SBI・Vシリーズを徹底比較!メリットや注意点も解説

これから投資を始めようと考えている人は、SBI・Vシリーズについて知りたいのではないでしょうか。SBI・Vシリーズは、世界最大級の運用会社であるバンガード社のETF(上場投資信託)を投資対象としており、低いコストで安定したリターンが狙えるファンドです。

本記事では、SBI・Vシリーズのファンドを9種類比較します。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説しているため、ファンドを選ぶ際の参考にしてください。

SBI・Vシリーズとは?

SBI・Vシリーズとは、世界最大級の運用会社であるバンガード社のETF(上場投資信託)を投資対象としている、インデックスファンドのシリーズ名称です。

SBI・Vシリーズは運用に必要な手数料(信託報酬)を業界最低水準に設定しており、積み立てや長期投資に最適なインデックスファンドを多数取りそろえています。目的に応じて選べる9種類のファンドが用意されているため、魅力に感じた商品へ投資すると良いでしょう。

SBI・Vシリーズの比較

ここからはSBI・Vシリーズの内容を解説していきます。購入するファンドを選ぶ際は、投資対象や連動指数、主な組入銘柄などを比較して決めると良いでしょう。

SBI・Vシリーズの比較表は以下のとおりです。

ファンド名連動指数投資対象
(ETF)
信託報酬率
(税込)
SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド
S&P500VOO0.0938%程度
SBI・V・全米株式
インデックス・ファンド
CRSP USトータル・マーケット・インデックスVTI0.0938%程度
SBI・V・米国高配当株式
インデックス・ファンド
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスVYM0.1238%程度
SBI・V・全世界株式
インデックス・ファンド
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスVT0.1338%程度
SBI・V・米国増配株式
インデックス・ファンド
S&P 米国ディビデンド・グロワーズ・インデックスVIG0.1238%程度
SBI・V・先進国株式(除く米国)
インデックス・ファンド
FTSE 先進国オールキャップ(除く米国)インデックスVEA0.1138%程度
SBI・V・世界小型株式(除く米国)
インデックス・ファンド
FTSE グローバル・スモールキャップ (除く米国)インデックスVSS0.1338%程度
SBI・V・米国小型株式
インデックス・ファンド
CRSP・US・スモールキャップ・インデックスVB0.1138%程度
SBI・V・新興国株式
インデックス・ファンド
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスVWO0.1438%程度

※信託報酬率(税込)は、2023年5月25日時点

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、「バンガード・S&P500」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、米国の主要業種を代表する大型株式(506銘柄)に分散投資が行えます。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・S&P500
投資対象(ETF)バンガード・S&P500(VOO)
投資銘柄数506銘柄
連動指数S&P500
設定日2019/09/26
決算日年1回(9月14日)
信託報酬(税込)/年0.0938%程度
基準価額19,123円
純資産総額9,134.17億円
NISA
つみたてNISA
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189311199

※2023年5月31日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1アップル情報技術7.55%
2マイクロソフト情報技術7.00%
3アルファベットコミュニケーション・サービス3.93%
4アマゾン・ドット・コム一般消費財・サービス3.08%
5エヌビディア情報技術2.67%
6メタ・プラットフォームズコミュニケーション・サービス1.69%
7バークシャー・ハサウェイ金融1.66%
8テスラ一般消費財・サービス1.57%
9ユナイテッドヘルス・グループヘルスケア1.30%
10エクソンモービルエネルギー1.21%

※2023年5月31日時点

構成上位銘柄には、アップルやマイクロソフトなどの米国経済をけん引する企業の株式が組み入れられています。米国の大型株に投資したい場合は、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドに投資すると良いでしょう。

SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは、「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、米国株式市場のほぼ全銘柄(3,907銘柄)へ分散投資が行えます。

