ナンバーレスカードのメリットとデメリットは?選び方も紹介
近年、セキュリティに強いカード決済として、番号なしのナンバーレスカードが注目を集めています。しかし、「ナンバーレスカードって不便では?」「ナンバーレスカードはアプリの操作がめんどうなのでは?」など、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ナンバーレスカードのメリットやデメリットを詳しく解説します。
ナンバーレスカードとは?
ナンバーレスカードとは、クレジットカードやデビット、プリペイドカードの中でも、券面にはカード番号や有効期限などの情報が記載されていないものを指します。
クレジットカード番号はどこにある?
クレジットカード番号や有効期限などの情報は、専用アプリや会員ウェブサイトで確認できます。例えば、三井住友ナンバーレスカードの場合、スマートフォンのVpassアプリ、または会員ウェブサイト「Vpass」で、クレジットカード番号やポイント残高を確認できます。
ナンバーレスカードの中には、他のカードと同様にスマホ決済やタッチ決済の機能が使える場合もあります。
ナンバーレスカードが誕生した背景
ナンバーレスカードが誕生した大きな理由は、セキュリティ上の課題を解決するためです。
従来型のカードは、表面にカード番号や国際ブランドなどが表示され、見た目ですぐに「決済用のカード」とわかりやすい仕様でした。
不正使用防止のため、ICチップ入りのカードを作るなどセキュリティ強化が進められてきましたが、クレジットカードの不正利用被害額は増え続け、2023年には436億円を突破しています。
これらの理由で、業界のセキュリティ対策が急務と位置付けられ、2020年に日本で最初のナンバーレスカードが発行されたのです。
ナンバーレスカードのメリット
持っているカードをナンバーレスカードにすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
他人にカード番号を見られない
店頭でカードを利用する際、他人にカード番号を見られるリスクがないのが最大のメリットです。
ナンバーレスカードの本体には、カード番号などの情報が印字されていないため、安心して利用できます。
カード情報を盗まれるリスクが低い
通常のクレジットカードよりも、カード情報を盗まれるリスクが低い点もメリットです。
ナンバーレスカードは、カード情報が印字されていないため、読み取られるリスクが低く、より安全に使えます。
カードを持ち歩かなくても決済できる
ナンバーレスカードの利点の1つは、カード本体を持ち歩く必要がない点です。
ナンバーレスカードは、通常スマートフォンと連携して使うため、専用アプリでも決済できます。財布を自宅に忘れても、スマートフォンがあれば支払可能なものも多いです。
スピード審査を即日で利用できる
オンラインでカードを申し込むと、短時間でカード番号が発行されるのも大きな魅力です。審査後、最短10秒で使えるナンバーレスカードも登場し、さらに利便性が高まっています。
なお、プラスチックのカード本体は、約1週間程度で手元に届きます。
デザインがスタイリッシュ
ほとんどのナンバーレスカードは、スタイリッシュなデザインが採用されています。
カードの両面に番号や有効期限の印字がなく、洗練された印象があります。普段使うアイテムとして、カードのデザインにこだわる方には1つの選択肢になるといえるでしょう。
ナンバーレスカードを使う際の注意点
メリットが多いナンバーレスカードですが、一方で「アプリ操作が不便そう」といった声も聞かれます。
ナンバーレスカードを利用するうえで、知っておくべき注意点を5つ紹介します。
カード情報の確認に手間がかかる
オンライン決済をよく利用する方にとっては、カード番号やセキュリティコードを確認するのにアプリを開く手間がめんどうだと感じる方がいるかもしれません。
実際にアプリを開けば、コピー&ペーストで簡単に完了します。アプリ操作がめんどうだと思う方は、裏側にカード情報が表示されている「片面ナンバーレスカード」を検討してください。
アプリと連携しカードを管理する必要がある
アプリ操作に慣れていない方にとって、カード情報をアプリで管理するのは大きな負担です。
専用アプリには、クレジット番号やポイント残高などカードに必要な情報が集約されています。ナンバーレスカードを使いたい方は、アプリ操作に慣れる必要があります。
スマホのセキュリティを強化する必要がある
専用アプリからカード番号などの情報を確認できるため、スマートフォン自体のセキュリティ強化も必要です。
