- 作成日 : 2024年7月5日
28歳の平均貯金額はどれくらい?増やす方法は?
28歳の平均貯金額は、20代全体の金融資産保有状況から約120万円と推測されています。28歳は、仕事面でのキャリア形成や、結婚や出産、そしてマイホーム購入など、多額の費用がかかるライフイベントが目前に迫ってきます。
この記事では、28歳の平均的な貯金額や、ライフイベントごとの費用の相場、貯金を殖やす方法について解説します。自分にあった適切な貯金目標を立てていきましょう。
目次
28歳の平均貯金額
28歳という年齢は、社会人としてのキャリアを積み重ね、結婚や出産などのライフイベントを迎える人も多い時期です。そこで、同世代の人々がどれくらい貯金しているのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは、金融資産の保有状況をもとに、20代の平均的な貯金額や年収別の貯金額について見ていきます。28歳もその中に含まれますので、一つの目安にしてください。
20代全体の金融資産の保有状況の中央値は、金融資産を保有している場合で120万円、金融資産を保有していない世帯を含む場合で10万円となっています。
これは「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」の調査にもとづいており、ここでいう金融資産とは、預貯金、株式、債券など、現金に換えられる資産のことを指します。
内訳を見ると、金融資産が100万円未満の割合が約4割を占め、次に100万円〜200万円が約2割を占めています。
一人暮らしの貯金額は、総世帯に比べて少ない傾向にあります。その主な理由は、一人暮らしでは収入源が自身の給与のみであることから収入水準が低く、また家賃などの固定費の占める割合が高いため、余裕資金が少なくなりがちであることが考えられます。
【20代の金融資産保有世帯の場合】
世帯 | 平均値 | 中央値 | 預貯金 |
---|---|---|---|
総世帯 | 266万円 | 120万円 | 131万円 |
単身(一人暮らし) | 219万円 | 103万円 | 118万円 |
【20代の金融資産を保有していない世帯を含む場合】
世帯 | 平均値 | 中央値 | 預貯金 |
---|---|---|---|
総世帯 | 151万円 | 10万円 | 75万円 |
単身(一人暮らし) | 121万円 | 9万円 | 65万円 |
参考:令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]|金融広報中央委員会
平均値と中央値の違いは、平均値は、全体の合計を世帯数で割った値で、一般的な「平均」のことを指し、中央値は、金融資産の多い順に並べた時の真ん中の値を表しています。そのため、平均値は大きな値や小さな値の影響を受けやすく、中央値の方が実感により近い値となることが多いです。
また、預貯金とは、銀行や郵便局などに預け入れたお金のことを指します。
20代の年収別の貯金額
年収によっても貯蓄額は大きく変わることがあります。ここでは、年収別の20代の平均貯蓄額について、単身世帯(一人暮らし)と二人以上の世帯に分けて見ていきます。
以下の表は、20代の年収別の金融資産保有額の中央値を示しています。
年収 | 二人以上世帯 | 単身(一人暮らし) |
---|---|---|
300万未満 | 8万円 | 5万円 |
300万~500万円未満 | 10万円 | 60万円 |
500~750万円未満 | 70万円 | 200万円 |
750~1,000万円未満 | 260万円 | – |
1,000~1,200万円未満 | 3万円 | 3万円 |
1,200万円以上 | 700万円 | 220万円 |
この表から、年収が高くなるほど、平均的な貯蓄額も増加していることがわかります。
例えば、年収300万円未満の場合、二人以上世帯の中央値は8万円、単身世帯は5万円となっていますが、年収1,200万円以上になると、二人以上世帯は700万円、単身世帯は220万円と大幅に増加しています。
同じ年収層でも、二人以上世帯の方が単身世帯に比べて平均的な貯蓄額が高い傾向にあります。これは、二人以上世帯の方が収入が多く、支出を抑えられるため、貯蓄に回せる余剰資金が多くなるためだと考えられます。
28歳の理想の貯金額
28歳の時期に、どのくらいの貯金を持っていることが理想的なのでしょうか。個々のライフスタイルや目標により大きく変わるため、一概には言えませんが、以下のような観点から考えてみましょう。
緊急時の貯金
まず、緊急時の貯金として、生活費の3〜6ヶ月分を目安に貯金することが一般的です。これは、突然の失業や病気など、予期せぬ出来事に備えるためのものです。例えば、月々の生活費が20万円であれば、緊急時の貯金として60万円〜120万円を目指すと良いでしょう。
目標貯金額
次に、具体的な目標を設定し、その目標に向けて貯金をすることも重要です。目標は、結婚、出産、マイホーム購入など、個々のライフイベントによります。これらの目標に必要な費用を見積もり、それを達成するためにどれくらいの期間でどれくらい貯金すべきかを計画すると良いでしょう。
老後の貯金
また、将来的には老後の生活費も考慮する必要があります。厚生労働省によると、老後20年間で必要な生活費は約3,000万円とされています。これを目指して少しずつ貯金を積み立てることも大切です。
