- 更新日 : 2024年1月12日
住宅ローンの金利相場はどれくらい?今後はどうなる?
マイホームの購入にあたり住宅ローンの利用を検討する際、どの金利タイプを選ぶかについて気にする方も多いのではないでしょうか。本記事では住宅ローンの金利相場や金利タイプ、また今後の住宅ローン金利の推移について解説します。
住宅ローン金利の相場
ここでは、直近の住宅ローン金利相場を下表にまとめてみました。
住宅ローン金利幅【2023年12月】
金利タイプ | 最低金利 | 最高金利 |
---|---|---|
変動金利 | 0.169% | 4.949% |
固定金利期間選択型(1年) | 0.9% | 2.94% |
固定金利期間選択型(2年) | 0.258% | 3.47% |
固定金利期間選択型(3年) | 0.318% | 3.89% |
固定金利期間選択型(5年) | 0.510% | 4.55% |
固定金利期間選択型(10年) | 0.65% | 4.9% |
20年固定 | 0.995% | 6.03% |
30年固定 | 1.4% | 5.845% |
上表から、金利タイプが同じでも金利の差は金融機関によって大きく異なることがわかります。また、一般的に変動金利は固定金利より金利が低いと思っている方も多いかもしれませんが、金融機関によっては一概にそうともいえないことがわかるでしょう。金利の違いは月々の返済額にも影響を及ぼすため、住宅ローンを借り入れる際は複数の金融機関を比較したうえで慎重に検討することが大切です。
金利タイプの3つの違いとは
住宅ローンの金利タイプは、以下の3つに大別されます。
- 変動金利型
- 固定金利期間選択型
- 全期間固定金利型
ここではそれぞれのタイプについて、紹介します。
変動金利型
変動金利型の住宅ローンでは、借入期間中、金利が半年ごとに見直されるため、市場金利の変動により返済額が変わる可能性があります。金利の見直しは半年ごとですが、返済額の見直しは原則として5年ごとに行われます。このため、金利が上昇すると、次の返済額見直し時に返済負担が大きくなる可能性があります。変動金利を選択する際は、金利の上昇リスクとその影響を十分に理解し、長期的な返済計画を慎重に立てることが重要です。
その特徴から、金利が下がっている局面では金利低下による恩恵をいち早く受けられる一方、金利が上昇した場合には負担が増加してしまう点がデメリットといえるでしょう。見直される返済額は見直し前の125%を超えないというルールが設けられているものの、金利の上昇によって利息負担が増えてしまうと、借入元金が計画通りに減らず、返済プランに狂いが生じてしまう恐れがあります。
固定金利期間選択型
固定金利期間選択型の住宅ローンでは、借り入れから選択した期間(例えば1年、3年、5年など)の金利が固定されます。この期間内では市場の金利変動の影響を受けずに済みますが、固定期間終了後は、その時の市場金利に基づいて新たな金利タイプ(変動金利または再び固定金利期間選択型)を選ぶ必要があります。この際、もし市場金利が上昇していれば、それ以降の返済額が予想よりも増加するリスクがあります。したがって、固定金利期間選択型を選ぶ際は、固定期間後の金利変動リスクと将来の返済計画についても慎重に検討することが必要です。
全期間固定金利型
全期間固定金利型の住宅ローンはその名の通り、ローンを借り入れたときから返済が終わるまでの間、金利が固定されているのが特徴です。ただし、全期間固定金利型の中には6年目以降や11年目以降など、一定の期間が経過した後に金利が変更になる「段階金利型」の商品も存在します。金利が固定されるため、金利変動リスクを回避できますが、金利変動型や固定金利期間選択型に比べると金利が高めに設定されているケースが多く見られます。
店頭金利と適用金利について
住宅ローンの広告で「店頭金利より▲年1.5%」「適用金利は○%」などといった表記を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
店頭金利は金融機関が公表する基本的な住宅ローン金利で、これは住宅ローンのスタート地点となる金利です。一方で、適用金利は個々の借り入れ人に実際に適用される金利で、この金利は店頭金利から特定の条件に応じた優遇金利を差し引いた金利です。適用金利は借り入れ人の信用状況や借入額、返済期間などの個別条件に応じて変動し、実際の借入コストを反映します。そのため、金融機関の店頭金利はあくまで基準値であり、具体的な住宅ローンの条件に基づいて個別に適用金利を確認することが重要です。
住宅ローン金利の今後はどうなる?
民間金融機関の住宅ローン金利推移は下表の通りです。
出典:フラット35|住宅金融支援機構『民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)』
表でもわかるように、変動金利の金利が最も低くなっています。2000年代後半以降の推移を見ても変動金利が固定金利を上回ったことがないことはありません。もちろん、金融機関によって金利の設定に差はあるものの、金利を安く抑えたい場合は変動金利からまず検討するとよいでしょう。とはいえ、将来的に変動金利が上昇する恐れもあるため、借り入れする前にきちんと検討することが大切です。
住宅ローン借入時は諸費用や手数料も確認しよう
今回の記事では住宅ローンの金利相場をはじめ、金利タイプや店頭金利と適用金利の違いについて解説しました。金利は総返済額に影響を及ぼすことから、住宅ローンを選ぶ際、特に注意しなければなりません。直近の金利相場を把握したうえで金利タイプや金融機関を選びましょう。
また、住宅ローンを借り入れる際は融資手数料やローン保証料といった諸費用をはじめ、繰り上げ返済を行う際に所定の手数料がかかる場合があります。これらは金融機関によって手数料が異なるので、前もって調べておくことをおすすめします。諸費用については、各金融機関の公式サイトに用意されているシミュレーターで確認できるので、事前にシミュレーションを活用してみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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