SBI・V・全米株式インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・全米株式
投資対象(ETF)バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
投資銘柄数3,907銘柄
連動指数CRSP USトータル・マーケット・インデックス
設定日2021/06/29
決算日年1回(7月11日)
信託報酬(税込)/年0.0938%程度
基準価額12,063円
純資産総額1,527.16億円
NISA
つみたてNISA
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=289311216&int_fd=fund:psearch:search_result

※2023年5月31時点

また、主な組入銘柄は以下の通りです。

組入上位10銘柄業種比率
1アップル情報技術6.58%
2マイクロソフト情報技術6.04%
3アルファベットコミュニケーション・サービス3.35%
4アマゾン・ドット・コム一般消費財・サービス2.59%
5エヌビディア情報技術2.18%
6メタ・プラットフォームズコミュニケーション・サービス1.46%
7バークシャー・ハサウェイ金融1.43%
8テスラ一般消費財・サービス1.35%
9ユナイテッドヘルス・グループヘルスケア1.12%
10エクソンモービルエネルギー1.03%

※2023年5月31日時点

構成上位銘柄には、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドと同様の銘柄が組み入れられています。しかし同ファンドよりも組入比率が低めに設定されており、米国株式市場の中型株や小型株も投資対象とされています。

SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド

SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドは、「バンガード・米国高配当株式ETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、高い配当利回りが期待できる米国株式(465銘柄)へ分散投資が行えます。

SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・米国高配当株式
投資対象(ETF)バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
投資銘柄数465銘柄
連動指数FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス
設定日2021/06/29
決算日年1回(7月11日)
信託報酬(税込)/年0.1238%程度
基準価額12,923円
純資産総額222.19億円
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189312216

※2023年5月31日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1エクソンモービルエネルギー3.28%
2ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ヘルスケア3.18%
3JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー金融3.09%
4プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)生活必需品2.62%
5ブロードコム情報技術2.49%
6シェブロンエネルギー2.27%
7ホーム・デポ一般消費財・サービス2.25%
8メルクヘルスケア2.18%
9ペプシコ生活必需品1.96%
10アッヴィヘルスケア1.90%

※2023年5月31日時点

構成上位銘柄には、ヘルスケアや生活必需品といった業種の高配当銘柄が組み入れられています。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などの銘柄は、景気後退局面でも価格変動が起きにくいことから、ディフェンシブ銘柄ともいわれています。

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、先進国や新興国株式市場を含む47カ国の9,549銘柄へ分散投資が行えます。

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・全世界株式
投資対象(ETF)バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
投資銘柄数9,549銘柄
連動指数FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
設定日
決算日年1回(1月27日)
信託報酬(税込)/年0.1338%程度
基準価額11,213円
純資産総額235.21億円
NISA
つみたてNISA
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189311221

※2023年5月31日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1アップル情報技術3.97%
2マイクロソフト情報技術3.66%
3アルファベットコミュニケーション・サービス2.06%
4アマゾン・ドット・コム一般消費財・サービス1.60%
5エヌビディア情報技術1.33%
6メタ・プラットフォームズコミュニケーション・サービス0.88%
7バークシャー・ハサウェイ金融0.87%
8テスラ一般消費財・サービス0.79%
9ユナイテッドヘルス・グループヘルスケア0.68%
10台湾積体電路製造 [TSMC/台湾セミコンダクター]情報技術0.66%

※2023年5月31日時点

構成上位銘柄には、アップルやマイクロソフトといった米国を代表する企業のほか、台湾を代表する半導体メーカーの台湾積体電路製造も組み入れられています。組入上位国の多くは米国(58.68%)が占めていますが、日本(6.32%)や英国(3.74%)の銘柄も投資対象とされています。

SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド

SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンドは、「バンガード・米国増配株式ETF」を投資対象としています。同ファンドへ投資することにより、米国株式市場で継続的に配当を増額してきた成長株式(315銘柄)に分散投資が行えます。

SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・米国増配株式
投資対象(ETF)バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
投資銘柄数315銘柄
連動指数S&P 米国ディビデンド・グロワーズ・インデックス
設定日2023/06/08
決算日年1回(6月10日)
信託報酬(税込)/年0.1238%程度
基準価額10,664円
純資産総額31.17億円
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189311236#maintab

※投資対象銘柄数は2023年3月31日時点
※基準価額と純資産総額は2023年6月30日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1マイクロソフト情報技術4.5%
2アップル情報技術4.2%
3エクソンモービルエネルギー3.3%
4ユナイテッドヘルス・グループヘルスケア3.2%
5ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ヘルスケア2.9%
6JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー金融2.8%
7プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)生活必需品2.6%
8ビザ情報技術2.5%
9マスターカード情報技術2.2%
10ホーム・デポ一般消費財・サービス2.2%

※2023年3月31日時点
※バンガード社のファクトシートをもとに、筆者作成

構成上位銘柄にはマイクロソフトやアップルなど、10年間にわたって配当を増加してきた米国企業の銘柄が組み入れられています。

これらの銘柄は今後も成長が期待できるため、老後資金の準備などを目的としている場合は、SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンドに投資すると良いでしょう。

SBI・V・先進国株式(除く米国)インデックス・ファンド

SBI・V・先進国株式(除く米国)インデックス・ファンドは、「バンガード・FTSE 先進国市場(除く米国)ETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、米国を除く先進国の株式市場(4,061銘柄)へ分散投資が行えます。

SBI・V・先進国株式(除く米国)インデックス・ファンドの基本情報は以下の通りです。

愛称SBI・V・先進国株式(除く米国)
投資対象(ETF)バンガード・FTSE 先進国市場(除く米国)ETF(VEA)
投資銘柄数4,061銘柄
連動指数FTSE 先進国オールキャップ(除く米国)インデックス
設定日2023/06/08
決算日年1回(6月10日)
信託報酬(税込)/年0.1138%程度
基準価額10,389円
純資産総額4.91億円
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189312236

※投資対象銘柄数は2023年3月31日時点
※基準価額と純資産総額は2023年6月30日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1ネスレ生活必需品1.6%
2ASMLホールディングス情報技術1.3%
3サムスン電子情報技術1.3%
4ノボ・ノルディスクヘルスケア1.2%
5LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン一般消費財・サービス1.1%
6ロシュ・ホールディングヘルスケア1.0%
7アストラゼネカヘルスケア1.0%
8シェルエネルギー0.9%
9ノバルティスヘルスケア0.9%
10トヨタ自動車一般消費財・サービス0.8%

※2023年3月31日時点
※バンガード社のファクトシート(VEA)を基に、筆者作成

構成上位銘柄には、スイスのネスレやオランダのASMLホールディングスなどが組み入れられています。また日本(20.4%)や英国(13.1%)、カナダ(9.6%)などの銘柄も投資対象とされています。

SBI・V・世界小型株式(除く米国)インデックス・ファンド

SBI・V・世界小型株式(除く米国)インデックス・ファンドは、「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、米国を除く全世界の小型株式市場(4,274銘柄)へ分散投資が行えます。

SBI・V・世界小型株式(除く米国)インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・世界小型株式(除く米国)
投資対象(ETF)バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)
投資銘柄数4,274銘柄
連動指数FTSE グローバル・スモールキャップ (除く米国)インデックス
設定日2023/06/08
決算日年1回(6月10日)
信託報酬(税込)/年0.1338%程度
基準価額10,323円
純資産総額0.66億円
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189313236

※投資対象銘柄数は2023年3月31日時点
※基準価額と純資産総額は2023年6月30日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1WSPグローバル資本財・サービス0.6%
2ファースト・クァンタム・ミネラルズ素材0.5%
3カメコ素材0.4%
4イメラ公益事業0.4%
5オープンテキスト情報技術0.4%
6リッチーブラザーズオークショニアーズ資本財・サービス0.4%
7TFIインターナショナル資本財・サービス0.4%
8CCLインダストリーズ素材0.3%
9ARCリソーシズエネルギー0.3%
10エコプロ素材0.3%

