- 更新日 : 2023年11月10日
FXの税金計算方法を解説!確定申告はどうすればいい?
FXを始めた人の中には「FXで得た利益に対してどの程度の税金がかかるのだろう」と気にしている人も多いかもしれません。FXは株式や不動産など他の投資と同様、利益に対して税金がかかるほか、状況に応じて確定申告をする必要があります。
そこで今回の記事ではFXの税率や計算方法、また確定申告が必要な場合・不要な場合などについて解説します。
目次
FXに税金はかかる?
FXで得た利益は雑所得の対象となり、所得税(含、復興特別所得税)と住民税(地方税)が課税されます。また、原則として課税方式は申告分離課税となり、確定申告が必要です。
なお、申告分離課税とは他の所得と分離して税額を計算し、確定申告によってその税額を納める課税方式を指します。
FXの税率と課税対象
FXの税率は他の所得額に関係なく、一律で20.315%です。また、FXで課税対象となるケースは以下の通りです。
- FX以外で所得がある場合:給与所得があり、FX取引等の所得が年間20万円を超えるケース
- FX以外で所得がない場合:(専業主婦等で他に所得がない場合)FXの利益が年間で48万円を超えるケース
FXの税金の計算方法
FXの課税金額は「所得(FX取引で得た利益)×税率」によって求められます。また、このうち、FX取引で得た利益は以下の計算式で算出可能です。
FXの利益として、1月1日から12月31日までに決済した為替差益とスワップポイント(※)の合計から必要経費を差し引いたものが該当します。必要経費はFXでの利益を生み出すために使った費用のことで、書籍代やセミナー代、パソコンの購入費用、インターネットの通信料金などが含まれます。
なお、所得にかかる税率は、所得税が15.315%(復興所得税0.315%を含む)と、住民税(地方税)が5.0%となります。給与所得や事業所得では累進課税が採用されている一方で、FXに係る税率は所得の金額にかかわらず一定となっているのが特徴です。
(※)スワップポイント:通貨ペアごとの金利差から得られる利益のこと
FXの税金計算で知っておきたい知識
ここでは、FXの税金計算で知っておきたい「損益通算」と「繰越控除」について解説します。
損益通算
FXをはじめ、複数の口座で投資をしていると「口座Aでは50万円の利益が出たのに対し、口座Bでは40万円の損失が出てしまった」などと、利益と損失の両方が生じることは珍しくありません。
その際、利益と損失を相殺した本来の利益(上記の例でいえば10万円)をもとに税金を計算することを「損益通算」といいます。
FXの税金を計算する際、先物取引やその他の金融商品の取引とも損益通算ができるほか、損失の繰越控除も翌年以後3年間可能です。
損失の三年間繰越
繰越控除とは、損益通算で損失を引ききれなかった場合に残った損失を3年間にわたって繰り越し、翌年以降の利益から差し引ける仕組みのことです。
損益通算と同様に税負担を軽くするための制度であり、FX投資を始めるにあたって覚えておくとよいでしょう。
FXで確定申告が不要な場合、必要な場合

FXで確定申告が不要な場合、また必要な場合について解説します。
不要な場合
FXで利益が生じた際は原則として確定申告が必要ですが、以下の「1.」から「3.」を全て満たす場合は確定申告が不要となります。
また、利益が出ず、損失が生じた場合も確定申告が不要です。ただし、「先物取引に係る雑所得等」に該当するものが複数あれば「損益通算」が可能となるため、確定申告したほうがよいでしょう。
必要な場合
上記、不要なケースに当てはまらない場合は原則として確定申告が必要です。FXの利益は雑所得に分類され、通常であればほかの所得金額と合算した後に税額を計算する「総合課税」の対象となります。
しかし、FXで得た利益については「先物取引に係る雑所得」に分類されることから、例外的に「申告分離課税」の対象として扱われています。よって、個別に税額を計算する必要があるほか、確定申告をしなければなりません。
利益があるのに確定申告をしなかった場合はどうなる?
確定申告は原則として、毎年2月16日から3月15日までの間に申告手続きを済ませ、必要に応じて納税しなければなりません。確定申告が必要であるにも関わらず行わなかった場合、無申告加算税などのペナルティが課される恐れがあるため、注意が必要です。無申告加算税の税率は本来納める税額によって以下のように決められています。
- 本来納付する税額が50万円未満の場合:15%
- 本来納付する税額が50万円超の場合:20%
税金を滞納することによって、行政サービスや社会保険料の減免、ローン契約が組めなくなるといったデメリットが生じる可能性があることから、期限内にきちんと確定申告を済ませるようにしましょう。
FXに関する税金についてきちんと理解しよう
今回の記事ではFXの税率や計算方法、また確定申告が必要な場合・不要な場合などについて紹介しました。FXで一定額以上の利益が生じると確定申告が必要となる一方、損失が出た場合も確定申告をすることで損益通算や繰越控除といった仕組みを利用できるようになります。
また、確定申告は申告期限が決まっており、期限内に申告しないとペナルティが課される恐れがあるため注意が必要です。今回の記事を参考に、FXにかかる税金に対して知識を整理しておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
お金の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
レバナスとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説
2021年にSNSで大きな話題を呼んだ、レバレッジ型投資信託「レバナス」について詳しくまとめた記事です。レバナスのチャートを元に主要銘柄や株価の推移をご紹介し、レバナスのメリットとデメリット(注意点)、証券会社ごとの違いや各社の特徴まで幅広…
詳しくみる成行注文と指値注文とは?メリット・デメリットや使い分けの解説
株式を売買する際、注文方法を「成行注文」「指値注文」のどちらにしたらいいか悩む方も多いのではないでしょうか。状況や目的に見合っていない注文方法をしてしまうと、損をしてしまう恐れがあるため注意が必要です。今回の記事では成行注文と指値注文のメリ…
詳しくみるPTS取引とは?メリットデメリットやおすすめの証券会社の解説
PTS取引は、日中株取引ができない、時間外も株取引を楽しみたいという方におすすめ取引です。今回は夜間でも取引ができるPTS取引について詳しくご紹介します。取引のメリットやデメリット、PTS取引ができる証券会社、および特徴をしっかり確認してお…
詳しくみるFXを勉強しよう!おすすめの本や基礎知識
初心者がFXの基礎知識を固めるにはどのような勉強方法がおすすめなのでしょうか。この記事ではFXを始めたいと考えている人向けに、FXの基本である用語や注文方法、分析方法や主な指標、成功するトレーダーの習慣やおすすめ口座まで、幅広く紹介します。…
詳しくみる住信SBIネット銀行の特徴やメリット・デメリットとは?
ネット銀行で口座を開設しようと考えている方は、住信SBIネット銀行について知りたいのではないでしょうか。住信SBIネット銀行は先進的なIT技術を活用しており、利用者が使いやすいサービスやアプリを多く提供しています。 本記事では、住信SBIネ…
詳しくみるVIGとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説
VIGとはS&P US Dividend Growers Indexという株価指数に連動した運用成果を目指すETFです。10年以上連続増配している米国株で構成されているため、今後も安定した成長が期待できるでしょう。この記事ではVIG…
詳しくみる