- 更新日 : 2023年12月8日
クリプトとは?暗号資産(仮想通貨)を初心者向けにわかりやすく解説
暗号資産取引を始めようと考えている方は、クリプトについて知りたいのではないでしょうか。クリプトとは暗号を意味する言葉で、一般的には暗号資産を指して使われます。
本記事では、暗号資産の特徴や、メリット・デメリットを解説していきます。取引所を利用する流れや、代表的な銘柄も解説しているため、暗号資産取引に興味のある方は参考にしてください。
目次
クリプト(Crypto)とは
クリプト(Crypto)とは、暗号を意味する言葉です。単独で使用されることもありますが、多くの場合は「クリプトアセット(Crypto Asset)」や「クリプトカレンシー(Crypto Currency)」として使用されます。
アセットには「資産」という意味があり、カレンシーには「通貨」という意味がありますが、クリプトと合わせて使用される場合は「暗号資産」を意味する場合がほとんどです。
暗号資産(Crypto Asset)とは
暗号資産(Crypto Asset)とは、ブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨の総称です。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあり、政府や中央銀行などの発行管理者が存在しない特徴があります。
暗号資産は法定通貨ではないことから、資産価値の裏づけはありません。多くの暗号資産は、日々価値が変動していますが、これらの要因はユーザー同士の需給などによるものがほとんどとされています。
資金決済に関する法律では、以下の性質を持つものを「暗号資産」と定義しています。
- 不特定の者に対して、代金の支払いなどに使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドルなど)と相互に交換できる
- 電子的に記録され、移転できる
- 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない
暗号資産と仮想通貨の違い
暗号通貨と仮想通貨に違いはありません。2020年4月までは「仮想通貨」と呼んでいましたが、金融庁の発表を受けて、暗号資産と呼ぶことにしたのです。通貨というと、日本円のような法定通貨を連想することから、混乱を避ける目的で「暗号資産」へ呼び方を変更したようです。現在は世界的に「暗号資産(Crypto Currency)」で統一されており、G20などの国際会議でも暗号資産が用いられています。
暗号資産の特徴
暗号資産の特徴は以下の通りです。
- 発行管理者がいない
- 暗号資産ごとに発行上限が定められている
- ブロックチェーンで管理されている
発行管理者がいない
法定通貨などの多くの通貨は、発行元である政府や中央銀行が発行数などの通貨量を管理しています。しかし暗号資産では、政府や中央銀行のような発行管理者はいません。暗号資産は、法定通貨のように価値が保証されていないにもかかわらず、利用者の需給関係などの要因に応じて価値が決まっています。
暗号資産ごとに発行上限が定められている
法定通貨の場合は、発行数に上限が定められておらず、中央銀行の政策や国の経済状況に応じて、通貨の発行量が調整されます。一方、暗号資産では発行時に上限を定めて、銘柄の希少性を保っているのです。
ビットコインの場合は2,100万枚、バイナンスコインの場合は2億枚といったように、銘柄ごとに発行上限が定められています。ただしイーサリアムのような一部の銘柄では、発行上限を定めていません。
ブロックチェーンで管理されている
ブロックチェーンとは、取引履歴を1本の鎖のようにつなげることで、正確な取引の記録を正確に維持しようとする仕組みのことです。作成されたブロックチェーンは、多数の参加者により共有・管理(監視)されているため、データの破壊や改ざんがほとんど不可能といわれています。
暗号資産は、ブロックチェーンで管理されているため、強度なセキュリティで守られているのです。過去には暗号資産の流出事件があったため、セキュリティに不安を感じている方もいるでしょう。しかしハッキングされた対象は、暗号資産取引所でした。個人の暗号資産がハッキングされたわけではないため、安心して利用してください。
暗号資産のメリット
暗号資産のメリットは以下の通りです。
- 海外送金のコストが安い
- 個人間で送金が完結する
- 24時間365日取引が行える
海外送金のコストが安い
日本から海外に法定通貨を送金する場合は、1件につき3,000〜7,000円程度の手数料がかかります。また資金が届くまでに4~7日程度の時間を要します。しかし暗号資産を海外へ送金する場合は、無料または安い手数料で済むほか、数分程度で送金が完了します。
