- 更新日 : 2023年6月23日
デリバティブとは?メリット・デメリットを分かりやすく解説
デリバティブは複雑な商品のため、仕組みが分からないという人もいるかもしれません。この記事ではデリバティブの仕組みや種類、メリット・デメリットについて解説しています。
目次
デリバティブとは
デリバティブとは株式や債券、通貨、原油、金といった原資産の価格を基準に理論価格が決まる金融商品の総称です。デリバティブは「~から作られた」という意味を表す英語「derived」を語源としており、日本語では「金融派生商品」と呼ばれます。
原資産とデリバティブは、原材料と加工品の関係にあります。例えば、小麦が原材料、パンが加工品という関係にあるとするなら、日経平均株価が原材料、日経平均先物は原材料から派生する加工品という位置づけです。
デリバティブ取引の目的は、主にヘッジ(回避)、投機の2つです。ヘッジとは、取引や資産・負債などから生じるリスクを減少させることです。投機とはリスクをとってより高い利益を狙うことを指します。
デリバティブの種類
デリバティブ取引は主に3つに分類できます。各取引の概要について解説します。
先物取引
先物取引とは、あらかじめ定められた将来の期日における取引条件(数量や金額など)を現時点で決めておく取引のことです。原油や小麦、トウモロコシなどの商品を対象とした取引である「商品先物」と、日経平均やTOPIXなどの金融商品を対象とした「金融先物」の2種類があります。
オプション取引
オプションとは、将来のあらかじめ定められた期日に、事前に定めた条件で売買をする権利のことをいい、この権利を売買するのがオプション取引です。先物取引があらかじめ定めた条件で取引をしなければならないのに対し、オプション取引は定められた条件で取引をしてもしなくても問題ありません。
期日までに定められた条件で買う権利のことをコールオプション、売る権利のことをプットオプションといいます。
さらにオプション取引は、コールオプションを買う「コールオプションの買い」、コールオプションを売る「コールオプションの売り」と、プットオプションを買う「プットオプションの買い」、プットオプションを売る「プットオプションの売り」に分かれます。
スワップ取引
スワップとは交換という意味があり、定期的に決められた期間「交換し続ける」取引のことを指します。同じ通貨で異なる金利タイプの利息を交換する「金利スワップ」や、異なる通貨の元本と利息を交換する「通貨スワップ」、通貨スワップの一種で利息のみ交換する「クーポンスワップ」などがあります。
金利スワップを例に、具体例を見ていきましょう。
例えば、固定金利の金利負担が大きくなり、より金利の低い変動金利に借り換えたいAさんと、今後金利が上昇しそうなので、金利の変動リスクを抑えたいBさんがいたとします。この場合AさんとBさんのローンを交換し、Aさんが変動金利、Bさんが固定金利を返済すれば解決するでしょう。
しかし、Aさんの固定金利を、今後Bさんが返済するということは金融機関の契約上できません。そのため実際はBさんがAさんに固定金利の返済額を支払い、逆にAさんはBさんの変動金利の返済額を支払うことになります。
デリバティブのメリット
デリバティブをすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?主なメリットを4つ紹介します。
リスクヘッジができる
デリバティブを利用することで、原資産の値動きのリスクを回避できます。例えば、A社は毎年小麦を仕入れていて、干ばつにより小麦価格が高騰するようなことがあると、A社は仕入れコストの負担が増加してしまいます。そこで、A社は仕入業者と小麦の先物取引であらかじめ仕入価格を決めておくことで、仕入れコストの増加を回避できるというわけです。
レバレッジ取引ができる
レバレッジとは「てこの原理」のことで、少ない資金で大きな金額の取引ができることを指します。レバレッジを活用することで、大きな利益が狙うことが可能です。
デリバティブは、代金などは取引時に決めますが、原資産の受け渡しは将来行われます。そのため定められた期限の前であれば、原資産の受け渡しをせず、口座内で取引によって生じた損益の受け渡しのみを行います。
このような取引のことを差金決済といいますが、デリバティブがレバレッジをかけられるのは、この差金決済という仕組みがあるためです。
下落局面でも利益が出せる
デリバティブは現物の受け渡しを行わない差金決済であることから、原資産のように買いだけではなく、売りからも取引が始められます。つまり、原資産価格が下落局面でも利益を出すことができます。
夜中でも取引ができる
東京証券所の取引時間は9時から11時30分と、12時30分から15時までですが、例えば大阪取引所のデリバティブ市場の指数先物やオプション取引では8時45分から15時15分と、16時30分から翌朝5時30分まで取引可能です。
デリバティブのデメリット
一方、デリバティブ取引にはデメリットもあります。主なデメリットを2つ紹介します。
リスクが高い
デリバティブはレバレッジをかけられるため、自己資金が少なくても大きな取引が可能です。利益が出たときのプラスは大きくなりますが、損失が出たときのマイナス幅も大きくなる傾向があるため注意が必要です。
仕組みが複雑
デリバティブに関連する商品は複雑で、リスクの大きさが想定しにくいため、取り扱う際は商品の内容を十分理解するよう心がけましょう。一般的な債券にデリバティブを組み込んだ仕組債のように、苦情や相談が増加して多くの金融機関で勧誘停止、あるいは制限を加えているような商品もあります。
デリバティブで取引を考えるなら仕組みを知っておこう
デリバティブとは原資産の価格を基準に価格が決まる金融商品の総称で、先物取引、オプション取引、スワップ取引の3種類があります。デリバティブは、リスクヘッジができる、レバレッジ取引で大きな利益が出せる、下落局面でも利益が出せる、夜中も取引ができるというメリットがある反面、仕組みが複雑で、リスクが大きい商品である点は心得ておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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