- 作成日 : 2024年7月5日
株のやり方は?始め方や選び方を初心者向に解説
このガイドでは、株の基礎知識から具体的な投資手法まで、初心者でも理解しやすいように解説します。株式投資は初心者にとって複雑かもしれませんが、基本を押さえることでリスクを最小限に抑え、効率的に資産を増やすことが可能です。このガイドを読むことで、株の始め方、買い方・売り方、株の選び方、そして証券会社の選び方が総合的に理解できるようになります。
目次
株の始め方
1. 株式投資の基本を理解する
株式投資は企業の株式を購入することで、その企業の成長や収益に対する利益を得ることを目的とします。まずは、株式投資の基本的な仕組みや用語を理解しましょう。以下の点を押さえることが重要です。
- 株式とは、企業が資金調達のために発行する有価証券のこと。株主は企業のオーナーの一部となり、利益を配分される権利を持ちます。
- 株価は企業の業績や市場の需給動向、経済環境などで変動します。その要因には決算発表や政府の政策変更、国際情勢などがあります。
- 配当金は企業の利益を株主に分配するものです。年間に一度や二度、定期的に支払われることが一般的です。
- 株主優待は企業が株主に対して提供する特典のこと。無料施設利用券や商品割引券などが一般的です。
2. 投資の目的を明確にする
株式投資を始める前に、自分が何を目的に投資をするのかをはっきりさせることが重要です。
短期投資のメリットとデメリット
短期投資は株価の短期的な変動を狙い、利益を得る手法です。利点としては素早く利益を上げられる可能性がありますが、代わりにリスクも高くなります。
- メリット: 短期的に利益を得られる可能性が高い
- デメリット: 市場の変動に敏感になりやすく、ストレスが多い
長期投資のメリットとデメリット
長期投資は同じ株を長期間保有することで、企業の成長を享受しようとする手法です。リターンは長期的に期待できますが、時間がかかります。
- メリット: 市場の短期変動に左右されにくく、安定した利益が期待できる
- デメリット: 資金が長期間拘束されるため、流動性が低くなる可能性がある
3. 必要な資金を準備する
株式投資を始めるには一定の資金が必要です。最初に投入する資金については、自分の生活費や貯蓄を考慮し、無理のない範囲で設定しましょう。初めての方は少額から始めるのがおすすめです。
4. 証券会社に口座を開設する
株式を売買するためには、証券会社に口座を開設する必要があります。営業時間や手数料、取り扱う商品の多様性など、証券会社選びの基準をしっかりと確認することが大切です。
インターネット証券と対面証券の違い
インターネット証券は手数料が低い傾向にあり、手軽に取引できます。一方、対面証券は専門家のアドバイスを受けられる利点があります。
- インターネット証券: 手数料が低く、自分で取引をする人向け
- 対面証券: 専門家のアドバイスが受けられ、初心者向け
口座開設の手続き方法
証券会社のホームページから申し込みが可能です。必要な書類(本人確認書類、マイナンバー等)を提出し、審査を経て口座が開設されます。
5. 株式の情報収集を行う
株式投資に成功するためには、情報収集が欠かせません。企業の業績や市場の動向、経済ニュースなど、さまざまな情報を日々チェックする習慣を身につけましょう。
企業の決算情報の見方
企業の決算情報は四半期ごとに発表されます。売上高や営業利益、純利益などの数値を見て、企業の業績を判断します。
経済指標と株価の関連性
経済指標(為替レート、GDP、失業率、消費者物価指数など)は、株価の動きに大きな影響を与えます。これらの指標を注視することが投資判断の一助となります。
専門家のアナリストレポートを活用する
金融機関や投資会社が発行するアナリストレポートは、専門的な分析と予測が含まれており、投資判断の参考になります。
6. 投資方針を決める
自分の投資目的に合わせた投資方針を設定します。これには、リスク許容度や投資期間、資金の配分などが含まれます。
リスク管理の重要性
リスクは完全には排除できませんが、分散投資や損切りルールの設定など、リスク管理の手法を用いることでリスクを最小限に抑えることができます。
ポートフォリオの組み方
異なる業種や資産に分散して投資することで、リスクを軽減し、安定したリターンを狙います。
7. 実際に取引を始める
準備が整ったら、実際に株式の売買を始めましょう。はじめは少額で慎重に取引を行い、経験を積むことが重要です。投資の成否を確認しながら、自分の投資法を見直すことも必要です。
株の買い方・売り方
株の買い方
証券口座の開設