個人間で送金が完結する
海外送金のコストが安い理由は、個人間で送金が完結するからです。法定通貨などを送金する場合は、銀行や企業が携わるため、安い手数料では赤字になってしまいます。個人間で送金が完結する暗号資産は、金融業界のこれまでの常識を一変させたのです。
24時間365日取引が行える
時間を気にせず取引が行える点も暗号資産の魅力の一つでしょう。株式などの有価証券を購入する場合は、原則として平日の日中に取引を行う必要があるため、投資に興味があっても取引を始められない方もいます。
暗号資産であれば、24時間365日取引が行えるため、仕事の始業前や終業後といった時間でも銘柄のチャートを確認しながら取引が進められます。
暗号資産のリスクやデメリット
暗号資産のリスクやデメリットは次の3つです。
- 価格変動が大きいため決済手段には不向き
- 被害に遭った場合でも補償が受けられない
- 厳重なセキュリティ対策が必要になる
価格変動が大きいため決済手段には不向き
現状では、暗号資産は投機目的に保有されている場合がほとんどです。決済手段として利用したいと考えている場合でも、数秒単位で価格が変動してしまいます。ただし、リップルやイーサリアムなどの暗号資産は、送金やNFT((Non-Fungible Token:非代替性トークン)の決済に利用される場面があります。生活での決済は難しいかもしれませんが、特定の目的で使用する場合は普及していくことが予想されます。
被害に遭った場合でも補償が受けられない
銀行預金や証券口座への預託金などでは、ハッキングなどの被害を受けた場合でも、原則としてそれぞれの保護制度により補償が受けられます。しかし暗号資産については、政府や中央銀行などの発行管理者がいないため、被害に遭った場合でも補償が受けられません。
ただし、取引所が原因で資金が流出したような場合は、補償を行うケースもあります。2018年1月には、コインチェックのNEM流出事件が起こりましたが、NEM保有者に対して同社から補償を行っています。
厳重なセキュリティ対策が必要になる
暗号資産は原則として、パソコンやスマートフォンにインストールした「ウォレット」で管理します。ウォレットには、暗号資産の保管場所に応じてさまざまな種類があります。インターネットでいつでもアクセスできる「オンラインウォレット」や、パソコンまたはスマートフォンにインストールする「ソフトウェアウォレット」など、アクセスしたい端末に応じて選ぶと良いでしょう。
ただし、これらのウォレットを管理する場合は、厳重なセキュリティ対策が必要となります。仮想通貨ウォレットの復元に必要なリカバリーフレーズが流出してしまうと誰でもウォレットにアクセスできるようになるため、暗号資産が盗まれてしまいます。
暗号資産の取引方法
暗号資産の取引は、以下の流れで行います。
- 暗号資産取引所で口座を開設する
- 必要書類提出などの手続きを進める
- 暗号資産取引所の口座へ入金する
- 購入する暗号資産の銘柄を選ぶ
- 販売所または取引所で注文する
1.暗号資産取引所で口座を開設する
まずは暗号資産取引所で口座を開設しましょう。公式サイトなどから口座開設の申込みを行うと、メールアドレスやパスワードの登録画面へと進みます。登録したアドレス宛に届いたメールを開くとURLが記載されているため、クリックして本人確認情報の入力を進めましょう。
2.必要書類提出などの手続きを進める
重要事項の確認や電話番号認証、必要事項の入力が完了すると、本人確認書類の提出画面へと進みます。できるだけ早く口座を開設したい場合は、スマートフォンアプリを利用するとよいでしょう。スマートフォンのカメラで運転免許証などの写真を撮影して、自身の顔を認証することにより、最短1時間程度で口座開設が完了するからです。審査が完了すると「口座開設完了のお知らせ」というメールが届きます。
公式サイトなどから申込みを行う場合は、画像をアップロードした後にハガキを受け取ることになるため、口座開設までに1〜2日程度の時間がかかります。
3.暗号資産取引所の口座へ入金する
暗号資産を購入するためには、日本円を事前に入金しておく必要があります。
主な入金方法には、以下のようなものがあります。
- 銀行振込による入金
- インターネットからのクイック入金
- コンビニ店頭での入金
おすすめの入金方法は「クイック入金」によるものです。クイック入金では、ペイジー決済による入金が可能なため、インターネットバンキングやATMから日本円が入金できます。ただし利用する暗号資産取引所によっては、入金手数料がかかる場合もあります。手数料をできるだけ抑えたい場合は、手数料が無料になる方法で入金すると良いでしょう。
4.購入する暗号資産の銘柄を選ぶ
