賃貸管理の業務内容とは?不動産会社に委託するメリットや費用相場も解説

賃貸管理は、賃貸物件の効率的な運営と維持に必要な業務です。主な業務には、入居者の募集、家賃の管理、契約の締結、物件のメンテナンスなどがあります。管理形態には自主管理と委託管理の2つがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。適切な管理方法を選び、効果的な管理を行いましょう。

賃貸管理とは

賃貸管理とは、賃貸物件の運営や維持を効果的に行うための一連の業務を指します。賃貸物件の所有者(大家さん)が直接行うこともあれば、専門の賃貸管理会社に委託して行うこともあります。このプロセスには、入居者の募集から契約管理、物件のメンテナンス、家賃の回収、トラブル対応など、多岐にわたる業務が含まれます。

賃貸の管理形態の種類

賃貸物件の管理形態は大きく分けて「自主管理」と「委託管理」の2つに分類されます。

自主管理

自主管理とは、賃貸物件の所有者が直接、賃貸管理業務を行う形態を指します。賃貸経営を始めたばかりのオーナー様や、少数の物件を所有している方にとって、自主管理は管理コストを抑える方法として選ばれることが多いです。

自主管理のメリット

  • コスト削減: 管理費用を抑えることができるため、利益率を高めることが可能です。
  • 物件の細かな管理: 物件に対する深い理解を持つことで、より質の高い管理が可能になります。

自主管理のデメリット

  • 時間と労力の負担: 入居者対応やメンテナンスなど、多くの時間と労力が必要になります。
  • 専門知識の必要性: 法令遵守や契約書の作成など、専門知識が求められます。
  • 対応のリスク: クレームやトラブルの対応に誤りがあると、法的なリスクに直面する可能性があります。

委託管理

委託管理は、賃貸物件の管理業務を専門の管理会社に委託する形態です。多くの物件を所有しているオーナー様や、賃貸管理にかかる時間や労力を削減したいオーナー様に選ばれています。委託管理を利用することで、賃貸経営に関わる複雑な業務から解放され、経営の効率化を図ることができます。

委託管理のメリット

  • プロフェッショナルな管理: 専門知識を持つスタッフによる質の高い管理が行われます。
  • オーナー様の時間と労力の節約: 管理業務にかかる時間や労力を大幅に削減できます。
  • 入居率の向上: 効果的なマーケティングと適切な物件管理により、入居率の向上が期待できます。

委託管理のデメリット

  • コスト: 管理会社に支払う管理費用が発生します。
  • コミュニケーション: 管理会社を通じての対応が必要になるため、直接対応より時間がかかる場合があります。
  • 選定の重要性: 不適切な管理会社を選定すると、期待したサービスが得られない可能性があります。

賃貸管理の業務内容

賃貸管理は、物件オーナー様と入居者の双方にとって多くの業務が含まれます。主な業務内容を解説します。

入居者募集と選定

まず始めに、賃貸物件に適した入居者を募集します。これには、物件の広告掲載、内覧の対応、入居希望者のスクリーニングなどが含まれます。入居者の質を保証するために、信用調査や過去の賃貸履歴の確認が重要です。
入居者募集の際には、以下の手順が一般的に行われます。

  1. 物件の広告掲載: インターネットや不動産ポータルサイト、地域の情報誌などに物件の広告を掲載します。物件の魅力や設備、立地条件などを明確に示し、興味を引きます。
  2. 内見の受付と実施: 興味を持った個人や家族に対し、内見の日時を設定して受け付けます。内見では、物件の魅力や設備、周辺環境などを案内し、入居者の関心を喚起します。
  3. 入居者審査: 内見を終えた候補者に対して、収入状況や賃貸経験などを審査します。収入証明書や身元保証人の情報提供、前の賃貸契約の履歴確認などが含まれます。
  4. 契約締結: 審査を通過した入居者と賃貸契約を締結します。契約書には賃料や敷金・礼金の支払い条件、退去時の注意事項などが含まれます。
  5. 入居後のフォローアップ: 入居者が快適に暮らせるように、入居後も定期的な連絡を取り、トラブルがあれば迅速に対応します。また、定期的なメンテナンスや修繕を行い、物件の状態を維持します。