まず、株を買うためには証券口座を開設する必要があります。証券会社には野村證券、大和証券、楽天証券など、多くの選択肢があります。選択肢によって手数料や取扱商品が異なるため、自分に合った証券会社を選んでください。
証券口座を開設する際には、インターネットを用いたオンライン口座が便利です。オンライン口座は手数料が比較的安く、取引も手軽に行えるため、多くの個人投資家に利用されています。特に、楽天証券やマネックス証券は初心者にもおすすめです。
銘柄の選定
次に、購入したい株の銘柄を選定します。業績、ニュース、アナリストの評価など、さまざまな情報を元に検討することが重要です。初心者の場合、資産や利益が安定している大企業の株を選ぶと良いでしょう。
注文の種類
株を購入する際には「成行注文」と「指値注文」の2種類の注文方法があります。成行注文はその時の市場価格で買う方法で、即座に取引が成立する利点があります。指値注文は自分で価格を指定して注文する方法で、指定した価格でないと取引が成立しません。
成行注文の利点は、すぐに株を保有できる点です。一方、指値注文の利点は、自分が望む価格で取引ができる点です。どちらを選ぶかは市場の動向や個々の投資戦略によります。
株の売り方
売却するタイミング
株を適切なタイミングで売却することが利益を最大化するために重要です。株価が上がったタイミングや買った時の価格に比べて大きく下がった時が売却の目安となります。また、企業の業績の悪化や市場全体の不安定な状況により、株価がさらに下がると予想される場合も売り時のポイントとなります。
売却のタイミングを見極めるためには、日々の経済ニュースや企業の決算発表をチェックすることが重要です。
売却注文の方法
売却する際も、成行注文と指値注文を利用できます。成行注文の場合は現価で即座に売ることができますが、価格が思ったよりも下がってしまうリスクもあります。逆に、指値注文では指定した価格以上の値がつかないと売却できませんが、希望価格での取引が成立します。
たとえば、市場が急落する前に成行注文を出せば速やかに売却できますが、価格が予想外に下がるリスクがあります。一方、指値注文は慎重に希望価格を設定すれば利益を確保できますが、設定した価格に達しない限り売却できません。
税金と手数料
株を売却して得た利益には税金がかかります。通常、株の売却益には約20%の税金が課せられます。この譲渡益は特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、自動的に税金が差し引かれます。
また、証券会社によって異なる手数料が発生します。証券会社によっては、売り注文の回数や取引額に応じて手数料が変わる場合もあります。
配当金の受け取り
株主には企業から配当金が支払われることがあります。配当金は株を保有している期間中に支払われ、売却後には配当金を受け取ることができません。ただし、配当金を含めた利益を考慮して売却のタイミングを判断することが重要です。
例えば、日本の大企業である三菱商事や日本製鉄などは高配当株として知られています。これらの企業の株を保有することで、定期的な配当金を受け取ることができます。配当利回りや配当政策をチェックすることも重要です。
株の選び方
1. 自分の投資目的を明確にする
株の選び方を考える前に、まず自分の投資目的を明確にすることが重要です。短期的な利益を狙うのか、長期的に保有して配当や売却益を狙うのかで、選ぶべき株は異なります。
短期的な利益を狙う場合、値動きの激しい成長株が適しています。一方、長期保有を目指す場合、安定した業績と高い配当利回りを持つ企業の株が適しているでしょう。
2. 業界・セクター選定
どの業界やセクターに投資するかを選びます。自分がよく知っている業界や将来的に成長が期待できる業界に注目すると良いでしょう。
成長産業
例えば、IT、AI(人工知能)、再生エネルギーなど、今後の成長が期待される産業が該当します。これらの産業は新たな技術革新や市場の拡大が期待されており、高成長率が見込まれます。
具体的には、ソフトバンクグループや楽天などが成長産業での代表的な企業となります。これらの企業は国内外で高い成長を遂げており、今後も拡大が見込まれています。
安定産業
食料品、エネルギー、医療など、景気に左右されにくい安定した産業も考慮に入れると良いでしょう。これらの産業は通常の経済状況でも一定の需要があるため、リスクが低めです。
例えば、医薬品の製造を手掛ける武田薬品工業や、電力供給を行う東京電力ホールディングスなどが安定産業の代表です。
3. 企業のファンダメンタルズ分析
株を選ぶ際には、企業の財務状態や経営状況を分析するファンダメンタルズ分析が欠かせません。
財務指標