※2023年3月31日時点
※バンガード社のファクトシート(VSS)を基に、筆者作成

構成上位銘柄には、カナダを代表する企業の銘柄が多く組み入れられています。小型株は価格変動の影響を受けにくいほか、大きな値上がりが期待できる銘柄が多いといわれています。

SBI・V・米国小型株式インデックス・ファンド

SBI・V・米国小型株式インデックス・ファンドは、「バンガード・スモールキャップETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、米国の小型株式市場(1,458銘柄)へ分散投資が行えます。

SBI・V・米国小型株式インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・米国小型株式
投資対象(ETF)バンガード・スモールキャップETF(VB)
投資銘柄数1,458銘柄
連動指数CRSP・US・スモールキャップ・インデックス
設定日2023/06/08
決算日年1回(6月10日)
信託報酬(税込)/年0.1138%程度
基準価額10,575円
純資産総額1.37億円
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189314236

※投資対象銘柄数は2023年3月31日時点
※基準価額と純資産総額は2023年6月30日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1アイデックス資本財・サービス0.4%
2フェア・アイザック情報技術0.4%
3タルガ・リソーシズエネルギー0.4%
4リバティ・メディア−リバティ・フォーミュラ・ワンコミュニケーション・サービス0.4%
5アトモス・エナジー公益事業0.4%
6リライアンス・スチール・アンド・アルミナム素材0.3%
7アクソン・エンタープライズ資本財・サービス0.3%
8ブンゲ生活必需品0.3%
9PTC情報技術0.3%
10ラティスセミコンダクター情報技術0.3%

※2023年3月31日時点
※バンガード社のファクトシート(VB)を基に、筆者作成

構成上位銘柄には、クレジットスコアを提供しているフェア・アイザックや、エネルギー事業を手掛けるタルガ・リソーシズなど、米国の中型・小型株が1,400銘柄以上組み入れられています。

SBI・V・新興国株式インデックス・ファンド

SBI・V・新興国株式インデックス・ファンドは、「バンガード・FTSE・エマージングマーケッツETF」を投資対象としています。同ファンドに投資することで、中国を含む新興国株式市場(5,700銘柄)へ分散投資が行えます。

SBI・V・新興国株式インデックス・ファンドの基本情報は以下のとおりです。

愛称SBI・V・新興国株式
投資対象(ETF)バンガード・FTSE・エマージング マーケッツ ETF(VWO)
投資銘柄数5,700銘柄
連動指数FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス
設定日2023/06/08
決算日年1回(6月10日)
信託報酬(税込)/年0.1438%程度
基準価額10,357円
純資産総額2.37億円
NISA
つみたてNISA×
iDeCo×
公式サイトhttps://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=189315236

※投資対象銘柄数は2023年5月31日時点
※基準価額と純資産総額は2023年6月30日時点

また、主な組入銘柄は以下のとおりです。

組入上位10銘柄業種比率
1台湾積体電路製造[TSMC/台湾セミコンダクター]情報技術6.0%
2騰訊控股[テンセント・ホールディングス]コミュニケーション・サービス4.1%
3アリババグループ・ホールディング一般消費財・サービス2.6%
4リライアンス・インダストリーズエネルギー1.3%
5美団[メイトゥアン]コミュニケーション・サービス1.2%
6インフォシス情報技術0.9%
7ヴァーレ素材0.9%
8中国建設銀行[チャイナ・コンストラクション・バンク]金融0.9%
9ハウジング・デベロップメント・ファイナンス金融0.8%
10JDドットコム一般消費財・サービス0.7%