契約管理

賃貸契約の作成、更新、解約の手続きを行います。契約内容には、家賃、敷金、共益費、契約期間、入居者の義務などが含まれ、これらは法律に基づいて適切に管理される必要があります。契約管理の主な内容は次の通りです。

  1. 契約書作成
    入居者との間で締結される賃貸契約書を作成します。契約書には、賃料の金額や支払い方法、敷金や礼金の額、退去時の注意事項など、契約の条件が明記されます。
  2. 更新・解約手続き
    契約期間が終了する前に、入居者との契約の更新または解約手続きを行います。更新の場合には、新たな契約条件の調整や更新手続きを行います。解約の場合には、退去の手続きや敷金の返還手続きなどが含まれます。
  3. 特約事項の取り決め
    特定の条件や合意事項が契約書に含まれる場合、これらの特約事項を適切に取り決めます。例えば、ペットの飼育可否や修繕費用の負担割合などが挙げられます。
  4. 法的規制の遵守
    賃貸契約には法的な規制や条項が存在します。契約管理の際には、これらの法的規制を遵守し、契約の妥当性や有効性を確保します。
  5. 通知の送付と記録管理
    契約更新や解約、その他の重要な事項に関する通知を入居者に送付します。また、これらの通知の記録を適切に管理し、必要な場合に参照できるようにします。
  6. トラブル対応
    契約上のトラブルや紛争が生じた場合には、適切な対応を行います。法的な助言や調停などが必要な場合には、専門家の支援を求めることもあります。

家賃の管理

家賃の収受は賃貸管理の中心的な業務の一つです。これには、適正な家賃の設定、家賃の収受、滞納時の対応などが含まれます。適正な家賃設定は、市場状況や物件の状態に基づいて行われます。家賃管理の主な内容は次の通りです。

  1. 家賃の請求
    定められた支払いサイクル(通常は月次)に従って、入居者に対して家賃の請求書を送付します。請求書には、支払い期日、金額、支払い方法などの詳細が含まれます。
  2. 家賃の収集
    入居者から家賃を受け取ります。支払い方法には、銀行振込、口座引き落とし、現金支払いなどがあります。収集された家賃は適切な口座に預けられます。
  3. 滞納の管理
    家賃の滞納が発生した場合には、入居者と連絡を取り、支払いの催促や支払い計画の提案を行います。滞納が継続する場合には、法的手続きを開始することもあります。
  4. 家賃の適正管理
    家賃の金額は、物件の価値や市場の需要と供給に応じて適切に設定される必要があります。家賃が適正であるかどうかを定期的に見直し、必要に応じて調整を行います。
  5. 家賃の領収書発行
    入居者が家賃を支払った際には、家賃の領収書を発行します。領収書には支払った金額や支払い日、物件の情報などが記載されます。
  6. 家賃の収支管理
    家賃の収支状況を適切に管理し、収入と支出のバランスを保ちます。これには、物件の修繕費や管理費用、税金なども含まれます。
  7. 家賃の増額管理
    物件価値の上昇や生活費の変動に応じて、家賃を定期的に見直し、必要に応じて増額を行います。ただし、法律や契約条件に基づいて行われる必要があります。

物件のメンテナンスと修繕

物件の価値を維持するために、定期的なメンテナンスや必要に応じた修繕が不可欠です。これには、設備の点検、清掃、故障時の修理などが含まれます。物件のメンテナンスと修繕の主な内容は次の通りです。

物件のメンテナンス

  1. 定期的な清掃: 室内および外部の共用部の定期的な清掃を行います。これには、床の掃除、窓の清掃、廊下やエントランスの掃除などが含まれます。
  2. 設備機器の点検: 家電製品や設備機器(エアコン、給湯器、換気扇など)の点検を定期的に行い、正常に動作しているかどうかを確認します。
  3. 配管および排水の点検: 配管や排水の詰まりや漏れを防ぐために、定期的な点検および清掃を行います。
  4. 外壁や屋根の点検: 外壁や屋根の劣化や傷みをチェックし、必要に応じて修繕や補修を行います。
  5. 共用施設のメンテナンス:共有施設(エレベーターやエントランスホールなど)の定期的なメンテナンスを行い、安全性と機能性を確保します。