財務指標には、売上高、利益率、自己資本比率、キャッシュフローなどがあります。これらの指標は企業の健全性を判断するための基本的な情報です。
例えば、売上高が継続的に増加している企業は成長力があると判断できます。また、自己資本比率が高い企業は財務基盤がしっかりしており、安定的に事業を継続できる可能性が高いです。
事業内容
その企業がどのような事業を展開しているのか、将来性があるかを見極めることも重要です。成長性のある事業を持つ企業は、将来的な株価上昇が期待できます。
例えば、トヨタ自動車は自動車製造だけでなく、スマートシティの開発など新たな領域にも進出しています。このような多角的な事業展開は将来の大きな収益源となり得ます。
4. テクニカル分析
過去の価格動向や取引量などを基に株価の将来動向を予測するテクニカル分析も有効です。
移動平均線
株価が過去一定期間の平均値をどのように上下しているかを示す移動平均線を利用して、株価のトレンドを確認します。例えば、50日移動平均線が200日移動平均線を上回る時は買いシグナルとされます。
チャートパターン
チャートの形状から将来の価格変動を予測する方法もあります。例えば、「ヘッドアンドショルダー」や「ダブルトップ」などのパターンがあります。
ヘッドアンドショルダーは、株価が高値を更新する際に特徴的な形状を作り、次に下落する可能性を示唆します。ダブルトップは、2つの高値をつけた後に下落するパターンで、これも売りシグナルの一つです。
5. 情報収集
決算発表、業績予想、ニュースなどの最新情報に常に目を光らせることが重要です。
四季報
会社四季報などの専門的な資料を使って企業情報を得ると良いでしょう。四季報には、各企業の財務データや業績見通しが詳細に記載されています。
例えば、日本経済新聞社が発行する「会社四季報」には、上場企業の収益性、成長性、財務基盤などの情報が網羅されています。
ネットの活用
Yahoo!ファイナンス、日経新聞オンラインなどのウェブサイトを活用して最新情報を収集します。これらのサイトでは、企業の最新ニュースや株価情報がリアルタイムで更新されます。
例えば、Yahoo!ファイナンスでは銘柄検索機能を利用して特定の企業の情報をすぐに調べることができ、日経新聞オンラインでは経済ニュースやマーケットの動向を把握することができます。
6. リスク管理
投資リスクを最小限に抑えるための対策も欠かせません。
分散投資
異なる業界やセクターの株を購入することで、リスクを分散させましょう。例えば、IT関連株と食品関連株、エネルギー関連株を組み合わせることで、一つの業界に依存しないポートフォリオを構築します。
これにより、特定の業界の不況がポートフォリオ全体に及ぼす影響を軽減することができます。
損切りラインを設定
事前に損失が一定額を超えた場合には、損切りすると決めておくことで、大きな損失を避けることができます。例えば、購入価格の10%下落したら売却するというルールを設定しておくことで、リスクを管理します。
これにより、損失が拡大する前に早めに対処することができ、資産の保全に役立ちます。
証券会社の選び方
取引手数料
証券会社を選ぶ際の重要なポイントの一つは取引手数料です。手数料は証券会社ごとに異なり、取引形態や金額によっても変動します。頻繁に取引を行う方は、手数料が低い証券会社を選ぶことが重要です。例えば、楽天証券やSBI証券などは比較的手数料が安く、多くの投資家に利用されています。
頻繁な取引を行う場合
デイトレードをする場合、手数料は非常に重要です。手数料が高いと利益が出てもその分が削られてしまいます。ネット証券は一般的に手数料が低く設定されていますが、具体的な金額を比較することが重要です。
長期投資を行う場合
長期保有を考えている投資家は、手数料の影響が少ないため、他の項目(サポート体制や取扱商品の多さなど)を重視しても良いでしょう。
取扱商品
証券会社によって取り扱っている商品の種類が異なります。株式取引以外にも投資信託や債券、FXなど、多くの金融商品を取り扱っている会社を選ぶことで多様な投資戦略を立てやすくなります。例えば、マネックス証券や松井証券は幅広い金融商品を取り扱っています。
投資信託
投資信託は少額から始められ、多くの資産に分散投資ができるため、初心者にもおすすめです。大手証券会社では多種多様な投資信託を取り扱っています。
外国株
外国株への投資を考えているなら、取り扱っている国や企業の数が多い証券会社を選ぶことが重要です。
IPO(新規公開株)
IPOに興味があるなら、取り扱いが多い証券会社を選ぶと良いでしょう。ただし、IPOは人気が高く、抽選での当選が難しいことも覚えておきましょう。
プラットフォームの使いやすさ
