• 作成日 : 2024年5月31日

年収800万円の手取り額は?生活レベルはどれくらい?

年収800万円の人の手取り額は、所得税、住民税社会保険料などを差し引いて、年間で約594万円、月額では49万円程度になると考えられています。また、所得層は全体の約3%と言われています。年収800万円の手取り額を計算するには、年収から差し引かれる主な項目を知る必要があります。

この記事では、年収800万円の人の手取り額の計算方法や税額、その人々の割合やかかる生活費、年収800万円から収入を上げる方法について解説します。

年収800万円の人の手取り額

年収800万円の実際の手取り額はどのくらいになるのでしょうか。手取り額とは、年収から税金や社会保険料などを差し引いた後の金額を指します。年収800万円の手取り額を理解するには、まず年収から差し引かれる税金や社会保険料などの主な項目を知る必要があります。これには以下のようなものが含まれます。

  • 所得税: 所得税は国税で、年収に応じた税率が適用されます。年収800万円の場合、課税所得にかかる最高税率は20%です。日本では超過累進税率が適用されているため、課税所得全体に20%を掛けるわけではありません。
  • 住民税: 住民税は都道府県税と市区町村税の合計です。前年の所得に基づき計算され、課税所得に対して税率10%をかけて計算します。
  • 社会保険料: 社会保険料には、健康保険、介護保険(40歳以上のみ)と厚生年金が含まれます。一般的には給与の約15%が社会保険料として天引きされます。

額面年収から控除される主なものは、所得税、住民税、社会保険料などです。額面年収からこれらの税金や保険料が差し引かれた後の金額が、実際に手元に残る「手取り額」となります。これを考慮に入れると、年収800万円の人の手取り額は、約594万円となります。おおよそ月額49万円程度になると考えられます。

ただし、上記の手取り額はあくまで一例であり、個々の状況により変動します。例えば、扶養家族の有無、住宅ローンの利子控除、生命保険料控除などが手取り額に影響を及ぼします。

年収800万円の人の税額

年収800万円の人が支払う主な税金は、所得税、住民税、そして社会保険料の3つです。これらの税金は、年収によって異なります。ここでは、各税金の算出方法と実際の支払額について確認しておきましょう。

所得税

所得税は、個人の所得に対して課せられる税金で、税額は年間の額面収入から給与所得控除を除いた所得金額からさらに各種所得控除を差し引いた「課税所得」に、課税所得の金額に応じた税率をかけて計算します。

年収800万円の場合、所得税の税率は20%となりますが、超過累進課税の調整をするため、427,500円を控除します。したがって、所得税額は以下のように計算されます(復興特別所得税は無視します)。

所得税額={(総収入額−給与所得控除−所得控除)×税率}−控除額

 

・総収入額:800万円
・給与所得控除:190万円
・所得控除:113万円+48万円=161万円(社会保険料控除および基礎控除のみとします)
・税率:20%
・控除額:427,500円

これらの値を上記の公式に代入すると、所得税額は以下のように計算できます。

所得税額={(800万円−190万円−161万円)×20%}−427,500円=47.05万円

住民税

住民税は地方税の一種で、住んでいる地域の自治体に支払う税金です。都道府県民税と市町村民税の2つがあり、前年の所得を基に計算されます。

住民税の計算方法は、額面年収から給与所得控除所得税、各種所得控除社会保険料などを差し引いた、課税所得に対して10%の税率をかけて計算されます。

一般的に、年収800万円の場合、住民税は45万円程度になると言われています。

社会保険料

社会保険料には健康保険、介護保険(40歳以上のみ)、厚生年金が含まれます。年収800万円の場合、社会保険料は約113.12万円程度になると言われています。

厚生年金保険料

厚生年金保険料は、給与から天引きされ、その額は給与額(標準報酬月額)によります。厚生年金保険料の保険料率は18.3%です。ただし、厚生年金保険料は従業員と勤務先がそれぞれ半分ずつ負担します。