物件の修繕

  1. 緊急修繕: 緊急を要する修繕が必要な場合には、迅速に対応して安全性を確保します。例えば、水漏れやガス漏れ、突然の電気の故障などが挙げられます。
  2. 予防的修繕: 予防的な修繕は、損傷が進行する前に行われます。これには、塗装の補修、窓ガラスの交換、床の補修などが含まれます。
  3. 計画的修繕: 定期的な点検や保守計画に基づいて、建物や施設の長期的な保全を計画します。これには、屋根の補修、外壁の改修、エレベーターの更新などが含まれます。
  4. 入居者からの修繕要求への対応: 入居者からの修繕要求に迅速かつ適切に対応し、問題が解決されるようにします。

入居者対応とトラブル対処

入居者からの問い合わせや要望への対応、トラブル時の迅速な対処が求められます。これには、日常的なコミュニケーションや緊急時の対応が含まれます。トラブル対応のポイントについて解説します。

  1. 入居者間のトラブル: 冷静に状況を把握し、公平かつ中立的な立場で問題を解決します。必要に応じて仲介や調停を行い、双方が納得できる解決策を見つけます。
  2. 設備トラブル: 賃貸物件の設備や設備が故障した場合には、迅速に対応し、入居者の安全と快適さを確保します。必要に応じて専門業者を呼び出して修理を行います。
  3. トラブル記録の管理: トラブル発生時には、詳細な記録を残します。過去のトラブル履歴を参照し、同様の問題が再発しないように予防策を講じます。
  4. 専門家の活用: 問題が複雑な場合には、専門家の意見や助言を求めます。法的アドバイスや建物の専門家の意見を仰ぎ、解決策を模索します。
  5. コミュニケーションの重視: 入居者との適切なコミュニケーションを確保し、トラブルが解決されるまで密接に連絡を取り合います。適切な情報提供と共に、入居者の安心感を確保し、信頼関係を築きます。

賃貸管理に委託会社を利用するメリット

賃貸物件の管理に委託会社を利用することには、以下のようなメリットがあります。

専門知識と経験の活用

委託会社は、専門的な知識と豊富な経験を持つプロフェッショナルです。賃貸市場や法律の変更に常に対応し、最新の情報を提供します。入居者の選定や契約の作成、トラブルの対応など、さまざまな面で効果的なサポートを提供します。

時間と労力の節約

賃貸物件の管理には多くの時間と労力が必要ですが、委託会社を利用することで、オーナーはこれらの負担から解放されます。委託会社が業務を代行することで、オーナーは他の重要な業務や趣味に時間を割くことができます。

入居者との円滑な関係

委託会社は入居者との間に立ってコミュニケーションを行います。賃貸物件の管理やトラブル対応に関するストレスをオーナーから取り除き、入居者との円滑な関係を維持します。また、委託会社が中立的な立場を取ることで、入居者との間に生じるトラブルや紛争を適切に解決する役割も果たします。

プロフェッショナルなマーケティング

委託会社は、賃貸物件を効果的にマーケティングするためのノウハウとリソースを持っています。適切な広告手法やターゲット市場の特定を行い、物件の空室期間を最小限に抑えます。これにより、オーナーは収益を最大化し、長期的な安定したキャッシュフローを確保できます。

経費の削減

委託会社を利用することで、オーナーは賃貸物件の管理に関連する経費を削減することができます。委託会社は、効率的な業務運営やネゴシエーションにより、コストを最小限に抑えます。また、プロの知識と経験により、適切な決定を行い、無駄な出費を減らします。

賃貸管理に委託会社を利用するデメリット

賃貸物件の管理を委託会社に任せることには、以下のようなデメリットも考えられます。

費用の増加

委託会社を利用する場合、そのサービスに対する手数料や管理料がかかります。これにより、オーナーの収益が減少する可能性があります。また、一部の委託会社では、修繕やメンテナンスの際に追加の手数料を請求することもあるため、費用の増加に注意が必要です。

情報の欠如

委託会社を介して物件を管理する場合、オーナーは物件の状況や入居者との関係について十分な情報を得ることが難しくなる場合があります。委託会社と入居者とのコミュニケーションがスムーズでない場合、トラブルの早期対応が困難になる可能性があります。

