不動産投資の利回りとは?相場や計算式、リスクを解説

この記事では、不動産投資における利回りの種類やその計算式、相場の他、不動産投資のリスクについても初心者にもわかりやすく解説していきます。また不動産投資を成功させるために、やってはいけないことを5つ紹介しています。

不動産投資の利回りの種類

不動産投資における「利回り」とは、投資した不動産から得られる収益のことを指します。この収益率を理解することは、不動産投資の成功にとって重要です。ここでは、不動産投資で使われる利回りの種類を初心者の方にもわかりやすく説明します。

表面利回り

表面利回りは、不動産投資の基本的な利回りの指標です。これは、年間の賃貸収入を物件価格で割って算出します。簡単に言うと、不動産を購入した場合、その物件からどれだけの収益が見込めるかを示しています。

表面利回りのメリットは、物件選びの初期段階で比較的簡単に物件の収益性を確認できる点です。つまり、表面利回りが高い物件は、少ない投資で物件価格に対して高い収益性を見込める可能性が見込まれているのです。

ただし、表面利回りが高いからといってその物件が必ずしも良い投資とは限らないため、他の要因も合わせて検討する必要があるでしょう。

実質利回り

実質利回りは、物件の運営にかかる費用を考慮に入れたうえで、実際に手にすることができる収益の割合のことです。これには管理費、修繕費、空室リスクなど、物件を所有し運営する際に発生するさまざまなコストが含まれます。

実質利回りを計算することで、物件における実際の収益性をより正確に評価することが可能になります。表面利回りよりも実質利回りの方が低くなるのが一般的で、実際の収益を反映しているためです。

想定利回り

想定利回りは、満室を前提に不動産投資において将来得られると予想される収益の割合を示す重要な指標です。ただし想定利回りは、不動産投資の将来的な収益性を把握するために有用なツールですが、あくまでも満室時を想定した予測に過ぎません。したがって、想定利回りを評価する際には、市場動向、経済環境、地政学的要因など、多岐にわたる要素を考えることが重要です。

現行利回り

現行利回りは、空室になっている部屋の家賃は含まず、現時点で不動産投資物件が生み出している収益の割合を示す指標です。物件が実際にどの程度の収益を現在得ているかを把握するために用いられます。

不動産投資の利回りの計算式

不動産投資において、利回りは投資の効率性を評価するうえで重要な要素です。ここでは、不動産投資で用いられる主要な利回りの計算式と具体的な計算例を解説します。これらの計算式を理解することで、不動産投資の収益性を正確に把握することができるでしょう。

表面利回りの計算式

表面利回りは、不動産から得られる年間の賃貸収入を物件購入価格で割ったものです。この利回りは、投資の初期段階で物件を評価する際に役立ちます。計算式は以下の通りです。

表面利回り(%)=年間賃貸収入÷物件購入価格×100

 

例えば、物件購入価格が1億円で、年間賃貸収入が500万円の場合、表面利回りは以下のように計算できます。

表面利回り(%)=500万円÷1億円×100=5%

実質利回り計算式

実質利回りは、物件運営に関わる費用を差し引いた後の利回りです。これには、修繕費、管理費、税金、ローンの利息などが含まれます。実質利回りの計算式は以下の通りです。

実質利回り(%)=年間賃貸収入−年間運営費用÷物件購入価格×100

 

年間運営費用」とは、管理費、修繕積立金、税金、保険料など、物件の維持・運営に必要な全ての費用を指します。

例えば、3,000万円で購入した物件から年間180万円の賃貸収入があるとします。年間の運営費用が50万円だった場合、実質利回りは次のように計算できます。

実質利回り(%)=(180万円−50万円)÷3,000万円×100=約4.3%

これらの計算式を活用することで、不動産投資の収益性をより正確に把握し、賢い投資判断が可能になります。

想定利回りの計算式

想定利回りは、不動産投資の将来的な収益性を把握するために重要な指標です。想定利回りの計算式は、一般に次のように表されます。

想定利回り(%)=(満室時に予想される年間賃貸収入/物件の購入価格)×100

 

想定利回りの具体例を挙げるために、以下の仮定に基づいたシナリオを考えてみましょう。

(前提条件)
物件購入価格:2,000万円
満室時に予想される年間賃貸収入:120万円(月額賃料10万円 × 12カ月)
その他の年間運営費用(管理費、修繕費など):20万円

この前提条件において、想定利回りを計算するにはまず、予想される純賃貸収入を算出します。なお、純賃貸収入は、予想される年間賃貸収入から年間運営費用を差し引いた金額です。