年収800万円の場合、実際に従業員が支払う厚生年金保険料は以下のように計算されます。

厚生年金保険料=年収×厚生年金保険料の保険料率÷2

 

800万円×18.3%÷2=73.2万円

健康保険料、介護保険料(40歳以上のみ)

健康保険料は、給与から天引きされ、その額は給与額(標準報酬月額)によります。健康保険料の保険料率は9.98%(東京都。40歳未満を想定)です。ただし、健康保険料も従業員と勤務先がそれぞれ半分ずつ負担します。

年収800万円の場合、実際に労働者が支払う健康保険料は以下のように計算されます。

健康保険料=年収×健康保険料の保険料率÷2

 

800万円×9.98%÷2=39.92万円

したがって、年収800万円の人が支払う社会保険料の合計は、厚生年金保険料と健康保険料を合計した額、つまり約113.12万円となります。

上記に基づき、年収800万円の人が支払う税金の総額は、所得税47.05万円、住民税45万円、社会保険料113.12万円の合計で、約205.17万円となります。

ただし、これらの計算は一般的な計算方法に基づいており、具体的な税額は個々の状況(扶養家族の有無など)や地方自治体による条例により異なる場合があります。

年収800万円の人の割合

年収800万円の人々が日本全体のどの程度を占めているのか、具体的な割合を見てみましょう。

国税庁の「令和4年分の民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者全体の合計人数5,077万6千人のうち、年収800万円超900万円以下の人は、全体の3.3%を占めています。この範囲に該当する給与所得者100人のうち約3人程度です。

年収800万円の人の生活費

一人暮らしの場合

項目金額(月額)
住居費(家賃)80,000円
光熱費10,000円
通信費10,000円
食費40,000円
その他の生活費60,000円
合計200,000円

住居費(家賃)

一人暮らしの場合、家賃は大きな出費となります。都市部では家賃が高くなる傾向にあります。例えば、東京23区内の一人暮らし向けのアパートの平均家賃は約80,000円と言われています。しかし、郊外や地方都市では、この金額は下がることが多いです。

光熱費

電気、ガス、水道などの光熱費は、季節や生活スタイルにより変動します。エアコンや暖房を多用すると電気代が上がりますし、シャワーの使用時間や料理の頻度によってもガス代や水道代は変わります。一人暮らしの場合、月額10,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。インターネットプロバイダーや携帯電話会社のプランにより、料金は大きく異なります。無制限のデータプランや高速インターネット接続を選ぶと、通信費は上がります。一人暮らしの場合、月額10,000円程度が見込まれます。

食費

食事にかかる費用は、自炊と外食のバランスにより大きく変動します。自炊を主にすると食費は抑えられますが、外食が多いと食費は増えます。また、食材の選び方やスーパーマーケットの選び方によっても食費は変わります。一人暮らしの場合、月額40,000円程度が一般的です。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。これらの費用は、個々のライフスタイルや趣味、仕事の状況により大きく変動します。一般的には月額60,000円程度が見込まれます。

これらを合計すると、一人暮らしの場合の生活費は、月20万円程度になると考えられます。

夫婦世帯の場合

年収800万円の夫婦世帯の場合、生活費はどのくらいになるのでしょうか。主な生活費の項目とその目安について見ていきましょう。

項目金額(月額)
住居費(家賃)120,000円
光熱費22,000円
通信費17,000円
食費80,000円
その他の生活費70,000円
合計309,000円

住居費(家賃)

一人暮らしよりも広い住居を必要とするため、家賃は一般的に高くなります。また、子供がいる場合やペットを飼っている場合などは、さらに広い住居を必要とすることが多いです。これらの要素を考慮すると、夫婦世帯の場合の家賃は、一般的には月120,000円程度となります。都市部では家賃が高くなる傾向があります。