サービスの質の低下

一部の委託会社は、サービスの質が低い場合があります。入居者とのコミュニケーション不足や修繕の遅延など、管理に関する問題が発生する可能性があります。オーナーは、委託会社の信頼性や評判を十分に調査し、適切な選択を行う必要があります。

権限の喪失

委託会社に物件を管理してもらうことで、オーナーは一部の管理権限を喪失する可能性があります。重要な決定やトラブルの解決において、委託会社の判断に完全に依存することになります。このため、オーナーは委託会社との契約条件をよく理解し、自分の意思を反映させることが重要です。

信頼性の問題

一部の委託会社は、不正行為や不正確な報告など、信頼性の問題を抱えることがあります。オーナーは委託会社の信頼性を確認するために、事前に評判や口コミを調査する必要があります。また、定期的な監査や報告の受け取りを通じて、委託会社の信頼性を確保することが重要です。

委託する会社選びのポイント

賃貸管理を委託する会社を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

専門性と経験

委託する会社が賃貸管理に特化しているかどうかを確認します。専門性の高い会社は、市場のトレンドや法律の変更に迅速に対応できる傾向があります。また、長年の経験を持つ会社は、さまざまな状況に対応するためのノウハウを蓄積しています。

信頼性と評判

信頼できる委託会社を選ぶために、他のオーナーや入居者からの評判を調査します。口コミやオンラインのレビューをチェックし、会社の信頼性やサービスの質を確認します。信頼性の高い会社は、トラブルの解決や入居者との円滑なコミュニケーションに優れています。

サービス内容と料金体系

委託会社の提供するサービス内容や料金体系を比較検討します。適切なサービス内容と料金体系を持つ会社を選ぶことで、オーナーは必要なサポートを受けながら、経費を最小限に抑えることができます。また、隠れた手数料や追加料金がないかを確認し、透明性のある料金体系を提供する会社を選ぶことも重要です。

対応力とコミュニケーション

委託会社の対応力やコミュニケーション能力も重要な要素です。オーナーとの円滑なコミュニケーションができるかどうかを確認し、問題が発生した際に迅速かつ適切な対応ができるかどうかも重視します。また、入居者とのコミュニケーション能力も重要です。入居者との円滑な関係を築き、トラブルが生じた際には適切な対応ができる会社を選ぶことが重要です。

保険やライセンスの有無

賃貸管理を行う会社は、適切な保険やライセンスを持っているかどうかを確認します。保険やライセンスの有無は、会社の信頼性や法的な責任を示す重要な要素です。適切な保険やライセンスを持つ会社を選ぶことで、オーナーは安心して委託管理を行うことができます。

賃貸管理料金の費用相場

賃貸物件の管理を委託する際にかかる「委託管理料」は、家賃収入の5%前後が一般的とされています。この料金は、オーナー様が管理会社に支払うものであり、賃貸物件の適切な管理を行うために必要です。

管理費と委託管理料の違い

管理費(または共益費)は、入居者が家賃とは別にオーナー様へ支払う費用です。主にマンションやアパートの共用部分(エレベーター、電気設備、給水ポンプなど)の維持管理費用として使われます。共用部分の維持管理は、入居者全員で負担をするという考えのもと毎月徴収されます。

委託管理料は、オーナー様が賃貸物件の管理業務を管理会社へ委託する際に支払う費用です。この料金は、入居者から預かった管理費で、実際に管理業務を委託するために支払われます。

委託管理料の具体的な計算例

例えば、家賃収入が8万円の部屋を8室所有している場合、委託管理料は以下のように計算されます:

家賃収入8万円 × 5% = 4,000円(+消費税)

4,000円(+消費税) × 8室 = 32,000円(+消費税)

委託する業務の内容によって異なりますが、基本的には空室の場合でも毎月管理手数料が発生するため、注意が必要です。

適切な管理方法を選び、効果的に行いましょう

賃貸管理は、賃貸物件の価値を維持し収益をあげるためにとても重要です。自主管理と委託管理の選択は、オーナー様の状況や管理にかけられる時間、専門知識、予算などに基づいて慎重に行いましょう。委託管理を選択する場合、そのメリットを最大限に活用するとともに、デメリットを適切に管理することが重要です。

また、委託会社を選ぶ際には、その実績、提供サービスの範囲、コミュニケーションの質、料金の透明性などを総合的に検討して選びましょう。

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