• 作成日 : 2024年5月10日

年収600万円の手取り額は?生活レベルはどれくらい?

年収600万円の人の手取り額は、所得税、住民税社会保険料などを差し引いて、年間で約464万円、月額では38万円程度になると考えられています。また、所得層は全体の約6.5%と言われています。年収600万円の手取り額を計算するには、年収から差し引かれる主な項目を知る必要があります。

この記事では、年収600万円の人の手取り額の計算方法や税額、その人々の割合やかかる生活費、年収600万円から収入を上げる方法について解説します。

年収600万円の人の手取り額

年収600万円の実際の手取り額はどのくらいになるのでしょうか。手取り額とは、年収から税金や社会保険料などを差し引いた後の金額を指します。年収600万円の手取り額を理解するには、まず年収から差し引かれる税金や社会保険料などの主な項目を知る必要があります。これには以下のようなものが含まれます。

  • 所得税:所得税は国税で、年収に応じた税率が適用されます。年収600万円の場合、課税所得にかかる最高税率は10%です。しかし、日本では超過累進税率が適用されているため、課税所得全体に10%を掛けるわけではありません。
  • 住民税:住民税は都道府県税と市区町村税の合計で。前年の所得に基づき計算され、課税所得に対して税率10%を掛けて計算します。
  • 社会保険料:社会保険料には、健康保険、介護保険(40歳以上のみ)と厚生年金が含まれます。一般的には給与の15%が社会保険料として天引きされます。

額面年収から控除される主なものは、所得税、住民税、社会保険料などです。額面年収からこれらの税金や保険料が差し引かれた後の金額が、実際に手元に残る「手取り額」となります。これを考慮に入れると、年収600万円の人の手取り額は、約413万円となります。おおよそ月額34万円程度になると考えられます。

ただし、上記の手取り額はあくまで一例であり、個々の状況により変動します。例えば、扶養家族の有無、住宅ローンの利子控除、生命保険料控除などが手取り額に影響を及ぼします。

年収600万円の人の税額

年収600万円の人が支払う主な税金は、所得税、住民税、そして社会保険料の3つです。これらの税金は、年収によって異なります。ここでは、各税金の算出方法と実際の支払額について確認しておきましょう。

所得税

所得税は、個人の所得に対して課せられる税金で、税額は年間給与の額面収入から給与所得控除を除いた所得金額からさらに各種所得控除を差し引いた「課税所得」に、課税所得の金額に応じた税率をかけて計算します。

年収600万円の場合、課税所得にかかる最高税率は10%ですが、195万円までの部分は5%です。したがって、所得税額は以下のように計算されます(復興特別所得税は無視します)。

所得税額={(総収入額−給与所得控除−所得控除)×税率}−控除額

 

  • 総収入額:600万円
  • 給与所得控除:164万円
  • 所得控除:84万円+48万円=132万円(社会保険料控除および基礎控除のみとします)
  • 税率:10%
  • 控除額:97,500円

これらの値を上記の公式に代入すると、所得税額は以下のように計算できます。

所得税額={(600万円−164万円−132万円)×10%}−97,500円=20.6万円

住民税

住民税は地方税の一種で、住んでいる地域の自治体に支払う税金です。都道府県民税と市町村民税の2つがあり、前年の所得を基に計算されます。

住民税の計算方法は、額面年収から給与所得控除、各種所得控除などを差し引いた、課税所得に対して10%の税率を掛けて計算されます。

一般的に、年収600万円の場合、住民税は31万円程度になると言われています。

社会保険料

社会保険料には健康保険、介護保険(40歳以上のみ)、厚生年金が含まれます。年収600万円の場合、社会保険料は約84.84万円程度になると言われています。

厚生年金保険料

厚生年金保険料は、給与から天引きされ、その額は給与額(標準報酬月額)によります。厚生年金保険料の保険料率は18.3%です。ただし、厚生年金保険料は従業員と勤務先がそれぞれ半分ずつ負担します。