純賃貸収入=予想される年間賃貸収入−年間運営費用=120万円−20万円=100万円

次に、この純賃貸収入を物件の購入価格で割り、想定利回りを計算します。

想定利回り(%)=(純賃貸収入÷物件の購入価格)×100=(100万円÷2,000万円)×100=5%

この例では、満室になった場合の年間賃貸収入と運営費用を考えたうえで、想定利回りが5%と計算されます。これは、満室時に投資者がこの物件から年間で得られると予想される純収益が、物件購入価格の5%に相当することを意味します。

現行利回りの計算式

現行利回りは、空室の部屋の家賃を含まない現時点で得られる家賃収入を、物件購入価格で割って計算します。

現行利回りの計算式は次のようになります:

現行利回り(%)=(現在の年間賃貸収入/物件の現在価値(または購入価格))×100

 

例えば、物件価格2,500万円の物件から、年間で130万円の賃貸収入が現時点で得られている場合、現行利回りは以下のように計算されます:

現行利回り=(130万円/2,500万円)×100=5.2%

現行利回りは、物件が現在どの程度効率的に収益を生み出しているかを示すため、投資のパフォーマンス評価において非常に重要です。

不動産投資の利回りの相場

不動産投資の利回りは物件の種類や地域、投資方法などで異なります。

東京都内の利回り相場はおよそ3.9~4.2%で、利回りの平均は4.0%です。都心の需要が高くなりやすいため、物件価格が高く、利回りが低くなりやすい傾向です。

一方、地方都市の利回り相場はおよそ4.5~5.5%で、利回りの平均は4.6%です。地方都市の不動産は価格が低いことが多いため、利回りも高くなりやすくなっています。

理想の利回りは個人の投資目的や条件によって異なります。自分が希望する条件に合った物件を選定し、利回りを重視しながら不動産投資を行いましょう。

不動産投資でやってはいけないこと

不動産投資は大きなリターンをもたらす可能性がありますが、一方でリスクも伴います。ここでは、不動産投資を行う際に避けるべき主なポイントを説明します。

十分なリサーチを行っていない

不動産投資で失敗する大きな原因の一つは、十分な市場調査や物件調査を行わずに物件を購入してしまうことです。物件を購入するときは、立地や物件の状態、地域の賃貸市場の状況など、多くの要素を考えておく必要があります。詳細なリサーチを怠ると、退去者の増加や、入居者が見つからないなど、不動産投資の収益性が低下するリスクが高まるでしょう。

過大な負債を抱えている

不動産投資では一般的に不動産投資用のローンを利用しますが、家賃収入がローンの返済額を上回ってさえいれば良いわけではありません。修繕費や固定資産税、空室が生じて家賃収入が一時的になくなったときのリスクなどもふまえた資金計画を立てないと、過大な負債を抱えてしまうリスクがあります。

第一印象だけで決定をする

不動産投資においては、「おしゃれだからすぐに入居者が集まりそう」「回りの景観が良いから問題ない」など、見栄えの良さといった安易な決定を避け、客観的かつ合理的な判断を心がけることが必要です。市場のトレンドや将来性をデータに基づいて判断し、個人的な好みや感情に流されないようにしましょう。

維持管理を軽視する

物件の適切な維持管理は、長期的な収益性と資産価値を保つために不可欠です。修繕を怠ると、物件の価値が下がり、空室率が上がる可能性があります。毎月の収入のなかから、維持管理や物件価値向上のための費用を積み立てておきましょう。

法規制や税制を無視する

不動産投資には多くの法規制や税制が関わります。これらの法規制や税制を理解し、遵守しないと、法的な問題で物件の運用が困難になったり、追加の費用が発生したりする可能性があります。

日々、不動産投資の法律や税制に関連する情報のアンテナを高くしておくことで、こうしたリスクを軽減し、成功の可能性を高めることができるでしょう。

不動産投資を成功させるために正しい知識を身につけよう

この記事では、不動産投資の利回りの種類や相場、リスクに関する情報を解説しました。

不動産投資の利回りは、物件購入をするときの大きな判断材料になります。不動産投資の利回りはさまざまな考え方があるため、各利回りが何を表すものなのか、正確に理解する必要があります。

また、不動産投資は、物件を購入するために不動産投資ローンを利用するのが一般的です。不動産投資の収支は、家賃収入と返済額だけで見るのではなく、修繕費などの費用だけでなく、資産価値向上のための費用も用意しておくことが大切です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。