• 更新日 : 2024年2月9日

マイル修行とは?上級会員になれる基準や効率的な修行方法を紹介

マイル修行とは、マイルを集める目的で積極的に飛行機を利用することです。マイル修行のゴールは航空会社の上級会員になることで、航空会社の上級会員になるには搭乗回数やポイント数の獲得など、ある一定の厳しい条件をクリアする必要があります。今回は、ANAやJALの上級会員になるメリットやおすすめのマイル修行方法を紹介します。

マイル修行とは

マイル修行とは、航空会社のJALやANAが導入しているマイレージプログラムにおいて、上級会員を目指して頻繁に飛行機に乗る行為です。航空会社の上級会員になれば、搭乗座席のアップグレードや優先チェックインなど特別なサービスが受けられます。

上級会員になるには、必要な搭乗回数とマイルを積み重ねる一定の労力が求められます。そこに至るまでの過程が経済的、体力的にも負担を伴うとの理由から、修行僧にたとえて「マイル修行」と呼ばれるようになりました。

マイル修行とSFC修行の違い

マイル修行と近い言葉に「SFC修行」があります。どちらも「条件を満たすために何度も飛行機に乗る行為」を指しますが、目的がやや異なります。

SFC修行の目的は、ANAの上級カード「スーパーフライヤーズカード(SFC)」の獲得です。スーパーフライヤーズカードは、ANAの上級会員になった人だけが申請できます。そのため、マイラーにとっては憧れのカードといえます。

スーパーフライヤーズカードのメリットは、一度カードを取得すればANAの上級会員と同等の特典を半永久的に維持できる点です。ANAの上級会員ステータスは毎年リセットされるため、マイル修行後にスーパーフライヤーズカードへの切り替えを目指す人も多いです。

マイル修行に対する航空会社の見解

飛行機に乗り続けるマイル修行という旅のあり方が、航空会社にとってマナー違反になるのではないかと心配する人もいるようですが、そのようなことはありません。多くの航空会社は、マイル修行自体を肯定的に捉えているようです。

例えば、JALグループのJALPAKが以前販売していた「跳び飛びの旅」は飛行機に乗り続ける人をターゲットに企画され、奄美行きの便を維持する基幹商品となっていました。

また、現在販売されている「JALダイナミックパッケージ」でも周遊旅行の予約も可能なため、乗り継ぎマイルを効率よくためることができます。

上級会員になる基準

上級会員になるには、まずマイレージプログラムへ入会しましょう。航空会社の会員ランクは、マイルとは別に搭乗で加算される特別なポイントによって決まります。ここでは、ANAとJALの上級会員になる基準を探ります。

ANAの上級会員になる基準

ANAの特別ポイントは「プレミアムポイント」と呼ばれます。ANAの上級会員に必要な年間の獲得ポイントは次の通りです。

会員ランク必要な年間プレミアムポイント
ダイヤモンド10万ポイント(うちANAグループ搭乗分:5万ポイント以上)
プラチナ5万ポイント(2万5,000ポイント以上)
ブロンズ3万ポイント(1万5,000ポイント以上)

ANA会員は、ブロンズ、ダイヤモンド、プラチナの順でステータスが高くなっていきます。各ランクへの昇格には、規定のポイント数が必要です。

プラチナ会員以上になると、スーパーフライヤーズカードへの入会が可能です。そのためマイル修行者の間では、ANAの上級会員になった後、スーパーフライヤーズカードへの切り替えるのが一般的です。

JALの上級会員になる基準

JALでは特別ポイントを「FLY ON ポイント(FOP)」と呼んでいます。JALの上級会員に必要なFLY ON ポイントは、次の通りです。各ランクとも、2つある条件のいずれかを満たす必要があります。

会員ランク必要な年間FLY ON ポイント
ダイヤモンド
  • 10万ポイント以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:5万ポイント以上)
  • 120回以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:60回)と3万5,000ポイント以上の搭乗
プレミア
  • 8万ポイント以上の搭乗(うちJALグループ分:4万ポイント以上)
  • 80回以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:40回)と2万5,000ポイント以上の搭乗
サファイア
  • 5万ポイント以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:2万5000ポイント以上)
  • 50回以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:25回)と1万5,000ポイント以上の搭乗
クリスタル
  • 3万ポイント以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:1万5,000ポイント以上)
  • 30回以上の搭乗(うちJALグループ搭乗分:15回)と1万ポイント以上の搭乗

4つの会員ランクに分かれており、表内上部のダイヤモンド会員が最も上位のステータスです。JALの会員ランクは、FLY ON ポイント数に加えて搭乗回数や搭乗ポイントが重視されます。

なお、どちらの航空会社も上級会員になった後、毎年特定の基準を満たす必要があります。基準を満たさない場合、会員ステータスは失効しますので注意してください。

上級会員の具体的な特典は?