資金の入金が完了したら、購入する暗号資産の銘柄を選びます。どのような銘柄を選べばよいかわからない場合は、ビットコインから購入すると良いでしょう。なぜなら、ビットコインは時価総額が最も高い銘柄で、決済や送金の手段として世界中で利用されているからです。
ビットコイン以外にも購入できる銘柄は多くありますが、値動きが激しいことから、取引初心者にはあまりおすすめできません。まずは少額でビットコインを購入して、取引を実践してみてはいかがでしょうか。
5.販売所または取引所で注文する
暗号資産は、販売所または取引所で注文して購入します。販売所で購入する場合はコインチェックなどの業者から購入することになり、取引所で購入する場合は個人間で取引することになります。
販売所は手数料が高めに設定されているため、基本的には取引所で注文すると良いでしょう。ただし一部の銘柄は、取引所では売買が成立しないことがあります。
代表的な暗号資産銘柄
代表的な暗号資産銘柄には、以下のようなものがあります。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- バイナンスコイン(BNB)
- ソラナ(SOL)
ビットコイン(BTC)
ビットコイン(BTC)は、ブロックチェーン技術を活用した世界初の暗号資産です。2008年に「サトシ・ナカモト」と名乗る人物が、論文としてビットコインの構想を発表しました。
ブロックチェーン技術の根幹をなす「P2P(Peer to Peer)方式」で利用できる通貨として、2009年にリリースされ、2010年には取引所で購入できるようになっています。2023年11月30日時点、ビットコインは世界で最も取引に利用されており、時価総額は約73兆円です。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)とは、スマートコントラスト機能を備えた分散型プラットフォームのことです。暗号資産として使われているのは、厳密には「Ether(イーサ)」です。ただし暗号資産取引所では「イーサリアム」として取引されています。
近年では、イーサリアムの技術を活用したNFTが注目されており、プレイするだけで稼げるNFTゲームも登場しています。
リップル(XRP)
リップル(XRP)は、アメリカのソフトウェア会社である「リップル社」が開発した暗号資産です。国際送金における課題の解決を目的に作られており、迅速かつ、低コストの送金に定評があります。またリップルは、世界中の金融機関と提携していることから、国際的な送金手段として主流になることが予想されます。
バイナンスコイン(BNB)
バイナンスコイン(BNB)とは、暗号資産取引所のBINACE(バイナンス)が発行している暗号資産です。バイナンスコインは通貨としての利用に加え、BINACEのプラットフォーム内でも使用可能で、暗号資産取引に利用すると手数料が安くなります。
バイナンスコインは、すでに発行上限数(2億枚)のすべてを発行しています。しかし今後は通貨の価値を保つために、発行量を1億枚まで減少させるとしています。バイナンスコインは定期的に一定数が焼却(バーン)されており、現在では5,000万枚以上が焼却されています。
ソラナ(SOL)
ソラナ(SOL)とは、DApps(分散型アプリ)が開発できるブロックチェーン・プラットフォームのことです。イーサリアムよりも高い処理能力を備えており、ガス代といわれる取引手数料も安めに設定されていることから、イーサリアムキラーといわれています。
ソラナは2020年3月のリリースにもかかわらず、現在の時価総額が7位になっています。最近では「OpenSea」や「STEPN」などのNFT領域でも使用されていることから、将来性が期待できる暗号資産といえるでしょう。
代表的な暗号資産の取引所
代表的な暗号資産の取引所には、以下のようなものがあります。
- Coincheck(コインチェック)
- DMMビットコイン
- GMOコイン
Coincheck(コインチェック)
Coincheck(コインチェック)の特徴は以下の通りです。
- 初心者が使いやすいように設計されている
- カスタマーサポートで最高評価を得ている
- ほとんどの取引がアプリで完結する
これから暗号資産取引を始める方は、Coincheck(コインチェック)を利用するとよいでしょう。コインチェックは「日本で一番簡単にビットコインを買える取引所」を掲げており、チャート画面や取引画面が初心者でも見やすいデザインになっているからです。
また2022年10月には、カスタマーサポート対応「問合わせ窓口格付け(メール窓口)」において、HDI-Japanより最高評価の三つ星を獲得しています。初心者が問い合わせた場合でも明確な答えが得られるほか、次の行動につながる補足情報の提供も受けられるようです。取扱通貨数も国内最大級であることから、取引所選びで迷った場合は、コインチェックでの口座開設をおすすめします。