光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道などを含みます。特に、電気代やガス代は、使用量に応じて増減します。また、洗濯の回数が増えると、水道代も増えることがあります。これらの費用は季節や生活スタイルにより変動しますが、夫婦世帯の場合、月額22,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。夫婦二人分の携帯電話料金や、家庭内でのインターネットの利用状況により、通信費は変動します。特に、ビデオ通話や動画視聴などのデータ通信量が多い場合、通信費は増えることがあります。これらの費用はプランによりますが、一般的には月額17,000円程度が見込まれます。

食費

夫婦世帯の場合、食費は増えますが、一緒に食事をすることで、食材のまとめ買いが可能になり、一人当たりの食費を抑えることができます。外食が多いと食費は増えますが、自炊を心掛けると抑えることができます。夫婦世帯の場合、月額80,000円程度が平均的な食費とされています。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。ペットがいる場合や趣味が高額な場合などは、その他の生活費が大きくなることがあります。これらの費用はライフスタイルによりますが、一般的には月額70,000円程度となります。

これらを合計すると、年収800万円の夫婦世帯の場合、月額の生活費は約309,000円となります。

年収800万円の夫婦世帯では、手取り49万円として、月々60,000円の貯金ができれば理想的といえます。そのためには、月々の生活費を43万円に抑えることが必要となってきます。

子連れ(3人家族)の場合

年収800万円の子連れ(3人家族)の場合、生活費の総額はいくらかかるのでしょうか。ここでは、主な生活費の項目とその大まかな目安について解説します。

項目金額(月額)
住居費(家賃)130,000円
光熱費22,000円
通信費17,000円
食費100,000円
教育費60,000円
その他の生活費80,000円
合計409,000円

住居費(家賃)

子連れの家庭では、より広い住居を必要とするため、家賃は一般的に高くなります。都市部では家賃が高くなる傾向にあります。例えば、東京23区内のファミリー向けのアパートの平均家賃は約12万円と言われています。しかし、郊外や地方都市では、この金額は下がることが多いです。また、子供の成長に伴い、さらに広い住居を必要とすることもあります。年収800万円の場合、家賃は月額130,000円程度が適切とされています。

光熱費

光熱費は、電気、ガス、水道などを含みます。これらの費用は季節や生活スタイルにより変動しますが、3人家族の場合、月額22,000円程度が目安となります。

通信費

通信費には、インターネット料金や携帯電話料金が含まれます。家庭内でのインターネットの利用状況や、家族全員の携帯電話料金により、通信費は変動します。特に、ビデオ通話や動画視聴などのデータ通信量が多い場合、通信費は増えることがあります。これらの費用はプランによりますが、一般的には月額17,000円程度が見込まれます。

食費

食事にかかる費用は、自炊と外食のバランスにより大きく変動します。自炊を主にすると食費は抑えられますが、外食が多いと食費は増えます。また、食材の選び方やスーパーマーケットの選び方によっても食費は変わります。子連れの家庭では、子供の食事も考慮に入れる必要があります。子供の成長に伴い、食事の量も増え、それに伴い食費も増えます。3人家族の場合、月額100,000円程度が平均的な食費とされています。

教育費

子供の教育費は、子供の年齢や学校、習い事などにより大きく変動します。幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校と進むにつれて、教育費は増えていきます。また、習い事や塾などの教育関連の費用も含まれます。子供の年齢や教育環境によりますが、一般的には月額60,000円程度が見込まれます。

その他の生活費

その他の生活費には、衣服費、交通費、医療費、娯楽費などが含まれます。これらの費用は、個々のライフスタイルや趣味、仕事の状況により大きく変動します。特に、子供の成長に伴い、衣服費や趣味に関連する費用が増えることがあります。これらの要素を考慮すると、月額80,000円程度が見込まれます。

以上のように、年収800万円の子連れ(3人家族)の場合、月額の生活費は約409,000円となります。これらの費用を考慮に入れ、予算管理を行うことで、安定した生活を送ることが可能です。