航空会社はステータスカードを保有する上級会員に対して特別な特典を用意しています。ANAとJALを例に見ていきましょう。

ANAの上級会員特典

ANAの上級カード「スーパーフライヤーズカード(SFC)」は、プラチナランク達成後、入会できます。スーパーフライヤーズカードの主な特典は次の通りです。

ANAラウンジの無料利用

通常はANAの上級会員や高級座席クラスの乗客しか入れないANAラウンジに、座席ステータスに関係なく無料で利用できます。国内線・国際線ともに無料です。また、同伴者1名までは無料で利用が可能です。

優先チェックインカウンターへの案内

国内線ANAグループの飛行機搭乗の際、優先チェックインカウンターが利用できます。座席ステータスやプレミアム会員資格のランクには関係しません。国際線はビジネスクラス用のカウンターを利用できます。

専用保安検査場の利用

国内線のANA便に搭乗する際、一部の主要空港に設けられている「ANA PREMIUM CHECK-IN」エリア内の専用保安検査場を利用できます。ただし、専用の保安検査場が設置されている空港のみの適用です。

JAL上級会員の特典

JALの上級カード「JALグローバルクラブカード(JGC)」は、JALのサファイアランク以上で申請できます。JALグローバルクラブカードの特典は、次の通りです。

初回搭乗時に毎年ボーナスマイルのプレゼント

毎年最初にJALのグループ便に乗る際、JALマイレージバンク(JMB)のマイル積算対象運賃で搭乗すると、3,000マイルがもらえます。

受託手荷物の超過分が無料

当日、JALグローバルクラブカードを提示するだけで、国内線は1個あたりプラス20kg、国際線は通常プラス1個(32kgまで)、ワンワールド加盟便は通常プラス1個またはプラス20kgが無料です。

優先チェックインサービス

国際線・国内線ともに専用カウンターでチェックイン可能です。

効率的にマイル修行を行うコツ

効率的にマイル修行を行うためには、次のようなコツがあります。

  • 入会する航空会社グループを1つ決める
  • SFC、JGC修行をする

それぞれ説明していきます。

入会する航空会社グループを1つ決める

上級会員に最短で到達したい場合、入会する航空会社のグループによって効率的にマイル修行ができます。世界には3つの大きな航空会社組織があり、ANAとJALもそれぞれ加盟しています。

  • スターアライアンス:ANAやアシアナ航空など26社
  • ワンワールド:JAL・キャセイパシフィックなど15社
  • スカイチーム:デルタ航空・チャイナエアラインなど19社

同じグループ内では「マイレージプログラムの共有」や「空港ラウンジサービスの共有」が行われているので、自分がよく使う航空会社から1つ決めておくと安心です。コストや条件を比較し、メリットがある航空会社グループを選びましょう。

SFC、JGC修行をする

SFC修行、JGC修行して、マイレージプログラムのステータスと同等の会員プログラムを得るのがおすすめです。SFCはANAの「スーパーフライヤーズカード」、JGCはJALの「JALグローバルクラブ」の略です。

通常マイレージプログラムのステータスは毎年リセットされますが、ANAのSFCとJALのJGCの会員資格は半永久的に保持されます。

ANAの「スーパーフライヤーズカード(SFC)」への入会はプラチナランク以上、JAL「JALグローバルクラブ(JGC)」への入会はサファイアランク以上が必要です。

それらの会員資格を得るには、多くのフライトに搭乗する「修行」をすることが1つの方法です。また、マイル修行ではなく、普段の生活の中でマイルが貯まるクレジットカードを使うなど、別の手段で同等のステータスを得る方法も検討してみてください。

上級会員になりやすい航空会社は?

ANAとJALではどちらが上級会員になりやすいのでしょうか。

例えば、フライトマイルの貯め方を比較すると、どちらも「フライト区間のマイレージ×予約クラスごとの積算率」で計算されています。

また、ANAが所属するスターアライアンスグループに加盟している航空会社に搭乗した際にもマイルが加算されます。同じように、JALが所属するワンワールドに加盟する航空会社に搭乗してもマイルが加算される点も共通しています。つまり、ANAとJALの上級会員になる難易度はとくに大きくは変わらないといえるでしょう。

ANAがおすすめの方

ANAのマイレージクラブがおすすめの人は、次の通りです。

  • ANAの専用ラウンジを利用したい方
  • スターアライアンス(ANA)の航空会社を主に使う方

ANAの専用ラウンジは、飲み物やアルコール類を無料で楽しめます。また、アジア・ヨーロッパ方面が多いスターアライアンス(ANA)の航空会社を主に使う方も、ANAのマイレージクラブが適しています。

JALがおすすめの方

JALのマイレージバンクがおすすめの人は、次の通りです。

  • JALラウンジを利用したい方
  • ワンワールド(JAL)に加盟している提携会社を利用する方

那覇空港や羽田空港などで、JALラウンジ「ダイヤモンド・プレミア ラウンジ」または「サクララウンジ」の利用ができます。アジアやヨーロッパ方面の便も多いワンワールド(JAL)に加盟している提携会社を利用する方にも向いています。

マイル修行で半永久的な上位会員の特典が得られる

マイル修行は、マイルを貯めるために短期的に集中して飛行機に何度も乗る行為です。マイル修行のゴールは、マイレージ会員の資格ランクを上げることです。マイル修行後は、SFCやJGCなどの上位カードを得ると、国内線の優先予約や受託手荷物の超過分無料など半永久的に豪華な特典が維持できます。

ANAもJALも上級会員になりやすい難易度は同等です。好きな航空会社のグループや専用ラウンジの体制などで、どちらのマイル修行を行うか決めるのも1つの方法です。

システムを上手に活用し、快適な旅を楽しみましょう。


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