Coincheck(コインチェック)の概要は以下の通りです。
運営会社 | コインチェック株式会社 |
---|---|
取扱通貨数 | 27銘柄(現物取引のみ) ※2023年10月時点 |
レバレッジ | – |
販売所における手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料(銀行振込の場合) ※コンビニ入金やクイック入金は有料 |
出金手数料 | 407円 |
最低取引数量 (ビットコインの場合) | 現物取引(販売所): 0.001 BTC相当額または500円相当額 現物取引(取引所):0.005 BTC以上かつ500円(相当額)以上 |
公式サイト | https://coincheck.com/ja/ |
DMM Bitcoin
DMM Bitcoinの特徴は以下の通りです。
- レバレッジ取引に対応している銘柄が豊富
- あらゆるリスクを想定したセキュリティ対策が魅力
- アプリの取引スタイルが変更できる
レバレッジ取引に興味のある方は、DMM Bitcoinを利用すると良いでしょう。DMM Bitcoinでは、自分が預けた資金(証拠金)の最大2倍の取引が可能で、31銘柄もの通貨で取引が行えるからです。レバレッジ取引は利益も損失も通常の2倍になることから、初めて暗号資産取引を行う方にはおすすめできません。しかし複数の方法で取引が行える点は魅力といえるでしょう。
また、使いやすいアプリに魅力を感じる方にもおすすめできます。DMM Bitcoinのスマートフォン版取引システムアプリは、取引スタイルに応じて2つのモードが切り替えられるからです。現物取引ではシンプルな画面、レバレッジ取引では詳細な分析が行える画面が表示されることから、利用者が使いやすいように設計されていることがわかります。
DMM Bitcoinの概要は以下の通りです。
運営会社 | 株式会社 DMM Bitcoin |
---|---|
取扱通貨数 | 現物取引:23銘柄 レバレッジ取引:31銘柄(※2023年11月30日時点) |
レバレッジ | ○ |
販売所における手数料 | 無料 ※BitMatch取引手数料は有料 |
入金手数料 | 無料 ※マイナーへの手数料は有料 |
出金手数料 | 無料 |
最低取引数量 (ビットコインの場合) | 現物取引(販売所):0.0001 BTC 現物取引(BitMatch注文):0.001 BTC レバレッジ取引(販売所):0.001 BTC レバレッジ取引(BitMatch注文):0.01 BTC |
公式サイト | https://bitcoin.dmm.com/ |
GMOコイン
GMOコインの特徴は以下の通りです。
- 画面が見やすいように設計されている
- 最短10分で口座開設が完了する
- 高機能なツールが利用できる
すぐに暗号資産取引を始めたい方は、GMOコインで口座を開設するとよいでしょう。GMOコインでは、口座開設の申込みから最短10分で取引が始められるからです。スマートフォン限定サービス「かんたん本人確認」を利用することにより、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類がスムーズに提出できるため、郵便物の受け取りが不要になります。
GMOコインの概要は以下の通りです。
運営会社 | GMOコイン株式会社 |
---|---|
取扱通貨数 | 現物取引:26銘柄 レバレッジ取引:8銘柄 |
レバレッジ | ○ |
販売所における手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
最低取引数量 (ビットコインの場合) | 0.00001 BTC |
公式サイト | https://coin.z.com/jp/ |
まずはビットコインで暗号資産取引を始めよう
本記事では暗号資産の特徴や、代表的な銘柄を解説してきました。暗号資産は個人間で24時間365日送金が行えるほか、金融機関を介して取引する場合と比較して、海外送金のコストを安く抑えられます。
これから暗号資産取引を始める場合は、まずビットコインを購入してみると良いでしょう。値動きが激しいため、まとまった資金での購入はおすすめしませんが、少額であれば暗号資産の特徴が理解しやすいでしょう。取引に慣れてきたタイミングで、イーサリアムやソラナなどの銘柄も購入してみるとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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