年収600万円の場合、実際に従業員が支払う厚生年金保険料は以下のように計算されます。

厚生年金保険料=年収×厚生年金保険料の保険料率÷2
600万円×18.3%÷2=54.9万円

健康保険料、介護保険料(40歳以上のみ)

健康保険料は、給与から天引きされ、その額は給与額(標準報酬月額)によります。健康保険料の保険料率は9.98%(東京都。40歳未満を想定)です。ただし、健康保険料も従業員と勤務先がそれぞれ半分ずつ負担します。

年収600万円の場合、実際に従業員が支払う健康保険料は以下のように計算されます。

健康保険料=年収×健康保険料の保険料率÷2
600万円×9.98%÷2=29.94万円

したがって、年収600万円の人が支払う社会保険料の合計は、厚生年金保険料と健康保険料を合計した額、つまり約84.84万円となります。

上記に基づき、年収600万円の人が支払う税金の総額は、所得税62.4万円、住民税33万円、社会保険料84.84万円の合計で、約179.73万円となります。

ただし、これらの計算は一般的な計算方法に基づいており、具体的な税額は個々の状況(扶養家族の有無など)や地方自治体による条例により異なる場合があります。

年収600万円の人の割合

年収600万円の人々が日本全体のどの程度を占めているのか、具体的な割合を見てみましょう。

国税庁の「令和4年分の民間給与実態統計調査」によると、年収600万円超700万円以下の人は、全体の6.9%を占めています。

この範囲に該当する人々は、全体の約14人に1人に相当します。

男性と女性別の割合は、男性で年収600万円超700万円以下の人は9.5%、女性では3.4%です。

年齢階層別の平均給与を見てみると、男性は40代後半で643万円に達し、50代までは600万円以上をキープしていますが、女性はどの年代でも年収600万円を超えることはないという結果です。

年収600万円の人の生活費

一人暮らしの場合

項目金額(月額)
住居費(家賃)70,000円
光熱費10,000円
通信費10,000円
食費32,000円
その他の生活費40,000円
合計162,000円

住居費(家賃)

一人暮らしの場合、家賃は大きな出費となります。都市部では家賃が高くなる傾向にあります。例えば、東京23区内の一人暮らし向けのアパートの平均家賃は約80,000円と言われています。しかし、郊外や地方都市では、この金額は下がることが多いです。年収600万円の場合、家賃は月額70,000円程度が適切と言えるでしょう。

光熱費

電気、ガス、水道などの光熱費は、季節や生活スタイルにより変動します。エアコンや暖房を多用すると電気代が上がりますし、シャワーの使用時間や料理の頻度によってもガス代や水道代は変わります。一人暮らしの場合、月額10,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。インターネットプロバイダーや携帯電話会社のプランにより、料金は大きく異なります。無制限のデータプランや高速インターネット接続を選ぶと、通信費は上がります。一人暮らしの場合、月額10,000円程度が見込まれます。

食費

食事にかかる費用は、自炊と外食のバランスにより大きく変動します。自炊を主にすると食費は抑えられますが、外食が多いと食費は増えます。また、食材の選び方やスーパーマーケットの選び方によっても食費は変わります。一人暮らしの場合、月額32,000円程度が一般的です。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。これらの費用は、個々のライフスタイルや趣味、仕事の状況により大きく変動します。一般的には月額40,000円程度が見込まれます。

これらを合計すると、一人暮らしの場合の生活費は、月16万円程度になると考えられます。

夫婦世帯の場合

年収600万円の夫婦世帯の場合、生活費はどのくらいになるのでしょうか。主な生活費の項目とその目安について見ていきましょう。

項目金額(月額)
住居費(家賃)100,000円
光熱費20,000円
通信費15,000円
食費70,000円
その他の生活費50,000円
合計255,000円

住居費(家賃)