※2023年5月31日時点
※バンガード社のファクトシート(VWO)を基に、筆者作成

構成上位銘柄には、台湾の「TSMC/台湾セミコンダクター」や、中国のテンセント・ホールディングスなどが組み入れられています。新興国の多くは広大な土地を保有しているほか、人口の大幅な増加が期待できることから、高いリターンを狙える銘柄が多いといわれています。

SBI・Vシリーズのメリットや強み

SBI・Vシリーズのメリットや強みは以下の通りです。

  • 低コストで分散投資が始められる
  • 少額でバンガード社のETFに投資できる
  • つみたてNISA制度が活用できる

低コストで分散投資が始められる

SBI・Vシリーズのファンドは、運用に必要な手数料(信託報酬率)が業界最低水準に設定されています。他のインデックスファンドでは信託報酬率が0.37%程度に設定されていますが、SBI・Vシリーズでは信託報酬率が0.09%と4分の1程度に設定されています。

インデックスファンドに投資する場合は、長期間の保有が前提となるため、運用にかかるコストはできるだけ低いものを選ぶと良いでしょう。

少額でバンガード社のETFに投資できる

バンガード社のETFを購入するためには、通常5,000〜30,000円程度の資金が必要となります。米国ETF(上場投資信託)は、1株から買い注文を行う必要があるからです。

しかしSBI・Vシリーズを通じてバンガード社のETFへ投資する場合は、最低100円から積立投資が始められます。長期的な資産運用を検討している人は、SBI・Vシリーズで投資を始めると良いでしょう。

NISAやつみたてNISA制度が活用できる

SBI・Vシリーズでは全てのファンドが「NISA制度」の対象であるほか、一部のファンド(VOO、VT、VTI)では、「つみたてNISA制度」が活用できます。

NISA制度とは「少額投資非課税制度」の略で、年間120万円までの投資額により生じた利益が、最長5年間非課税になる制度のことです。また、つみたてNISA制度では、年間40万円までの投資額により生じた利益が、最長20年間非課税になります。

これらの制度は、個人の資産形成を奨励する目的で2014年に導入された制度です。将来のために投資を始めたいと考えている人は、NISAまたはつみたてNISA制度を活用するようにしましょう。

なお2024年以降はNISAの見直しが行われ、新しいNISA制度が導入されます。新しいNISA制度では年間投資枠が360万円に拡大され、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)が併用可能となります。

SBI・Vシリーズのデメリットや注意点

SBI・Vシリーズを購入する際は、以下のようなデメリットも注意しましょう。

  • 直接ETFを購入した方が手数料をおさえられる
  • 年4回の分配金が受け取れなくなる

直接ETFを購入した方が手数料をおさえられる

SBI・Vシリーズは、他のインデックスファンドよりも信託報酬率が低めに設定されています。しかしバンガード社のETFは経費率(信託報酬率のようなもの)が平均0.07%と、さらに低めに設定されています。

少額での積立投資を検討している場合は、SBI・Vシリーズのファンドを購入。まとまった資金での投資を検討している場合は、直接バンガード社のETFを購入すると良いでしょう。なおETFを直接購入する場合は、NISA制度(年間120万円までの購入が上限)が活用できます。

年4回の分配金が受け取れなくなる

バンガード社のETFを直接購入する場合は、原則として年に4回分配金が受け取れます。しかしSBI・Vシリーズでは、どのファンドでも分配金が支払われておらず、今後も分配される様子はありません。

支払われない分配金はファンド内で再投資が行われているため、損をしているわけではありません。しかし定期的に分配金を受け取りたいと考えている人は、直接バンガード社のETFを購入した方が良いでしょう。

投資デビューならSBI・Vシリーズが最適

本記事では、9種類のSBI・Vシリーズについて解説してきました。SBI・Vシリーズは低いコストで投資が始められるため、長期投資を始めたい人におすすめできます。それぞれのファンドで投資対象としているETFが異なるため、投資している国や銘柄数をもとに、目的に合ったファンドを選ぶと良いでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。