月々の理想の貯金額
一般的に、月々の理想の貯金額は、収入の1〜2割程度と言われています。つまり、毎月の収入が30万円であれば、3万円〜6万円を貯蓄に回すことを目指しましょう。
具体的な貯金額の目安を見てみましょう。以下に、年収別の理想的な貯金額を示します。
- 年収300万円(月収25万円)の場合:月に2.5万円~5万円、年間で30万円〜60万円
- 年収400万円(月収33万円)の場合:月に3.3万円~6.6万円、年間で40万円〜80万円
- 年収500万円(月収42万円)の場合:月に 4.2万円~8.4万円、年間で50万円〜100万円
これらの数値はあくまで目安であり、個々のライフスタイルや将来の目標によります。
28歳で貯金を「いくら」持っていることが理想的か、というのは一概には言えませんが、平均的には500万円前後が適切な水準だと言えるでしょう。
また、貯金が少ない、あるいは全くない場合でも、まずは自分の収支を把握し、支出を見直すことから始めてみましょう。そして、可能な限りの節約を心がけ、余裕が出てきたら投資を始めることも考えてみてください。
28歳から考えたいライフイベントに必要なお金
28歳頃は、結婚、出産、引っ越し、マイホーム購入など、大きなライフイベントを迎える時期です。これらのイベントには費用がかかるため、十分な貯金が必要となっています。
結婚
結婚は人生の大きな節目であり、それに伴う費用も大きな負担となることがあります。結婚にかかる費用は、結婚式、指輪、新婚旅行を含めると、目安としては、約340万円〜530万円が必要となります。
結婚式
結婚式は、新たな人生をスタートさせる大切なイベントです。しかし、その費用は決して安くはありません。一般的に、結婚式と披露宴を合わせた費用は、約300万円〜400万円が相場とされています。これには、会場費、飲食費、衣装費、写真撮影費、引出物などが含まれます。
指輪
結婚指輪は、結婚生活のシンボルとも言えます。一般的に、結婚指輪の費用は、約10万円〜30万円が相場とされています。しかし、ダイヤモンドの大きさや品質、デザインにより、価格は大きく変動します。
新婚旅行
新婚旅行は、新婚生活のスタートを祝うための特別な時間です。新婚旅行の費用は、旅行先や滞在期間、ホテルのグレードなどによりますが、一般的には、約30万円〜100万円が相場とされています。
これらの費用を見越して、早めに貯金を始めることをおすすめします。特に、一人暮らしや実家暮らしの方は、これらの費用を見越して早めに貯金計画を立てることをおすすめします。
出産
出産に関する費用は、出産や医療機関によって大きく異なります。一般的な目安としては、約41万円〜72万円が必要となります。
出産医療費
まず、出産医療費についてですが、これは病院やクリニック、地域によりますが、一般的には約30万円〜50万円が相場とされています。ただし、日本では出産育児一時金が支給され、これが全額医療機関に直接支払われるため、実質的な負担は少なくなります。
出産準備品
次に、出産準備品についてですが、これにはベビーベッド、ベビーカー、ベビー服、おむつ、哺乳瓶などが含まれます。これらの費用は、商品の品質やブランドによりますが、一般的には約10万円〜20万円が相場とされています。
育児用品
また、出産後に必要となる育児用品についても考慮する必要があります。これには、ベビーフード、おむつ、ベビーソープ、ベビークリームなどが含まれます。これらの費用は、商品の品質やブランドによりますが、一般的には月に約1万円〜2万円が相場とされています。
引っ越し
引っ越し費用は、移動距離や荷物の量、引っ越し業者によりますが、一般的には数万円から十数万円が相場となっています。
単身引っ越しの場合、繁忙期であれば、4万円〜6万円、通常期であれば、3万円〜5万円が相場とされています。同一県内での引っ越し(距離が50km未満)の場合、繁忙期では平均的な相場は約11万円、通常期では約8万円です。
引っ越し費用を節約するためには、複数の業者から見積もりを取り、見積もり比較しましょう。また、不要な荷物を処分して荷物を減らすことも重要です。さらに、引っ越しのタイミングを調整するのも一つの方法でしょう。閑散期や平日、早朝・深夜といった引っ越し費用が安くなる時期を選べば、全体の引っ越し費用を抑えることができるでしょう。
マイホーム
将来的にマイホームを購入する場合、早期からの計画的な貯金が必要です。
2021年度の平均的なマイホームの費用相場は、注文住宅が3,572万円、土地付注文住宅が4,455万円、分譲住宅が3,605万円でした。また、頭金や融資手数料、火災保険料、地震保険料などの諸費用も考慮に入れる必要があります。
一般的な頭金の目安は、マイホーム価格の2割に当たる300万円~600万円です。この頭金を準備するには、500万円前後の貯金が必要です。
都内のマイホーム費用相場
東京都内でのマイホームの費用相場は、土地の価格が非常に高いため、全体の費用も高くなりがちです。
具体的には、東京都内での注文住宅の平均価格は、土地込みの価格で6,622万円、建築費は2,960万円、土地の購入費は3,662万円となっています。
また、東京23区の土地相場は、1㎡が41万円〜837万円と、エリアによって価格が大きく異なります。例えば、世田谷区では1㎡あたり約78万円、江東区では約70万円となっています。