一人暮らしよりも広い住居を必要とするため、家賃は一般的に高くなります。また、ペットを飼っている場合などは、さらに広い住居を必要とすることが多いです。これらの要素を考慮すると、夫婦世帯の場合の家賃は、一般的には月100,000円程度となります。都市部では家賃が高くなる傾向があります。

光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道などを含みます。特に、電気代やガス代は、使用量に応じて増減します。また、洗濯の回数が増えると、水道代も増えることがあります。これらの費用は季節や生活スタイルにより変動しますが、夫婦世帯の場合、月額20,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。夫婦二人分の携帯電話料金や、家庭内でのインターネットの利用状況により、通信費は変動します。特に、ビデオ通話や動画視聴などのデータ通信量が多い場合、通信費は増えることがあります。これらの費用はプランによりますが、一般的には月額15,000円程度が見込まれます。

食費

夫婦世帯の場合、食費は増えますが、一緒に食事をすることで、食材のまとめ買いが可能になり、一人当たりの食費を抑えることができます。外食が多いと食費は増えますが、自炊を心掛けると抑えることができます。夫婦世帯の場合、月額0,000円程度が平均的な食費とされています。年収600万円の場合、食費は月額70,000円程度が目安になるでしょう。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。ペットがいる場合や趣味が高額な場合などは、その他の生活費が大きくなることがあります。これらの費用はライフスタイルによりますが、一般的には月額50,000円程度となります。

これらを合計すると、年収600万円の夫婦世帯の場合、月額の生活費は約255,000円となります。

子連れ(3人家族)の場合

年収600万円の子連れ(3人家族)の場合、生活費はどのくらいになるのでしょうか。主な生活費の項目とその目安について見ていきましょう。

項目金額(月額)
住居費(家賃)110,000円
光熱費20,000円
通信費15,000円
食費90,000円
教育費40,000円
その他の生活費60,000円
合計335,000円

住居費(家賃)

子連れの家庭では、より広い住居を必要とするため、家賃は一般的に高くなります。都市部では家賃が高くなる傾向にあります。例えば、東京23区内のファミリー向けのアパートの平均家賃は約12万円と言われています。しかし、郊外や地方都市では、この金額は下がることが多いです。また、子供の成長に伴い、さらに広い住居を必要とすることもあります。年収600万円の場合、家賃は月額110,000円程度が適切とされています。

光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道などを含みます。これらの費用は季節や生活スタイルにより変動しますが、3人家族の場合、月額20,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。家庭内でのインターネットの利用状況や、家族全員の携帯電話料金により、通信費は変動します。特に、ビデオ通話や動画視聴などのデータ通信量が多い場合、通信費は増えることがあります。これらの費用はプランによりますが、一般的には月額15,000円程度が見込まれます。

食費

食事にかかる費用は、自炊と外食のバランスにより大きく変動します。自炊を主にすると食費は抑えられますが、外食が多いと食費は増えます。また、食材の選び方やスーパーマーケットの選び方によっても食費は変わります。子連れの家庭では、子供の食事も考慮に入れる必要があります。子供の成長に伴い、食事の量も増え、それに伴い食費も増えます。3人家族の場合、月額90,000円程度が平均的な食費とされています。

教育費

子供の教育費は、子供の年齢や学校、習い事などにより大きく変動します。幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校と進むにつれて、教育費は増えていきます。また、習い事や塾などの教育関連の費用も含まれます。子供の年齢や教育環境によりますが、一般的には月額40,000円程度が見込まれます。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。これらの費用は、個々のライフスタイルや趣味、仕事の状況により大きく変動します。特に、子供の成長に伴い、衣服費や趣味に関連する費用が増えることがあります。これらの要素を考慮すると、月額60,000円程度が見込まれます。

以上のように、年収600万円の子連れ(3人家族)の場合、月額の生活費は約335,000円となります。これらの費用を考慮に入れ、予算管理を行うことで、安定した生活を送ることが可能です。

