな取引を行うことを指します。レバレッジを活用すると大きな利益が期待できる反面、損失が生じたときに損失額も大きくなるため、注意が必要です。

またSPXLの収益は、基準価格の値上がり益だけではなく、配当金による収益もあり、SPXLでは、決算期間中に生じた収益から費用を控除した金額が配当金として支払われます。SPXLは年間4回の配当があり、配当金利回りは0.63%(2023年4月末時点)です。

(※2)ブル(bull)…牡牛の角が上に向かっている姿から「上昇」を表し、相場が上昇したときに利益が出るように、設計された商品のことを指します。一方、ブルの反対語としてベア(bear)がありますが、ベアはクマが前足を振り下ろす姿のたとえから「下落」を表し、相場が下落したときに利益が出るように設計された商品を指します。

【SPXLの概要】

正式名称Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF
運用会社Direxion Investments
市場NYSE Arca
ベンチマーク指数S&P500
経費率0.88% (2023年4月末時点)
純資産額2,734.94百万USドル

SPXLの構成銘柄(300文字)

S&P500は、ニューヨーク証券取引所、NYSE American、NASDAQに上場しているアメリカの代表的な500銘柄から構成される株価指数です。セクター別では情報通信(ハイテク)セクターの比率が多いものの、さまざまなセクターが構成銘柄に組み込まれている点が特徴です。

【SPXLのセクター別組入比率】

SPXLのセクター別組入比率

【SPXLの主な組入銘柄と組入比率(2023年4月末現在)】

企業名組入比率
アップル7.17%
マイクロソフト6.25%
アマゾン2.68%
エヌビディア1.99%
アルファベット(グーグル)ClassA(※3)1.80%
テスラ1.62%
バークシャー・ハサウェイ1.62%
アルファベット(グーグル)ClassC(※3)1.57%
メタプラットフォーム(旧 フェイスブック)1.37%
エクソンモービル1.31%

(※3)アルファベット(グーグル)ClassAは議決権がある、ClassCは議決権のない株式。

SPXLの株価推移チャート

SPXLは右肩上がりで上昇し続けてきましたが、アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大により急速景気が悪化し、SPXLの基準価格も低下しています。その後、新型コロナウイルス感染拡大に関する行動制限の緩和に伴い、経済が急回復したことによって、今度は人手不足や原料不足の影響によりインフレを招くようになりました。

アメリカの中央銀行であるFRBはインフレを抑え込むために、急ピッチで政策金利の引き上げを実施しました。政策金利の引き上げに伴い、景気減速が意識され始め、今後の成長を期待して買われるグロース株の比率が多いSPXLの基準価格は、低迷している状況です。

引用元:TradingView

SPXLのメリット

SPXLを購入する場合、どのようなメリットをもたらすか知りたい方もいることでしょう。ここでは主なメリット3つについて解説します。

高いリターンが見込める

SPXLの投資先はグロース株が多いため、アメリカの景気が良い時期は、大きな基準価格の値上がりが期待できます。2023年4月現在、SPXLの基準価格は低迷しているとはいえ76.27ドルで、10年前の10.24ドルと比べると7.4倍に増加しています。

SPXLは長期投資で資産を大きく増やしていきたい方に向いているといえるでしょう。

分散投資が可能

どの投資商品も元本割れリスクがありますが、1つの金融商品だけ保有せずに複数の値動きの特徴が異なる金融商品を併せ持つことで投資リスクを抑えることができます。しかし投資初心者の場合、複数の商品を選定すること自体が難しい可能性があります。

SPXLがベンチマークとしているS&P500は、アメリカの代表的な500銘柄から構成される株価指数です。そのためSPXLを1つ保有するだけで、約500銘柄に分散投資ができることになります。