取引のプラットフォームが使いやすいかどうかも重要なポイントです。各証券会社が提供する取引ツールやアプリの使いやすさを確認しましょう。
チャートの見やすさ
チャートが見やすいと、トレンドの判断がしやすくなります。ローソク足やテクニカル指標を簡単に表示できるプラットフォームを選びましょう。
注文のしやすさ
ワンクリックで簡単に注文ができる機能や、自動売買機能を備えているプラットフォームは、取引の効率を格段に上げてくれます。
情報の提供
マーケットニュースや企業分析レポートの提供など、投資判断に必要な情報が充実しているかも確認しましょう。
サポート体制
サポート体制が充実しているかどうかも大切です。特に初心者の場合、分からないことがあった時に気軽に問い合わせができる環境が大事です。電話、メール、チャットサポートの有無や対応時間を確認しておくと良いでしょう。例えば、野村證券は24時間体制のサポートを提供しています。
電話サポート
電話でのサポートは即時性があり、問題が起きた際にすぐに解決できる利点があります。長時間待たされることがないか、営業時間内に対応しているかを確認しましょう。
メールサポート
メールでのサポートは時間を問わずに問い合わせが可能ですが、回答に時間がかかることがあります。返信のスピードや質を確認しておくと良いでしょう。
チャットサポート
最近では、チャットでのサポートを提供している証券会社も増えています。リアルタイムでのやり取りが可能なので、利便性が高いです。
キャンペーンや特典
証券会社によっては新規口座開設時や一定期間の取引量に応じてキャッシュバックや手数料の割引といったキャンペーンを実施しています。こうした特典を活用することで取引コストを抑えることができます。例えば、楽天証券では頻繁にキャッシュバックキャンペーンを行っています。
口座開設キャンペーン
新規口座開設キャンペーンに参加することで、キャッシュバックやポイントがもらえることがあります。
取引量に応じた特典
一定の取引量を達成することで手数料が割引されるキャンペーンもあります。デイトレーダーなど、頻繁に取引を行う方にとっては大きなメリットです。
他社からの乗り換え特典
他の証券会社から乗り換える際に特典がある場合もあります。例えば、手数料の無料期間やキャッシュバックを提供している証券会社もあります。
セキュリティ対策
オンライン取引ではセキュリティも重要な要素です。各証券会社のセキュリティ対策についても確認しておきましょう。二段階認証やSSL暗号化など、安全性を確保するための対策が取られているかチェックすることが必要です。
二段階認証
二段階認証はアカウントへの不正アクセスを防止するための重要なセキュリティ機能です。多くの証券会社でこの機能が提供されています。
SSL暗号化
SSL暗号化は通信の暗号化技術で、取引情報や個人情報を安全にやり取りするために使用されます。証券会社のウェブサイトや取引プラットフォームがSSL暗号化されているか確認しましょう。
セキュリティソフトの導入
証券会社が推奨するセキュリティソフトを導入することで、さらに安全性を高めることができます。特に引き継ぎデバイスでの取引においては重要です。
利用者の口コミ・評判
実際に利用した人々の口コミや評判も参考になります。インターネット上のレビューサイトや掲示板で他の投資家の意見を調べてみましょう。例えば、価格.comやYahoo!ファイナンスなどの口コミサイトでユーザーの評価をチェックするのが一般的です。
取引のスムーズさ
注文が迅速に処理されるか、サイトやアプリが頻繁にダウンしないかなど、取引のスムーズさについての口コミを確認しましょう。
サポートの対応
サポートが丁寧で迅速かどうか、問題が発生した際の対応についての評判も重要です。
トラブルの有無
過去に重大なトラブルがあった証券会社は避けるのが無難です。特にセキュリティや約款に関するトラブルは注意が必要です。
まとめ
以上が株のやり方についての基本です。まずは証券会社を選び、自分に合った取引口座を開設することから始めましょう。株の買い方や売り方については、実際に取引を行いながら慣れていくことが大切です。また、株の選び方については、企業の業績や成長性を考慮し、自分の投資スタンスに合った銘柄を選定することが重要です。そして、情報収集を怠らず、市場動向を常にチェックすることが成功への鍵となります。これらのポイントを押さえて、株式投資を楽しみながら利益を追求していきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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