しかし、スマートフォン自体のセキュリティやネット銀行のログイン認証は複雑で、そこから第三者が直接カード番号を盗む可能性は低いと考えられます。
セキュリティが心配な方は、専用のセキュリティソフトをインストールしておくと安心です。
カードの種類が限られる
気に入ったカードがあっても、ナンバーレスカードに対応していない場合があります。
そのため、セキュリティ対策よりもカード独自の特典や割引サービスを目的に作る場合は、ナンバーレスカードにこだわらず、通常のクレジットカードも視野に入れておくといいかもしれません。
海外で使えない場合も
カードに署名がないナンバーレスカードは、海外で使えないケースがあります。
例えば、海外ホテルやレンタカーを利用する際、「カードの裏面を提示してください」と確認されることはよくあります。海外で使う可能性がある方は、片面ナンバーレスカードがおすすめです。
おすすめのナンバーレスカード
ここでは、おすすめのナンバーレスカードを5枚紹介します。
三井住友カード(NL)
三井住友カード(NL)は、日常生活安心プランやスマホ安心プランなど、7種類の付帯保険からお好きな保険を選べます。安全性を保ちつつ、ポイントを貯められるカードの1つです。
年会費 | 永年無料 |
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ポイント還元 | 0.5% |
国際ブランド | Visa、Mastercard |
付帯保険・補償 | 海外旅行傷害保険、選択型の付帯保険 |
セゾンカード デジタル
セゾンカード デジタルは、カードが不正利用された際、損害分を補償する不正利用補償(オンライン・プロテクション)が付帯しています。補償があることで、ネットショピングを安心して利用できます。
JCBカードW
JCBカードWは、即日5分で発行可能なナンバーレスカードです。新規申し込みの際、カードの裏面にカード情報を記載するかどうかを選べます。タッチ決済も使え、支払いもスムーズにできます。
年会費 | 永年無料 |
---|---|
ポイント還元 | 1% |
国際ブランド | JCB |
付帯保険・補償 | 海外旅行傷害保険 |
PayPayカード
PayPayカードは、専用アプリやサイトからカード情報を確認できるナンバーレスカードです。カードを使うと利用情報が届くので、身に覚えのない利用料金にすぐ気づけます。
年会費 | 永年無料 |
---|---|
ポイント還元 | 1% |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB |
付帯保険・補償 | - |
楽天カード
ナンバーレスカードの中でも、シンプルから可愛いまで選べるデザインの豊富さが魅力です。24時間体制の不正検知システムを備え、未然に損害を防止してくれます。
年会費 | 永年無料 |
---|---|
ポイント還元 | 1% |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB、American Express |
付帯保険・補償 | カード盗難保険、海外旅行保険 |
ナンバーレスカードの選び方
自分に合ったナンバーレスカードを選ぶには、次の3つのポイントを比較しましょう。
セキュリティ対策
セキュリティが強いとはいっても、カード情報が流出する可能性もあります。万が一のことも考え、不正検知システムやモニタリング体制があるカード会社を選ぶといいでしょう。
年会費
年会費がかかるナンバーレスカードもあります。コストをかけずにカードを使いたい方は、年会費が無料、または一定の条件付きで年会費が無料になるタイプを選んでください。
ショッピング補償
ナンバーレスカードを選ぶ際、ショッピング補償の有無を確認しておくことは重要です。またカードが不正利用された場合、いくらまで補償されるのかを事前に知っておくと、問題が発生した場合も落ち着いて対処できます。
安全重視の人はナンバーレスカードがおすすめ
通常のカードと比較し、ナンバーレスカードはセキュリティの高さが大きな特徴です。クレジットカードを使う場面が増える一方で、不正利用による被害は年々増加しています。ナンバーレスカードを上手に使えば、普段からリスクを押さえつつ買い物ができます。
ナンバーレスカードは、カード情報の入力の手間がかかるとの意見もありますが、実際にはアプリを開くだけで、コピー&ペーストですぐに完了します。
それでも不正利用のお知らせが届いた場合は、すぐにカード会社に連絡しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。