少額投資が可能

SPXLの一口あたりの基準価格は2023年4月時点では76.27ドル。1ドル136円で換算するとおおよそ1万円あれば、SPXLに投資が可能です。

SPXLのデメリットや注意点

SPXLにはメリットもある反面、デメリットや注意点があります。ここでは3つの知っておきたいデメリットや注意点を解説しましょう。

リスクが高い

SPXLはベンチマークであるS&P500の3倍の運用成果を目指すETFのため、ボラティリティ(価格変動率の大きさ)が大きい傾向があります。大きな利益が期待できる反面、損失も相応に大きくなるため注意が必要です。

ベンチマークから乖離が生じやすい

SPXLはレバレッジ3倍のETFのため、ベンチマークよりも乖離が生じやすくなります。ベンチマークとしているS&Pが横ばいでも、SPXLでは損失が生じているというケースもあるため注意が必要です。

短期保有には向かない

SPXLのようなレバレッジETFは、長期投資と短期投資のどちらが良いかは意見が分かれます。しかし基本的にボラティリティの大きい商品は、短期的な値動きで売買をするより、長期投資の方がリスクは抑えられます。

SPXLにおすすめの証券会社

SPXLを購入する場合、どの証券会社が選べば良いか前もって知りたいという方もいることでしょう。ここではおすすめの証券会社6社を紹介します。

SBI証券

国内株式取引シェア第1位の証券会社です。圧倒的なIPO(新規公開株)や、外国株式の取扱銘柄数を誇ります。積立買付ができるETFであればクレジットカードで定期買付が可能です。

auカブドットコム証券

現物株式や信用取引、投資信託など、さまざまな金融商品を取り扱っています。そのため、自分の資産状況やライフスタイルに合った商品・取引スタイルを見つけやすい証券会社といえるでしょう。

楽天証券

現物株式や信用取引、投資信託、単元未満株、FXなど、あらゆる金融商品を取り扱っているため、株主優待や配当金狙い、短期売買など多くの投資ニーズに対応できます。

松井証券

国内現物株式・信用取引の1日の約定代金が50万円までなら手数料無料、米国株式の取引手数料無料等、業界最安水準かつシンプルな手数料体系を実現しています。

大和証券

創業120年を超える歴史ある証券会社で、全国に180以上のお店を展開しています。インターネットで商品を選ぶのが不安という方は、資産運用プランについて相談しながら取引することも可能です。

GMOクリック証券

現物取引、信用取引いずれも1日定額プランなら100万円まで0円、CFD取引手数料も無料等、業界最安値水準の手数料で取引ができます。

他のETFとの比較

SPXLを購入する場合、他のETFがどのようなものが気になることもあります。ここではSPXL以外のETFの比較について解説します。

VOOとの比較

VOOはアメリカの資産運用会社バンガード社が提供している、バンガード・S&P 500 ETFのことを指します。S&P500をベンチマークとしている点はSPXLと同様ですが、S&Pはレバレッジなし、SPXLはレバレッジ3倍ETFという違いがあります。

SPYとの比較

SPYはアメリカの資産運用会社ステート・ストリート社が提供している、SPDR S&P 500 ETFのことを指します。S&P500をベンチマークとしており、レバレッジはありません。

UPROとの比較

UPROとは運用会社ProShare Advisors社が提供している、プロシェアーズ・ウルトラプロS&P500を指します。S&P500の3倍の成果を目指すブル3倍ETFという点はSPXLと同様ですが、SPXLはUPROに比べ経費率が安く、基準価格は高めです。

SPXLは高いリターンが狙えるETF

SPXLはDirexion Investments社が運用している、Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETFのことを指し、ベンチマークであるS&Pの3倍の運用成果を目指すETFです。S&P500をベンチマークとしていることから幅広い銘柄に分散投資ができますが、レバレッジ型のため、ハイリスク・ハイリターンのETFといえるでしょう。

よくある質問

SPXLとは?

SPXLはDirexion Investments社が運用している、Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETFのことです。詳しくはこちらをご覧ください。

SPXLにおすすめの証券会社は?

SPXLはSBI証券、auカブコム証券、楽天証券、松井証券、大和証券、GMOクリック証券がおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。