28歳が貯金を増やす方法
昇給や賞与で収入を増やす
自身の会社内で昇給を実現できるように、取り組んでいきましょう。例えば、自身の業績を定期的に報告したり、新たなプロジェクトを提案したりするなど、積極的にアイデアを実行に移し、会社への貢献度を高めていきましょう。
また、スキルアップにも力を入れることも大切です。資格取得や新たな技術の習得、外部セミナーへの参加など、自身の能力を高めることで、より高い評価につながるはずです。
副業を始める
本業以外に副業を始めることも収入を増やす一つの方法です。20代に人気の副業としては、以下のような副業があげられます。
- オンライン講師:自分の専門知識を活かして、オンラインで教えることができます。例えば、英会話、プログラミング、音楽などがあります。
- テストの採点:テストや小論文などの答案に対して採点や添削をする仕事です。
- 代行業:他人から依頼された仕事を代行します。例えば、買い物代行、送り迎え代行などがあります。
- フードデリバリー:飲食店からの注文を顧客に配達します。
- 休日の単発バイト:休日を利用して単発のアルバイトをします。例えば、イベントスタッフ、引越しの手伝いなどがあります。
- スキマ時間のバイト:最近では、短時間でできる「スポットワーカー」としての副業も注目されています。面倒な手続きなく、自由な時間に気軽に始められる点が魅力です。
- オンライン秘書:企業や個人の事務作業をオンラインでサポートします。
支出を抑える
支出を抑えることも貯金を増やす重要な方法です。これには、無駄遣いを減らす、節約生活を送る、固定費を見直すなどがあります。
- 無駄遣いを減らす
日々の生活の中での無駄遣いを減らしましょう。これには、飲食費や趣味の費用、衣服代などが含まれます。例えば、外食を減らして自炊を増やす、新しい服を買う代わりに既存の服を活用する、などの工夫が有効です。 - 節約生活を送る
光熱費を抑える、節約レシピを活用する、セールや割引を利用するなどがあります。特に、一人暮らしの方は家賃や光熱費などの固定費が大きな負担となるため、これらの費用を見直すことで貯金額を増やすことが可能です。 - 固定費を見直す
固定費を見直すことで、毎月の支出を大きく抑えることが可能です。これには、携帯電話料金、インターネット料金、保険料などが含まれます。例えば、携帯電話料金は格安SIMに変更する、インターネット料金はプロバイダーを見直す、保険料は必要な保障を見直すなどの方法があります。
特に、一人暮らしの方は家賃や光熱費などの固定費が大きな負担となるため、これらの費用を見直すことで貯金額を増やすことが可能です。
貯金を自動化する
また、貯金を自動化することで、貯金を習慣化しやすくなります。給料が入ったらすぐに一定額を貯金口座に移すように設定すると、貯金を忘れることなく、確実に貯金額を増やすことができます。
投資を活用する
投資を活用することで、貯金だけでは得られない利益を得ることが可能です。投資とは、現在手元にある資金を使って何らかの商品やサービスに出資し、将来的に利益を得ることを目指します。株式、債券、不動産、仮想通貨など、様々な投資対象があります。
投資を始める際は少額から始めるのがおすすめです。例えば、月3,000円程度を投資信託に積み立てるといった具合です。これにより、投資の基本的な仕組みを学びつつ、リスクを抑えて始められます。
また、新NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠を活用すると、年間120万円までの投資で得られる利益に税金がかからないため、投資初心者の方にもおすすめです。定期的に投資信託へ一定額を積み立てることにより、長期的な資産形成につながります。
さらに、一つの商品に集中するのではなく、株式や債券など、異なる種類の商品に分散して投資することで、リスクを軽減することができます。
ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のリスク許容度や投資知識を十分に理解した上で行うことが重要です。
ライフイベントに備えた貯金計画をし実現していきましょう
28歳は、仕事面でのキャリア形成や、結婚や出産、そしてマイホーム購入など、多額の費用がかかるライフイベントが目前に迫ってきます。こうした出費に備えるには、早めから計画的な貯金をおこないましょう。
28歳の平均貯金額は約120万円と推測されています。しかし、結婚、出産、引っ越し、マイホーム購入などのライフイベントに備えるためには、それぞれ約340万円〜530万円、約41万円〜72万円、数万円から十数万円、約3,572万円〜4,455万円の貯金が必要となります。
貯金を増やす方法としては、収入を増やすために昇給や賞与を得る、副業を始める、支出を抑えるために無駄遣いを減らす、節約生活を送る、固定費を見直す、貯金を自動化する、投資を活用するなどがあります。
これらの方法を活用し、自身のライフスタイルや目標に合わせた適切な貯金計画を立てることが重要です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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