年収600万円を狙える業種とは

年収600万円を目指すには、どのような業種を選ぶべきでしょうか。日本国内で年収600万円を得られる可能性が高い業種を具体的に見ていきましょう。

IT・情報通信業

IT業界は高収入が期待できる代表的な業種です。特に、システムエンジニア、プログラマー、ITコンサルタントなどの専門職は、需要が高く、年収600万円以上を目指しやすいとされています。デジタルトランスフォーメーションが進む中、ITスキルを持つ人材への需要は今後も増え続けると予想されます。

医療・医薬業界

医師や薬剤師など、専門的な資格を必要とする職種では、高い専門性が評価され年収600万円を超えるケースが多々あります。特に、医師の平均年収はこの額を大きく上回ることが一般的で、専門性の高い分野を極めることでさらなる収入アップが見込めます。

金融・保険業界

金融・保険業界も、高収入が期待できる業種の一つです。銀行、証券、保険会社などでの勤務は、専門知識を活かして安定した高収入を得られる可能性があります。また、資産運用やリスク管理の専門職は特に高収入が期待できる分野です。

コンサルティング業界

経営コンサルタントや戦略コンサルタントなど、企業の経営を支援するコンサルティング業界は、高い報酬が得られる業種として知られています。専門知識と経験を活かし、企業の課題解決に貢献することで、高い評価とともに高収入を目指すことができます。

建設・不動産業界

建設業界や不動産業界も、専門性を活かした高収入が期待できる分野です。特に、プロジェクトマネージャーや不動産鑑定士などの専門職は、高い報酬が得られることが多いです。

これらの業種は、いずれも専門性やスキルが高い評価を受け、年収600万円を超える可能性が高いと言えます。しかし、どの業種でも共通して言えるのは、単に業種を選ぶだけではなく、その中でどのように専門性を高め、価値を提供できるかが重要であるという点です。目指す業種で求められるスキルや知識を身につけ、継続的な学びと成長を意識することが、年収600万円を目指す上での鍵となります。

年収600万円を目指す方法

年収600万円を目指すには、戦略的にキャリアを形成し、スキルアップに励む必要があります。以下に、具体的な方法をいくつか紹介します。

職業スキルの向上

  • 専門性を高める:専門性の高い分野で知識を深め、スキルを磨くことで、自分の市場価値を高めましょう。資格取得や継続的な学習が鍵となります。
  • 業務の効率化:効率的に業務を進める方法を学び、時間管理能力を向上させることで、より多くの業務を質高くこなせるようになります。これが評価につながり、収入アップにつながります。

転職を通じた収入増

  • 高収入が見込める業種への転職:前章で紹介したような年収600万円を目指しやすい業種に転職することを検討しましょう。転職市場での自分の価値を正しく理解し、適切な職種を選択します。
  • キャリアコンサルタントの利用:転職を検討する際は、プロのキャリアコンサルタントに相談することも一つの方法です。自身のキャリアプランを客観的に評価してもらい、適切なアドバイスを受けることができます。

複数の収入源を確保

  • 副業・投資:本業以外に副業を持つことで収入源を増やすことが可能です。また、余剰資金を賢く投資に回し、資産を増やすことも一つの手段です。
  • スキルを活かしたフリーランス業務:専門性の高いスキルを持っている場合は、フリーランスとしてそのスキルを提供し、追加の収入を得ることができます。

自己投資を続ける

  • 継続学習:業界のトレンドや新しい技術は日々更新されます。オンラインコースやセミナーに参加し、常に最新の情報を学び続けることが重要です。
  • ネットワーキング:職業上のコネクションを広げることで、新しい機会を得ることが可能になります。業界のイベントに参加したり、オンラインでのネットワーキングを活用しましょう。

年収600万円を目指す道は一つではありません。自分の現在地を正しく把握し、長期的なキャリアプランを立てることが大切です。そして、目標に向かって着実にステップを踏んでいくことが、年収600万円を実現する鍵となります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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