年収800万円を狙える業種とは

年収800万円という金額は、全ての職業でこの収入を得ることが可能なわけではありません。では、どのような業種であれば年収800万円を目指すことができるのでしょうか。以下に、具体的な業種とその理由、そして求められるスキルや条件について解説します。

医療・医師

日本では医師の平均年収は非常に高く、特に専門医や開業医になると年収800万円以上を稼ぐことは珍しくありません。ただし、医師になるには長い年月と高度な専門知識が必要です。

IT・情報技術

IT業界、特にシステムエンジニアやプログラマー、ITコンサルタントなどの職種では、高度な技術力や専門スキルが求められるため、高収入が得られる傾向にあります。特に、AIやデータサイエンスなどの最先端技術を扱う職種では、年収800万円を超えるケースも少なくありません。

金融・投資銀行業

金融業界、特に投資銀行やプライベートエクイティファンドなどでは、高額の報酬を得ることが可能です。これらの職種では、高い分析力や市場理解が求められ、成功に応じて大きなボーナスが得られることも特徴です。

法律関連職

弁護士や法務関連の専門職も、高収入が期待できる業種です。法律事務所や企業の法務部門で活躍することで、年収800万円以上を目指すことができます。ただし、これらの職種では高い専門性が求められ、資格取得のための長期間の勉強が必要となります。

経営者・役員

企業の経営者や役員になると、会社の業績に応じて高収入を得ることが可能です。特に、成長が著しい業界や企業でのポジションは、年収800万円以上を実現しやすいですが、その分リスクも大きくなります。

年収800万円を目指すには、上記のような高収入が期待できる業種に進むことが一つの方法です。しかし、どの業種でも共通して言えるのは、高い専門性やスキル、そして業界における需要が高収入を実現する上で重要な要素であるということです。自身のキャリアパスを計画する際には、これらの点を考慮に入れ、長期的な視点でスキルアップや業界研究に励むことが重要です。

年収800万円を目指す方法

年収800万円を目指すには、単に努力や時間を投資するだけでは不十分です。戦略的にキャリアを形成し、スキルを磨き、適切な業種に進む必要があります。以下に、年収800万円を実現するための具体的な方法をいくつか紹介します。

専門スキルの習得

  • 高需要スキルの習得:IT、データ分析、デジタルマーケティングなど、現代のビジネス環境で高い需要があるスキルを身につけることが重要です。これらのスキルは、多くの業種で収入を大幅に増やす可能性があります。
  • 資格の取得:特定の業種においては、資格が高収入に直結します。例えば、公認会計士、税理士、医師、弁護士などの資格は、収入増加のための重要なステップです。

キャリアパスの戦略的計画

  • キャリア目標の設定:明確なキャリア目標を設定し、それに向けて段階的な計画を立てます。どの業界でどのようなポジションを目指すかを決め、そのために必要なスキルや経験を積むことが重要です。
  • メンターシップの活用:業界内の経験豊富なメンターを見つけることで、キャリアアドバイスやネットワーキングの機会を得られます。メンターは、目標達成のための道筋を示してくれる貴重なリソースです。

転職とネットワーキング

  • 転職市場の活用:現在のポジションや業界で成長の見込みが限られている場合、転職を検討することが一つの手段です。年収800万円以上を提供する職種や業界への転職を目指しましょう。
  • ネットワーキング:業界イベントやセミナーへの参加、オンラインコミュニティへの参加を通じて、業界内の人脈を広げることが重要です。適切なタイミングでの転職機会やプロジェクトへの参加機会が見つかるかもしれません。

自己投資

  • 継続的な学習:業界の最新トレンドや技術を常に学び続けることで、市場価値を高めることができます。オンラインコースやワークショップ、セミナーへの参加は、知識とスキルの更新に役立ちます。
  • 個人ブランディング:SNSやブログを通じて専門知識を共有し、業界内での認知度を高めることも有効です。個人ブランディングは、キャリアの機会を広げるための強力なツールになり得ます。

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